「どうしたおつるちゃん?難しい顔して。」
海軍本部の廊下にて、いくつかの書類を手にセンゴクの部屋へと向かうおつるに、せんべいの袋を持って同じくセンゴクの部屋へと向かうガープが声をかけた。
おつるはちらりとガープの手に持つそれを見て、軽くため息を吐いた後、質問に応える。
「別にたいしたことじゃないよ。ちょっと気になる事があってね。センゴクに意見を聞いてみたいと思っただけさ。」
「その書類が何か関係しとるんか?」
「あんたにしちゃ珍しいね。正解だよ」
「その書類はなんなんじゃ?」
「どうせあんたもセンゴクの所へ行くんだろ?だったらその時一緒に聞けばいい。」
「…そうじゃな」
二人はセンゴクの部屋へと続く廊下を歩いた。
「…CPが強化されている。そんな気がするんだよ。」
「?」
おつるがぼそりと言った。すると前から見覚えのある人物が現れる。
「あら、二人が一緒なんてめずらしい。」
「…」
「げっ!フアリじゃん!」
「ガープ中将。ご挨拶ね?人の顔みて『げっ!』は無いんじゃない?」
「おつるちゃん、わし先行くぞ!」
「さっさとお行き!」
ガープはフアリとすれ違い、そそくさとセンゴクの部屋へと急いだ。
「センゴクの所へ行ってたのかい?」
「ええ。この前の合同任務の報告をしにね。」
「最近多いね。CPだって暇じゃないだろうに。」
「五老星の意向なんじゃないの?報告書が読みやすいんですってよ?コングさんもそう言ってたらしいって聞いたわ。」
「それだよ。あたしも気になってたんだ。あんた、何か知ってるかい?」
「そうねェ…特別に教えてあげるわ!原因はカノン様だと思うわよ?」
~ ~ ~ ~ ~
カノンはよくフアリの手伝いをしている。頼まれるのは書類業務。フアリより効率よくさばくからだ。
カノンとしても機密情報に触れられるのにはメリットが多い。時には目をそむけたくなるような報告もあるにはあるが、それなりに有用ではある。
これ、私がやって問題ないのかな?とは思うものの、五老星も知っている事だから大丈夫だと思う。
まとめるだけなら自分だけで行い、判断が必要なものについてば別にして付箋を貼っておく。簡単な事柄についてはその場で質問してその回答を元に書類をまとめあげている。
五老星の議論される議題はおもにCPから上げられる報告からつくられる。
最近は議題についてカノンからの意見書も一緒にあげられるようになった。
議論する事柄についてもカノンが書類を扱うようになってから、以前よりもきちんとまとめられており、議論の進み具合も早くなっている。
以前は勤務時間などという決まりはなく、時間の許す限り議論を交わしていた。カノンが生まれてからは終了時間を設定したものの、その後再び議論が再開されたことも少なくなかった。それを知ったカノンはその状況を改善させた。
上の人間が長い時間働くと下の者が辛くなる!だからこそ、上に立つものは時間を気にするべきだと言って、勤務時間を9時~5時にした。
にも関わらず、以前より多くの事柄について議論が交わせるようになっている。
勤務時間の改善は五老星だけでなくCPにまでおよび、残業のようなものはほとんどなくなっていたのだった。
さらに五老星を驚かせたのはその書類整理術をマニュアルとしてまとめあげ、講習会を開いてCPメンバーへの教育を行った事だ。それにより、報告書の質があがり、結果としてフアリや五老星の業務効率アップにもつながっている。
上に立つ少数の者が10の事をするよりも、下で働く多くの者が1の事をするほうがより効率的だという事を知らしめたのである。
フアリは思った。
《なにこの娘…すごすぎるんだけど?》
~ ~ ~ ~ ~
「あんたはその娘と仲がいいんだってね?」
「ええ。親しくさせてもらっているわ。どうして?」
「会ってみたいと思ってね。以前から思っていたけど今の話を聞いたらなおさらそう思ったよ。」
「五老星に言えば会えると思うわよ?たしか、ガープの部屋に呼ばれた事あるみたいだし。」
「そうなのかい?初耳だね。わかった。五老星に頼んでみるよ。教えてくれてありがとうね。」
「いえいえ、お役にたてたならなによりね。それにしてもお礼を言われるなんていつぶりかしら?」
「それはあんたがウソばかり吐くからさ。ガープがあんたを苦手にしてる所以だよ。」
「誉め言葉と受け取っておくわ。じゃあまたね!」
フアリを見送りおつるは思う。いったいその子は何者だろうか?
五老星が孫のようなものだと言っているらしいが…はたして…
とのかく一度会ってみる事だ。センゴクも誘って、あるいはセンゴクの部屋に来てもらうのもいいか知れない。
とりあえずガープに話をきいてみるかね。
おつるはセンゴクの部屋へと向かった。
-----------------------------------
~ カノンコメント ~
書類業務は得意ですよ?
パソコンないけどエイタが居るので効率がいいのです。
エイタにはオートパイロットが機能があり。エイタの制御で私の体が動きます。(あれ、動くの私だから私の機能なのかな?)
書類を書くのもレーザープリンタ並みかそれ以上の速度で行う為に、傍から見るとカノンは書類をパラパラとめくっているだけにしか見えません。
※単に内容を読むだけなら手元が見えません。
世界政府において、業務効率が一番上がったのは実はフアリの部屋なのでした。