イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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05-187話:ガープ再び

「出航―!!」」

 総帆を張って船が港を離れる。

 

「アニキーお達者で―!!フランキー一家は不滅ですぜー!!!」

 

 原作と異なり、既にウソップも乗ってるし、特にここでゆっくりする必要はない。ああ…でも見つかったわね。

 

「ルフィ!ガープが来るわよ!!」

「!!?」

 

 ― ボボォン!! ― 

 

 船のすぐ近くに砲弾が着水して水しぶきがあがる。

 

「見つかったぞ!海軍だ!!」

 フランキーが叫ぶ。

 

「…!!じいちゃん!!!」

 

「ガープ中将の軍艦だ!!アニキ達逃げろー」

 

『おい、ルフィ~!!イオリ!!!聞こえとるか―!!こちらじいちゃん、こちらじいちゃん!』

 

「おい、じいちゃん!!何だよ!!おれたちの事ここでは捕まえねェっつったじゃねェか!!」

 うん、そうだねルフィ。ガープは確かにそう言ってたわね?

 でもまぁ、ガープだから…

 

『いやぁしかし、まあ色々あってな、すまんがやっぱり海のモクズとなれ!!』

 

「「え~~~~っ!!?」」

 

『お詫びといっちゃあ何じゃが、わし一人でお前らの相手をしよう!!』

 

 

「何をする気だ!?」

 ってか、あの船の上に青キジの気配もあるじゃんよ!

 

『”拳・骨”…”隕石”!!!』

 

「うおォっ!!!」

 船のすぐ隣に浮かんでいた廃船に砲弾が命中。爆音をあげて粉々に飛び散った。

 一発目はワザと外したみたいね。

 

「す…素手で大砲撃った!!?」

「大砲よりよっぽど強く飛んで来たぞ!野球のボールじゃあるめェし!!!」

 サンジとゾロがすっごく驚いてる。悪魔の実を食べてない人で言えば、世界最強だと思う。あの人、バケモノだからね。

 

”人の事、とやかく言えませんけどね?”

《あ゛!?》

”…”

 

 んな事やってる場合じゃないわ!対応する手は打っておかないと…

 

「ウソップ、これ覚えてる?覇気を込めておいたから、これで出来るだけ砲弾を撃ち落として頂戴!!狙撃手の腕の見せ所よ!!」

「おう!やったるぜ!」

 

 

『ぶわっはっはっは!!年は取りたくないもんじゃ!最近パワーが落ちていかんわい!』

 

「とにかく逃げるわよ!?新しい船が粉々にされちゃうわ!!!」

 

 

『砲弾1000発持って来い!!!』

 

「ヤベェな今のが大量に飛んで来るぞ!!」

 

 

『…さァ始めようか、小僧ども』

 

「船は全速前進!!まずは港から離れましょう!!全速で逃げるにしても港が近いと島に被害が及んじゃうからね?」

「さすがだ!よくわかったな?」

「船尾の形状を見ればね!!」

「??」

 私とフランキーの会話にほかのみんなが疑問符を頭の上に浮かべている。まぁすぐわかるでしょ!!

 

「ウソップが砲弾を狙撃するわ。でもパチンコよりもガープが投げる方が早いと思うから、撃ち落とせなかった分を私たちで潰す!!」

「「おう!!」」

 

「ガープもきっとビックリするわよ?」

 たぶん、乗ってる青キジもね?

 

『そりゃそりゃそりゃァ!!ぶわっはっはっはっ!!』

 

 ボボボボボン!!!

 ドドドドドン!!!

 

『!!?なんじゃと?』

 

「すげぇ!ウソップ!!…おめェすげェぞ!!!」

 ルフィとチョッパーが驚きと喜びの入り混じった声をあげる。手始めとしてガープが立て続けに投げた5発を、全てウソップが撃ち落としたのだ。

 けっこう早かったのに…!

 

「…ど…どうだ!!?」

 っておい!!なんで疑問形なのよ?

 

「撃ったあんたが一番驚いてどうするの!!?」

 

「い…いや、だってよ、あんな速ェの当たんねェって思ってたんだよ…でも結構、当たるもんだな…」

 

「あなたの腕ならそりゃ当たるでしょうよ!私は当てたことより早打ちに驚いてるわよ。」

「お…おれもだ!!」

 

「「自分でもかいっ!!」」

 

「ウソップ!!おめェやっぱりすげェぞ!!さすがはウチの狙撃手だ!!」

「や…やっぱりぃ~~~!!」

 テレテレで踊るウソップ。

 

『やるな小僧共…手加減はいらんようじゃな…』

 

「おい、やべェぞ!!本気になった!!」

「かまうもんか!!おれ達だって本気だぁ~~~!!!」

 

 拳骨流星群が降り注ぐ…

 

 さすがに全てをウソップが撃ち落とせるハズもなく、私たちは砲弾の処理に追われた。

 私は月歩と嵐脚で、ルフィがゴムゴムの風船で、サンジが蹴りで、ゾロは砲弾を斬ったり煩悩砲で撃ち落としたりした。

 そして、港から程よく離れたところでフランキーが声をあげる。

 

「もう大丈夫だ!!イオリ!そろそろやるぞ!!!」

 

 

「見ろ!!どういう事だ!?」

「海賊船が帆をたたんでるぞ!!観念したのか!?」

 

「観念などするまいが…何をする気じゃ…!?」

 

「急げ!!帆をたため!!」

「おい、いいのかよフランキー!!」

 ゾロが疑問の声を上げる。

 

「バカ野郎!!この船を信じろ!!」

「そうだ!!信じろバカヤロー!!」

「コノヤローバカヤロー!!」

「あっひゃっひゃっひゃっ!!」

「コンニャローめー!!!」

 ルフィとウソップとチョッパーが肩を組んで大笑いしてますけど…

 

「ウソップあんた、ほんのちょっと前まで……まぁいいけど…」

「手伝えお前ら!!」

 

 帆船が帆をたたんでいる事で、ガープも気になって攻撃をやめている。

 そもそもガープは本気じゃないもんね!!まぁ、私たちだって本気じゃないけど…

 

 軍艦は近づいて来てるけど、まだ問題ない距離だ。そもそも相手はガープ一人だしね。

 

「フランキー!!準備はいいわよ!!」

「早く秘密兵器とやらで振り切れよ!!」

「ああ急げ!おめーの言うとおり帆は畳んで、もう軍艦はすぐそこだ!!!」

 私、サンジ、ゾロの順でフランキーに声をかける。

 

「わかったよ!!うるせェな!!今の内にこの美しい”水の都”を見納めとけ!!あっと言う間に島の影も見えなくなるぞ!!」

 

「そうか…じゃ」

 と言ってルフィが息を大きく吸い込んだ。

 

「じいちゃ~ん!!」

 

「!」

 

「それから…コビーと…」

 

「!」

「!」

 

「久しぶりに会えてよかった!!!」

 

「呼べよ!!!おれの名を!!!」

「なんじゃいルフィ!!!まだ玉は残っとるぞ!!!」

 

 ― ボウン!!! ―

 

 ガープが砲弾をルフィめがけて投げる。ルフィはそれを拳で左に弾いた。

 

 ― ボカァ…ン!! ―

 

 砲弾は船から少し離れた海面付近で爆発した。

 

「ムダだ!!」

 

「ん!?」

 

「こっからおれ達、本気で逃げるからな!!!またどっかで会おう!!!」

 まぁ、ひと月もしないうちに会うことになるんだけどね?

 

「カチーン!!おんのれ、わしの子供の子供のクセに生意気な!!!ルフィ~~~!!!」

「ルフィさんかっこいい…

「カ…ガープ中将、ちょっと冷静に!!」

 

「さァ行くぞ!!!巨大空砲と宝珠アダムの強度によって実現した、脅威の緊急加速装置!!」

 

『わしをナメとったらケガするぞー!!!』

 

「フランキー急げ!!!」

「おわー!!!特大鉄球!!!死ぬ~!!!」

 いやいやいやいや…あんなもんどっから出した!?軍艦よりデカイじゃないのよ!!

 

 ほんと、ときどきオーパーツが出てくるわよね?しかもけっこう頻繁に…

 

「わ-!!」

 

「”風来”…”バースト”!!!」

 

「!!!」

 

「船が…飛んで逃げた!!!」

 

 ― ドッボォ…ン!!! ―

 

 巨大鉄球が、サニー号のいた場所に着水する。

 

「………!!?」

「…やりおる」

 

 

「うおお-っ!!!」

「…この感覚は…!!!覚えがある!!!」

 

「コーラ樽3つも消費しちまうが1Km飛べる!!お前らの乗ってきたG・メリー号にできて、この船にできねェ事は何一つない!!全てにおいて上回る!!だが!!あの船の勇敢な魂はこのサウザントサニー号が継いで行く!!!破損したら、おれが完璧に直してやる!!!船や兵器の事は何でもおれを頼れ!!!今日からコイツが!!お前らの船だ!!!」

「おおォ―っ!!!」

 

 ザッパァ…ン!!

 

 サニー号が着水する。

 

 

「…こりゃまいった。逃げられたわい…」

「…ええ確かに…確認しました」

「ぶわっはっはっはっはっは…さすがはわしの孫たちじゃ!!」

 

 

 

「ほんじゃあらためて…!!」

「帰ってきたロビンとウソップとメリー号!!そして新しい仲間、フランキーと海賊船”サウザント・サニー号”に!!」

 

「「乾杯だァア!!!」」

 

「イヤッホーッ!!!ぎゃははははは!!!

「行くぞ次は!!”魚人島”!!!!」

 

 風は追い風…

 

 一行は一路、海底にあるという”楽園”を目指す!!

 

 

 

 

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