イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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06-192話:ゴースト島の冒険

「…ゴ!!ゴースト島って何なんだよ!!」

 ウソップが叫ぶ。

 

「なァなァ!!さっきのゴーストどこいった!?まだ船にいるのか!?」

「いや、島の方へ飛んでった。あの島の住人なんだろ」

 震えながらのチョッパーの質問にはゾロが答た。

 

「さっき起きた大きな振動だけど…、あれがあの”口”みたいな門が閉じた音だとしたら、私達はあの”口”に食べらてた形になったんだと思うわ!」

「食われた?」

 ロビンの考察に、ルフィが食いついた。まぁ、イメージ的にはそうなんだろうけどね。

 普通の船は海上を走るだけだから、この仕掛けで食べたと表現するのはおかしくない。

 でも、囲われているのは海面付近だけで、しかもそれほど高くない。たぶん高い所でも10mほどだろう。

 この船、飛べるんですよ?

 

「霧でわかりづらいけど、門の延長にのびる壁は島を取り囲んでる様にみえる。― つまり、この船は今、島を取り囲む壁の内側に閉じ込められたという事…!」

「そうか…!それであのガイコツ、すぐにここから脱出しろと言ってたんだ!!」

 ウソップも反応している。けどなァ…

 霧が深いからしょうがないんだけど…もうちょっとジックリ状況判断してもいいと思うんだけど?

 

「じゃあこの島は人工的に海をさ迷ってるって事…!?何の為に……」

 

「”島”が動いてるとなると、ここは海の真ん中…。錨を下ろせるわけもねェな」

「おいおい!!何停める気でいんだよ!!!脱出するんだ!!今すぐに脱出だ!呪われるぞ」

 ナミ、フランキー、ウソップが順に発言。そんな中、ルフィが船内に走っていった。

 

「聞いてみんな!私…!!実は『島に入ってはいけない病』になったみたい!!」

おれも!!おれもそれ!!!オバケ、コワイ!オバケ、コワイ!!」

 ナミとチョッパーが震えながら訴えるなか…

 

「よし!じゃ船つけろ!!」

「…」

 なぜか虫取り網と虫かごをぶら下げたルフィが良い顔で命令を下す。

 

『冒険準備万端病』かお前は!!!」

 すごい名前の病気出た!!

 

おい!考え直せルフィ!!!よく見ろあの不吉な建物を!!本物の『オバケ屋敷』だ!!!お前は”悪霊”ってもんをナメてるぞ!!!」

「何言ってんだ!おれはちゃんと細心の注意を払いながら、さっきのゴーストを捕まえて飼うんだ!

「アホかァ!!虫じゃねぇだろ!!ナメすぎだァ!!!」

 ウソップの言うとおりだと思う。そのアミじゃ捕まえられないと思うわよ?お前まだ、ちゃんと覇気使えないんだから…

 

「何より、大切な仲間を連れ戻さなきゃな!!サンジ!!海賊弁当―!!!

「仲間って…おれァ反対だからな!!!ガイコツなんかが仲間にいたら、怖くて夜も眠れねェよ!!!」

 ルフィのセリフにウソップが反論してる。けど…

 

「それは大丈夫だと思うわよ?」

「何でそんな事、わかんだよ!!」

 

「たぶんあなたは、感動しちゃうと思うから!!」

「はぁ?」

 

「まだ確認中だけどね。確定したら教えてあげるわ!」

「…わけがわかんねェ…」

 

「お弁当、受け取ったわよ!」

「ルフィ!!フランキー!!おめェらしっかりロビンちゃんとイオリちゃんを守るんだぞ!!」

「未知の島の冒険ってのはぞくぞくするもんだな!」

「フランキーとロビンも行くの!?」

 

「好きなの、スリル!!♥」

 

「よし!さてお前ら!!これより小舟を使って島へ上陸するわけだが…、小舟と言われて何か思い浮かべるものはねェか?」

「とっておきよね!!」

 

「!?」

 

「おおよ!!『ソルジャードックシステム」”チャンネル2”だ!!!」。

「”2”!?」

 

「このシステムのチャンネルは5つある! ”0”が二つに”1””2””3””4”!!各ドックにより各種機能が発動するわけだ!!」

「”0”の外輪と”1””3”はもう見せてもらったけど、”2”と”4”はまだ空だってお前言ってたろ」

 

「うははは!とっておきなんでそう言った。上陸する気のねェ奴らは試し乗りしてみろ!!

「望むところだ!!」

 

「ソルジャードックシステム”チャンネル2”!!!」

 

「何だ何だ!何が飛び出すんだ!?」

 

「出動!!買い出し船っ!!」

 ガラガラとシャッターが上がる

 

ミニ化(・・・)メリー号!!!

「ギャ~~メ~リ~~い!!!」

「うおーベリー!!」

 

「4人乗り、『噴出貝』船!!だ!!」

「メリーだ!!メリーがミニ化で買い出し船になったぁ!!」

 

「小さくしただけでこんな感じになるんだ!帆が張ってないのは『貝船』だからね!!すごーい!!」

「やったー!!ちっこいけど、またメリーに乗れるぞー!!!うひょー!!

 

「こりゃ、最高だな!!」

「こんな買い出し船ならいくらでも買い出すぞおれは」

「うほーかわれ ― 早くかわれ ― !!]

 

「待て、おれ達はこれから実際に乗るんだ。ひとまずあいつらに堪能させてやれ!」

 

 みんなが喜んだのを見て、私はフランキーにグーサインを出した。

 

「お前らに先に見せた”1”と”3”を含め、これで出揃った!!”チャンネル”0”!!『補助外輪』!!”チャンネル1!!!一人乗りウェイバー『シロモクバ1号~3号』!!”チャンネル2”!!『買い出し船ミニ化メリー号』!!”チャンネル3”!!3人乗り偵察潜水艇『シャークサブマージ3号』!!残る”チャンネル4”に関してはまだ本当に空っぽだが、これからの旅の必要性に応じておれが何らかの兵器を入れていく!!今の所はこれが『ソルジャードックシステム』の全てだ!!それぞれが母船サウザンドサニー号の巡航を補助する兵士達だと思え!!」

 

「おれホントお前の考え方大好きだフランキー!!!このこの!!」

「おおよ!!おれは今週も最高な男なんだぜ!ん~~~…スーパー!!!

 

「おい、ナミさん達遅ェな」

 

 ガコン!!

 

「キャアアアアァ!!!」

 

「!」

 

「ギャアァアァァァァァァ…」

 

「えェ!!?」

「ナ!!!ナミさ―ん!!?どうした!!?何があったんだ―!!?」

 

「何やってやがんだアイツら…霧で何も見えねェ」

「だけど島の方からよ」

 

「お前らァ!!!おーい!!!早くおれもミニ化メリーに乗せてくれ―っ!!!」

「そうじゃねェだろ!!!ナミさんの身を心配しやがれ!!!」

「おめェこそあと二人の心配もしやがれ」

「ごもっとも…」

 

「今の悲鳴、ゴーストに呪い殺されたのかしら…」

「縁起悪ィ事言うヒマあったら船を近づけるぞ」

 

…1人…か?」

「?」

 

 - ガコ…シュルルル…ドボォン!! -

 

「!?」

 

「え!?」

「勝手に錨がっ!!!」

 

「錨なんて誰も触ってねェぞ!!?」

「…!?造ったばっかで歯車が緩むわけねェしな…」

「とにかく巻き上げろ!船がバランスを失うぞ!!」

 

「こら!!勝手にハッチに触るな!!」

「「!!?」」

 

 バン!!

 

「…!?何だハッチが勝手に開いた!?…イオリお前、さっき何てった?」

「…!!」

 

「ルフィのうしろ…!」

「え?」

 

 むにっとルフィのホホがつままれて横に広がる

 

「ん?」

 

「おい、ルフィ!!てめェ何やってんだ!こんな時にフザケやがって!!」

「にっ!!ひがうんら!!ひがうひがう!!おえあんおやっえええよ!!」

「何がやってねェだ!!じゃその口は何だ!!」

 

「よく見なさいよサンジ!ルフィの両手は下に下りてる!!」

「あっ!?」

 

 ―  バチン!! ―

 

「ガルル…」

「うわっ!!!」

 頬がもとに戻ると、ルフィは突然もんどりうって倒れた。どうやら投げ飛ばされたらしい。

 

「え!?イオリちゃん?どういう事だ?」

「?猛獣の声…!?」

 

 ゾロの剣がひとりでに鞘から抜き出る。

 

「ん!!?」

 

 ― ガァン!! ―

 

「ガッ」

 

「イオリ!!?」

 私は剃でゾロのところに移動して、敵の手を鉄塊の手刀で打った。

 そういえば、こいつは腕にバズーカ仕込んでるんだっけ?すっげぇ音だこと…

 

イオリ!!おれ達以外に船の上に誰か居んのか?」

「すばしっこいのがね…!」

 

「ゴーストの仕業か…?それとも超能力者か何かか…?」

「……!!誰かに触られた感覚はあったぞ」

「…さっき、猛獣の唸り声を聞いたわ」

 

「猛獣!?」

 といって、男3人が私を見る。エルはポケットの中で寝てますけど?

 

「クソ!!とにかくここが得体の知れねェ場所だって事は間違いねェ!!なおさらナミさん達が心配だ…!!!船はお前らに任せたぞ!!」

「!」

「おれは島へ3人を助けに行って来る!!!」

 

「サンジ、そこに居るわ!!」

 

「えっ!?」

 

 ― ビターンッ!! ―

 

「ほげーっ!!!」

 サンジが飛んだ瞬間に、両足を持たれたらしく弧を描いて顔面を船に強打した。

 

「「えーっ!!?かっこ悪っ!!!」」

 

 そしてそのまま持たれて、サンジは移動…。さらに投げられ、壁に激突した。

 

 ― ドカァン!! ―

 

「どわ!!」

 

「おい!サンジ!!!」

 

「……く…!!何だ…今のは畜生!!」

「お前『ほげー』って言ったぞ」

「うっせーてめェ!!!同じ目にあえ!!!」

 

「…おれ達を船からも出さねェ気か…!?」

「目的が見えねェな…殺す気ならいくらでも攻撃できるハズだ!!」

 

「遊んでるだけよ…。殺す気だったら気配で分かるし、そもそも私がそんな事させないわ!」

 

 気配がロビンの近くに移動した。私は剃で移動して、そいつとロビンの間に割って入る。

 

「!!?」

 

 ― ガシッ!! ―

 

 敵の腕を掴んでギリギリと握力を増していく

 

「見えないからって好き勝手…。いい加減にしてくれない?」

 

「「えっ!」」

 

「…そこに、誰か居るの?」

 

 ― バシッ!! ―

 

 手を振りはらって敵が距離をとる。

 

「ガルルル…きさま…」

 透明人間(アブサロム)が唸り、ようやく言葉を発した。一味のみんなは私の視線の先を見つめている。

 

「ガルルル…」

「!!?」

 背後で唸ったエルに、その声の主が驚いたようだ。エルをヤツの背後に投げて元の大きさに戻したのよ?

 猫科だから着地は心配ないからね!アブサロムは気づかなかったろうけど、みんなが見てたのはエルだったのよ!

 

「ガウッ!!」

 

 ― ドガーン!! ―

 

「ぐあっ!!」

「!!」

 

 武装色の一撃!?

 

 

 敵がエルに殴られて、欄干に激突した音が聞こえた。

 

 エルは私の足元まで駆け寄ってきて、おなかを見せてゴロゴロと言ってる。とりあえずよしよしと撫でてますけど…

 

 私としては、エルが唸る → アブサロムの注意が私から逸れる → 剃で間合いを詰めて蹴りを入れる

 ってな具合な事を考えてたんだけどな?

 

 ふむ…やっぱり野生のトラは気配に敏感なのかな?

 ひょっとしてこの子…見聞色も身につけてるんじゃね?

 

「帰ったほうがいいわよ?まだ痛い目に遭いたいなら、かまわないけどね!!」

 

 アブロサムの気配がデッキから消えた。ボートに乗って帰るみたい。恐らく、スケスケの実の能力で船はもう見えなくなっているだろう。

 

 さてと…ナミ達を追うとしますかね…!

 私はエルを小さくして定位置のポケットに入れた。

 

「あ~…こりゃまずいわ…」

 

 ― ドォー…ン!! ―

 

「うわぁ!!!」

 突然海が荒れだした。

 

「波だ!!塀の中で不自然な波が!!船が流されてくぞ!!」

「イオリちゃん!敵は…って、おい!イオリちゃんどうした!!?」

「…顔色が真っ青よ!!イオリ、大丈夫!?」

「…う…ん…」

 

「とにかく船を何とかするぞ!!おい『ほげー』錨を上げろ!!船の自由が効かねェ!!」

「誰が『ほげー』じゃコラ!!!」

 

「イオリの事は任せて!!とりあえず医務室に連れて行くわ!!」

「…ちょっと待って…小さくなるから…」

 小さくなった私を、ロビンが運んでくれた。

 

「いかん!!ナミさんと逸れちまう!!!」

「ウソップチョッパー!!返事しろーっ!!!」

「おいフランキー!!船の秘密兵器でなんとかしてくれ!!」

「よし”飛び出すびっくりプール”ってのがあるぜ!!」

「「楽しそうだな―!!って、アホか!!!」」

 

 

「大丈夫?」

「…ごめん…」

「何言ってるの!さっき私を助けてくれたのは誰?」

「…」

 

「重いの?」

「…たまに…ね。…ここまで酷いのは…初めてかも…」

 

 

 

「ロビンちゃん!イオリちゃんは?」

「ええ、たぶん心配ないと思うわ!」

 

「あいつ、たまに1日か2日くらい調子悪ィ時あんだよ。言うと怒るんだけどよ!体弱ェと思うだろ?」

 

「まさか月1回とかいうんじゃねぇんだろ?」

 フランキーが冗談めかして言った。

 

「よくわかったな!!そうなんだよ!!な、あいつ体弱ェだろ?」

 

「…そうなのか?」

 ルフィの答えを聞いて、フランキーがロビンに尋ねる。

 

「ええ…ただ、いつもより辛いみたい。」

 

「「…」」

 

「ん?どうしたんだ?」

 ルフィは全員の生暖かい目にさらされていた。

 

 

 

 

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