イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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05-169話:高波を越えて

 

「………お!?」

「ばーちゃんばーちゃん、高潮(アクアラグナ)だー!!!

「ニャー」

 

「そういえばココロさん!!運転室から離れていいの!?」

「んががが 言ったろ!『ロケットマン』は”暴走海列車”。あたしの仕事は列車を線路にのせるまで!!運転しようにもスロットルが効きゃしねェんら。したがって列車は常にフルスロットル!!!もう誰にも止められねェんら!!!

「ウソ!!?」

 いやいや…止められますってば!!ブレーキは効くし、燃料を込めるのやめれば文字通り止まります!!走ってる間は速度調整が出来ないってだけでしょう?

 

「ルフィ!!列車が大波にぶつかっちゃうわ!!ルフィ!!

 ナミが慌てているけれど、ルフィはみんなとお話し中…

 

「せっかく同じ方向むいてるもんがバラバラに戦っちゃ意味がねェ!いいか、おれ達は同士だ!!先に出た”海列車”にはおれ達の仲間も乗込んでる!!戦力はまだ上がる!!大波なんかにやられんな!全員目的を果たすんだ!!行くぞォ~~!!!!

「ウオオオーッ!!!」

 

「…さすが船長!締める時は締めるわね!」

 私が言おうと思ってた事、全部言われた気がするわ。

 

 ねぇちょっと?ルフィって、だんだんダメな感じになってくのかしら?

 前半の海でこれだけビシっと締めれるのに、後半の海ではなんだかグダグダになってたような?

 HCIでは連合組む際、なんか駄々捏ねてなかったっけ?

 まぁいいんだけど…

 

「んががが、さーおめェらこの波何とかしてみせなァ!!!」

 

「フランキー一家!!波にひるむな、大砲用意!!!

了解(ラジャー)

 

 そんな中、ナミの胸から音が鳴る

 

 <<プルルルル…>>

 

「鳴った、子電伝虫」

 

『ナミさんナミさん聞こえるか!?』

「うん!!サンジ君ね!?」

『こちらちょっとアホ二人のせいでマズイ事になってきた』

 

 

「デミ・キャノン!!!」

 

「…穴も開かねぇ…当然か…!!」

「うおおお!!」

 大砲の音が鳴り響く。けれど、波にスパン!!スパン!!と頼りない音で消えていくだけ…

 

「だめだだめだそんなんじゃあーっ!!!下がってろ!!フランキー一家特製大砲に任せとけー!!!目標、アクア・ラグナ!!撃てーっ!!!”スーパー解体砲”!!!

 特大の大砲が出てきたけど、結果は同じ…

 

「ひるむなァ!!!どんどん打ち込めーっ!!!」

 

「やめなさいよ!弾が無駄になるだけじゃない!!」

 私は大砲のすぐ近くまで行って、フランキー一家に言った。

 

「バカ野郎!!やめてどうにかなんのかよ!!」

「一点集中すりゃあなんとかなるかもしれねェだろ」

 それは無理でしょうよ!何度もやってみてわかんないかな?

 

「んがががががが!!頑張んなァ!!線路は多少浮上するがアクア・ラグナは超えられないよ!!直撃すりゃあこの『ロケットマン』もひとたまりもねえや!!!んががが」

 

「やってて無駄だってわかってるんでしょ?だったら弾は決戦の時に取っておきなさい!!」

「だからその決戦に行く為に今やってんじゃねェか!!他にどうしろってんだァ!!!」

 

「私たちにまかせろ!!って言ってんの!!!」

「「!!?」」

 

「うおおお~~~~っ!!ぶつかるぞォ!!!」

「やべェ!!!死ぬー!!死んじまうーっ!!」

 

「私たちって、おめェ…」

 

「んよっ」

「!?」

 

 ルフィとゾロが機関車の上に登ってきた。

 

「お前ら何する気だ!!!」

 

「んん」

「「大砲を撃つ!」」

 

「108を三つでいくつだ」

「324!」

「何だ?長ェぞそれ!」

「何でもいいよ」

 

「何やってんだあいつら」

 

「3人だから300でいいんじゃない?」

「じゃ、それで」

「ああ!」

 

「ゴムゴムの…」

「…空気圧縮…」

「”三百煩悩”…」

 

「ぶつかる~!!!」

 

「「「攻城砲(キャノン)”!!!!」」」

 

 斬撃と風圧、そして圧縮空気の塊がそろって波にぶつかった。

 

 ー ズズズ…ズズ…ズズズ…ボォ…ン!!! -

 

 波がヘコみ衝撃が突き抜けて穴が空いた。

 

「「「!!!?」」」

 

「……ぬ………!!!」

「抜けたァ~~~~~~!!!!」

 

「うウ!!!う!!うお~~~~!!!死ぬかと思ったァ~~~~~っ!!!」

「アクア・ラグナを抜けたぞ~~~~!!!!」

「やったーっ!!!」

 

「んがががが…コリャたいしたモンら…!!!伊達じゃねぇ様らね海賊共…!!!」

 

「おい、イオリ!!なんだおめェさっきの技!!カッコイイな!!」

「念動力で空気を圧縮して放ってみたのよ!初めてやったけど上手くいったわ。」

 恰好として『かめはめ波』みたいな感じでやってみた。ちょっと感動!!

 

「それにしちゃすげェ威力だな!おめェならではの技ってわけだ。」

「まーね!」

 

「麦わらー!!!」

「敵に回すと恐ろしいが…」

「味方となるとこれ以上頼もしい奴らはいねェな!!!」

「…女だからって…バカに出来ねぇな!!…さすがに死を覚悟したぜ…何て奴らだ…」

 

「気ィ抜くんじゃねェよお前ら!!!嵐はまだ抜けちゃいねェんら!!」

「ウオオオ~~~~~ッ!!!もー恐いもんねーぞー!!!」

 

 ルフィとゾロと私は車両内へと戻った。

 

「ぷはー!!面白かった」

「わ-!!麦わらー!!スゴイわいなあんた達!!」

「人間業じゃないわいな!!!」

 

「ルフィ!!こっち来て!!」

「ん?」

「サンジ君!!」

 

『おうルフィか!!』

「サンジーっ!!そっちどうだ!?ロビンは!?」

『ロビンちゃんは…まだ捕まったままだ。ナミさんから今、事情を聞いたとこさ。…全部聞いた…』

 

「そうか…いいぞ暴れても!!!

 

「ルフィ!!無茶いうな!!おれ達が追いつくまで待たせろ!!おいコック聞こえるか!!その列車にはヤべェ奴らが」

 

「いいってゾロ!!お前ならどうした

「!」

「止めたってムダだ」

 

『……わかってんなァ、おうマリモ君、おれを心配してくれんのかい?』

「するかバカ」

 

「サンジ!相手は六式使いよ!修練場での私の技よりキレがいいわ。それだけは頭に入れといて!」

『サンキュー!イオリちゃん!ヤベェ奴じゃわかんねェから助かったよ。』

「…」

 

『ロビンちゃんの気持ちを聞かされちゃあ…たとえ船長命令でもおれは止まる気はねェんで!!!

 

 バキバキッ ZZZ…ー

 

「切れたわね…」

 ってかなんで壊すかな?持ってればいいのに…

 

「大丈夫かしら」

 

「ば-さん列車もっとスピード出してくれ!!」

 

「もっと!!?安心しな…もうすでに船の限界速度を超えてるよ!!もう自力じゃ止まれねェ程にね!!んがががが」

 

 *--*--*--*--*

 

「よし!戦闘準備バッチリよ!!」

「……!!」

 

「何してんの」

「てめェら、何堂々とここで着替えてんだ!!!ハレンチ女どもが!!」

「「「ナイスハレンチ…」」」

 

「仕方ないじゃない1車両しかないんだもん」

「一応、私は後ろ向いて着替えたわよ?」

 

「腹を隠せ!!腹と足を!!!てめェらもだスクエア!!お前らが乱れた社会を作るんだ!!イオリさんを見習え!!!」

 

「えっ?なんでイオリが、”さん”付けに!!?」

 

「あ~…モロにパウリ―さん好みだもんなぁ…」

「う…うるせェー!!!」

「……」

 

「おまえがうるさいわいな、テレ屋」

「テレ屋」

「コノ…」

 

「この黒ズボン、どうせポケット付きならもっとでっけェ方がよかった。弁当が入らん」

「こら!肉を詰めるな!!」

「ほら!これに入れときなさい!」

 と言って、大きくした収納貝を1個ルフィに渡した。

 

「なんだよ!こんなでけえの、もっとポケットに入らねぇだろ!!」

「これに肉を入れて、閉めたらここを押す!」

 

「おっ!!小さくなった!!」

 

「この両端を押すともとに戻るわ。私の能力みたいな”(ダイアル)”よ!」

「へェ~、こんなもんがあったのか!ありがとなイオリ!!」

 あ~あ…。ついに、収納貝の事、ルフィに教えちゃった…

 これで食糧庫も鍵付きにしないとダメね。

 

「!ナミお前、武器変えたのか?」

「ううん、これは空島から帰った後、ウソップが『貝』を使ってより強く改良してくれたの。完成版(パーフェクト)天候棒(クリマ・タクト)”よ!!!」

 

「そうかウソップの…」

 

「「そう、遺作…」」

「しんみりさすな!!!」

 

「どうせ、追い着いたら会えるんだからいいでしょ、別に…!!」

 そもそも死んでないからね?

 

「「えっ!?」」

「奴らと一緒の海列車に、ウソップの気配もあったのよ!たぶんフランキーと一緒に捕まったんだと思うわよ?なんで一緒に居たのかは知らないけど…」

 

「ウソップが海列車に乗ってるのか?」

 チョッパーが聞いてきた。

 

「乗ってるわよ!まぁ、すんなり私たちの前に姿を現すとは考えにくいけどね?」

「どういう意味だよ?そりゃぁ!」

 ゾロがツッコんできた。

 

「だってほら…ああ見えてウソップもプライド高いじゃん?ものすご~くバツが悪いと思わない?」

「あ~…まぁわからねェでもねェな…どうするつもりか見ものだな!!」

 ゾロがニヤニヤしながら言っている。

 

「まだか!?バッシング・トム!!!」

「”パッフィング”!!ちょっとルフィ!中入ってなさいよ!!せっかく着替えたのにびしょ濡れじゃない!!」

「いいんだ!!ここが好きだおれは!!」

 

 

「ゴムゴムの~っ!!」

「…空気圧縮…」

「300ボンドーっ!!」

「キャノ-ン!! ドーン!!」

「ギャーもうダメラグナー」

 

「遊んでんじゃねェよてめェら!!!」

 

「「ヒマ!」」

「武器でも磨いてろバカ共」

 

「おーい!!おいおめェら!!前に列車が見えた!!!」

「え!!?」

「パッフィング・トムだな!!?」

 

「早すぎねェかい?」

 

「…少なくとも、奴ら4人の気配は感じないわ!」

 私は気配を探ってみんなに言った。

 

「どういうこと?」

「たぶん、サンジが相手の戦力を削ぐ為に、車両を切り離したってとこじゃない?」

 

 

「オイありゃあ海列車だが…機関部がねェ!!イオリさんの言ったとおりただの車両だ!!止まってる!!!」

 あれ…私って、このイベントでは”さん”付け、確定っすか?

 

「サンジとウソップが乗ってるかも知れねェぞ!!」

「フランキーのアニキもだわいな!!」

 

「おい、イオリ!!あの車両にバカコック共はいねェだろうな!?」

 

「さっきも言ったけど、これはサンジがやったんだと思うから、居るわけないわ。一応気配は探ってみたけど居ないわね!フランキーっていうのはルフィが1番ドックで闘りあったって奴でしょう?そいつの気配も感じない!あれに乗ってるのは、海軍だけよ!!」

 

「マズいぞ、このまま進めばぶつかっちまう!!!バーさんブレーキは!!?」

「きくわけねーらろ!何とかしなァ!んががが!!」

 

「ぶつかるー」

「ニャーニャー」

 

「どうする!?アレ、どかさねェとこっちもタダじゃ済まねぇぞ!!!」

「よし、じゃあおれ達がぶつかる寸前で解体してやる!!」

「よォし!!おれ達ものった!!!」

 お前らバカじゃん?そんなの絶対ムリじゃんよ!!

 

「ゾロ!斬れ!じゃま!!」

「ああ!」

 

「『ああ!』て…」

 フランキー一家とガレーラが一緒にコケた…。

 ゾロは気にせず機関車の先端へと向かう。

 

「 ー 荒廃の世の自我…斬り裂けり、二刀流”居合”…」

「…」

 

「”羅生門”!!!」

「!!!?」

 線路にあった車両が、真っ二つに斬れて左右に舞った。

 

「「「え~~~~~~っ!!?」」」

 

「別に…驚く程のことじゃないと思うけど?」

 斬撃を飛ばす事が出来れば訳はない。これくらいの事なら、今の状態の私でもできるわよ!!それに、巨大な波に穴を穿つより、よっぽど簡単だと思うけど?

 

「あのなお前ら!!そういう事やるんなら前もって一言くらい…」

「聞こえたろ『斬れ』って」

「斬れると思わねェしよ!!」

 

「あんな怪物でも、一味の頭じゃねェのか…」

 

「…おい、お前ら!!」

「「!?」」

「…まだだ…!!まだ、終わってねェ!!!」

 

 ゾロが手ぬぐいをかぶった。それはつまり、気合を入れるべき相手がこの先に居るって事だ!!

 

 確かにね…。この先の線路上に先へと向かう大きな気配を感じれる。けれどそいつの発する気配は進行方向に強く向けられている。

 こちらに気配が向いているなら、殺気みたいな感じで気づく事もあるだろうけど…

 

 ゾロあんた…!

 もしかして見聞色を発現している? いつの間に!!?

 

 

 

 

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