ザバァァ…ッ!!!
サニー号の近くから水しぶきが上がり何かが飛び出した。
「ん!?」
「あれ何!?」
「へへ…」
何匹ものトビウオ達で巨大な錨が持ち上げられていく…
「巨大戦艦の錨か!?デカすぎる!!」
「照準、麦わらの海賊船!!ど真ん中に当てて沈めろ!能力者もいる!海中戦ならこっちのもんだ!」
「コリャまずい!一発で沈んじまうぞ!!」
フランキーが叫ぶ。あの巨大な錨をあの高さから落とされたら、さすがのサニー号も無事では済まないだろう。
「避けよう!“バースト”か“パドル”だ、間に合うか!?」
「いや、遅ェ!!!」
ウソップが慌てる傍らでチョッパーはギャーギャー騒いでる。
「お前っ!船首付近で待機しろ!」
「え!? ああ…わかった」
「緊急『秘密兵器』を使う!!!」
「『秘密兵器」!!?」
「落とせ~~~!!!」
トビオウライダーズの掛け声と共に巨大な錨が落とされる…
「サニー号が危ねェ―!!!」
「マズイですよアレは!!」
慌てるルフィとブルック…ちなみに私はサンジをルフィの傍らに置いて既に甲板に戻ってる。
心配無いとは思うけど、もしもの場合はあの錨を止めるつもりだ!!小さくしてもいいかもね?
「この船を信じろ!!!」
フランキーが叫ぶと同時に船首のライオンのたてがみが動き出す。
「たてがみが回り始めた!!!」
「沈め~!!!」
「緊急回避秘密兵器!!“チキン・ボヤージ”!!」
「!!?」
― ザッパァ…ン!! ―
錨はサニー号のもと居た場所に落ちた…
「え~~~~~!!?避けられたァ~~~~~!!!」
「ウソだ!!バックする帆船なんて聞いた事ねェ!!!」
「ウソップ!船首の中へ!!!」
「船首って…わ!!入れる!!」
「避けただけで終わると思うな!!」
― ウィーン、ガコン!! ―
と音がしてライオンの口が開き、中から大砲が現れる…!!
「「スゲー!!!!」」
離れた場所にいるのに、ルフィとチョッパーが見事にハモる。
揃って目をキラキラさせてまぁ…
「何だ!?今度は…!!!」
デュバルが慌てる
「なるべく多くのトビウオ達を”円”に入れろ!!」
「!…!!こうか…!?入ったぞ!!」
「ロックしてレバーを引け!!」
「なんだ?これか!!」
ウソップがロックしてレバーを引くと同時にフランキーが叫ぶ!!
「“ガオン砲”!!!」
― ドン!!! ―
「!!?」
「ぐわあああ―!!!」
もの凄い威力の風圧が放たれ、トビオウライダーズと共に建物が一瞬にして吹き飛んだ!
アクアラグナに放った、私の空気圧縮砲よりも強力だ!!
「……」
ルフィはあまりの感動で何も言えず、目をキラキラさせたまま『ひっく、ひっく…』と泣く始末…
「感動しすぎだ…」
ルフィの隣でゾロが少し引いてる…
「うははは!!見たか、サニー号の実力!!」
「今のでほとんどのトビウオが落ちたぞ!?」
「そいつはウソップの腕だな、初めてで見事だぜ!!」
「…すげェ威力…!!」
「ライオンちゃん!!すんごいですね!!目が飛び出そうでした。目ないんですけど!!」
「サニー!!!」
「前方へのコーラエネルギー3樽で船が吹き飛ばねェ為に、同時に後方へ2樽分の“クー・ド・バースト”を撃つ。コーラの消費が著しいんだ、めったに使わねェぞ!!」
「畜生!!何もかも上手く行かねェ!!」
「もう随分部下が減ったな」
「おのれ…なればモトバロの恐ろしさを知るがいい…!!!今日の日までにこの強靭なツノの餌食となった者の数、計り知れず! 村のダムに風穴を空けたのもコイツのツノ!檻に入れりゃあ突き破る!海軍の追っ手から命からがら逃げ果せたのも、コイツのツノがあったお陰だ!!!」
「よーし止めてやる」
ルフィは止める気マンマンになってるけどさ…そんな気合、必要ないと思うけど?
「人呼んで“心臓破りのツノ”行け、モトバロ~~~!!」
「ルフィ危ね~!!」
いやだからさ、チョッパー?心配無いってば。
あ、でもまだ毒銛残ってるのかしら?そっちの方がヤバイかも?
モトバロはルフィに突進!!ルフィはモトバロの鼻先をつかんであっさり止めた!
「ツノ関係ねェ~~~~~!!!」
チョッパーは泣く程ショックを受けている。なぜに?
「お前とは戦うだけムダだ。」
「!!」
ルフィがそう言うと、モトバロはブルブルガタガタと震えだし、デュバルを振り落として後方へ逃げ始めた。
「牛の様子が変だな」
ゾロがつぶやく
「おい、モトバロ!!どこへ行く!!」
「………!!」
モトバロはそのまま口から泡を吹いて失神して倒れた。
「?」
「何だ!!?気を失った!?」
「何が起きたの?ルフィ何したの!?…あっ!!これってまさか…」
「でしょうね…。」
まぁまだ無意識だろうけど…。
ナミが私を見たので答えておいた。無意識とはいえ、この状況で出るとはね…
「…?おれなんもしてねェぞ!?」
「おおお!!モトバロ!!何てこった畜生モトバロ……!!!」
「何かを発した訳でもなく…今ルフィがあの牛を威圧した様に見えたわね…」
「おい、ナミ…これってもしかしてよ…」
「ええ。エニエス・ロビーでイオリがやって見せた…」
「「覇王色!!?」」
「!!?」
「まさか、3つ目の覇気!?」
「おぬれェ!麦わらの一味~~~!!!」
「おい、ちょっと待てルフィ…」
「!」
「サンジ!!」
「この言いがかりバカの一件、おれが始末つけてやる…!!!」
「黒足ィ…始末!!?…黒足ィ!そんだば死ねェ!!!おめェが生きて海賊を続ける限り!!!オラには永久に平穏の日は来ねェのぬら!!!こんな濡れ衣もうたぐさんだらべっちゃ!!!」
デュバルがサンジに向かって毒モリを放ちながら叫ぶ!!
でもなぁ…
私はデュバルのセリフへの反論を口にした。
「そうかしら…?そもそもこの手配書のままでサンジが死んだとしたら、誰がサンジが死んだと証明するの?逆に、手配書の絵が写真に差し替わる機会を失って、あいつは一生追われる事になるんじゃない?」
「…そうね…イオリの言う事は正しいわ。でも彼…なんだか可哀想…」
「ウオォォン!!ダメだ…やっぱりおれァデュバルって野郎が不憫でならねェ!!」
ロビンとフランキーが私の言葉に反応した。
う~ん……なんだか原作よりも哀れに思えてきちゃったわ…
「黙れ!おれにとっても見たくもねェあの手配書の落書き!!!そいつが実在してんじゃねェよ!!!」
「!!」
サンジが飛んで、デュバルの顔面に蹴りをぶち込む。
「“目(ウイユ)”」
「ぎゃああ」
「“鼻(ネ)”“頬(ジュー)”“口(ブーシェ)”“歯(ダン)”“あご(マントン)」
「あばっあばばっ!!ぶへあ!!! も…もうやめ…」
「おお…”整形ショット”!!!」
― ドがガガガッ!!! ―
「ダバァアアア!!!」
デュバルが吹き飛んだ…
「終わったみたい?」
「あぁ…余計な時間、取らせちまったな。」
「まぁ、そもそも悪いのはあの手配書を作った海軍だしね!」
「!!?」
「「あっ!!」」
そうよ?みんな今頃になって気づいたみたいだけどさ!!『炎のアタッチャン』は知らなくても手配書を作ったのは海軍だって事は分かるでしょ?
私の手配書の場合はあえて写真を撮らせなかったからだったけど、サンジの場合は明らかに奴らのミスだもの!
ってか、あんだけフットワーク軽いんだからもっかい写真撮りに来りゃいいのにねェ…
まぁその場合、原作と2年違いで別の奴らが来ちゃったかも知れんけど…
「おし!!タコ焼き食うぞ!!」
ルフィは相変わらずマイウエイだねぇ…
デュバルのアジトを後にして、私たちはシャボンディ諸島へ向けて出発したのだった。