イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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06-194話:”モリア”

「あー広い墓場だ。雰囲気あるなー。おい!ここで弁当食おう!!」

「バーカ!メシがマズくなんだろが!それに急いでんだぞおれ達は!!」

 

「あー…」

「?」

 

 ボコッ!!

 

 墓の下から手が出てきた。

 

「ア~~~~~!!!」

 ゾボボボボ…

 

「……」

 ルフィーは無言のままに、出てきたゾンビの肩に手を置き、そのまま土の中へと押し戻す。

 

「あ―……!!って帰るか!アホンダラァ~!!!

 ゾンビは土の中に押し込まれたかと思ったら、飛び出してきた。そしてルフィの目の前で威嚇するようにして止まる。

 

「大ケガした年寄り!?」

 

「「ゾンビだろ!どう見ても!!!」」

 ルフィの言葉にゾロ、サンジ、フランキーの3名がツッコミを入れた。

 

「ゾンビをナメやがって~~~!!」

「ナメンなァア!!!」

「ウルァ~~~!!!」

「ウォアチャ~~~~~!!!」

「ホアチョ~~~~~!!!」

 ボコボコボコーンと、飛び跳ねるようにして墓から飛び出してくるゾンビたち…

 

「こんなに生き生きしてんのかゾンビって」

 それを見て、呆れたようにサンジが呟く

 

 ウオウオオオオオ…!!

 

「ゾンビの危険度教えてやれェ!!ウオオオオオ!!!」

「!」

 大勢のゾンビが現れた。そのスキに、ケルベロスは逃げ出した。

 

「な~んだ、やんのか?危険度なら、こっちの方が上だって事、教えてやる…!!」

 5人が構えて、攻撃を繰り出した

 

「7.4億B・JACK・POT!!!!」

「!!?」

 

 - ドカァン!! -

 

 ギィヤアァアァアァァアァ!!!!

 

 一瞬にして、ゾンビ達は蹴散らされた。

 

 

「お前ら、ここで何してんだ?」

 

「えーと……ゾンビだし……埋まってたっていうか、腐ってたっていうか…」

「…腐ってた!!」

「おれも!!」

 

「フザけてんのか?」

「スンませんっ!!」

「ほんとにっ!!」

 

 

「鼻の長ェ男と、オレンジの髪の女と…トナカイみたいなタヌキがここを通ったか?」

 …トナカイとタヌキが逆だけど?

 でも、これはルフィだけの認識じゃないかもしれないわね?

 さっきサンジも、タヌキって言ってたし…

 

「ああ!!あ~~~はいはいはい…!!」

「…でも言えねェ!!おれ達、そういう情報関係、一切人に言えねェ事になってるんで!」

「…ふーん…絶対に言わねェか?」

 パキパキと指を鳴らすルフィ…

 

「3人通った!」

 

「おれの仲間だ。手ェ出してねェだろうな」

 

「えー…!?」

「「……」」

 

「だ…出してねェっ!」

「おれも出してねェ!」

「……出してねェ!!」

 

「正直に言えよ!!?」

 

「コイツは出した」

「えー!?おい、友達売るなよ~~~っ!!」

「ちょ…お前だって噛んだろ!!!」

「みんなで襲った!!」

 

「「バカ!!言うな!!」」

 

 ギャアアアアアァァ…

 

 ゾンビたちは全員、ルフィのガトリングで飛ばされて、墓場のあちこちに頭から突き刺さっていた。

 

 

「あの屋敷に向かったみてェだ。無事でよかった!」

「ブルックはわからねェって…」

 

「いなくていいよ!別にアレは…」

 

「もし!!……ち…ちょっとあんたら……!!待ってくれ!!今…見てたぞ!!あんたら恐ろしく強いんだな!少し話しをさせてくれねェか!!?」

 

「…大ケガした年寄り!?」

「「だからゾンビだっつってんだろ!!!」」

 さっきと同じシチュエーションでのルフィの言葉に、ゾロ、サンジ、フランキーがツッコミを入れた。

 

 が、しかし…

 

「イヤ、大ケガした年寄りじゃ!」

 じいさんの言葉にショックを受ける3人組…

 

「紛らわしいな!!!」

「ゾンビでいいだろもう!!」

 いや、ダメでしょうよ?

 

「倒してほしい男がおるんじゃ……!!あんたらならきっとやれる!!被害者はいくらでもおるが…倒せば全員が救われる。”影”が戻れば礼ならいくらでもするし!」

 

「ホントだ!おっさんも影がねェな!ブルックと一緒だ…!!」

「そりゃ一体誰の仕業なんだ!この島に誰がいるんだ?」

 

「モリアという男だ。それはもう、恐ろしい…!!」

 

「モリア?」

 

「もしかして…ゲッコー・モリアの事かしら…!?」

「でしょうね!」

「「!!?」」

 私は、ロビンのポケットから飛び降りて元の大きさに戻った。

 

「イオリ!!おめェ、ずっとそこに居たのか?」

「そうよ。ロビンのポケットの中で寝てたのよ!船で一人じゃ、つまらないじゃない?」

 

「大丈夫?」

「まだ…微妙かな?確認が終わったらもう少し寝させてもらうわ!」

 

「こりゃ驚いた…!大きくなりおった!!」

 

「それで?影を奪ったヤツは、ゲッコー・モリアでいいのかしら?」

「ああ…そうさ…そのモリアじゃ!!」

 

「ロビンとイオリは知ってんのか?」

「…名前ならよく知ってる…。元々の懸賞金は3億を越えてるわ。今のあなた達二人よりは低いけど…」

 

 ロビンが答えてる間に、私は両拳でルフィのこめかみ辺りをグリグリと挟んでいた

 

「イデデデデぇ!イオリなにすんだよ~!!」

「まったく、あんたは…!『ゲッコー・モリア』って名前、覚えてないわけ?」

 

 私の手から抜け出して頭をさすりながら考えるルフィ。はっ!!としたかと思うと手をポンと叩く。

 

「あっ、”七武海”か!!」

「…」

 このパターン、何度目だよ!!まったく…

 

「そう、ゲッコー・モリアは”七武海”の一人よ!!!」

「「なにィっ!!?」」

 

「さて、ルフィ?ゲッコー・モリアは何の能力者だっけ?」

 ニコニコしながらルフィに問いかける。

 

「お…おれは、”カゲカゲ”としか教わってねェぞ?」

 何をそんなにビクついてのかな?

 

「よろしい!はい、よく出来ました!!」

 と言って、パックダイアルから骨付き肉を取り出して、ご褒美として渡す。ルフィは夢中で肉にカブりついてます。

 

「何だよイオリちゃん、その『カゲカゲ』って?」

「簡単に言うと、影を自在に操る能力って感じかな?…自身の影だけじゃなく奪った影に対してもね!どうやって影を奪うかまでは知らないんだけど…」

 

「影なんて奪って、一体どうすんだ?」

「さあ?ここに来るまでの事を振り返って考えるなら、死体にその影を入れてゾンビとかにするんじゃない?」

「「!!?」」

 

「なるほど!!あのゾンビはそういう原理で動いてんのか…!」

「だから生き生きしてたのね」

 

「でも、七武海がこんな所で何やってんだ?」

「さァわからんが、わしと同じ様にこの森をさ迷う犠牲者達も少なくない…」

「他にもいるのか…!!」

 

「(気配からするに)いっぱいいるみたいねぇ…」

 囲まれてると言っても過言じゃないくらいに大勢いるわねェ…

 

「あんたらもここへ誘われた時点で…モリアに目をつけられたと思った方がいい…この地に残り、暗い森をゾンビを恐れながら這い回る者…海へ出てなお太陽に怯え生きる者…!!いずれにしろこんな体では生きている心地はせん…死ぬ前にもう一度…太陽の光の下…歩いてみてェ…!!!」

 

「そうなのかおめェ…!そりゃ辛ェなァ…!!よォし!おれが力んなるぜ心配すんな!!バカ、泣いちゃいえェよ!!!」

「気持ちをわかりすぎだろ!てめェ!!軽く背負い込むな!」

「まったくだ!おいジジイ!!泣き落としは美女の特権だと思え!!!お前じゃトキメかねェ!!」

「……!!」

 

「まーでもよ、元々影を奪う張本人を探してたんだ!!そいつがおれ達も狙ってんならぶっ飛ばす事になるし、おっさんもついでに助かるんじゃねェか!?」

「そうなるわね。」

 

「……あ…ありがてェ言葉だ…!!ついででも何でも希望が持てますじゃ!!!」

 

「頼んだぜアンタたち!」

「頑張れー!!」

「!」

「モリアなんかぶっとばせ!」

「おう、兄ちゃん!トキメかなくて悪かったな!!」

「……」

「聞いてたのかよ!その他の犠牲者共!!」

 

 私はもう少し寝ると言って、またロビンのポケットの中に戻った。

 

 

「だいぶ降り出して来たな」

「…」

「屋敷まで走るか!?」

 

「ちょっと待った!!」

「!」

 

「……」

「屋敷の後ろに…マーク!?でっけェ何かが見えるぞ!?」

「少し霧が薄れてるな…何だ…旗か!?」

 

「違う…!!”帆”じゃねェのか!?ありゃあ」

「帆!!?」

 

「そうなのじゃ!!」

「まだついてきてたのか!!」

 先ほどのじいさんがついて来ていて教えてくれた。

 

「巨大すぎて全貌などわかりますまい。この…!!スリラーバークは、村を一つ丸ごと載せた、世界一巨大な海賊船なのじゃ!!!」

「!?」

 

「屋敷の裏に見えるメインマスト…ゲッコー・モリアはそこにおります!」

 

 

「さァ行くか!!オバケ屋敷!!!

 

 

 

 

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