イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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07-218話:歴史の全て

「あの…レイリーさん、質問が…。」

「!」

 

「“Dの意志”って…一体何…?」

「…!!」

 ロビンがレイリーさんにずっと気になっていた疑問をぶつける

 

「空島で見た“歴史の本文”に古代文字を使ってロジャーの名が刻まれていた。彼はなぜあの文字を操れたの…!?」

 

 『我ここに至り、この文を最果てへと導く。

  ”海賊ゴール・D・ロジャー”』

 

 ロビンは鐘楼に刻まれた文字を思い出す…

 

「…あなたたちは900年前に始まる“空白の100年”に世界に何が起きたかを知ってるの!?」

 

「……ああ、知っている…」

「!!?」

 

「我々は…歴史の全てを知った…」

「……!!!」

 

 ロビンがドキドキしながらレイリーさんを見る…

 

「…だが、お嬢さん…慌ててはいけない…。キミ達の船で…一歩ずつ進みなさい。我々もまた…“オハラ”もまた…少々…急ぎすぎたのかも知れん…」

「!」

 

「キミ達に今ここで…歴史の全てを私が話しても、今のキミらには…何もできやしない…!!…ゆっくりと世界を見渡して、その後に導きだす答えが我々と同じとも限らない…! ― それでも聞きたいと言うならば、この世界の全てを今、話そう…」

 

 しばらく考えていたロビン…

 

「いいえ。やめておくわ…旅を続ける」

 

 ロビンはどのように考察したのだろうか?

 

 今のレイリーさんの言葉からすると、見る人によって答えが変わると言っているように聞こえた。ゆっくりと世界を見渡さなければ、何も出来ない(・・・・・・)とも…

 導き出す答えとは、ラフテルで知り得る歴史から感じる事なのだろうか?そしてそれは世界を知れば知るほどに変わるという事?

 それは即ち、その後の行動にも影響するのだろう…

 

 ロジャーは万物の声を聞く事が出来た。

 歴史の本文から聞こえる声は、何も書かれている文字だけでなかったのだろう。それを書いた人達の意識や意思も、その石に込められたモノが聞こえるのだと。

 だとするならば、書かれている事以外に、『繋げて読んだ場合の事の断片』もその声から拾えたかも知れない。

 ラフテルに、いくつかの歴史の本文があったのならば…すべてが揃っていない状態でも、ある程度の歴史を知る事が出来たのかも知れない。

 まぁ…今、いくら考えたところで答えは出ないのだけれども…

 

「いずれ…、私達が答えを得たら、レイリーさん達が導き出したという答えを聞きに来てもいいですか?」

 私はレイリーさんに問いかけた。

 

「ああ、構わんよ…」

 

「そうさせて頂きます。では、答えはその時に…」

 ロビンが私の方をみてニッコリと笑う。

 

「いずれ全てが見えて来る…キミの故郷“オハラ”の事は気の毒だったな… ― だが、ロジャーはあの文字を解読できたわけじゃない。」

「?」

 

「我々は海賊…天才クローバーやオハラの学者の頭脳に敵うハズがない…

あいつはな…“万物”の声を聞けた…それだけの事…」

 

「何だ、いいのか!?ロビン!今、何かすげェチャンスをのがしたんじゃねェか!? ― あの、おっさん!おれも1コだけ聞きてェんだけど、『ひとつなぎの大秘宝』、『ワンピース』ってのは…本当に最後の島に…

「ウソップ~~~~~~~~っ!!!」

 大声を出してそれを制止したのはカウンターに片足を乗せたルフィ…

 

 ってかウソップ?

 あんたそれ、双子岬でもやったよね?

 

「宝がどこにあるかなんて聞きたくねェ!!宝があるかないかだって聞きたくねェ!!何もわかんねェけど、みんなそうやって命懸けで海へ出てんだよっ!!ここでおっさんから何か教えて貰うんなら、おれは海賊やめる!!つまらねェ冒険ならおれはしねェ!!!

 

「あんた達それ…双子岬でやったのと同じやり取りじゃない?」

 ナミが私の考えていたことを言ってくれた。

 

 まったくウソップ、おめェはよ~…!!赤い土の大陸での定例イベントじゃあるまいし!!

 

「…悪かった!わかってたんだけど口が勝手に今…滑ってよ!!お…おれだって聞きたくねェよ!そうだ、おれ!『ワンピースについて聞いたら死んでしまう病』だったァ!!おい、おっさん、なにも喋んじゃねェぞ!!」

 

 シャッキーさんが笑ってる。そんな啖呵を切ったルフィにレイリーさんが言う

 

「やれるか、キミに…“偉大なる航路”はまだまだキミらの想像を遥かに凌ぐぞ!!敵も強い。キミにこの強固な海を支配できるか!?」

 

 ルフィは笑って答える。

 

「支配なんかしねェよ。この海で一番自由な奴が海賊王だ!!!

 

「…そうか…」

 

「やっぱり私、モンキーちゃんのファンだわ!」

 

 

 

 

 

「船は…41番GRだったか。私がイオリ君と一緒に行って来よう。キミら、どうするね?島にはもう「大将」が来ているかも知れんが…。」

 

 レイリーさんが店の扉を開けながら言う。その通り!既に上陸してますね。

 

「ここにいても迷惑がかかるから、じゃあどっかで…ショッピングでもする?」

「ほのぼの人生(ライフ)か、お前!!追われてんだ、身を隠すんだよ、アホめ!!」

 ナミの提案にウソップがツッコむ…

 

「そうだな、おれ達が一緒にいたらそこに追手が来るかも知れねェ。スムーズに作業して貰う為には、おれ達は街で逃げ回ってた方がいい…イオリは変装すりゃ全く問題ねェだろうけどな!」

 フランキーが言う。

 

「いいなぁイオリは…強ェのに見つからねぇし…」

 チョッパー、あんただってそうよ?人型になってたら誰もわからんて…

 

「じゃあ、おれ達ァ適当にバラけて、仕上がりの時間にそこへ集合でいいだろ。」

「計画的に集合とか、てめェどの口が言うんだ…」

 ゾロが何か言ってるけど、サンジの言う通りだよホント…

 

「シャッキー、あれがあったろ」

「ええ、一枚あるわよ」

 

「私もフダツキの身なのでな、41番GRからどこかへ移動して作業すると思う。」

「これって…ビブルカード!!」

「ほう、知っているなら話は早い。」

 一味の全員がルフィと私のビブルカードを持っているので、使い方はわかっていると思う。

 ゾロは使っても集まれないかもしれないけど…。まぁ、最悪私が見つけますけどね。

 

「コーティング作業には3日貰おう」

「やっぱり、そんなにかかるのか!?」

「命を預かる作業だ。それが最速」

 

「それじゃ、3日間はサバイバルですね、ヨホホホ!恐い!!

 

「そうだこれ!装備品の充実の為に作ったバック!!3日間とはいえ何があるかわからないから、みんなに渡しておくわね!」

 と言って、みんなにバックを渡す。素材は防御力の高い服と同じもの。そんじょそこらのバックに比べてかなり頑丈に出来ている。大きさやデザインはあらかじめ聞いておいたのでみんな違うデザインだ。

 たすき掛けやリュック、腰巻き、ベルト引っ掛けといろいろだ。

 中には収納貝が入っていて、いろいろな装備品を入れている。六式、覇気の教本とそれぞれに訓練してほしい内容について書いたメモも入れてある。3日と言ったけど、その先(・・・)の事まで考えて…

 

「イオリ!!べんとー入ってんのか?」

「骨付き肉を『べんとー』って言うなら5本入れてといたわよ。フランキーのにはコーラが2ダース入ってる。みんなのにもそれぞれに必要な装備品が色々…後で確認して頂戴!」

 

「やった!!」

「そりゃスーパーじゃねェか!!」

 

「3日後の“夕刻”と決めようか。私はその時、何番GRにいるかわからんが、ビブルカードの導く先で、コーティングを済ませ、キミ達を待っている。“魚人島”への海中航海に備え、必要なものを買っておくといいだろう。」

 

「ルフィちん達、本っ当にありがとね!!」

 ケイミー。パッパグも涙を流しながらのお礼…

 

「おれの為に大変なことになっちまってゴメンな~~!お前らには感謝しきりだ!魚人島へはおれ達が案内するから安心しろ!3日間海軍に気ィつけろ!!」

 

「3日後に会いましょう、見送りに行くわね」

 シャッキーさんに言われ、メンバー達はそれぞれビブルカードを手に持った。

 

「ししし!相手は「大将」だ、誰か死なねェ様にしねェとな!」

「縁起でもねェ事言うなよ、てめー!」

 軽口を叩くルフィにウソップがツッコみを入れる

 

「ハチ、安静にしとくんだぞ!!」

 チョッパー、人のこと心配してる場合じゃないわよ?

 

「そうだ、私…死んだフリしてましょう」

 3日間ならその手は有効だと思うわよ?

 その場合、燃やされないよう気をつけて!!

 

「私はレイリーさんと少し話した後、一旦ここに戻ってくるわ。その後は変装してからこの島を散策しようかしら?」

 

 

 シャッキーさん達に手を振って別れを告げそれぞれの方向へ…。

 

 

 レイリーさんと私は海兵達に見つかりにくい20番台GRの方を経由して41番GRへ、一味の連中は0番GRの方へと歩きだす。

 途中まで一緒に行っても良かったんだけどね?

 

 

 船に着いて、ぐるっと周りを見た後、作業は話しの後に開始という事になり、レイリーさんと水槽のあるラウンジへに…

 

「シャンクスから、君はロジャーのファンだと聞いた。私の事も良く知っているだろうに、ずいぶんと落ち着いているのだな?これでも海賊団ではロジャーに次いで恐れられていたのだがね?」

「正確には、ロジャーのファンではなくロジャー海賊団のファンですけどね?だからあなたを怖がりはしませんよ。ところで、シャンクスからは私の事をどんな風に聞いたんですか?まさかあんなところで覇気を開放するなんて…」

 あれでなんとなくわかりましたけどね?あなたの目的も…

 

「シャンクスは君の強さを全盛期のロジャーとエドが5人ずつ居たとしても勝てない程だと評していた。私の血が騒ぐのも無理はなかろう?しかも、その評価が低く見積もっているともなれば、なおさらだ!!」

「…」

 

「それよりも…まずは君の話とやらを聞かせてもらおうか?」

「そうですね…話というのは…………」

 

「!!?」

 

 

 

 

 ~ 一方、ルフィ達… ~

 

 

「まさかこんな所で海賊王の船員(クルー)に会えるとは驚いた…なんつーんだ…もの凄ェ威圧感だな、ジジイのクセによ…」

「まァ…ロジャーの仲間と言ったら一番に名の上がる男だからなァ」

 フランキーの言葉にウソップが相槌をうつ

 

「会えてよかった…!!」

 

「おめー、そういう目上を敬うタイプだっけ?」

「タマにはあんだよ、そういう事もっ!!」

 

「なァ…遊園地いかねェか…?」

「黙ってろ、てめェ!!!」

 ルフィの提案に、フランキーが怒鳴る。

 だがしかし、チョッパーとブルックも行きたいらしい。

 追われてる自覚が無いみたい?

 

「だから遊園地に隠れようって…」

 ルフィはまだグズグズと言い続ける。

 

「遊ぶだろお前、ハデに!!ん?」

「!!?」

 

「誰だ、お前っ!!」

 

 

 

 

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