イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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06-193話:ネガティブホロウ

「さて、じっとしてても仕方ねェぞ!この船は巨大クモの巣から(のが)れられねェ様だ。」

 

「ガイコツ野郎のゴースト船も…、ウソップ、ナミ、チョッパーを乗せてたハズのミニ化メリー号も、クモの巣で身動きが取れなくなってる。正面には計算されたとしか思えねェ位置で、島の入り口が誘ってやがる…。ゴースト達の手招きまで見えてきそうだ!」

 

「なーにをごちゃごちゃ言ってんだゾロ!!ほら、おめェも来いよ!!ここにいたってヒマなんだ!!行くぞ!!弁当わけてやっからよ!ししし!!

 

「イオリちゃん…、一人で大丈夫かなァ…」

「…」

 

「おめェに心配されるほどヤワじゃねぇだろ!あいつは!」

「バカ野郎!!”今の”イオリちゃんを心配してんだ!!」

 

「少し眠れば大丈夫だって言ってたわよ?それに一人じゃないわ!」

「「?」」

 

「 ― で、何でいきなりこんな長い下り階段?」

「ここが『入口』なんだから考えても仕方ねェ!」

 ルフィが一人、急いで階段をかけ降りる…

 

「ゲッ!堀の奥に何かいるぞ!!」

 

「グルルルルル…」

「ワフッ…」

「ワン!!!」

「ワン!!!」

「ゴォーン!!」

 

「へぇ、ケルベロスか…。地獄の方が安全だろうに!!」

「あら、かわいいわね」

「あいつ、ケンカ売ってねェか?」

「生意気だな…!」

「お!あれ、うめェのかな?」

 サンジ、ロビン、フランキー、ゾロ、ルフィの順での発言が続く。

 恐らくこんな連中は初めてだろう。ルフィなんて完全に捕食者の発言(セリフ)だよ。

 

 ぞぞ~~~っ!!

「!!?(エ~~~~~ッ!!?)」

 

「グルルルルル…!!!」

「ウゥ…」

 ケルベロス(?)がルフィ達を睨む。

 

「何だ、やる気になったぞ」

「ガルルル…」

 

「じゃ、おれが…」

 ゾロが一歩、進み出る。

 

「いや待てよ!手懐けてみよう!!」

 そのゾロを制してルフィが前に進み出る。

 

「バカ!犬っつってもお前…!犬の元締めみてェな奴だぞ!?」

「犬は犬だ。よーしよしよし、お手!!」

「!」

 諌めるサンジを尻目に、ルフィがケルベロスに近づいた

 

「ワンワン!!コォン!!!」

 

 ガブ! ガブ! ガブリ!!!

 

 ケルベロスはルフィの足と手と首に噛みついた。

 

「!!!」

 

「言われたそばから…」

 

「よしよし、いい子だ」

 ポンポンと一匹の頭を撫でるルフィ…

 

「よーしよしよし…そうだ、ゆっくり離せ…いい子だな…!!」

「「………」」

 

「こんにゃろォ!!!」

 

 ― ドゴゴン!!! ―

 

「「グギャウッ!!!!」」

 ルフィの左フックが3つの首をまとめて壁に叩きつけた。

 

 ドサッ…

 

 ぐったりとしたケルベロスに向かってルフィが一言…

 

「ふせ」

「「イヤイヤイヤ……」」

 

 

「それにしてもひどい傷ね。生きてるのが不思議だわ」

「その前に、一匹キツネが混ざってる時点で、すでに生物としてどうかと思うがな。」

 ケルベロスって、実在するんだっけ?

 

入ってすぐこんなオモロいの出てくんだから、この島楽しみだな―!!イオリも一緒に来りゃよかったのに!!」

「…」

 

「堀を出てこの先、森か…」

 

「ナミさーん!おーい!!ナミさんどこだ~!!?」

 

「元気ないわね。ケルベロスさん…」

「まァ…敗者に妙な同情はしねェこった。プライドに触る」

 

「……ん?」

 

「はっ!!」

「!!!」

 

「おっさんの木と…ユニコーンが一杯やってる!!?」

 

 

 ぎゃああああぁあぁ

 

 

「捕まえた―!!!」

「ウオオー見逃してくれ-!!!」

 

「こっちもだ!!こりゃ珍しいな!!」

 

「お前ら!!おれと一緒に海賊やら…」

「「フザけんなァ!!!」」

 

 

「だからおめェは!!色んなモンを仲間にしようとすんじゃねェよ!!ただでさえ、タヌキだロボだの、色々いんだぞウチにゃあよ!!」

 

「おい、おれはロボじゃねェ!サイボーグだ!バカ野郎!!」

「もう人間じゃねェ事は確かだろ!!」

 

「ベースは人間だってんだよ!!」

「ベースは変態だろうが!!」

 

「え…ああ、そこ解ってくれてるんなら…」

「いや、ホメてねェぞ!!?」

 

「次は何が出るのかな~~♪楽しいな~~~♪」

「さっきの”木の人”や”ユニコーン”にもあったわね…」

 

「どうした」

 

「この森の奇妙な生物たちの共通点は、包帯、縫い傷、そして体に刻まれた番号…」

「番号か…確かにあるな。何者かに管理されてるって事か?」

「そうなるわね」

 

「ん?なんか聞こえるぞ?」

 

「ネガティブ、ネガティブ」

 フィ~~…ン

 

「出た―!!ゴーストだ-!!!」

 

「ネガティブ!! ネガティブ!!」

 

「踊りながら増えてくぞ面白ェ~~~!!!」

 

 フィ~~…ン

 

「感じの悪ィかけ声だな…」

 

「捕まえて飼ってやる!!」

 ルフィが虫アミで捕まえようとするが、振り回してもゴーストは、当然アミをすり抜ける

 

「完全に霊体か…よーし!”フレッシュファイア”!!!

 フランキーが火を吐く

 

「ホロホロホロ…ホロロロロ…」

 

「ダメだ、効かねェ」

 フランキーがそう言った瞬間、一匹のゴーストがフランキーの胸の辺りをスイーっとすり抜けた。

 

「!?」

「ホロロロロ…」

 

「全くダメだ…今週のオレ、ホントにダメだ…何やってもまるでダメ…生きていく自信がねェ…死のう

「どこまで落ち込んでんだよお前ェは!!!」

「ウゥ…」

 

「こんにゃろ!!」

 アミをあきらめて、素手で捕まえようとしたルフィの体を別のゴーストがスイ~~…っと抜ける

 

「もし生まれ変われるのなら…おれは貝になりたい」

「最低だ…死のう…」

「だから、何やってんだよおめェら揃って!!!」

 

「…!?」

 

「ネガティブネガティブ、ホロ、ホロロ…」

 

「もしかして、あのゴーストに触れると気が弱くなっちゃうんじゃ…」

「そんなバカな」

 ロビンの言葉にサンジが応える。

 

「…ふん!情けねェ奴らだな!普段から気をしっかり持たねェから、妙なゴーストごときに心を翻弄されんだよ!!」

 と、言ったそばから、そのゾロをゴーストがすり抜けた!!

 

「生まれてきてすいません…」

「もういいわ!!!」

 サンジが落ち込んだゾロを怒鳴りつける…

 

「ロビンちゃんの言う通りみてェだな…」

 

「実体がない上に、触れると精神的に切り崩されるなんて…。もし敵ならば手強いわね。でも、フフ…なんだか、本気で怒ったイオリの簡易版って感じがしない?」

「確かに…」

 

「……不思議な島」

 

「ホロホロホロ…ネガティブ ネガティブ…」

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

ふんがー!!!あんのゴースト!今度現れたらもう承知しねェ!!!飼うのもやめだ!!いらん!!」

「弱点は必ずある!!抹消してやる!!!」

「わははは!面白ェモン見た」

「うっせェ!!!」

 

「番号を持ったツギハギの生物たちは(ひと)くくりにできそうだけど…あのゴーストはまた別の生命体ね」

 

「あいつは船にもいたよな…。時折現れ、おれ達を監視してる様だ…。問題は、誰が糸を引いてるかだ!」

 

 

 

 

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