- 翌朝 -
- ウォーターセブン裏町 -
「おい聞いたか、夕べの造船島の事件!!」
「フランキーよ!!こんな事するのは!!!あんな奴野放しにしておくから…!!!」
「いや、造船所を出入りする海賊達の仕業だって線も強いんだ」
- 造船所1番ドック入り口 -
「何かコメントを!!」
「犯人は何者なんですか!!?」
「最新の情報をお願いします!」
「第一発見者は誰ですか!!?質問させて下さい!!!」
「フランキーハウス壊滅と何かつながりが!!?」
- 裏町の宿屋-屋上 -
「ここにいたのか。せっかくイオリちゃんが宿とってくれたのに部屋に誰もいねェ - みんな揃って… 眠れてねェんだろ…ルフィは?」
「あそこ」
「………」
「………」
「サンジ、どこ行ってたんだ?」
「夜中中、岩場の岬を見張ってた……ロビンちゃんが、帰って来やしねェかと思ってよ。……どこ行ったんだろうな何も言わずに…。イオリちゃんが気配を探ってこの島にいることはわかったものの、誰と何をしてるんだか…」
「…」
「おれは今日は町中を探してみようと思う。もし何かあってもこの宿を落ち合い場所にしとこう」
「お…!!おれも行くぞ!!探しに!!そうか…よし」
「………」
「ルフィ!!」
「!」
「ナミさん……」
「大変なの、今町中この話で持ちきりで……!!ルフィ…!!」
「!?」
「昨日の夜、造船所のアイスバーグさんが…!!!」
「アイスのおっさんが……!?」
「ええ、撃たれて今、意識不明だって…!!」
「……」
「誰だいそりゃナミさん」
「昨日、造船所で私達がお世話になった人よ。造船会社の社長でウォーターセブンの市長」
「そりゃまたずいぶんと大物が…」
「この都市ではこの上ない大事件よ。イオリが情報を集めに行ってる。」
「 - あんなにみんなに慕われてるおっさんが…ちょっと行ってみる」
「待ってルフィ、私も行くから」
「おれ達はじゃあ、ロビンちゃんを探しに行くぞ。お前は?」
「……いや、おれはもう少し…。成り行きを見てる…」
「…?」
- 造船島ガレーラカンパニー本社兼アイスバーグ自宅 -
「アイスバーグさんの容態は!?」
「事件について何かわかった事を話してください。」
「死なないでアイスバーグさーん!!」
情報収集に来てみたものの、ここじゃあ何もわかんないわね…
ふむ…。昨日見つけた大きい気配が3つ…この建物の中に居る。
建物の一室に、3つの気配がある。そこに大きな気配の主が2つ…。小さいのがカリファで、もう一つがルッチかな?…って事はもう一つの気配がアイスバーグさんか…
さて…
私は伝電虫を取り出すと連絡をとるべく番号を回した。ほどなく相手が出る。
『はい、ガレーラカンパニー』
「もしもし」
『あっ!!ユナ様ですね、申し訳ございません。こちらから連絡するべきだったのですが』
「はい…本日の商談の件なのですが、今朝の新聞を見て無理だという事はわかっていたのです。
『め、迷惑だなんて、とんでもございません。今、どちらのホテルにいらっしゃいますか?お迎えに…』
「今、御社の入り口のすぐ近くまで来ているのですが、記者の方々が多くてどうしたものかと…」
『えぇっ!!?す…すぐお迎えにあがります。お待ち下さい!!!』
船大工の中にはうるさい連中がいるのは知っているので、清楚な格好を選んだ。会わないかもしれないけど…
カリファが迎えに来てくれて、会社の中へと招かれた。
途中、新聞記者達が騒いだり、シャッター音が聞こえたけど、ユナはもう顔バレしてるからどうでもいい。
※一応ユナには連絡して、ここに来る事は言ってある。近くだから、私が行こうか?とも言われたけれど、最近忙しそうなので大丈夫だと言って断った。
ってあれ?さっきまで居た筈なのに、ルッチとかカクの気配がしない…
ルフィ達のほうへ行ったのかしら?まぁ問題ないでしょ!!
「始めまして。F-RONPのユナと申します。御加減はいかがですか?」
「ンマー、はじめまして。寝たままで失礼。あなたのお噂はかねがね聞いてる。すまなかったな。商談のはずが見舞ってもらう事になるなんて…」
「お気になさらず…まずはお近づきになれただけで良いのです。商談はまた、次の機会に…。ところで、さきほど皆さんが出て行かれましたけど、何かあったんですか?」
「それが、今回の犯人が」
「カリファ!!」
「失礼いたしました」
「ごめんなさい余計な質問でした。私、言いたいこと黙ってられない
「ンマー、そうじゃないと会社のトップになんてなれないでしょう?」
「そうですね。でも周りからはうるさがられてますよ?」
「…おれも同じだと?」
「さあ?」
「フフ…お二人は気が合いそうですね。社長、ユナ様から頂いたお花を飾りますね。ユナ様、ごゆっくり」
カリファが出て行く。
「外で、こんなものが配られてました。」
私は特報の号外をアイスバーグさんに見せた。そこには4枚の手配書が印刷されている…
「ンマー、いつの間に!?」
「私は、麦わらの一味を存じているのです。彼らはピースメインの海賊なんですよ。あなたを襲うなんて考えられません。何かの間違いでは?」
「…昨日、あいつらの船はもう直せないと言った…。その腹いせだと言う者もいる。」
「あなたも、そう思うの?」
「…いや…」
「やっぱり、ニコ・ロビンかしら?」
「えっ!!?」
「最近、一味に加わったって聞いてるわ。彼女が加わったことで一味に変化があったのかも…。それに、あなたは昨晩彼女を見たんでしょ?襲撃犯の二人のウチ一人が彼女だったって!」
「!!?…誰に聞いた」
「情報ソースはわかりませんけど、これに書いてありました。あなたが見たと言うなら、そこに彼女はいたのでしょうね…」
「…」
「でも、相手が2人で…前から2発、後ろから3発……。あなたは彼女にも撃たれたの?」
「…いや…そこまではわからん…。2発…撃たれて、倒れた後に背中を撃たれたらしいからな…」
つまり、2発撃たれて気を失った…という事か…
「そうですか…。もう一つよろしいかしら?アイスバーグさん、あなたはCP9というのをご存知?」
「!!?」
アイスバーグさんが驚いた顔を見せる。
「おれが知ってるのは『CP1~CP8』だが?」
「私も会ったことはありませんけど、『CP9』というのはある特権を持っているとの事です。」
「特権?」
「あくまで”正義”の名のもとに…という事らしいですが、『殺し』を許可されているという”うわさ”です。」
「バカなッ!!正義と名のつく殺しが…」
「あなたは知ってるはずでしょう?『正義』というものがどういうものか、身をもって体験したはず!!」
「…詳しいようですね?そういえば、F-RONPは政府と太いパイプがあるとか…」
「世界各地に支社がありますからね。社員の安全確保の為に情報収集は欠かせません。」
「…なるほど…しかし、なんだってそんな話を?…!!まさか…」
「今回の件…彼らが絡んでるのだと、私は考えています。」
「…」
「複数人がここに潜り込んでいる可能性があります。ここ数年で、付近に飲み屋が出来たとか、店主が変わったとかいう話はございませんか?」
「…5年前に、ブルーノという男がバーを開いた。うちの社員のたまり場にもなっている。それがどうかしたのか?」
「では、そのバーが開いた頃に、ここに入社した方で、仕事がお出来になる方は?」
「ンマー、5年前は当たり年だったからな。ルッチ、カク、パウリ―が同期になる。ああ、カリファも一緒だな」
「…この島出身の方は?」
「パウリ―がそうだ。」
「では、そのパウリ―さんを除く4人の方が怪しいですね」
「!!?」
「戻ってこられるようです。この話はこの辺で…。ごめんなさいね。突拍子もない事ばかり言って…」
「それも性分なんですか?」
「ええ。黙ってられない性質なので…フフ…」
「「ハハハ…」」
ほどなくカリファが戻ってきた。
「楽しそうですね?」
「ンマー綺麗な花ね。ユナさん、ありがとう!」
「それでは、私はこれで失礼しますね。」
「 - 少し、お休み下さいアイスバーグさん…」
「ああ、そうさせてもらおうか…」
「ユナ様」
「では、お大事に…。商談は、全快した後に改めて…」
「……」
部屋を出たところでカリファに声をかけた。
「カリファさん。私、あたなにもお願いがあるのですけど?」
「はい、なんでしょうか?」
「採寸させてくださる?」
「!!?」
*--*--*--*--*
「ちょっと待っててね。夜までには出来ると思うから」
「そんな…私、そんな高価なものを頂くわけには…」
「綺麗な人は、もっと綺麗にならなきゃ!!私はその手助けをするのが楽しいんだから!遠慮しないで頂戴!」
カリファと夜に会う約束をして、私は会社を後にした。
「まだ、ルフィとナミは一番ドックか…」
という事は、まだ宿までは手が回ってないわね…
私はユナの姿のまま宿をとり、昨日の宿へと飛んで、荷物を小さくしてまとめて、収納貝へ入れた。そして、屋上で寝ているゾロの元へとやって来た。
あ、やべっ!!顔だけでも元に戻しておかないと…
「おめェ…最近、女モノの恰好が多いんじゃねぇか?」
キャリアウーマンスタイルで失礼します。着替えるの忘れてたわ…。ダメじゃん私!
ちなみにスカートはひざ下。パウリ―対策してました。
「お気に召しませんかね?」
「別に…そういうわけじゃねェけどよ…」
あんた、また顔が赤いわよ?実はこういうの好みだったりして?
「寝るんなら、宿で寝てたらいいんじゃない?」
「いや、どのみち今晩は宿に泊まるどころじゃねェだろ?もうしばらくここで寝てる」
「まぁ、いいけど…じゃ、私はルフィ達と合流するわよ?」
「くぅ…」
「…もう寝てるし…」
いいや!後で合流する際に迷子になられても厄介だ。持って行こう!
私はさっさと着替えると、ゾロを小さくしてポケットに入れた。
「いやあああああ~~ぎゃ!!!」
「おし、着いたぞ」
「………!!!着いたぞじゃないわよっ!!!死ぬかと思ったじゃない!!!」
「仕方がねェじゃねェか!バレたら大変だからエレベーター使えねェって言ったのお前だろ!!」
「だからって飛び降りることないでしょ!あの船大工じゃあるまいし!! ハァ…ハァ… …ま、いいわ降りられたから」
「いいならブツなよ!!!」
「気をつけたほうがいいわよルフィ。現在覇気はナミが一番使えるんだから!」
「「イオリ!!」」
「何処にいたのよ!!あんたがいれば、恐い思いしなくて済んだのに!!」
「フランキーって奴と会ったり、船大工に襲われたりで、すげぇ大変だったんだぞ!!」
「情報収集が手間取ったのよ。ほらこれ!」
と言って、号外をナミに渡す。
「え!?ちょっと何これっ!!」
「船大工に襲われたって事はこの話は知ってるんでしょ?今、町中で写真の3人を探してるわよ。」
私は似てない似顔絵だからだろう。探す対象にはなっていない。
「もしかして、宿もやばいんじゃない!?」
「そろそろ手が回るでしょうね。でも安心して!とりあえず荷物は小さくして持ってきたから!」
「よかった!!さすがイオリね!!」
「ただ、アクア・ナグナっていう高潮が来るらしいわよ?」
「高潮!!?…それで…こんなに空が荒れてるのね…」
「だから荷物は私が持ってようかと思うんだけど、いいかしら?不安なら宿に移すけど?」
「例の収納貝?」
「空島で追加でいくつか手に入れたのよ。あれなら安心でしょ?そうだ、ゾロも連れてきたんだった」
私はポーチから小さな箱を取り出した。中にゾロが寝ている。摘み上げて下に下ろして、元の大きさに戻す。
「う~ん、なんだルフィとナミじゃねェか!!」
「呆れた…あんたずっと寝てたの?」
そこに、チョッパーが合流した。
「チョッパー、お前よくここがわかったな」
「におい」
「ああ」
「おい、そうだサンジは?」
チョッパーがサンジと一緒にロビンに合ったらしい。そしてロビンに言われたことを私たちに伝えた。
「本当に言ったのか!!?ロビンがそんな事!!!」
「………」
無言のままチョッパーが頷く。
「………」
「………」
「全員……覚悟はあったハズだ……」
「「!?」」
ゾロの言葉に私以外の3人が驚く!
「かりにも…”敵”として現れたロビンを船に乗せた - それが急に恐くなって逃げ出したんじゃ締まらねェ」
「………」
「落とし前つける時が来たんじゃねェのか?…あの女は、”敵”か”仲間”か…」
「……」
「イオリ!おめェは何も言うな!!今回はおれ達の”覚悟”が試されてんだ!!」
「わかったわ。とりあえず私の意見は置いといて…。まずは、状況と事実を整理しましょうか!」