今年中には終わる……かな?
3月26日 快晴…
麦わらの一味の新海賊船、サウザンドサニー号
天気はいいんだけどさ。気分はめっちゃブルーっす…
それはさておき…
船は順調に航海を続けている。
甲板の上では、ルフィとウソップが海釣りを楽しんでいた。
「釣れた~~~!!!」
「カッチョイ、イサメ!釣ったぞ―っ!!!」
「入れろ!入れろ!!生簀に入れろっ!!!」
~ アクアリウムバー ~
- ドボン!! -
「…また入って来たわ。サメね…」
ロビンが珈琲を飲みながら水槽を見て言った。
「な!いいだろこの部屋」
「! 部屋はいいが、サメって……あのバカ共!!」
生簀の中にはアジやタイ、タコやマンボウなど、かなりの種類の魚が泳いでいた。そこにサメが入ってきたのだから、サンジがルフィ達をバカ呼ばわりするのも頷ける。ちなみに…、こういう展開になる事は分かっていたので、サメが投入される前に、今日の晩飯用の魚は取り出しておいてある。
「とりあえず、ルフィ達が釣った直後に夕飯用として数種類(数は多め)は取り出しておいたわよ?」
といって、取り分け用の水槽をサンジに見せた。中では1/10程の大きさにした魚が泳いでいる。形は違うけど、熱帯魚みたいに見えなくもない…
「さすが、イオリちゃん!!」
「おーい!!!!」
ばんっ!!
扉を開けてルフィとウソップが部屋に駆け込んできた。
「サメ入って来たか!?すげーツノはえたやつ!!」
「ええ、入ってきたけど…今まで釣った水槽に居たお魚は、みんないなくなっちゃったわよ?」
「ギャーっ!!!」
「共存ってもんを考えろ!当たり前の事だろうが!!!」
「チキショー!!コイツ今日の晩メシにしてやる!!サンジ!!丸焼きだ!こんなアホザメは!!」
「待て!!今晩食べる魚は、イオリちゃんが取り分けておいてくれたから安心しろ!!」
「なにっ!!本当か!!?」
ルフィに言われ、頷く私。
「さすがイオリだ!!」
「せっかくの新鮮な魚だ。刺し身か寿司か…焼き魚でもいいな…天ぷら、フライもオツだな」
「んまほー!!腹減ってきた!!」
ルフィがヨダレを垂らしながら言う。
「じゃあ、サメはおやつに食おうぜ!!」
「夜まで待て!!」
~ お風呂 ~
ガチャ…
扉を開けて出てきたのはナミ…
「…はー、いいお湯でした!波に揺られて一人で大浴場なんて、最っっ高!!メリー号にあった大浴場(ミニ)は、イオリが居ないと入れなかったもんね!!」
~ 医療室 ~
「おれの部屋だここは♪」
チョッパーが診察台に乗ってご満悦!!
~ 見張り台 ~
現在、当番のゾロが見張っていると、何かを見つけた。
「ん?」
『おい!!海になんか浮いてるぞ!!』
ゾロが”ワナ”を発見したみたいね…。
ルフィ達が釣りをやってサメが釣れたからそろそろだとは思ってたけど、いよいよ魔の海域ってワケか…
う~ん。しかし、なんてタイミングだろう……
「なんだなんだ!」
「タル!?」
「見ろ!!”宝”って書いてあるぞ!!!」
漂流しているそのタルを、ルフィが腕を伸ばして持ち上げて、甲板に降ろす。
「もしかして!!『宝船』の落とし物じゃねェか!?」
「お宝!?」
ルフィの言葉に、ウソッチョ(ウソップ&チョッパー)が喜びの声をあげる。そこに…
「残念!お酒と保存食よ」
樽を見たナミが、冷静に海の知識を披露する。
いつも思うことだけど、チョッパーはともかく、ルフィとウソップはちょっと無知過ぎる。二人共、海賊目指してたのにこんなことも知らないなんて…
「何で見てねェのにわかんだよ!!」
「『海神御宝前』って書いてあるでしょ。それは『流し樽』といって誰かが航海の無事を祈って海の守護神にお供え物をしたって事よ。『宝前』は”神様へ”って意味」
「なんだ…じゃ、拾っても意味ねェじゃねェか」
ルフィが文句を言ってるけど、誰も拾えなんて言ってないじゃんよ!!
「おう!せっかくの酒だろ?飲もうぜ!!」
ゾロは構わずそんな事言ってるし…
私は樽に目を向ける。ふ~ん、なるほどね…。
透視で見てみると、スイッチが蓋で押さえつけられていて、蓋を外すとスイッチが入って、閃光弾が放たれる仕組みらしい。
でも、ずいぶん頑丈に作られてるわね。もしかして使いまわしてるのかしら?
「バカ!お前!!バチが当たるぞ!!」
「お祈りすれば飲んでもいいのよ?」
「おれは神には祈らねェ!」
「波にもまれたお酒は格別に美味しいんだって!」
「そりゃ味わうべきだ!!よし乾杯するぞ!!」
「飲んだ後は空樽にまた、新しいお供えを入れて流すのがならわしよ」
「へー」
「開けろ開けろ早く!」
「おい、神様ー!!!おやつ貰うぞ-!!!」
「空島で”神”をぶっ飛ばしてきたのはどこのどいつだよ…」
「まぁ、あいつは”本物”じゃないんだから、問題ないっしょ!」
「それはいいが、おめェ…顔色悪くねェか?」
ゾロが私の顔色を見て言った。
「…まぁ、ちょっとね。気にしてくれてありがと!」
「いや…別に…」
「よし開いた」
ルフィが樽の蓋を外した時だった
― ボシュ!! ―
「!!?」
「わっ!!!」
シュルルルル…
「何か飛んだ!!!」
― パァン!!! ―
「!!?」
樽から何かが飛び出して、上空で赤い閃光がはじけた。
「!?」
「何だ!!?」
「……赤い光…!?」
「……!!何!?どういう事!?」
「酒が飛んで光って消えた!」
「”発光弾”よ」
「はっはっはっ海の神の呪いじゃねェのか?」
「…ただのイタズラならいいけど…もしかして…この船はこれから誰に狙われるかも知れない」
「!」
さすがロビン。いつもの軽口かと思いきや、なかなかスルドイ事を言うじゃない!!
「まさか…そういう罠なのか!?樽を開けた事で、おれ達がここにいると今、誰かに知らせちまったのか!?」
「……」
「どこにも誰も見えないぞ!!?」
チョッパーが、双眼鏡で辺りを見回して叫ぶ。
「……誰も…見えないけど…」
ナミがなにやら思案顔だ…。そう言えば、嵐が来るんだっけ?
「みんな持ち場に!!」
「!」
「南南東へ逃げるわよ!!”大嵐”が来る!!!5分後よ!!」
「!!」
「見えねぇけど、あいつが言うんだからまた急に来るんだろうな。」
「ナミ!進路は!!?」
「2時へまっすぐ!!」
しばらくすると雨が振り出し雷も光り出した。あっという間に辺り一帯が暗くなり、船は嵐の中に居た。
「…!!ダメだわ…!完全に向かい風!!!」
「オイ!!この船の力はこんなもんか!?」
「そっか!みんな帆をたたんで!!『
「おお!!アレか!!」
「うおー!!アレかっこいいから好きだ、やれー!!!」
「ソルジャードックシステム!!チャンネル『0』!!」
船の横の番号が『1』から『0』に変わる。
「よし出ろ!!」
そしてシャッターが開いて、『外輪』が出てきた。
「コーラエンジン!!『外輪船』サニー号!!!」
外輪が回転を始め、サニー号が動き出す。
「進め―っ!!!」
*--*--*--*--*--*
「はあ…」
「越えた…」
「越えたはいいが…何だこの海…」
嵐を越えたと思ったら…辺り一面、霧の立ち込める海…
「まだ夜でもねェだろうに……霧が深すぎて不気味な程暗いな」
「…もしかして…例の海域に踏み込んだって事かしら…?まだ心の準備が…!!」
「お!?もう魚人島に着くのか!?」
「いや、その前にオバケが出る海だ!!」
「!」
ウソップが驚いた顔をする。そういえばウソップは知らないのよね。まだ戻ってくる前だし、ガープが来る前に覗きに来てたけど、もうこの話は終わってたっけ…
「そうだ、気ィ抜くなよ…まさに、この海域はもう…あの有名な”魔の三角地帯”」
「!!?」
「何もかも謎に消える怪奇の海だ…!!!」
「え…オ…オバ…オババ…オバ」
ウソップが歯をガチガチと鳴らして、震えながら呟いている。それを笑いながら眺めるルフィ…
「オバケ出るんだここの海!!うひひひ!!」
「ふざけんな―!!!何だ、みんな知った風だな!!おれァ聞いてねェぞそんな話~~~!!」
「ココロばーさんが教えてくれたんだ。生きたガイコツがいるんだぞ!」
「そりゃお前のイメージだろ?ムダにビビらせてやるなよ」
サンジが言うけど、それは振りだよね~
「いいかウソップ…この海では毎年100隻以上の船が謎の消失を遂げる…さらに死者を乗せたゴースト船がさ迷ってるってだけの話だ」
「ギャアアアアアアいやだァ!!!先に言えよそんな事」
「言ったらどうしたんだよ」
「準備だ!!悪霊退散グッズで身を固めねばぁああああ!!」
「! ウソップおれにもかしてくれそれ―!!!」
ウソップとチョッパーが騒いでる間に、後方から近づいてくる気配を感じた。
なぁ~んだ…!!
私、ブルックって、見聞色で見つけられないかも?とか思ってたけど、ちゃんと気配あるじゃん!
しかし、けっこう大きな船だわね…
「ヨホホホ~…♪」
「? 何だ…音楽……?」
「…ヨホホホ~…♪」