ゴレムさん、誤字報告ありがとうございます。(2026.03.25)
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数日後…
エニエス・ロビーの一件が新聞で報じられた。
手配書は、新聞と一緒に配布されるかと思っていたけど、違うこともあるらしい。
そういえば、ジャヤでは手配書だけが配られてたもんね。
「どういう事だ?フランキー一家あれだけ暴れたのに…」
「ルフィ!…お前のじーさんが”巻き込まれた一般人”とでも情報イジってくれたんじゃねェか?」
サンジがルフィに向かって言うけどねェ…
「いや-…そういうこまけェ事は…」
「「うん、しないと思う」」
ナミとロビンとチョッパーを加えて5人ユニゾンが完成した。
ムリムリムリ! と、みんな真顔で答えてた。
サンジだってガープ本人見たでしょう?むしろ、黙ってなきゃいけないことまでポロッと言っちゃう奴じゃんか!!
「何にしてもよかった…おれ達ァともかく…あいつらこの先逃亡生活じゃかわいそうだもんな」
「そのかわりおれ達の事はひでェ書かれ様だ…!世界政府に『宣戦布告』!島が燃えたことまでおれ達の仕業だとよ。こりゃまた、懸賞金が上がりそうだな!」
ニヤニヤしながらゾロが言う。
世界政府に宣戦布告したのは本当の事だし、バスターコールで島を破壊したのも計算通りっちゃ計算通りだしね?
「お!!おれも賞金首になれるかな」
「まァ可能性はなくもねェが、大変なのはおれだよ…!”巨星現る”だ」
「何で喜んでんの!?あんた達バカか!!」
「でも、『CP9』を倒した面々は、普通に賞金首になると思うわよ?」
「え!?もしかして私も?」
ナミに聞かれて頷く私。
「じゃあ、おれもなれるんだな!!」
チョッパーが、目を輝かせながら言うけどねェ…
「う~ん…チョッパーは微妙かもしれないわよ?巨大モンスターになったって話だから、同一人物だと気づいてくれないかも知れないし…。そうなると懸賞金は付かないんじゃないかしら?」
「!!?」
理由は全く逆だけど、ナミとチョッパーがちょっとへこんだ…
*--*--*--*--*--*
「え?え―!!?フランキーが船造ってくれてんのかァ!!!?」
改めてメリー号に替わる、新しい船についてのいきさつを聞き、ルフィ達は大いに喜んだ。
「そうか、お前寝てたもんな」
「やった―!!!よかった!!何だあいついい奴なんじゃねェか!?」
「どんなもんか楽しみだな」
「それでなんだけどルフィ!フランキーに1つ条件を出しておいたんだけど、聞いてくれる?その新しい船のメンテナンスを彼に担ってもらおうと思うんだけど?」
「メンテナンス?」
「つまり、一味の船大工になってくれないかって事よ!もちろんこれはあくまでも私の考えで、ルフィに確認してからって事にしてたけど。どうかな?」
「いいんじゃねェか?なあ…」
と言って、ルフィがみんなを見回した。
「ああ…異存はねぇよ!」
「女性の船大工も見当たらなかったし…しかたねェ!」
「いいと思うぞ!!おれ、フランキーに助けてもらったしな!!」
ナミもロビンも頷いている。
フランキーを船大工として一味に加える事には誰も異存は無いようだ。
さて、どんな答えが返ってくるかしらね?
「じゃ!船が完成するまでの間、ゆっくりお買い物でもしますか!……あれ?…ここにあった1億ベリーは!?」
「ああ…宴の時によ…肉やら酒やら買うのにやった!!」
なぜかルフィは、プールでカバンを持ってってたもんね。私も気づかないうちにだよ!!
やっぱねェ……大事なものはコイツの目に入るところに置いておいたらダメなのよ!
教訓として、後でみんなで共有しましょうそうしましょう!!
「やった??私達のお金よ!!?」
「おれ達の宴会だったじゃねェか」
いや、違うと思うよ?
最初はバーベQだったんだし、その後集まって来た奴らはサンジの料理に惹かれて来たんだから、酒や食材が足りないなら持ち寄ってくるべきでしょ?
買い出しに行くにしても私たちがお金を出す必要なんてないんだよ?
そもそもあのカバン、私の方の収入が無かったら間違いなく私が持ってたわよ!!
「もう、ほんのちょっとしか残ってないじゃないのよ!!!」
ナミが”そのカバン”の中を見て悲鳴を上げる。
「だろうな-、最後にゃ街中の奴らがいっぱい集まってきて、楽しかったな~あははは」
「「「…」」」
あははは…じゃねェよ!!なに笑っとんじゃゴラァ!!
ナミの武装色が炸裂した…
― 残酷な光景が繰り広げられています…しばらくおまちください。 ―
ちー…ん!!
哀れルフィ…ガープにヤラれた時よりひどい状態だ…
まぁ当然の報いではある。
「んま!!船は得したんだからいいじゃねェかっ!!」
「あの1億は豪華な家具を買う為の資金の一部だったのに…」
「…」
ナミのやろうとしてることって、ある意味ルフィと一緒だと思うんだけど?
まぁ、あの1億をナミに使っていいって言ったの私だけど…
「ふふふ…掘り出し物を探しに行きましょ」
船完成までには5日欲しいという事だ。
フランキーの作業完了を待ち、私たちはW7でしばしの休暇を過ごす事に…
「あ!イオリ!!遊んでくるから小遣いくれ!!」
「あんたはナシよ!!!」
― ガンッ!! ―
ナミの鉄拳が炸裂する。もちろん武装色込みだ。
「!!!」
ナミと話をして、私のほうの黄金の換金は数億ベリーという事にしておいた。
そして今、1度の宴会で1億使ってしまう船長が居ることから、その数億は一味の資金としてとっておく事に決定!!
お金の管理はこれからも私がキッチリと行い、必要と判断したものについては惜しみなくそれを使う事をみんなと約束した。
ルフィだけは、必要かどうかの判断をするのがなんでイオリなんだ!と不満を口にしたが、一味のお金である1億を勝手に使ってしまった後であるということもあって誰からも相手にされなかった。
5日滞在ということで、一人10万ベリーのお小遣いを渡す。ルフィにもいくらか渡そうかと思ったんだけど、ナミに『甘やかすんじゃないわよ』と言われてしまい、ルフィの小遣いは0ベリーとなった。
ちなみにこのお金はベラミー一味から巻き上げたものだ。なにげにたくさんあったのよね。もっとも、ルフィの手から取っ黄金だけで5兆ベリーを軽く超える。柱はさらにデカイ。
いやぁ…、保険として持ってた私のお金なんて意味ない数字になってますけど?
でも、これからも資金集め(略奪)を続けるつもりだ! なぜって?
楽しいからに決まってるじゃんよ!!
*--*--*--*--*
私はサンジと食料調達に来ていた。サンジには残念だけど私の格好はこれまで通りだ。
「まいどあり!お兄ちゃん見る目あるね!!」
「ああ、一流なもんで」
サンジが買ったものを小さくしては、買い物用として確保してあるパックダイアルに入れる。
「…イオリちゃんが一緒だと、買い物がはかどるよ。」
「ミニミニの能力は便利だからね!」
「いや、それだけじゃなくてさ…」
「!?」
話しながら歩いていたら、ウソップが見えた。
「ん?あれは…」
なにやら一人で何役かやってるみたい。一味に帰ってくるシュミレーションでもしてるのかな?
いろんなパターンがあるようだけど…考えても意味ないんじゃん?
ってかあいつ…私の言った事覚えてねェんか?
「…何やってんだ?…あのアホは…」
「…ほんとにねぇ…」
~ ~ ~ ~ ~
「え!?ウソップは戻ってくる!?」
ガレーラの離れに戻って、ウソップの事をみんなに報告する。
「ああ、海岸で一人、予行演習してたよ。なぁ、イオリちゃん」
私はサンジの言葉に頷いた。
「ホントか―っ!?」
「何だ!!そうなのか!!じゃ、今すぐ迎えに行こう!!」
「お―!!!」
「おい!」
「素直じゃないわねホント」
「やった―ウソップが帰ってくる~~~!!!」
― ガチャ!! ―
ルフィ、ナミ、チョッパーが扉を開ける。
「待てお前ら!!!」
― バタン!! ―
私が念動力で扉を閉めるのと、ほぼ同時にゾロが叫んだ。
「さすがだ!おめェはわかってんだな?」
「当たり前でしょ!私は副船長なんだから!!」
「「!?」」
「…おめぇが言うか?」
「…ゾロに任せるわ。」
「…わかった…」
ゾロがルフィ達に向き直る。
「誰一人、こっちから迎えに行くことは許さねェ!!」
「えー!?何で!?」
「間違ってもお前が下手に出るんじゃねェぞルフィ!おれァあいつから頭下げて来るまで認めねェぞ!!」
「ゾロ―!!!」
「ちょっと何であんたがそんな」
「黙れ!!!」
「私もゾロと同意見よ!!」
「「イオリ!!?」」
「当然だ!!」
ルフィ達が私を非難するように叫んだけど、ゾロがそれを制した。
「ルフィとウソップの初めの口論にどんな思いがあろうと、どっちが正しかろうが…!!男が”決闘”を決意した以上、その勝敗は戦いに委ねられた。そしてあいつは負けて…!!勝手に出てったんだ!」
「……」
「いいかお前ら、こんなバカでも肩書きは”船長”だ」
「……」
ガンガンガンとルフィの頭をゾロが刀の柄で叩く。ルフィはなぜか硬直している。
「いざって時にコイツを立てられねェ様な奴は一味にゃいねェ方がいい…!!」
「うぎぎぎぎ」
ルフィの頬をゾロが引っ張る。ねぇ…ちょっと…
やりすぎじゃね?
「船長が”威厳”を失った一味は、必ず崩壊する!!!」
「……」
「普段おちゃらけてんのは勝手だが、仮にもこのおれの上に立つ男がダラしねェマネしやがったら、今度はおれがこの一味を抜けてやるぞ!!!」
「!!」
「え~~~!?それじゃ話がまとまらないじゃないっ!!」
「ゾロ!!それは言い過ぎ…!!」
「おれは本気だぞイオリ!!もっとも、こうまで言ってコイツが覚悟を決めねぇとも思っちゃいねェよ!!」
「まぁ…そうね…」
「あのアホが帰って来る気になってんのは結構な事じゃねェか。 ― だが、今回の一件に何のケジメもつけず、うやむやにしようってんならそれはおれが絶対に許さん!!!」
「 ― その時は、ウソップはこの島に置いていく事になるわ!!悲しいけどメリー号も一緒にね!!」
「!!!」
「え…」
「…待ってよゾロ、イオリ!!確かにあいつも悪いとこあったけど、それは帰ってきてから、言いたいだけ言えば…!!」
「「一味を抜けるってのはそんなに簡単な事なのか!!?」」
私とゾロが語気を荒げてハモった。
無いと思うけど、こんなことが頻発されては困る。
「!!」
「…!!いいえ…でも…」
「ナミさん…残念ながらマリモとイオリちゃんの言うことは正しい…!!」
「…」
「こんな事を気まぐれでやる様な男をおれ達がこの先信頼できるハズもねェ…!!簡単な話だ…。ウソップの第一声が深い謝罪であればよし…それ以外なら、もう奴が帰ってくる場所はここにはねぇ。おれ達がやってんのはガキの海賊ごっこじゃねェんだぞ!!!」
「……」
「実は決闘の夜、ウソップに同じ様な事を言っておいたの。」
「「「!!?」」」
「おめェ…いつの間に…」
「これでも私は副船長だからね。やるべきことはやるし、言うべきことはちゃんと言うわよ。気持ちとしてはルフィ達と同じで迎えに行きたいと思うけど、ケジメを付けられないようなら、ここでサヨナラするしか無いわ。悲しいけどね…」
ルフィは決闘の決着が付いた後の気持ちを思い出していた。その時自分の言ったことも…
「…そうだな!一度は完全に別れたんだ。船の完成と出港までまだ何日もある!黙ってあいつを待とう!!」
その夜…
「……」
決闘の日と同じく、ウソップはデッキの真ん中で大の字で寝ていた。
「へぇ…デッキもキレイに研磨されてるのね。さすが一流の船大工集団は仕事も丁寧だわ!!」
「!!?イオリおめぇ…なんでここがわかった!!」
「知ってるでしょ?あなたがどこにいたって見つけるのは簡単よ。この島程度ならどこに誰が居るのか把握できるんだから!」
私はウソップの近くまでいってデッキに座った。ウソップも体を起こしてあぐらをかいた。
「巨人達と一緒にいるんだろうなとは思ってたけど、何処に泊まってるか気になってたのよ。気配を探ったらここにたどり着いたってわけ。それでどう?生き返ったメリー号は…」
「おめぇが教えた技術とやらで、メリー号は生き返った。それについちゃあ感謝する。ありがとよ。でもだったら何でメリー号で航海を続けねェ!!?何でメリー号を置いて他の船に乗るんだ!?納得できる答えが聞けねェなら、おれは戻らねぇぞ!!」
「と言うからには、戻る気はあるみたいね?まぁ、海岸での練習を見たからわかってたけど?」
「!!?おめェ…見てたのか!!あれは違うぞ!!あれは…あれだ!!」
「別に覗いてたわけじゃないわよ。買出しの帰りに見かけただけよ。まぁそれは置いといて…。そうか、ルフィとケンカした後だったからウソップは聞いてないんだったわね。私はみんなに、『たとえメリー号を直せたとしても乗り換えるべきだ』って主張したの。」
「何でだよ!!」
「ところでウソップ!!なんで船大工達はメリー号が直せないって言ったんだっけ?」
「?…そりゃおめェ、竜骨がやられてたからだろう?」
「じゃあ、その竜骨が損傷した原因は?」
「…”突き上げる海流”…じゃねェのか?」
「ざ~んねん。メリー号の損傷は、その前からよ。言うなればこの”偉大なる航路”そのものがメリー号にダメージを与えてたのよ。そもそもこの船は”偉大なる航路”を航海する事を想定して造られていない。そしてこの海はこの先さらに過酷になる。ここまで言えばあなたにだって分かるでしょ?メリー号で航海すれば、またすぐに壊されてしまう可能性が高い。だから乗り換えを主張したのよ。」
「…」
「それから一つ誤解を解いておきたいんだけど…ウソップ!私の能力忘れてるでしょ?」
「ミニミニがどうしたってんだよ!!」
「で、誰がメリー号を置いて行くって?」
「なに言ってんだ!!おめェらが他の船に乗るんだろうが!!メリー号は置いてくしか…あっ!!」
「メリー号が直るにしても直らないにしても、私はメリー号を一緒に連れてくつもりだったわよ?直らないなら、リビングに置いて私たちの守り神として。直るなら半分ないし1/3くらいの大きさにして、買い出し船にするとかして働いてもらって、そしていざという時には元の姿で活躍してもらうって具合にね?」
「じゃあ、おれとルフィがケンカしたのって…」
「意味が無いとは言わないけどね。でもあなたは私と一緒にメリー号の化身を見てる。あの時点でメリー号が限界だったって事はわかってたはずでしょ?そういう意味じゃ、ルフィの言い方が悪かったにしてもケンカは回避できたんじゃなの?加えて二人共私の能力を忘れていたのが最大のミスね。バカなことしたと思うわよ?」
「…」
「さて、船を乗り換える事については納得してもらえたみたいね?それで、あなたはどうするの?正直ギリギリまで待とうかとも思ってたけど、メリー号を一緒につれていくなら出港まで待つことは出来ないわ。後2日ほどで私たちは出港する事になると思う。だから猶予はあと1日ちょっとよ。」
「…」
「電伝虫と番号を渡しておくわ。これをどう使うかは、あなた次第!!」
「イオリ…おれは、どうすりゃいい?」
「前にも言ったでしょ?私はあなたを迎えに来たわけじゃないの。それくらい自分で決めなさい!!」
ウソップが下を向く。帰ってこいと言われることを期待したんだろうけど…
「今まで私が言ったことをよ~く思い出して…、私が今ここに来た意味もよく考えて…それで結論を出して頂戴よ?」
「…」
「じゃあね!!」
黙ったままのウソップを残し、私はそこから立ち去った。