イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

228 / 385
07-211話:ガオン砲

 ザバァァ…ッ!!!

 

 サニー号の近くから水しぶきが上がり何かが飛び出した。

 

「ん!?」

「あれ何!?」

 

「へへ…」

 何匹ものトビウオ達で巨大な錨が持ち上げられていく…

 

「巨大戦艦の錨か!?デカすぎる!!」

 

照準、麦わらの海賊船!!ど真ん中に当てて沈めろ!能力者もいる!海中戦ならこっちのもんだ!」

 

「コリャまずい!一発で沈んじまうぞ!!」

 フランキーが叫ぶ。あの巨大な錨をあの高さから落とされたら、さすがのサニー号も無事では済まないだろう。

 

「避けよう!“バースト”か“パドル”だ、間に合うか!?」

「いや、遅ェ!!!」

 ウソップが慌てる傍らでチョッパーはギャーギャー騒いでる。

 

「お前っ!船首付近で待機しろ!」

「え!? ああ…わかった」

「緊急『秘密兵器』を使う!!!」

「『秘密兵器」!!?」

 

「落とせ~~~!!!」

 トビオウライダーズの掛け声と共に巨大な錨が落とされる…

 

「サニー号が危ねェ―!!!」

「マズイですよアレは!!」

 慌てるルフィとブルック…ちなみに私はサンジをルフィの傍らに置いて既に甲板に戻ってる。

 心配無いとは思うけど、もしもの場合はあの錨を止めるつもりだ!!小さくしてもいいかもね?

 

「この船を信じろ!!!」

 フランキーが叫ぶと同時に船首のライオンのたてがみが動き出す。

 

「たてがみが回り始めた!!!」

 

「沈め~!!!」

 

緊急回避秘密兵器!!“チキン・ボヤージ”!!

「!!?」

 

 ― ザッパァ…ン!! ―

 

 錨はサニー号のもと居た場所に落ちた…

 

「え~~~~~!!?避けられたァ~~~~~!!!」

ウソだ!!バックする帆船なんて聞いた事ねェ!!!」

 

「ウソップ!船首の中へ!!!」

「船首って…わ!!入れる!!」

 

「避けただけで終わると思うな!!」

 

 ― ウィーン、ガコン!! ―

 

 と音がしてライオンの口が開き、中から大砲が現れる…!!

 

「「スゲー!!!!」」

 離れた場所にいるのに、ルフィとチョッパーが見事にハモる。

 揃って目をキラキラさせてまぁ…

 

「何だ!?今度は…!!!」

 デュバルが慌てる

 

「なるべく多くのトビウオ達を”円”に入れろ!!」

 

「!…!!こうか…!?入ったぞ!!

 

「ロックしてレバーを引け!!」

 

「なんだ?これか!!」

 

 ウソップがロックしてレバーを引くと同時にフランキーが叫ぶ!!

 

「“ガオン砲”!!!」

 

 ― ドン!!! ―

 

「!!?」

「ぐわあああ―!!!」

 もの凄い威力の風圧が放たれ、トビオウライダーズと共に建物が一瞬にして吹き飛んだ!

 アクアラグナに放った、私の空気圧縮砲よりも強力だ!!

 

「……」

 ルフィはあまりの感動で何も言えず、目をキラキラさせたまま『ひっく、ひっく…』と泣く始末…

 

「感動しすぎだ…」

 ルフィの隣でゾロが少し引いてる…

 

「うははは!!見たか、サニー号の実力!!」

「今のでほとんどのトビウオが落ちたぞ!?」

「そいつはウソップの腕だな、初めてで見事だぜ!!」

 

「…すげェ威力…!!」

 

「ライオンちゃん!!すんごいですね!!目が飛び出そうでした。目ないんですけど!!」

「サニー!!!」

 

「前方へのコーラエネルギー3樽で船が吹き飛ばねェ為に、同時に後方へ2樽分の“クー・ド・バースト”を撃つ。コーラの消費が著しいんだ、めったに使わねェぞ!!」

 

「畜生!!何もかも上手く行かねェ!!」

 

「もう随分部下が減ったな」

 

おのれ…なればモトバロの恐ろしさを知るがいい…!!!今日の日までにこの強靭なツノの餌食となった者の数、計り知れず! 村のダムに風穴を空けたのもコイツのツノ!檻に入れりゃあ突き破る!海軍の追っ手から命からがら逃げ果せたのも、コイツのツノがあったお陰だ!!!」

 

「よーし止めてやる」

 ルフィは止める気マンマンになってるけどさ…そんな気合、必要ないと思うけど?

 

人呼んで“心臓破りのツノ”行け、モトバロ~~~!!」

 

「ルフィ危ね~!!」

 いやだからさ、チョッパー?心配無いってば。

 あ、でもまだ毒銛残ってるのかしら?そっちの方がヤバイかも?

 

 モトバロはルフィに突進!!ルフィはモトバロの鼻先をつかんであっさり止めた!

 

「ツノ関係ねェ~~~~~!!!」

 チョッパーは泣く程ショックを受けている。なぜに?

 

「お前とは戦うだけムダだ。」

「!!」

 ルフィがそう言うと、モトバロはブルブルガタガタと震えだし、デュバルを振り落として後方へ逃げ始めた。

 

「牛の様子が変だな」

 ゾロがつぶやく

 

「おい、モトバロ!!どこへ行く!!」

「………!!」

 モトバロはそのまま口から泡を吹いて失神して倒れた。

 

「?」

 

「何だ!!?気を失った!?」

 

「何が起きたの?ルフィ何したの!?…あっ!!これってまさか…」

「でしょうね…。」

 まぁまだ無意識だろうけど…。

 

 ナミが私を見たので答えておいた。無意識とはいえ、この状況で出るとはね…

 

「…?おれなんもしてねェぞ!?」

「おおお!!モトバロ!!何てこった畜生モトバロ……!!!」

 

「何かを発した訳でもなく…今ルフィがあの牛を威圧した様に見えたわね…」

 

「おい、ナミ…これってもしかしてよ…」

「ええ。エニエス・ロビーでイオリがやって見せた…」

「「覇王色!!?」」

 

「!!?」

「まさか、3つ目の覇気!?」

 

「おぬれェ!麦わらの一味~~~!!!」

 

「おい、ちょっと待てルフィ…」

「!」

 

「サンジ!!」

 

「この言いがかりバカの一件、おれが始末つけてやる…!!!

 

「黒足ィ…始末!!?…黒足ィ!そんだば死ねェ!!!おめェが生きて海賊を続ける限り!!!オラには永久に平穏の日は来ねェのぬら!!!こんな濡れ衣もうたぐさんだらべっちゃ!!!

 デュバルがサンジに向かって毒モリを放ちながら叫ぶ!!

 

 でもなぁ…

 

 私はデュバルのセリフへの反論を口にした。

 

「そうかしら…?そもそもこの手配書のままでサンジが死んだとしたら、誰がサンジが死んだと証明するの?逆に、手配書の絵が写真に差し替わる機会を失って、あいつは一生追われる事になるんじゃない?」

 

「…そうね…イオリの言う事は正しいわ。でも彼…なんだか可哀想…」

「ウオォォン!!ダメだ…やっぱりおれァデュバルって野郎が不憫でならねェ!!」

 ロビンとフランキーが私の言葉に反応した。

 

 う~ん……なんだか原作よりも哀れに思えてきちゃったわ…

 

「黙れ!おれにとっても見たくもねェあの手配書の落書き!!!そいつが実在してんじゃねェよ!!!」

「!!」

 サンジが飛んで、デュバルの顔面に蹴りをぶち込む。

 

「“目(ウイユ)”」

「ぎゃああ」

「“鼻(ネ)”“頬(ジュー)”“口(ブーシェ)”“歯(ダン)”“あご(マントン)」

「あばっあばばっ!!ぶへあ!!! も…もうやめ…」

「おお…”整形ショット”!!!」

 

 ― ドがガガガッ!!! ―

 

「ダバァアアア!!!」

 デュバルが吹き飛んだ…

 

 

「終わったみたい?」

「あぁ…余計な時間、取らせちまったな。」

 

「まぁ、そもそも悪いのはあの手配書を作った海軍だしね!」

「!!?」

 

「「あっ!!」」

 

 そうよ?みんな今頃になって気づいたみたいだけどさ!!『炎のアタッチャン』は知らなくても手配書を作ったのは海軍だって事は分かるでしょ?

 私の手配書の場合はあえて写真を撮らせなかったからだったけど、サンジの場合は明らかに奴らのミスだもの!

 ってか、あんだけフットワーク軽いんだからもっかい写真撮りに来りゃいいのにねェ…

 まぁその場合、原作と2年違いで別の奴らが来ちゃったかも知れんけど…

 

「おし!!タコ焼き食うぞ!!」

 ルフィは相変わらずマイウエイだねぇ…

 

 

 

 デュバルのアジトを後にして、私たちはシャボンディ諸島へ向けて出発したのだった。

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。