イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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本日より20時投稿に切り替え。


06-197話:ぺローナ、アブサロム

「…この部屋は何だ」

「ずいぶんチャラチャラした部屋だ」

「あのゴーストが飛んでるぞ?」

 

「ホロホロホロホロ……」

「!」

 

「階段と橋でお前ら全員ゾンビ共の餌食にするつもりだったのにまさかオーズが降ってくるとは、とんだ邪魔が入ったもんだ」

 

「…あのゴースト!!まさかあいつが操ってたのか…アレは一体何なんだ!?」

 

「ホロホロホロホロ!!すでにてめえらはこのゴーストの恐ろしさを充分わかっている筈…」

「…」

 ペローナさん?残念だけど私には、ネガティブゴースト効かないのよ?

 覇気でも防げるだろうけど、それ以前に私にはあらゆる『精神攻撃』が無効なの!

 

私は霊体を自在に生み出す”ホロホロの実”の霊体人間!!このゴースト達は私の分身!人の心を虚ろにする!!ホロホロホロてめえら全員ここまでだ!!!

 

 えっ!?

 これってまさか!!?ペローナがネガティブだから???

 ホロホロの実の能力が、人をネガティブにするのではなく、ペローナの分身ゴーストだから”ネガティブゴースト”って事?

 

「「!!?」」

 5匹のゴーストが私たちめがけて飛んでくる…

 

「あのムカつくゴーストの黒幕が、あんなキューティーちゃんだったとは!!」

「んな事言ってる場合か!!!全員アレくらったら一瞬で全滅だぞ!」

「逃げるしか手はねェ」

「…!!確かにアレばっかりは…!!!」

「あ……やっぱ、まだダメかも…!?」

 

「”ネガティブ・ホロウ”!!!」

 

「ぎゃあああああ……」

「!!!!」

 私たち全員の体をゴーストがすり抜ける。

 一応覇気は纏ったけど、私は別の理由でその場に蹲っていた。

 

 ヤベェ…。痛みが引いたと思ったのに、ぶり返して来た…。

 

 当時は大したことなかったし、周りにも重い人とかいなかったから薬の開発しなかったのよねぇ…。

 バ〇ァリンとか、〇ブとか、ロキ〇ニンとか参考にして薬作っとけばよかったかも…?

 あとでユナに連絡しとこ…。

 それより今回、どうしましょう?ここまで痛いと鎮痛剤って効くのかしら?なんか効かない気がするわ。

 いざとなったら薬じゃなくて…、痛みを『感じなくする』しかないかも?

 

 それよりも…、ウソップは大丈夫なんだろうか?

 

「終わった、何もかも…」

「そうだ!!ノラ犬などに踏まれたい!!」

「サバ以下だおれという存在は…!!死のう…」

「みなさんと同じ大地を歩いてすいません」

 原作と同様…ウソップ、フランキー、サンジ、ゾロが落ち込みながらのたまった。

 ウソップだけはいつもの声だから、多分大丈夫だと思うんだけど…

「…」

 

「捕らえろ!!!」

「ウオォー!!!」

 

「あっけねェな、後は上の奴らか」

 ペローナはそう言って、私たちに背を向けた。

 

「乱れ打ち”塩星”!!!」

「!!?」

 

「誰だ!!」

 

「ギャアァアァア」

 ゾンビ達の口から影が抜け出る。

 

 よかった。これも原作通りだ。

 

 ウソップがダメだったら私が全部やっつけないといけなくなるところだったもの…。

 かなりツラいから助かったわ!!

 

「!!?」

「ウチの船員(クルー)に、手出しはさせねェ!!!」

 

「しまった…コイツくらったフリをしてやがったのか”ネガティブ・ホロウ”!!!

「!!!」

 もう一度、ゴーストがウソップの体をすり抜ける。しかし…

 

「…おれの名は…」

「!?」

「キャプテン・ウソップ!!」

 

「なぜだ!!てめェなぜひざをつかねえ!!!技は当たったぞ!!…一体どんな手を使って!!」

 

「どんな手も何も!!!おれは元から!!!ネガティブだァ!!!!!

 

「!!?え~~~~~~~~~~~っ!!?」

 ペローナがよろけて崩れ落ちた。ネガティブ・ホロウが効かない奴になんて会ったことないんだろう…

 

「ゴーストのネガティブパワーをしのいだ!!」

「とんでもねェ男だ!!!」

「人は…生きてるそれだけで、前を向いてるハズなのに…この男…!!!」

 ペローナが涙を流す。いや、そこまでかっ!!?

 

「「頑張れ!!!」」

「励ますなおれを!!!」

 ゾンビ達からの思いもよらぬ声援にウソップがキレてますけど?

 

 危ない危ない…私もいっしょになって励ますところだったよマジで…

 

「さァ目を覚ませおめェら!!早くナミとブルックの救出に向かえ!!!」

 

「はっ!!」

「お前らじゃあ…!!お前らの力じゃあ、あの女に敵わねェっ!!!」

 

「…格好いいわね!ウソップ!!」

「イオリ、大丈夫か?顔色悪ィぞおめぇ…!まぁ、あの女が相手じゃしょうがねぇか…」

「…」

 

「あいつはおれが引き受けた!!!」

「…おのれ…!!!」

 

「……」

「何だこの頼れる感じ…」

「アイツ効かなかったのか」

「そうみたいね」

 

「だが、周りのゾンビ共はカタづけてからゆけっ!!!そいつらにおれは勝てねェ!!!きっと死ぬ!!!」

 

「ここは全部任せたぞ!!!」

「あァ!!違うちょっと待て!!待ってー」

 

 まぁ、ウソップには衝撃貝の工夫について教えておいたので、なんとかなるっしょ!!

 

 

「まさか…ウソップのネガティブがこんな所で役に立つとは…」

「あいつがいなかったらたったあれだけで一味全滅もあり得た…!!」

「恐ろしい能力があるもんだ」

「追って来てるのは妙な動物ゾンビだけだな」

 

「この庭をまっすぐ行った先の屋敷にブルックとその影の気配があるわ!私とサンジはここで別れて、ナミのいる下に向かうわね!!」

「わかった、しっかりやれよ!!」

 

「サンジ!!月歩で行くわよ!!」

「了解!わかったイオリちゃん!!」

 私とサンジは月歩で波の方へと向かう。

 

「おぉ!!便利だなあの技は…」

 

「んん~~~ナミさァ~~~ん!!!嫁にはやらんぜ~~~!!!」

 

「また燃えてやがるな…」

 

 

「イオリちゃん!!ナミさんはどこの建物に!!?」

「気配が弱いのよ…。恐らく気を失ってるか、眠らされてる!」

 

「きったねぇ…抵抗出来ないようにしてやがんのか!!おんのれェ透明人間!!

あの建物よ!!ゴメン…ちょっと休憩してから行くわ!サンジ、先に行って!!」

 

「おっしゃぁ!!」

 サンジが突進していく。私は少しスピードを緩めた…

 

「…ヤバイわねェ…これは…」

 

 

 

 私が生命帰還で体調をすこし落ち着けてからサンジの後を追った。

 到着したのは、アブサロムが消えて、ナミをサンジがお姫様抱っこしている場面。

 原作ではこの後サンジがボコられ刺されるところだ。

 

「ガルルル…ほう、その女の為に…人柱になる気か…!?フフフ守ってみろ」

 アブサロムが無抵抗のサンジに拳や蹴りを決める。サンジは耐えているが…

 

「フフフフ!!放すなよその女を…!!!」

 サンジの後ろでナイフを抜くアブサロム

 

「!!!」

 

 - ガシッ!!! -

 

「!!?」

 

「無抵抗の相手に背中から刃物を使うって…おめェは一体何なんだ!!?」

「イオリちゃん!!?」

 

「バカな!!貴様おれが見えるのか!!?」

「見えてるわよ!!もっとも肉眼じゃないけどね!!あんたみたいな最低な男に、友達を渡せるわけがないじゃない!!」

 人として許せねぇっての!!

 

「ぐ…なんて力だ…」

 …ナミが目を覚ましたみたい?

 

「…う…ん…」

「ナミさん!!」

「ん…えっ!!何、私、どうしてたの? あっ!サンジ君!!?」

 

「ぬっ!?目を覚ましたか!!」

「えっ!!その声は!!ってイオリも来てたの!?」

 

「貴様!!いい加減に放せ!!女のくせに、怪力出しやがってこの阿婆擦れが!!」

「あ゛?」

 

「「あ…」」

 

 ー ドゴォッ!! ー

 

「「!!?」」

 アブサロムが気絶して姿を現す。顔が床にめり込んで後頭部には大きなタンコブが…

 

「あら…やり過ぎちゃった?随分手加減したつもりだったんだけど…。体調悪くてイライラしてるトコに、女性蔑視な事を言っちゃうあんたがわるいのよ~!!」

 

「あ、アブサロム様ァ~~~~~!!!」

「わ…笑ってる…!でも目は笑ってねェ!?こ、怖ェよ~~~!!」

「ダメだァ(かな)わねェ!!!」

「逃げろォ~~~!!!」

「ギャアアア~~~!!!」

 

「進化したわね!!笑みを浮かべながらの口撃…じゃなくて攻撃!」

「…おれがあんだけ全力で蹴り入れても平気だった奴が一撃って…」

 

  ― ドサッ!! ―

 

 イオリは苦しそうに蹲り、そして倒れた。

 

「「え!!?」」

「ちょっとイオリ!!」

 

 

 

 

 

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