「え? ウゲ!!みんな前見てみろ!!!」
「か……海王類が真っ二つ!!この列車の5倍はあるぞ!!」
― この線路の先にいる…さっきの大型海王類を斬った奴が… !!! ―
ゾロがシリアスになっているので、邪魔しちゃ悪い気がする。
なので、斬られた海王類の間を通り過ぎてからルフィに言った。
「ねぇ、ルフィ!あれって美味そうじゃない?回収しておこうかしら」
「「!!?」」
私が言うと、なぜかみんなに驚かれた。
「出来んのか?…よし!やれ!!」
「了解!」
私は窓から飛び出すと、剃刀で斬られた海王類の所まで移動した。斬られている2つを、さらにいくつかにぶった切り、小さくして箱に入れた。その箱をさらに小さくしてから収納貝に入れ、再び剃刀で機関車へと戻る。
戻ってきたら、飛んだの小さくしたのとみんなが騒いでいるけれど、私に聞いて来ないのでスルーさせてもらう。
ちなみにルフィはご満悦である。
「誰かいるぞ!!」
「あァ!!!ありゃ”船斬り”だァ!!!」
「え!!?ふねきり!?」
「あいつは『海軍本部』の大佐”船斬りTポーン”!!!海賊船をステーキみてェに斬りオロしちまう男だ!!一体何であんな所に!!?おい野郎共!!!砲撃準備!!!」
「うおお―!!!」
「待て!!!」
「!?」
「何すか!!急がねェとこの海列車スパッといかれちまいまっスよ!!?」
「お前、さっき何見てたんだよ!ゾロに任せろ。邪魔すんな!!」
「!?」
「一度だけ言うぞ!!!道をあけろ!!!」
「……!!」
「…気配の大きさは…おや?」
原作を読んだ限りだと、互角くらいかと思ってたんだけどな?
比べてみると、ゾロのほうがけっこうデカい気がする…
あ~なる!そうよね!!ゾロも随分と強くなってるんだものね!!
ルッチが強くなってたもんだから、原作通りだと勘違いしてたわ。
つまり、他のキャラは原作通りって事かしら?ならば、ゾロに負ける要素はないはずだ!!
けど何故か、ゾロは気合を入れまくってる?
相手の気合も凄いのかしら?
「ここは正義の起因へと続く道なり!!私は『海軍本部』大佐!!!生き恥などさらさぬ!!!貴様らなど真っ二つにして止めてくれる!!!」
「そうもいかねェ…おれ達の目指す場所はお前のいるその先にあるからな!!!」
「来い!!!」
「曲がった太刀筋大嫌い!!直角飛鳥…”ボーン!…」
「三刀流…”牛鬼”」
「”大鳥”!!!!」
ゾロが斬撃を捌いた。そして…
「”勇爪”!!!!」
海列車から飛び出したゾロの斬撃が、Tポーン大佐の鎧を貫き、弾き飛ばした!!
でも…ゾロあんた!アブねぇって…!!
私は咄嗟に念動力で、飛び出したゾロをその速度のまま横にズラした。そして列車が追いついた辺りで、ゾロが列車に掴まれるように速度を調整した。
一瞬、ゾロが驚いた顔を見せたけど、すぐに私の仕業だと気づいたのだろう。落ち着いて、なんなく列車に掴まった。
「うおー!!!”船斬り”に勝った~~っ!!!」
「ハァ…あの切り離された車両から…嵐の中”海列車”を追いかけるとは天晴だ…。だがおれ達ァ止まれねェんだ。てめェの正義もさぞ重かろうが、こっちも色々背負ってんだよ!!!」
「お疲れ様!!余計な事だった?」
「いや、助かった。奴の気迫がスゲェもんでよ。戻る事まで考える余裕がなかった。ありがとよ。」
「どういたしまして!」
「 ― つまりあれは、サンジ君達の仕業よ。イオリの言った通りだと思うわ!」
「じゃ、もうすぐか!!」
「よーし!!!行けー”ロケットマン”!!!」
「敵は近いぞ―!!!」
「ハトの奴をぶっ飛ばすぞーっ!!!」
「ウオオオ~っ!!!」
あ、ヨコヅナ発見…こんなトコまで来てたんだ。なにげにすごいわね…
~ ~ ~ ~ ~
「かえる―っ!!!」
ルフィが叫ぶ
「何で!!?ここまで来て!!」
「何で帰るんだ!!?麦わらァ!!!」
いやいや皆さん、何言ってんの?イントネーションが違うじゃんよ?
「違~~~う!!線路の上に!!!あのカエルが飛び出して来た―!!!」
「ゲロゲロ~~~!!!」
「ヨコヅナ!!!」
「あいつが!?」
「何じゃあの巨大ガエルは~~~~っ!!」
「危ねー!!そこどけ―カエル~~~!!!ぶつかる―っ!!!」
「ゲロオオオ!!!」
ー ドガアァン!! ー
「張り手っ!!!」
ビックリした!!まさかの張り手っすかっ!!?
「うわぁ~~~!!!脱線したぁ~~~~!!」
そのままヨコヅナは機関車に飛び乗ってきた。
「うううわああああああ、カエルお前ェ~~~っ!!!」
「ゲロッ!!!」
「ゲロじゃねェよ!!食うぞコノヤロー!!!」
「ゲ!!」
「せっかくもうすぐサンジ達に追いつくトコだったのに!!!」
「おい、一体どうなったんだよこの『海列車』は!!!」
「線路からずいぶん外れたんじゃねェかい!?」
「ココロばーさん、エニエス・ロビーへは辿りつけるんだろうな!!?」
「うるっへーな!今頑張ってんらが…どうにも妙な海流から抜け出せねーんら」
「ココロさん島の方角わかるの!?」
「あァ、一応駅のある島の”永久指針”は標準装備してあるからね!!」
「じゃ平気!!私が海を見るから操縦お願い!!」
「ん?おめェ……」
「私、”航海士”!!」
「そうかい!そりゃ頼もしいね!!んががが!!!その前に…ヨコヅナァ~~~!!!おめェちょっとコッチへ来なァ!!!」
「ゲロ!!? ゲロゲロゲロロ!!」
「なァにが無事でよかったら!別にアタシはさらわれたんじゃねぇよ!!早とちりめ!!」
「ゲロ!!?」
「ニャー」
「え!?ばーちゃんヨコヅナと喋ってる!!」
「どうした」
「さっきのカエルとばーさんが会話してる」
「じゃあ、ばーさんはカエルだったのか?」
「確かに人間よりカエルぎみだな」
「アンタら後でぶっ飛ばされるわいな」
「わいな」
「おめー8年前にトムさんを連れて行かれたあの事件から来る日も来る日も”海列車”に戦い挑んで……強くなりたかったんらろ……?」
「ゲロッ!!」
「もう二度と大好きな人が自分の前からいなくならねェ様に……!!大好きな人を守れる様に」
「ゲロォ!!!」
「……」
「だったら!!その修業の成果を見せる時は今ら!!!おめェの大好きなフランキーが今…トムさんと同じ様に連れてかれちまったんら!!今この船もあいつの下へ向かってる。一緒に来るかい!!?」
「ゲロォ―ッ!!!」
「麦わらぁ!仲間一人追加ら!!」
「わかった!! へ―!!ばーさん本当はカエルなのか?やっぱ怪獣なのか?」
「んががが!どっちでもいいわね、んな事ァ」
「ココロさん!!8時の方角にいい潮流見つけた!!」
「よーし一気に行くよっ!!」
「おい!!ねーちゃんねーちゃん、島に到着する前にキングブルとウチの一家を拾ってくれ!!絶対役に立つからよ!!」
「 ― だ、そうらよ」
「わかった!」
「さァ、だいぶロスしちまった!取り戻すよ!!」
「ゲロォ―ッ!!!」
「ウオ~~~~~~~~っ!!!」
「このままの方角で線路に戻れれば、あいつら一家とは合流できると思うわよ?サンジ達も合流したみたいだし。」
「えっ!?サンジ君が!?もしかしてロビンも?」
「ロビンの気配は感じないわ。たぶん救出は失敗したんじゃないかしら?」
*--*--*--*--*
「イオリ、なにそれ?」
私が図を描いていると、ナミが聞いて来た。
「ん?ああ…エニエス・ロビーの見取り図よ!」
「え!?どうしたのよそれ!!」
「アイスバーグさん宅で、CP9達の頭の中を覗いた時にね!」
「なるほど…W7の地図と同じ要領ってわけね。でも、どうしてそんなの書いてるの?」
「作戦を立てるには常に先回りして準備して置かないとね!!無駄になっちゃうかも知れないけど、それならそれでかまわないし…」
「見つけたぞ!!!デカヤガラ~~~っ!!!お~~~い」
「!!」
「おい!!アレ見ろ!!」
「ルフィ!!!」
「あっ!!!サンジ~~~!!!と…!!誰だアレ!?」
「誰ってあんた…」
ウソップを鼻で認識してるんじゃなかったっけ?まーいいけど…
「麦わらさんだ~~!!!」
「乗り込む気満々みたい!世界政府の”玄関”へ!!」
「エニエス・ロビーも視界に捉えた!!!全員、決戦の準備を!!!!」
~ サンジ達と合流しました。 ~
「狙撃の島の『そげキング』!!?」
「そうだ!私はウソップ君の親友で、この度キミ達の手助けを
「ヒ…ヒーローだ!!マントしてるからそうじゃねェかと思ったんだおれは!!すげェ!おれ、ヒーロー初めて見た!!!」
「そうか!!マントしてるからヒーローなのか…!!!かっこいいな―!!!」
「そうだぞ!マントヒヒもヒーローなんだ。」
「ホントか!!?」
ちげーよ!そんな事実はありません!!
「よよ…よろしく」
「うむ」
「サインください」
「…」
あまりにもツッコミどころがあり過ぎて、逆にツッコめませんよねェ…
『まさか、こんな登場の仕方をするなんて…』
『ウソップじゃねェか…』
『ウソップ、無事でよかった』
『フランキーハウスに乗り込んできた長っ鼻だ…』
『アニキと一緒に捕まった長っ鼻だわいな』
『シフトステーションで会った兄ちゃんだ』
みんな小さな声で呟いているので、ルフィとチョッパーには聞こえないみたい。
だけど、全員あれがウソップだと認識してる。
まぁ、ルフィは髪型とか色を変えたただけで私の事が誰だかわからなくなるんだから仕方がないよね?
チョッパーまでもが同じレベルだとは思わなかったけど…
「じゃあ…ウソップはどこ行ったんだ?」
「彼は無事。全く心配ご無用だ。とにかく今はロビン君救出に全力を注げと彼は言い去った」
「うん…!!確かにそうだ。」
「そ!!そ!!狙撃の島ってどこにあるんだ!?」
「……それは、君達の…心の中さ…」
「心…」
ウソップがサインを書いてチョッパーに渡す。なんか変な歌を唄ってますけど…
「どこだ」
3人の会話にナミがツッコミを入れるが、誰も聞いちゃいません。
「 ― ナミさん、イオリちゃん…」
「ん?」
「何?サンジ君」
「それとついでにナミさんとイオリちゃん以外のアホ共。ロビンちゃん救出の前に一つ聞いといてくれ」
サンジがロビン救出の際にCP9から聞いた事をみんなに話した。
「 ― そういうわけで…ロビンちゃんはその”CP9”に何やら過去の”根っこ”を掴まれちまってる。別に奪い返せなかった言い訳してェんじゃねェが、これから敵地へ乗り込んだからと、ロビンちゃんがおれ達に身を委ねてくれるかはわからねェ」
「んなもん関係あるか―っ!!!うっがぁーっ!!絶対許さんぞ―!!!」
「うおー!!!」
「ロビンめ―っ!!!」
「何でよ!!!」
スパーンとルフィの後頭部を叩くナミ。でもルフィも負けていない。
「そうじゃねェか、何でおれ達が助けに来るのイヤがるんだ!!!」
「助けられた後のこの一味を心配して苦しんでんのよロビンは!!」
「それはちょっと、違うわね…」
「えっ!?何がよ!!」
「ロビンは恐れてるのよ。私たちがいずれロビンの存在を重く感じる事をね…!!青キジの言葉…覚えてるでしょ?」
《 お前達にもその内わかる。厄介な女を抱え込んだと後悔する日もそう遠くはねェさ 》
「ちょっとイオリ!!青キジの言葉が正しいって言うの!!?」
「そうは言って無いけど…ロビンには重くのしかかっているとは思うわよ。考えてみなさいよ!!自分が心を許した仲間が、自分を仲間にした事を後悔するだなんて…誰だって嫌でしょう?そんな辛い思いをするくらいなら死んでしまいたい…!!ロビンはそう思ってるんじゃないかしら?そもそも彼女が仲間になった時、ルフィに言ってたじゃない!彼女はアラバスタで死ぬつもりだったんだからね!」
「!!」
「要するに…おれ達の覚悟が試されてるって訳か…」
「…そうね…。その覚悟を見せない限り、ロビンを救出する事は不可能よ。どうするルフィ?」
「そんな事まで知らんっ!!!放っといたらロビンは殺されるんだろうが!!!死にてぇわけねェんだから助けるんだ!!!」
「…あんたねェ…今の話、理解する気ないでしょ?」
「本気で死にてェなんて奴が居るもんか!!」
「それは勿論そうだけど…!!!」
「イオリ、もうやめとけ!どのみち、やるべき事は変わらねェよ。助かるだけだ!!」
「なんもかんもブッ飛ばしてやる!!!試してェ技もあんだ」
「「……」」
「お前らちょっとコレ見ろ。前に一度線路の整備でここへ来た事があって…おれがうろ覚えで書いたんだが…!!?」
「はい、どうぞ!エニエス・ロビーの見取り図よ!!」
私がさっき書いておいた図を、パウリ―に差し出した。
「イオリさん!!これって!!?」
「使って頂戴。これで説明してもらえると助かるわ。」
「は…はいっ!!おいお前ら、この図のほうが分かりやすい!!これがエニエス・ロビーだ。”正義の門”てのは島の裏手にあって『司法の塔』からのみ行ける様だ。」
「何だこの黒い滝みてェなのは?海に滝があんのか?」
「そうだ、ここには滝があるんだ。まあ門をくぐればわかる。とにかく『正門』から『正義の門』までの、この直線でニコ・ロビンとフランキーを取り返せなきゃおれ達の負けだ!!とはいえ、全員で島へなだれ込んでも『CP9』に出くわして実際勝つ事ができるのはお前らだけだ。一緒に列車に乗ってきてその強さがよくわかった。だからお前らは海でこのまま5分待って『正門』からこのロケットマンで本島まで突っ込んで来い!!!」
「おれ達ァそれまでに先行して、列車が通れる様に『正門』と『本島前門』をこじ開ける!!!その後もおれ達がたとえ何人倒れようとも構わず前へ進んでほしいんだ!!」
「こっちはたかだか60数人。敵は2千3千じゃおさまらねェ筈!」
「エニエス・ロビーの兵力は、およそ1万…だったと思うわよ?」
「「1万!!?」」
余計なことを言ったかしら?人数だけで言えばかなりの数だけど…
「「なんだ、そんなもんか!たいした事ねェな…」」
ルフィとゾロが平然と感想を口にした。私たちはアラバスタを経験しているからね!!
「麦わらさん達はとにかく!!無駄な戦いを避けて『CP9』だけを追ってくれ!!!」
「ああ!!!わかった!!!」
「…」
「どうしたのイオリ?」
「…いや別に…、いい返事だなァ、と思ってね…」
「確かに…」
「さァおめェら島の正面らよ!!!エニエス・ロビーの後ろの空をよーくごらん!!!」
「でかいわね…」
「アレが”正義の門”ら……!!!」
「!!?うおああああ~~~~~~っ!!」
「でけ~~~~~~~~~!!!」
「全開になる事はまずねぇ。罪人が通過する時あの扉はほんの少しだけ開く。そして扉の向こうには”偉大なる航路”をはさむ『カームベルト』のような大型の海王類の巣が広がって普通の船じゃ入り込めねぇ。どうやるかはしらねェが…海軍はそこを安全に通過する手段を持っているんら…。― つまり、海賊娘の言った通り……連行された罪人を取り返してェなら、あの門を通過するまでが制限時間って事ら!!ぐずぐずしてるヒマはないよっ!!!」
ココロさ~ん!!そんな事、言ったらダメじゃんよ!!
ほらぁ…!!
どっかのゴムが飛び出して行っちゃったわよ!!あ~あ…素直っていうのは本当に厄介ね!!
私は一人、頭を抱えていた。
「そんじゃ、おれ達ァ作戦どおり先行する!!!援護は任せとけ!!」
「オイ、そこ二人はこっちじゃねェのか」
護衛側にシレっと紛れるナミとウソップに、ゾロがツッコみを入れる。
「あれ?ルフィは?」
「え?さっきまでここに…」
ルフィが居なくなった事に、チョッパーが気づいて問いかける。
ナミが答えているけれど…
「あれ!!?麦わらさんっ!!?」
フランキー一味の一人がルフィを見つけて指差した。
「ええ!!?」
「よいしょ」
鉄柵に張り付いたルフィが見える。
「何やってんだあいつは勝手に―っ!!!」
「ええぇぇぇ!!!」
「あの人作戦全然わかってねェ~~~~~~~っ!!!」
「ムダだった」
「……」
「『わかった』って言ったよな」
「5分『待つ』とか、ムリだから」
「そりゃそうか」
「ホント、頭痛いわ…。ココロさんが言った『ぐずぐずしてるヒマはない』っていうのはそういう意味じゃないのにね?」
「「なるほど!それだ!!」」
「んががが気の早ェ奴らね」
「いけー!!海賊兄ちゃん!!!」
「ゲロー!!!」