イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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05-173話:シンボルを撃て

「何の反応もないわね…」

 あれだけの大声だもの。向こうの建物にも届いたと思うんだけど?

 タイミングが悪かったのかしらね?

 建物の中でギャーギャー喚く男が約1名いるみたいだけど…?

 

「おーい!!!誰かいねェのかー!?出て来ーい!!!」

 

 その時、向かいの建物から破壊音が響いた。

 

 ボコォン! ボコォ…ン!! ガシャァンァ!!!

 

「ぐおお!!!あ…!!危ねェ!!!落ちる!!!」

 

「「!」」

 

「鎖は…よし引きちぎれてる!!!ん~~~~…スーパー~~~!!!」

 

「…あれが…フランキー?…」

 アロハシャツに海パンいっちょ!?…変態にしか見えないんだけど!?

 あ~……いいのか変態で…

 

 

「ハァ…ハァ…あ…危ねェ、柵があってよかった…オウ、お前…ケガねェよな?」

「………!!!」

 

「ハァ……!!コーラあと1本ありゃあ、もう一発”風来砲”で向こう岸まで行けんだがまァいい…”麦わら”…ともう一人居るぞ!!さァお前、ちゃんとあいつらに応えろ!!!」

「……!!ルフィ…イオリ…」

 

「おーッ!!!ロビーン!!!よかった!!まだそこにいたのかァ!!!」

 ルフィがロビンに向かって両手を振っている。ロビンは後ろに手を回している。って事は、手錠はついたままか…。

 ロビンとフランキーのいる場所に、複数の気配が近づいている。二人を捕えようとする海兵たちだろう。

 

「ザコが、どいてろ”ウエポンズ左”!!!

「うわあああ」

 

「フランキーが暴れてるな。よし!!そこで待ってろ!!!遠いけど飛んでみる!!!」

 いやいや、全然届くでしょ?あんたのゴムゴムのロケットの飛距離はこんなもんじゃないでしょうよ!!それにさぁ…

 

「ルフィ?あんた、また忘れてるでしょ?私がここに居るんだけど?」

「そうかっ!!よしイオリ!!おれを抱えてロビンのトコまで飛べ!!」

 

「……!!」

 

「了解」

 私がルフィを抱えて飛ぼうとすると、ロビンが叫んだ

 

「待って!!!!」

「「!」」

 

「…!?」

 

「…!!!何度も言ったわ!私は…!!あなた達の下へは戻らない!!!」

「!」

 

帰って!!!私はもうあなた達の顔も見たくないのに!!!!

 

「……!?あァ!?

 ロビンの横でフランキーが声をあげる。

 

どうして助けに来たりするの!!?私がいつそうしてと頼んだの!!?

「……」

 

「私はもう…死にたいのよ!!!!」

「!!?」

「…」

 

「ニコ・ロビン…!!!てめェ何のつもりだ!!!命がけでここまでお前を助けに来た奴らに対して…!!!」

「…彼らが勝手にやった事よ」

 

「何だとォ!?ふざけんじゃ…」

 

 ー ドスッ!!! ー

 

「どふ!!!」

 

「邪魔じゃ」

「ぎゃははははは!!カクよォ!!おめェ…そりゃハラいせか!?えェ!?変な実食ったハラいせか」

 

「やかましいわい。わしは気に入っとる!!」

 

「わはは!!よォしよく集まった『CP9』ーだが、もう少し待て…今麦わらの一味が…内部崩壊を始めた所だ。見守ろうじゃねェか!!!わははは最高に面白ェ!!!

 

 CP9が勢揃いってとこかしら…。やっぱりゾフィーも居るじゃんよ!

 気配を測ってみたところ、やっぱり…彼が一番強いじゃない!!

 でも、CP9のトップはルッチって聞いているんだけど?

 もしかして…獣化したらルッチの方が上なのかしら?

 

「あら、敵って”麦わら”と”(くれない)”の二人?」

「よよいっ!!二人でもォ~ここまで来りゃあ~立派だぜェ~~」

「ホントだブルーノがやられてやがる。ぎゃははバカめ」

 

「やはり、5年も酒場の店主じゃ腕もニブるか」

「ニブったとて敗けるもんかのう…」

「敗けてしまったー!!チャババ」

 

 

「それでどうだ…?あれが?」

「ああ…恐らくな…」

 

 

「……!!」

「……」

 

「死にてェ!!?」

「そうよ!!!」

 

 

なァ長官!!さっと行ってアレ消してくりゃあ終わる話なんじゃねェのかい!?」

「そりゃ無理だ…」

「ん?ゾフィー、なんか言ったか?」

「いや、何も…」

「「?」」

 

「まァ待て…遠路遥々救出の為追ってきて最後の最後で仲間に助けを断られる船長。お前こんな面白ェ光景見た事あるか!?」

 

「ロビーン!!!死ぬなんて」

 

「ワハハハハ……!!聞けっ…この悲痛な叫び!!一体どんな顔して…!!!」

 

「何言ってんだァ!!?お前!!!」

 

「ええ!!?鼻ホジッとるっ!!!」

「……!!?」

 

 スパコーン!!!

 

「やめんかァ!!!」

 ルフィの頭をひっぱたいた。もちろん覇気は使ってませんよ?

 

「何すんだイオリ!!!アブねェな!!鼻血出しちまうだろ!!!」

緊張した場面であんたは…!!ハァ…まぁいいわ…、続けなさいよ!」

 

「いいならブツなよ!!まったく……。あのなァロビンっ!!!おれ達もうここまで来ちまったから!!!」

「こら!!鼻から指を抜け!!」

 

 ルフィがロビンに向かって話をしてる間に、ナミ、チョッパー、ゾロ、サンジの順に、この場に集まった。

 

「あれ?…あ!!!そげキング!!!」

「え、空を飛んでるっ!!」

 

「アイツ、どこで何してやがった」

「着地、大丈夫か?」

 

「私が回収してくるわ!!」

 私は月歩でウソップを捕まえた。

 

「おおっ!イオリ、サンキュー!!助かった!!」

 

 

「今のは月歩…W7では剃も使ってたし、くれないが六式を使えるというのは本当みたいね…」

 

「おォおォ…続々と…」

「……!!」

 

 

「頼むからよ!!ロビン…!!!」

「!……」

 

「死ぬとか何とか…何言っても構わねェからよ!!!」

「……」

 

「そういう事はお前…」

「……」

 

「おれ達のそばで言え!!!!」

「!!!?」

 

「そうだぞロビンちゃん!!!」

「ロビン帰って来ーい!!!」

 

「あとはおれ達に任せろ!!!」

「……」

 

 

 *--*--*--*--*

 

 

「跳ね橋!?」

「ああ、今フランキー一家が奮闘中だ。お前が先走ってこんな屋上にいやがるから、おれ達もここに集合するしかねェだろ」

 

「ねぇ…向こう側に渡るのって、私たちだけでいいのよね?」

「そうよ。どうして?」

「……」

 

 なんでみんな、いっつも忘れちゃうのかな?

 みんなを小さくして、私が月歩で運んだら、こんな距離ならすぐじゃんよ?

 この後やろうと思ってる事があるから、都合がいいっちゃいいんだけどさァ…

 

 

「高波を越えて遥々…考えたらすごいわね」

「運は良さそうだな」

「今度は殺しの許可がある」

「手加減ナシだと楽じゃのう」

 

「あんなに…!!!海賊が来たァ~~~~~っ!!!」

 

「…!!」

「……!!おい!!てめェいい加減にしろ!!!」

 

「ロビン…」

 

『CP9』、いいかお前ら抹殺許可は出すが、この”司法の塔”で迎え撃て!!そもそもあいつらがここへ来れる保証もねェんだ!!」

 あいつバカ?

 私が月歩で、そげキングを助けたの見てたでしょうに…

 

「ワ-ッハッハッハッハッハッハッ!!!このタコ海賊団!!お前らが粋がった所で結局何も変わらねェと思い知れ!!!」

 

「…」

 

「この殺し屋集団『CP9』の強さ然り!!人の力じゃ開かねェ”正義の門”の重み然り!!!何より今のおれにはこの『ゴールデン電伝虫』を使い『バスターコール』をかける権限がある!!!

 

「!!!」

 

「そうさ、ちょうど…20年前、貴様の故郷を消し去った力だニコ・ロビン!!!”オハラ”という文字は…翌年の地図から消えてたっけなァ…」

 

「ロビンの故郷!!?」

「クソマスク!今すぐ滝に蹴り落としてやりてェ!!」

 

 バカの言葉を聞いて、みんなはロビンの言葉を思い出していた。

 

 ~ 私には行く当ても、帰る場所もないの ~

 

「……」

 

 

やめて!!!それだけはっ!!!」

「ウ~~~ウいい反応だぜ!ゾクゾクする。何だァ!?そりゃこの”バスターコール”発動スイッチを押せって意味か?えっ!?おい…!!」

 

「……それを押せば 何が起こるかわかってるの!!?」

 

「ロビン」

「……」

「ロビンちゃん…」

 

「わかるとも…!!!海賊達がこの島から出られる確率が”0”になるんだ!!このゴールデン電伝虫のボタン一つでな…!!!」

「……」

 

「何か思い出す事でもあるか?ワハハハハハ!!!」

「そんな簡単な事じゃ済まないわ!!!やめなさいっ!!!

 

「!!……んん?生意気な口を利くじゃねェかァ…!!!」

「地図から”オハラ”が消えたって言ったわね…!!地図の上から人間が確認できる?あなた達が世界をそんな目で見てるから、あんな非道な事ができるのよ……!!!

 

 ロビンが一度、私たちから見えなくなった。ガクリと膝を折ったのだろう。

 原作では過去に思いを馳せる場面だ…

 少しして、ロビンが立ち上がった。

 

「今ここで『バスターコール』をかければ、このエニエス・ロビーと一緒にあなた達も消し飛ぶわよ…!!!」

 

「何をバカな!!味方の攻撃で消されてたまるかっ!!何言ってんだてめェはァ!!!」

「20年前…私からすべてを奪い大勢の人達の人生を狂わせた…たった一度の攻撃が『バスターコール』…!!!その攻撃が…やっと出会えた気を許せる仲間達に向けられた。」

 

「……」

 

 ロビンは、視線をスパンダムから私たちに移した。

 

「私があなた達と一緒にいたいと望めば望む程、私の運命があなた達に牙をむく!!!私には海をどこまで進んでも振り払えない巨大な敵がいる!!!」

 

「……」

 

私の敵は”世界”とその”闇”だから!!!青キジの時も!!今回の事も…!!もう二度もあなた達を巻き込んだ…!!!これが永遠に続けばどんなに気のいいあなた達だって、いつか重荷に思う!!いつか私を裏切って…捨てるに決まってる!!!それが一番恐いの!!!…だから助けに来て欲しくもなかった!!!いつか落とす命なら…私は今ここで死にたい!!!

 

「ロビンちゃん…」

「ロビン」

「……」

 

「イオリの言ってた通りって事か…」

「…私達の…覚悟が…!試されてるのね…!!」

 

「ワハハハハハハハ!!成程なァ…まさに正論だ!!そりゃそうだ!!お前をかかえて、邪魔だと思わねェバカはいねーよ!!ワハハハハ!!あの象徴を見ろ海賊共ォー!!!

 スパンダムの指さす先には、世界政府の旗がある。

 

あのマークは四つの海と”偉大なる航路”にある170国以上の加盟国の”結束”を示すもの…!!!これが世界だ!!!!盾突くにはお前らがどれ程ちっぽけな存在だかわかったか!!!この女がどれ程、巨大な組織に追われて来たかわかったかァ!!!」

 テメェの力じゃねェだろうがよ!!!

 わかってんのか?おめェがそこにいるのは、父親のお陰だろうが!!あたしゃ知ってんだよ!!五老星がスパンダインに悪いと思って、おめえをそこに据えたのを!!

 ※(実は)スパンダインは優れた人材だったので、それなりの地位で今も活躍しています。この子は全然ダメだけどね!!

 

「わざわざ説明ありがとう!…さてルフィ!覚悟は決まった?」

 

「ああ…。ロビンの敵はよくわかった!」

 ルフィが旗を見つめている。

 

「…そげキング」

「ん」

 

「あの旗、撃ち抜け!!」

「了解!!」

 

 普段なら、ウソップがそんな簡単に受けるような事じゃないよね?

 

 私もだけど、あのバカのお陰でみんなも怒り心頭って感じ?

 

 

!!?は?」

 

「新兵器、巨大パチンコ。名を”カブト”!その威力とくと見よ!!必殺…”火の鳥星”!!!

 

 カブトから放たれた火の鳥が、世界政府の旗めがけて飛んでゆく…

 

 そして…

 

 ー ドウン!! ー

 

 射抜かれた旗は一瞬にして燃え上がった!!

 

 

 

 

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