「イオリちゃん!! ん!?オイオイ何なんだこの揺れは!!」
ー ドゴォーン!! ー
「うおーっ!!!この足…まさか!!ルフィのゾンビ!!?」
「なによ…!もう…?」
「何よ?”もう”って?」
「…休むヒマが無いってことよ…!これは、ほんとにヤバイわね…」
「イオリ!!ちょっとあんた、顔が真っ青よ!!一体どうしたのよ!!?」
「えっと…まぁ、…あの日でね…」
「…えっ!?」
「二人共!!とにかく逃げ…!?」
と、サンジが言った所で、ルフィゾンビに床ごと外に持って行かれた。
ナミをサンジにまかせて、私も月歩で飛ぶ…
「あそこ見ろ!!一緒に出てきたの、イオリとぐるぐるコックと小娘じゃねェか!?」
「それよりアレ何ですか~~~~~!?」
ギャァァアア!!…
「どうやら無事、救出出来たみてェだな!!」
「出て来ォ~~~い!!!麦わらの一味ィ~~~~~!!!!」
「…あの野郎、おれ達とやろうってのか!!」
「ウソでしょ…あんなのと戦って勝てるわけ…!!」
と、ナミが『はっ』とした顔で私を見た。
さすが、わかってらっしゃる!!
「ルフィの奴、てめェの一味をてめェで潰す気か!!」
「命令が下ったのね…!!」
「本物のルフィは無事かな…!!」
「何ですか!?アレ~~~~~!!!」
「倒しようがあんのかあんなモン」
「面白ェな…!!!」
ルフィ意外のメンバーは、全員この場に集結している。
どうしようかな~…
小さくすれば楽勝だと思うんだけど…?
原作で、ペローナが逃げ出すのは、オーズがナミを探してたからなのよね?
あんな奴にナミを預けておけないから、助けちゃったしなァ~…。
ルフィが来るまでには、まだ時間があるだろうし、このまま戦闘になっちゃうとみんながボコボコにされちゃうし…
ペローナには是非とも原作通り、財宝と食料を船にたんまり積み込んでもらわねば!!
さて、どうしたもんだろう……?
……ん?
そうだった!!
あいつの中身はルフィじゃん!!
そうよ!ルフィよ!!ルフィなのよ!!!
「イオリ?…あんたさっきから何ブツブツ言ってんの?」
「ナミ、サンジ!!ちょっと小さくなっててね!!」
「「はぁ!?」」
「1/50!!」
「ちょ、ちょっと!!何する気よ!!」
「イオリちゃん!!?」
「みんなの所へ連れてくわ!!船に財宝と食料をたんまり積み込んでもらう作戦の為よ!!」
「「!!?」」
私はオーズに気づかれないように剃刀でウソップ達の所に移動して、二人を元の大きさに戻した。
そして作戦を説明して、私だけ元の場所に戻る。
「オーズ!!」
「おっ!!おめェは…『くれない』!!麦わらの一味だな!!」
オーズが左手に貼られた手配書を確かめている。
「さすがねオーズ!!」
「!!?」
「まずは弱いやつからやっつけるのがプロフェッショナルだもんね?ちゃんと手配書を確認するところなんかさすがね!カッコいいわよ!!」
「そ…そうかぁ!?おめェ、わかってんじゃねぇか!そうだぜおれはプロへっしょなるだ!!そうだな!弱ェやつってのは懸賞金の少ねェやつだよな!!まずはこのタヌキと女からやっつけねぇと…どこにいるんだ?」
オーズがチョッパーとナミを探し始めた。
ちなみに二人にはタイミングを見て、オーズに見つからないようにエルに乗って遠回りでサニー号に向かってもらう手筈になっている。
炎貝を渡しておいたので、クモの糸をある程度溶かしておいてもらう予定だ。それとチョッパーには医療道具を一式、パックダイアルに入れて持ってきてもらうようにも指示しておいた。
オーズはというと、あちこちの壁を壊しては、『タヌキと女いねェか?』と確認している。あ、ペローナの部屋の壁を壊した…!!
そして勘違いが起こり、ペローナ達が動き出す。
いいね!原作通りになってきた!!
それじゃ、ナミ達にはサニー号に向かってもらいましょう!!
さて…お膳立ては整った感じね!!
「おい『くれない』!!二人がどこにも見当たんねぇぞ!!どこ行ったんだ?」
探すのに飽きたルフィもとい、オーズが叫ぶ。
「この辺にはいないみたいね。そうだ、オーズあんた!ハラ減ってない?肉食う?」
「食う!!くれっ!!」
「いったい…何やってやがんだよ?あいつは…」
ゾロがつぶやく…
私は収納貝を取り出すと、中から15cmほどの大きさの骨付き肉を取り出した。
「なんだよ、そんなちっこいのかよ!!1個じゃ全然足んねェ!!」
「まぁ待ちなさいよ!これは小さくしてあるの!!」
「ん…小さく!?」
「解除!!」
ー ド~ン!! ー
大きくなる肉! 1/100にしていたので、15mの肉が現れた。
「スゲーッ!!どうやったんだァ!!メチャクチャデカくなった!!」
目をキラキラとさせるオーズ。これは小さい頃に初めて能力を見せた時のルフィと一緒の反応ね!
「ところでオーズ、あんた、自分よりデカイ肉の塊を食ってみたいと思わない?」
「何ィ!!もっとデカくなんのか!それ!?」
「ちがうわよ!あんたを小さくするのよ!!そうすればあんたよりも大きな肉を食うことが出来るわよ!!」
「マジか!!おーし!やってくれ!!」
さすがに1/100にすると、この後の戦闘が単なるイジメになってしまうので1/25にする。
オーズの大きさは50m程なので1/25で2m程度の大きさになった。肉の大きさはその7.5倍。さぞかし食いでがあるだろう。
「すっげェ~!!こんなでけェ肉、見たことねェ!!!いっただきま~ふ!!」
肉に飛びつきかぶりつくオーズ。うーんこの光景…リトルガーデンのルフィを思い出すわね…
「私…イオリの能力って、戦闘ではあまり役に立たないと思ってたけど…」
「あのバケモンをこの大きさまで小さく出来りゃ、倒すのも楽だな!」
「あいつ今、一瞬で小さくしたよな?…って事は…実は無敵じゃねぇのか?」
「…」
ロビン、ゾロ、フランキーがつぶやく…
さて…オーズをやっつけたら、ルフィの影が戻るでしょ?
サンジとゾロの影の場所はわかってる。塔から落ちた後、その場でまだケンカしてるし…
「んめーんめー!!…ん?おい『くれない』、そこでケンカしてるオッサンと犬は何だ?」
「ゾロとサンジよ!」
「「はぁ!!?」」
オーズと、ゾロとサンジがハモってる。
「たぶんイオリね…。今さっき、向こうから飛んで来たわ。二人の気配を見つけてここに”運んだ”みたい。ほんと、抜け目ないわ!!」
「ってことは、とりあえず3人の影は回収出来そうだな。夜明けまでもう30分もねェだろうが…なんとかなったか…。まぁこんだけ霧の深い海だ。朝日の届く場所は限られてる…!!」
「とうとう朝か…正直…やっと消滅への危機感ってのも出かけてたんだが…」
― ズズゥ…ン!! ―
「!?」
「「!!?」」
「うわッ!!何だこの揺れ!!」
この揺れは…霧の海域を出たって事かしら?って事は原作通りならあと30分ほどで朝日が射すわけだね?
とりあえず、ゾロとサンジのゾンビは始末しときますか!!
私はウソップから貰った『塩星』を二人の口めがけて指で弾いた。
「ギャーァァァ…!!!」
二人の口から影が飛び出て、ゾロとサンジの足元へと戻っていった。
「「うおっ!!影が戻った!!」」
「キシシシシ…!!図らずも清々しい夜空…もう夜明けも近いが…ぐずぐずしてていいのか?貴様ら…ん?おめェは『くれない』か?…オーズはどうした?」
「そこで肉食ってるわよ?」
「ん?…肉食ってるって?…なにィ!!オーズが!!オーズがちいせェ!?」
リトルガーデンでのウソップと同じ反応ね…
「…そうか!おめぇのミニミニだな!!」
「せーかい!よく知ってるじゃない?」
「何でモリアがここに!!?ルフィは!?」
「案の定スカされたか…まぁ問題ねェが…」
「何が問題ねェんだおめぇら…なっ!?おめェら影が!!?」
「あとはルフィの分だけよ?とりあえず私たちのはね!!」
「ぶはー!!食った食った!!」
「キシシシ!!残念だったな『くれない』!!おめェの能力はおれの前では無効だ!!」
「何言ってんだあの野郎は?イオリちゃんの能力は塩も海水も効かねェってのに…」
「オーズを倒さなけりゃ船長の影は戻らねぇぞ!!」
「フン…その大きさならワケねェんだがな?」
「キシシシシ!!おれはオーズの腹ん中から見学させてもらうぜ…」
「腹ん中?何言ってんだ」
「…!!そうか!!しまった!!『革命』か!!」
「「!!?」」
「…さすがは『参謀』。おめェは知ってるのか?スゲェな!だが…わかってても何も出来ねェよなぁ!!『影革命!!』」
オーズの影が大きくなる…と同時にオーズがでかくなった。
「なにィ!!」
「革命!?」
「”影”とは”実体”に追従するもの…これが『常識』…!!」
オーズの腹の辺りにコックピットが現れ、そこにモリアが座っている。
オーズの影に分身を潜り込ませて影の形を変える事が『影革命』との事。
ふと思ったんだけど…
だったら別に、オーズに拘らなくたっていいんじゃねェの?
モブ達ですら、巨人にしたらけっこうな戦力になるだろうし、将軍級ならなおのこと…
それにあれって、別にゾンビだけの事じゃない気がするから、アブサロムをでっかくしたら凄い事になるんじゃね?
自分を大きくすることも出来るだろうし、覚醒したら、もっとすごい事が出来そうな気が…。
気づいてないとこが、なんとも勿体ないわよねェ。
「あんなところにモリアが!!」
「腹の中ってのはそういう事か!!」
「おおー!!コックピット!?何だおれの腹、コックピットなのか!!?すっげーイカス!!おれロボみてェじゃん!!テンション上がるなー!!!腹も膨れたし、パワーも満タンだ!!」
「キシシシシ…残念だったな『くれない』!!」
「まさか、ルフィの影だけ取り返せてないなんて…」
「まぁ、かえってスッキリしたじゃねェか標的がよ」
「やるしかねェ!!!」
「よしオーズ、まずはこの『くれない』を血祭りに上げてやれ!!こいつは強ェぞ!!全力でだ!!こいつを倒しゃぁ、『革命』無しでこの大きさに戻れるんだからな!!」
「わかった!!よーし、ゴムゴムの銃乱射!!!」
「!!?」
オーズの手が伸びての銃乱射。まさしくルフィの技の再現だ!!
大きさがまるで違うけど…
「イオリちゃん!!」
土煙が舞い、オーズの中でモリアがキシシと笑っている。
「キシシシ!!てめぇらの船長の技だ!!手も足も出ねぇだろう!!」
「当たんなきゃ、どうってことないわよ!」
「なんだと!!?」
みんなの居るところとは反対側…オーズの後ろの塀に腰掛けて呟く。
「あんたさぁ…。もしかして影を伸ばしたくらいの事で、私を倒せるとか思ってるわけ?スピードじゃルフィに遠く及ばないし、私はそのルフィの軽く3倍は速いんだから当たんないわよ!!」
「キシシシ!!余裕じゃねェかくれない!!だがてめェの仲間はどうかな?」
「「えっ!!?」」
「おいオーズ!!こいつは後回しだ!!正面の一味の連中をやっちまえ!!」
「やべェ!!こっち来んぞ!!」
「おー!!ゴムゴムの銃!!」
- ドゴォーん!! -
「ギャー!!」
「うわぁー!!」
「ゴムゴムの鞭ィ!!!」
「これじゃまるっきりルフィの化け物じゃねェか!!!」
「…」
「ロビン、どうした!?」
「やっぱり、イオリはまだ…」
「「え!?」」
ロビンの視線の先にはうずくまるイオリの姿があった。