イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

212 / 385
06-195話:ラブーンの待ち人

「ごめんくださーい!お邪魔しまーす!!」

「早ェよ!!!」

 ガチャガチャガチャ!!

 

「ん?この扉、鍵が…」

 

「あ…!…開いた開いた!!」

「開いたっていうかお前…」

 ドアノブと扉が、サヨナラしてます。取れてます。

 普通の人はそれを壊したと言う…

 

「おーい、誰かいねェか-!?ゲッコー・モリア~~~~~!!」

 

「これだけの屋敷で…使用人の一人もいねェのか?」

「何だこの乱闘の後の様な部屋…まさかナミさんの身に…!!?」

 

「ブヒヒヒヒ…!!!ご主人様の名を知ってなお、ここへ踏み込むとはたいした度胸!」

 

「え!?壁からブタが生えてる」

 

「歓迎してやれ客人達を!!」

「ウオオオオー!!ケキャキャキャキャ!!!」

 床や壁からゾンビ達が現れ、ルフィ達に襲いかかった

 

「!!?」

 

「オイオイ、これもゾンビか?」

「この島ではもう…どんな生き物がいても不思議じゃないわね」

 誰も恐れていない。それどころか、ルフィは目を輝かせている。

 

 ゾンビ達は、あっという間に全滅していた…

 

「おし、片付いた…!!」

 

 私は一人、ロビンのポケットの中で、寝ながら考えていた。

 

 原作ではこの後、サンジ→ゾロ→ルフィの順にクモに捕まって、影を取られる事になる。

 サンジはその影がナミ達を救うことになるし、ゾロの影はサンジの影とケンカして、二人揃って城の窓から落ちて貰うのに必要。

 ルフィは、影の切り離し方を3人組に見て貰う為に必要…ってな具合。

 つまり3人共、影を取られてもらわないといけないのよねェ…。私が本調子だったなら調べて回れるんだけど、かなり辛いのよマジで…。申し訳ないけど、原作通り進ませて下さい…。

 

 そうこうしてるウチにサンジが消えた。

 ゾンビたちにごちゃごちゃ言われ、ルフィが怒った。

 

「ゴチャゴチャうるせェな…!じゃあそのモリアのバカに伝えとけ!!おれの仲間の身に何か起きたら、お前をこの島ごと吹き飛ばしてやるってな!!!

 

 そう言い放ったところまでは良かったんだけどね?

 

 ゾロが消え、結局ルフィも捕まってしまった。

 

 う~ん、どうしよう…?

 

 まだ調子が戻んないんだよなぁ…ってか痛みが引かない。むしろだんだん痛くなってる気がするわ。違う病気とかでは無いと思うけど…

 

 VSモリアでは、オーズのミニ化が私の役目だと思ってる。とりあえず、もう少し大人しくしてようかな?

 

 結果としては、ブルックとのやり取りが行われ、ロビンとフランキーがウソッチョ組と合流して、サニー号に戻るまでゆっくりさせてもらった。

 

 

「サニー号があったぞ!!」

「成程、ここへ通じてたのか…。上へ行けばいきなりボスの部屋だったとはな。」

「階段が下ろせる様になってる!」

 

「おい!!ずいぶん荒らされてるぞ!!」

「ゾンビ達の仕業ね。泥の足跡だらけ…」

「えっ!!じゃまだいるかも!!」

 

「大丈夫!!中にいるのはウチの3人組だけよ!」

 私はロビンのポケットから顔を出して言った。ポケットから降りてもとの大きさに戻る。

 

「イオリ!?」

「おめェ、何だってそんなとこに居たんだ?」

 

「まだ、顔色が良くないみたいね…」

 

「えっ!?イオリどこか具合でも悪いのか?」

「あ~…まぁ、ちょっとね。」

 

「結構荒らされてんな。別にまだ取るもんなんてねェのに……」

「 ― まず、肝心のあいつらは…?」

 

「3人ともダイニングに居るわ。ブルックの話だと2、3日気を失ったままって言ってたっけ?」

 

 ダイニングに入ると、オモロイ光景が…

 

「完全にゾンビ達にデコレートされてるが…」

「…無残ね」

 

  ― パシャッ!! ―

 

「「!!?」」

 

「…何してんだ?」

 

「いや、せっかくなんで記念写真を…」

「「アホかァ!!」」

 男ども三人(フランキー、ウソップ、チョッパー)に怒られてしまった。

 

「おォい!!!てめェら起きろォ!!!寝てる場合かァア!!!事態は深刻なんだぞ!!!」

 ドカーン!!!

 ドゴーン!!

 バキィ!!

 ボカ!!

 

「こらこら…」

 フランキーが3人をシバきまくった。たんこぶこしらえて沈んでますけど?

 

 ねぇねぇ、みんな?写真撮影より、この暴力のほうが怒られるべき事なのでは?

 納得いかねぇ~!!

 

「……起きねェ…神経あんのかコイツら。仕方がねェどいてろバズーカーで…」

「それはやめとけ…」

 いくら自分が造った船の強度に自信があるからって、船が大丈夫でも他の物が壊れちゃうでしょ!

 えっ?3人の心配?

 しないわよ!だってバズーカーくらいじゃねェ…

 

「いや…大丈夫だ…」

 ウソップが一歩前に出る。

 

美女剣豪持ってやって来たぞ!!!」

「すごい!ウソップ!!」

 

「美女!!?」

「肉!!?」

「剣豪ォ!!?」

 

「ダメだコイツら!!」

 チョッパーが一人ショックを受けてるけど…

 でも逆に、覚醒の呪文が明確だからいいんじゃね?

 

 

「このヤローおれの影を!」

「静まれ、ここにモリアはいねェ!!!」

 ルフィが寝ぼけて暴れようとするのをフランキーが止める。

 

「……」

「……」

 

「ん?ここは……」

 

「サニー号だ!」

「サニー号!?何で元の場所に…」

 3人が覚醒して、落ち着きを取り戻した。

 

「…イヤ…でも夢じゃねェ。影がなくなってる……!!!…妙な感じだ…」

 

「おい大変だ!!!一大事だ!!!食い物がなんもねェぞ!!!」

「!」

「って言いながら食ってるのは何よ!!?」

 ルフィはチーズを食っていた。

 

「あれだけ大量に積んだ食料がカラだ。保存食を残して全部持ってかれてるぞ!」

「チーズやカンパンじゃ食い足りね―っ!!!肉―!!!」

 

「収納貝も?」

 あれってたぶん、青海じゃ希少みたいだから見過ごされてるんじゃない?

 

「あっ!!そうか!!」

 サンジが食料庫を確認して戻ってきた。

 

「イオリちゃん!!あったよ収納貝。たぶん棚の上に置かれてたんで助かったんだ。」

「何ィ!!肉あんのか肉!!」

 

「それだけでも2、3日分くらいの食料にはなるでしょ?」

「そうだな…」

 

「おい、サンジ!!肉!!」

肉肉うっせーんだよおめェは!!今はそれどころじゃねェだろ!!」

 

「ほら、コレでも食ってなさい!」

「おー!!」

 W7の時と同じく、骨付き肉を2つ渡す。

 

「ひほひほはっふひははんへほはひっへんは!!(イオリのバックには何でも入ってんな!!)」

「…食べながらしゃべらないの!!」

 ルフィの頭を小突く

 

「まったく面目ねェ…油断しすぎてた…!!」

「 ― ところでナミさんがいねェ様だが……?」

 

「連れ去られたんだっけ?」

 と、ウソップの方を向いて聞いたら、途端にサンジがウソップに詰め寄った。

 

「連・れ・去・ら・れ・たァ!!?なぜ地の果てまで追わねェ!!?そいつはどこのどいつだ!すぐおれが行って奪い返してくる!!!」

「す、すまねェ!!!でも追いかけ様のねェ状況になっちまって…!!!とにかく話を全部聞いてくれ!!!」

 

 

 *--*--*--*--*

 

 

「いいか!これから取り返さなきゃならねェもんは、大きく分けて二つだ!!」

「”めし”!!”ナミ”!!」

「…」

 確かに『めし』は大事だけどね?特にお前にとっては…ね?

 

「あと”影”もだろ?3つだぞ!」

 

「おお……意外なもんがランクインしちまってた…。ひとまず”ナミ”と”影”の話をさせてくれ!」

 ウソップがナミが拐われた時の状況を、事細かに説明する…

 

んな!…け…け…!!!結婚だとォ~~~~~!!!フザけんなァ~!!!クソ許さ~ん!!!

 サンジが欄干の上で怒りの炎を燃やしている。全身からオーラのように結構大きな火が見える…

 

「ナミと結婚て、勇気あんなァそいつ…!そんでおれが巨人?でっけェんだろうな!見てみてェ!!」

「…」

「じゃあ、ルフィとあのコックのゾンビは確認済ってわけだなウソップ!」

 

「あ…あいつが”七武海”の一人だったなんて……!!」

「急に怖くなってきた、おれ…!!」

「知らなかったのかおめェら」

 ウソップとチョッパーが顔を青くして震えている。ひょっとして私より顔色悪いんじゃないの?

 

「ん?そうか、ゾンビが本人みたいになっちまうんなら…おれゾロのゾンビ見たぞ!?」

 

「どんなんだ」

「ん~似た感じだったぞ!ゲタはいてたからお前じゃねェとわかったけどな!」

「見分けるとこが違う気がするけど?」

 

「 ― まぁ何でもいいが…じゃあその3人のゾンビを探し出して、口の中に塩を押し込めば影は返ってくんだな?しかしそんな弱点までよく見つけたな!」

「弱点にしろお前らをまず救出しに来た事にしろ、助言をくれたのはあのガイコツ野郎だ!」

 

 みんなが話している間中、ウソップがすり鉢でなにやらゴリゴリとやっている。

 

「えーっ!?ブルックに会ったのか!?」

「会った…会って…ヤボな質問しちまってな…。いや、お前らが初めにアレを仲間にすると連れてきた時ゃ、さすがに存在ごと完全否定したが…。あの野郎、ガリガリのガイコツのクセによ!話せばなかなか骨がある。ガイコツなだけに」

 

「フランキーのおかげて確定したしね!!」

「「?」」

 

「何がだ?」

「割り込んでごめん。話を聞けばわかるわよ。フランキー続けて!!」

 フランキーはブルックにした質問の事を話した。そして、一味のみんなはラブーンの名を聞く。

 

「……こういうワケで奴は…」

 

「ラブーン」

「……」

 

「あいつだ…」

「ホントかよ…」

 

「…あいつって?」

「……ああ、おれ達知ってんだそのクジラ」

 

「……!?何!?どういう事だ!?」

 

「…偉大なる航路の入り口にある”双子岬” ― そこにクソでけェクジラがいて、世界を分かつ壁に頭をぶつけ吠え続けてた」

「…」

 

「『必ず戻る』と約束した仲間の海賊達を50年待ち続けてるってんだ…。すでに海賊達は逃げ出したって情報もあったが、ラブーンはそれを認めず吠え続けてた。なんとかルフィがその壁にぶつかる自殺行為だけはやめさせたが、…あいつは今も生きてその岬で仲間を待ち続けてる!!」

「……」

 

「イオリ!!おめェが言ってたのはこの事か!?…しかし、とんでもねェ話だ…50年も互いに、約束を守り続けてたんだ…!!確かにおれァ、感動したぜ!!

 

「まさか、あのラブーンが待つ仲間の一人が…あのガイコツだったとは…」

 

ヴォオオ~~~~~!!!骨も鯨も大好きだチキショー!!!

「「うるせェよっ!!!」」

 

「うは~っ!!ぞくぞくしてきた!!あいつは音楽家で!!喋るガイコツで!!アフロでヨホホでラブーンの仲間だったんだ!!!おれはあいつを引きずってでも、この船に乗せるぞ!!仲間にするぞ!!!文句あるかお前ら!!!」

 

「ふふっ…あったら意見が変わるのかしら?」

 

「会わせてやりてェなァあいつ!!ラブーンに!!!」

 

「賛成だチキショーッ!!!」

「おれもだコンニャローッ!!!おれもう、ガイコツ怖くねェっ!!!」

「「うおおぉおおぉぉおおおー」」

 

「そんなわかりきった事より!!ナミさんの結婚阻止だ!!!おれァ!!!」

 

「ゾロ!!どこ行くんだ?」

「さっさと乗り込むぞ!!奪い返す影が一つ増えたんだろ?」

 

「しししし!!よっしゃァ!!!野郎共っ!!!反撃の準備をしろ!!!スリラーバークを吹き飛ばすぞォ―!!!

「ゆけ!!」

「おめェもだアホ!!」

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。