イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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クラスター・ジャドウさん、 エクスプローラさん、誤字報告ありがとうございます。


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 前回の状況を整理してみましょう。

 全員で夢を語り合った。
 3人は船長になりたいとの事。どうするつもり? と聞いた。
  → 私、海賊船に勧誘された?

 どうなってんの?







01-20話:兄と弟

「えっと…ちょっと待って。意味わかんない。」

 

 どんなルートを通ったらそういう事になるんだ?

 

 私は、それはそれは真剣な眼差しを向けてくる3人を見上げた。

 

 何で座ってる私を囲んで威圧的に見下ろしてくるかな?脅してるつもり?

 

「そもそも、何で私があんたらのうち誰かの船に乗ることになるのさ?」

 そんなこと一言も言ってないよね?

 

 でも3人は、口々に言い募ってきた。曰く、海賊は面白そうだけど船長になる気はない、なら誰かの船に乗るんだろう。それはおれたちの誰かじゃないのか?とのこと。

 

 うん。まあ決めてるっちゃ決めてるけどさ?

 

 でも少しは私の事も考えてほしい。海賊は現在(いま)のところ犯罪者なんだよ?

 あんた達には私は高町の貴族の家に居たって言ったじゃんか!一応、いいとこのお嬢さん的な感じになるはずなんだよ普通はさ。

 

 誰だ今、おめェ普通じゃねぇだろ!とか思ったの!!泣くぞ?

 

 それに、海に出るだけなら賞金稼ぎって手もあるじゃんか!

 

 この様子を見るに、多分3人の思いとしては『自分が選ばれたい』という競争意識(本能?)みたいなものなんだと思う。海賊がどうとかそういう細かいことは考えてないんじゃないかな?

 私に選ばれる事はそのまま頼れる奴って思われてるってことになるわけだ。つまりは男のプライドを掛けた勝負って感じ?好きよねぇ男の子って。プライドかけた戦い…

 

「まぁ、あんた達のうち、誰かの船に乗らなきゃならないとしたら、それが誰かは決めてるけどね?」

 っていうか、乗ると決めたからこそ、私はここに居るわけだけどね。

 

「「「!!?」」」

 3人が息を飲んで見つめる中、私はルフィを指さした。ルフィは大喜びだ。勝った勝ったと大騒ぎ。逆にエースとサボは憤慨している。なんでだよ!とか詰め寄られてしまった。でもね、ちゃんとした理由だって考えてある。

 

「落ち着きなさいよ。よく考えてみて?エースとサボはちゃんと航海できると思うの。でもルフィは…」

「「あっ!!」」

 うん。二人とも納得してくれたみたいね?この子が一人で海に出る事を想像すればすぐにわかる事。

 だってコイツ、航海術の「こ」の字も覚えようとしないんだもん。

 

「だからね。少なくとも航海に必要なメンバーが揃うまでは、この子のお守りをしないといけないかなぁ~。なんて思ってたわけよ。」

「まぁ…それなら仕方ねぇな。」

「ルフィだもんな。」

 ちなみにルフィは聞いちゃいねぇ。ひとり無邪気に喜んでいる。

 そういうとこだぞ!

 

 

 しかし、原作ではフーシャ村の人たちはよくもルフィを送り出したと思うよ。遭難するとか考えなかったのかね?今の二人みたいに容易に想像できると思うんだけどな?

 

 原作は運が良かったとしか言いようがない。

 船が大破する大渦にのまれて樽が無事っておかしいだろ!コビーに会って以降は問題なかったとしても、アルビダの島に行けたのがそもそもの奇蹟なんだよ。

 

 わかるけどね?だからこその海賊王って事は…

 

 

 航海する事についてもそうだ。遭難するかどうかは置いといて、ルフィを海に出す事自体、危険と思わなかったのも疑問。だってルフィは泳げないんだから!

 

 ルフィが既に悪魔の実を食べている事は周知の事実。海に落ちたら溺れます。もともとコイツはかなづちだったし。

 

 

 当時、サボとエースは悪魔の実を食べると溺れるという事を知らなかった。というか気づいてなかった。それは私が溺れないから。(沈むけどね?)

 ※私が悪魔の実の能力者だという事は誰にも言っちゃいけない約束事です。一応ルフィも守ってます。

 

 ガープがルフィだけ海に投げ込まないのを見て、二人はガープに文句を言った。そこで判明したわけです。

 悪魔の実を食べると泳げなくなるという事実が…

 

 二人は目を見開いて私を見た。私は小さく首を振る。

 

 ガープが居なくなった後に二人に詰め寄られ事の次第を説明したわけ。

 

 理不尽だとか言われた。

 

 言わせてください。

 あたしゃ鍛えたんだよ!海楼石を常に身に着け海の呪いを軽減したんだ!理不尽とか言わずに誉めておくれよ!!

 

 まぁね。海で溺れなくなったのは偶然の産物ではある。

 海楼石を身に着けると力が1/10(あれ、もっとだっけ?まぁいいや)になる事がわかった。だから鍛える為にと常に身に着けていたわけさ。

 ところがある日、気づくと海楼石を身に着けていながらミニミニの能力が使えるようになっていた。うれしかったねェ~!

 『呪い克服した!!?』と勘違いして、喜び勇んで海に飛び込んだら沈んだ。

 

 危なかったよ。

 

 既に六式を覚えていた私は、月歩を使って脱出した。そうでなければ溺れてました。

 

 そんな話は置いといて…

 

 

 来ましたよ、あの場面。

 

 エースがダダンからちょろまかしてきたという酒を出して。

 

「知ってるか? 盃を交わすと兄弟になれるんだ」

 

 そう、兄弟の盃だよ!盃4つ、私の分もあるよ!

 

 うれしい!まさか盃兄弟入りすることになるなんて!!

 

 

「今日からおれ達は兄弟だ!!」

 

 チン、と盃がぶつかる音が響いた。

 

 

 あ、これは!!

 私一人だけ女だけど、兄も弟もいるなんて!なんて素敵なことでしょう!!

 

 エースとサボが兄ちゃんで、私は二人の妹で。そしてルフィが弟で!私はルフィの姉じゃんね!!

 

 なんかとっても得した気分!!

 

 

 それに…久々のお酒。おいしかったぁ~!!

 

 

 

 

 その後、イオリの収納貝の中には常にお酒が入っているようになりました。

 

 (のち)にゾロが喜ぶかもね?

 

 

 

 

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