イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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06-203話:見ちった

 ― モリア撃破より1日経過 ―

 

『何やってんだい!!そんなことすりゃどうなるかくらい、お前は当然わかっていたんだろう!?まったく無茶な事をしたもんだよ!!それにしてもチョッパー!!わかってたのに見てたってのかい!?先輩とはいえ、その時のイオリは患者だろう?患者の愚行を止めるのも医者の大事な役目だよ!お前は仲間を殺す気かい!?』

「ご、ごめんよ~!!おれ、一味が全滅するかも知れないってイオリに言われたから…」

 

『脅されたってダメなもんはダメだって言えなくてどうすんだい!!お前は男だろ?女に守ってもらうつもりだったとは情けないね!!』

「…」

 

『それからイオリ!おまえさん仲間に対して弱みにつけ込むようなマネをするってのは性悪にもほどがあるよ?』

「ごめんなさい…」

 

『いいかい!2日間は絶対安静にしときな!!…二人共…とにかく無事でよかった!まったく、余計な心配かけないでおくれよ!!』

 

 薬について、いろいろ作りたいと思って、今回の症状とかの場合どういう処方がいいのかを聞こうと思って連絡したら、何をしたのかを聞かれてしまい、今回の件を話した所、チョッパーと一緒に思いっきり叱られました…。

 ごめんチョッパー…完全に巻き添え食らわしちゃったわ…。

 

 ってなわけで、私は絶対安静で建物の中の一角に陣取ってます。と~っても暇なので今はこの島?の様子をエイタで観察中……

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

「あのまま中庭で結局みんな丸一日寝ちまったな」

「 ― そりゃあ寝ずに夜通し戦ってたわけだしよ」

 

「腹減ったぞサンジ~~~~~!!!」

「チーズでもかじってろ」

 

「チーズじゃダメだ!!おれはチーズじゃ動かねェ!!」

「じゃあさっさと食事に必要な物を中庭に運べ。被害者の会の連中、あそこを離れたがらねェだろ? あっちでメシにするんだ」

 

「悪いわね。何せみんな何年かぶりの太陽が嬉しくて…涙流して日光浴してんのよ」

 

「お前、何でそんなに元気なんだよ!!絶対おかしい…不思議すぎだろ!!」

 

「食料は足りるの?」

「奪われた分が戻ってる上に更に、山程追加されてるんで大丈夫だ!イオリちゃんの作戦が成功したみてェだからな!」

 

「何をどうしたのか知らないけど、あんたんとこの副船長ってすごいのね。…財宝までこんなに積んでもらえるなんて、景気良すぎだわ!どんな作戦思いついてんのよ!怖いわねェ…」

 

「幸せ…♥」

 ナミが宝の山に抱き着いている。

 既に一味の資金は充実しているけど、資金調達は継続して行っている。なぜかって?そりゃ楽しいからね!!

 財布の紐は私が管理するのはこれまで通りだけど、空島以降に手に入れたお宝はナミも一緒に管理してる。もちろんへそくりは、ほどほどにさせてるし、普段は小さくして仕舞ってあるから盗まれる心配も無い。留守にする時は私が持ち歩いてるしね?

 ※全く無いのは怪しまれるので、見せ金を少し置いています。

 

「お!ガラスのバンド、カッチョイイなー!おれ貰い!!」

「おいおい宝に勝手に手を出したら…ね…ねェナミさん?」

 

「いいわよ!それなら宝石じゃないから!」

「あ…そういう事もあんのか?」

 

「だけどあんたらにはひと欠片もあげないからね!!」

「お!!いいナイフ!!…ダメか宝石つきだ」

 

「恩人達の船から何も取りゃしないわよナミゾウ」

「え?」

「ん?口をついて出ちゃったわナミゾウって誰?…そういえば変なのよね…あんたとはなぜか初めて会った気がしなくて…」

「もしかして…ローラ!?」

 

「…そうよ?名前言ったかしら?」

 

「わーっ!!そうだったの!?ローラ!!また会えて嬉しい!!」

 ばふっ!!とローラに抱きつくナミ

 

「ロ…ローラってちょっと待てオイ、こいつまさかあの猪ゾンビ…」

「ん?」

「ふふふわかんないわよね後で教えてあげる!」

 

「とりあえずコレ貰って!お礼よ!!」

 そう言って、ナミがローラの両手いっぱいに、お宝を乗せる。

 

「えェ??いいの!?お礼?」

 

「「ナミが人に財宝をあげたァ~~~~~!!!ぎゃああぁぁぁぁ…」」

 

「先いくぞ!荷物これでいいのか!?」

 

「「嵐がくるぞー!!」」

 

「ん?嵐?本当か!?」

 

 *--*--*--*--*

 

「はー…幸せだ……」

「光が体にシミわたる」

「生きているんだおれ達は……!!」

 

「おーいメシ持ってきたぞー!!」

「麦わら!」

 

「ああっ!!言ってくれたら運んだのにっ!!」

「恩人を働かせちった!!」

 

「イオリ、どうしてる?」

「絶対安静だとかで屋敷の部屋ん中に…」

 

 

「チョッパー!!頼まれたものも持ってきたぞ」

「お!!ありがとう!!」

「具合どうだ?」

「意識は戻ったし、輸血したから落ち着いてる!」

 

「絶対安静って聞いたぞ?」

「まだ歩けないからな…!さっきイオリと二人してドクトリーヌに叱られたんだ…。イオリの回復力でも2日は絶対安静にしてないとダメだって…。今はゾロが無理しないように、今見張ってる。」

「ふ~ん…ゾロが見張ってんのか…」

 

「今は落ち着いてるけど…本当は命だって危なかったんだ…!!イオリがあんなにダメージを負った事なんてこれまでなかったし…。血液だってイオリの提案で採取してたストックがあったから間に合ったんだ…。でも…やっぱり、おれ達が倒れてる間に何かあったんじゃないかな…?イオリもゾロもなんにも言わないけど…」

 

「……」

 

「確かにあの男があのまま帰ったとは考えづらいものね」

「ルフィが異常に元気なのもおかしいよな―」

「そればっかりはおれもわかんねェ!なははは」

 

「ほんっっと勘弁してほしいわ…!イオリってば無茶し過ぎ!!」

「ふふふ…ナミは泣いてたものね」

「ちょ…何いってんのロビン!私、泣いてないわよ!!ロ、ロビンだっていつもの軽口が出ないほど動揺してたでしょ!!」

「あら…それは気づかなかったわ…」

 

「何が起きたか!!実は見ちった!!!」

「おれも見ちった一部始終~~~!!」

「「教えてやろう!!あの時何が起こったか!!」」

「……!!」

 

「ウプ!!」

「来い」

 サンジが二人を連れて外に出る。

 

「ん?」

「サンジ?」

 

 

「ちょっと何で!?おめェもイカしてたぜェ~~~!?」

「剣士より「おれの命とれ」なんて」

うっせェ!!!早く話せ。あの後何が起きたんだ?おれが気を失って、その先だ…」

 

「あの剣士が身代わりを申し出た時、おめェんとこの副船長が現れてその役を取り上げたんだ。『船長の代わりは副船長と相場が決まってる』なんつってな!!イカスよなぁ…あの副船長!!

 

「剣士の野望はおまえ一人のもんじゃねぇとか言ってよ、そしたら剣士が大人しくなって…なぁ?」

「あと、必要なメンバーが全て揃ったとかなんとか…」

「…?」

 

「そんでよ、これがまた七武海の驚きの能力でよ」

「麦わらに肉球当てて弾き出したものは麦わらの受けた『ダメージ』全て!!」

 

「ダメージ…?」

「苦痛の塊みてェなもんよ!!試しに剣士が少し触れただけで、そりゃすげェ叫び声…」

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

「 ― ってなわけなんだよ」

「おれァ悪いが命はねェと思ったねあの副船長!」

 

「だから泣けちったよ ― マジ泣けちったよー!!」

「…成程… ― それでルフィが元気になって、イオリちゃんがああなったのか…。 そんで、ゾロはダンマリと…まったくムチャするよな…」

 

 ー …なにも!!!…な゛かった!! ー

 

「……」

 

「よーし!!麦わらの一味の美談!!みんなに話してこよう!!」

待て!!!ヤボなマネするな!!マリモもイオリちゃんも恩を売りたくて命はったわけじゃねェ!!!特に…自分の苦痛で仲間を傷つけたと知るルフィの立場はどうなる!!」

 

「「え…え~~~!!?」」

どんだけ喋りてェんだお前ら!!!みんな無事で何より…それでいいんだ。さァメシにするぞ」

 

「こ…ここ…こいつら超クール…!!」

「なんて幸せな船長だ」

 

 目撃者の背中に生えていた耳が消える…

 

「……成程」

 ロビンは微笑みながら呟いた。

 

 

「おい!!お前ら二人!!」

「!」

 

「さっき何か知ってる様な事言ってなかったか?何見たんだ?」

 

「ヤボな事聞くな」

「みんな無事で…なによりだ!!」

 

「?何だ?」

「ふふっ」

 

 

「いただきまーす!!!」

 

「んんんめ~~~~~!!!」

「こんなうめェ料理食った事ねェ!!!」

「まともなメシすら何年振りだよおれ達ァ~~~~~!!」

「生きててよかった~~~~~!!」

 

「たんまり作った!!残すんじゃねェぞ!!!」

 

「またコックさんの料理が食べられるなんて!!ホントにほっぺが落ちるほどおいしいです!!私!!ほっぺたないんですけどー!!!

「黙って食えてめェは!!!」

 ブルックのジョークにフランキーがツッコむ

 

「うははは面白ェガイコツだ!!!」

 

「ヨホホホホントに…あ、失礼!!ゲップ!!先日も今日もお腹いっぱいごちそうになって私少し…太ったかも!!!

「骨なのにィ!!?ってやかましいわっ!!!」

 

「ぎゃははガイコツサイコー!!」

「おめェ何で動いてんだ!!?まぁいいや何でも!!」

 

「カモン ディ~~~ナーアッ!!!」

「オ・ベイビ ディ~~~ナーアッ!!!」

「ア・イエ!! ディ~~~ナーアッ!!!」

 テーブルの上でブルックとフランキーが踊る…それを横目にナミがこちらに向かってきた

 

「カンパイしてねェのに結局宴になっちゃった」

「まぁ、いいんじゃない?いつもの事だし…」

 チョッパーがブルックとフランキーを見ながら呟き、私が返した。

 

「ふーん、ちゃんと消化の良い物だけにしてるのね?感心感心!!」

 ナミが私の所に来て、食べているものを確認して言った。

 

「ドクトリーヌにこっぴどく叱られたからね。巻き添え食わして悪かったわね、チョッパー」

「おれも悪かったんだ!しかたねェよ…でも次は絶対止めるからな!!」

 チョッパーの言葉に私は黙ってうなずいた。そもそも同じ轍を踏むつもりはない!!

 

「イオリ!!もういいのか?何だよ肉食ってねぇじゃん!!持ってくるか?」

 両手に骨付き肉を持ってルフィが現れた。

 

「あんたの、手にあるのは何なのよ?」

「これはおれんだからな!!食うなら持ってくるぞ?あれ、そういやゾロは?」

 

「今寝てるよ。ずっとイオリの事見てて眠ってなかったんだ。」

「ゾロも結構ボロボロだったからね…」

「そうか!!じゃあ酒も樽で取っとかねェとな!!」

 

 ルフィが肉と酒を取りに行く。私、食べるって言ってないんだけどな?

 

 

 

 

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