「エース……!!?」
「いないな…一歩遅かったか」
私たちがLEVEL6に到着した時には、牢屋の中にエースの姿は見えなかった。
この状況にイワさんの部下イナズマさんが悪態をつく。
この人にはこの後あまり無茶しないでもらおうかしら?
一歩遅かったと、うなだれる3人…。でもそのエースのいなくなった牢の中にはまだジンベエが残っていた。
ジンベエはルフィの姿を見て驚きを隠せない様子…。
「お前さん、“麦わらのルフィ”だな!!?」
「!?…ああ…」
「今しがただ!!すぐ追え!!エースさんはリフトで連行された!!」
「…おっさん、誰…ヘブッ!!」
私はルフィの頭をぶっ叩いた。
「ま~た、お前は!!」
「痛ェじゃねェか!何すんだよ!!?」
「!!?」
「忘れてるあんたが悪い。おっさんじゃなくて七武海!!『海峡のジンベエ』よ!」
「あー!魚人の七武海か!!えっ!?どうして捕まってんだ!?」
「そんな事はええ!!急げばまだ間に合う!!行け!!」
「そうか!!ありがとう…!!」
無理だって…
「ルフィ!普通に上にあがろうとしてもダメよ!!私たちがここに向かってた事はバレてるんだから!!奴らの裏を取らなきゃ上に行けないどころか、ここで捕まるだけよ?」
「!!そ…そうね紅ガールの言うとおりだわ!!」
「こんな時だというのに、キミは冷静だな…」
「慌てた時ほど冷静にならないとね。それこそ敵の思う壺じゃない?」
なんの事はない。私が冷静なのはここではエースを助けられないと踏んでたからだ!!
助けようと思えば助けられたかもしれない。
でもね…。それなら、エースVS黒ひげの際に、奴らを殲滅すればよかっただけの事だ…
この先の展開が全く読めなくなるのは、正直嬉しいことじゃない。
約束したけど、エースを救う事は実は必須ではない。必須ではないんだけど…
イオリとして生きてきたからだろうか?
だから、エースを救いたい!!
でも、エースをただ助けるだけだと、その後の流れが大きく変わってしまう恐れがあった。
この世界が、ワンピースというひとつの物語りの世界である以上、変え過ぎた流れは補正される危険性がある。
だからこそ、大きな流れを変えずに、変えれるところを変えてきたつもりだ。そのためにもチカラが必要だったから、鍛えに鍛えてきたわけだ。
まあ、私がここに居る時点で、補正自体がなくなっている可能性もあるけどね?
頂上戦争での目的はいくつかある。その為に、LEVEL6まで来たんだから!!
第一はもちろんエースの救出だけどね!!
ジンベエが私を見てなにやら考えている様子…
もしかして、シャンクスの娘だとか思っちゃってたりして?
でもね…未だに不明なのですよ。
「イナズマさん!!リフトと階段の入り口を塞いでくれない?」
「なに言っチャブルの?」
「リフトの口が開いてるなんて、罠だと言ってるようなもんでしょ?そこから上がろうとすれば何かを落とし…」
ルフィがリフトの鎖にしがみついて登ろうとして、すぐに飛び出してきた。見ると上から剣山のようなものが落ちてきた。
「リフトが使えないと階段に行けば鉄格子を下ろし、そこからガスでも流し込めば一網打尽に出来るじゃない?」
ルフィが階段に走って行くと格子が落ちてくる。そしてガスも…
「「!!!」」
「ここはLevel6…なんなら毒ガスを流し込んで、囚人達もろとも私たちを殺す事だって有り得るわ!誰にも知られる事はないし、誰も文句を言わないだろうからね?」
「…紅ガールの言うとおりね…でも、ここ以外に出口はナショナブルのにっ!!」
すぐさまイナズマが動いた。
「何だ、アイツ!!地面を布みてェに切ってんぞ!!」
切られた地面はめくりあがり、ガスの降りてくる階段を次々と塞いでいく。そして階段は塞がれ、ガスの流出が止まった。
「うお…!!めくった地面でガスを閉じ込めた!!やるな、アイツ!!」
ざわめく囚人達。
「イナズマは“チョキチョキの実”の『ハサミ人間』。切り出した物を紙のように扱える…」
「おい、おれは上に行きてェんだよ!!カニちゃん!!階段閉じちまったらエースに追いつけねェよ!!」
「閉じる他、ガスを止める方法がない。意識を失っては救出もクソもない。」
イナズマさんはこんな時でもワイングラスを手放しませんね。
「失ったって救出すんだよ!!エースは死刑になるんだぞ!!」
「無茶を言うな。単純だが敵の作戦勝ちだ。我々はこのLEVEL6に閉じ込められた。現状、脱出の術はない。」
「!!?」
「せめてもの抵抗はコレ…!!敵の情報を奪う事…!!」
イワさんの手にはいくつもの子電伝虫が。
「常識で考えて…もう間に合わナブルよ。エースボーイがリフトでスムーズに海上へ連行されるのに対し、こちらには立ちはだかる敵がいる!!軍の護送は迅速、ビブルカードをごらん。真上は差してないんじゃない?」
ルフィの手の上にある、かなり小さくなったカードは斜め上を向いている。
「 ― もう身柄は海軍に引き渡された頃だわね。紅ガールはこうなる事を想定していた…。違う?」
「言ったでしょ?私はここにルフィを救出しに来たって!!」
「それと、ここに用があるんじゃなくって?」
「…まぁね!」
「イオリ!!おめェ、どうするつもりなんだ!!?」
「もちろん、海軍本部に向かうわよ?私はそのつもりでココに来たんだから!!」
「「!!?」」
「おしっ!おれも行くぞ!!海軍本部!!!」
「ヴァカおっしゃい!!!この世界の頂点の戦キャブルよ!!?“白ひげ”の実力知ってんの!?迎え撃つ海軍の「大将」・「中将」・「七武海」の実力知ってんの!?ヴァナタ達、命いくつ持ってんの!!?」
「もし諦めたらくいが残る!!おれは行く!!」
「誰も行かなくたって私は行くわ!!こんな時の為にと、ずっと鍛えてきたんだからね!!」
私たちの決然とした言葉を聞いてイワさんが、ちょっと引きさがる。
《この感じ、何度も体験した事がある…!!まさに…!!ドラゴンを相手にしてる気分!!》
「行くも何も…!!まずこの階から抜け出せないんだぞ。」
イナズマさんが冷静に言うけど、
「そんな事はないわよ?」
と私が返した。
別に原作知識からじゃないわよ?
この人達になら私の能力をバラしてもいいと思ったからだもの!!
もっとも、そんな考えは不要なみたいだけどね?
「 ― ここを抜けたきゃおれを解放しろ…!!」
「!?」
背後で声が聞こえた。気配でもわかる!クロコダイルだ!!
「おれならこの天井に穴を開けられる!!どうだ、麦わら…クハハハ…」
「あ!お前…!!ここに捕まってたのか!!クロコダイル!!」
その牢屋の中には手錠をかけられたクロコダイルが…。
「もうシャバに出た所で面白みはねェと思ってたが…“白ひげ”と“海軍”が戦争を始めるって?あのジジイの首を取るチャンスが来るとはな。おれはその戦争に興味がある…!!おれの能力があれば…おれもお前もここから抜け出せる。悪い話じゃねェハズだ。互いにメリットがある。」
「フザけんな!!お前はビビの国をメチャメチャにした奴だ!!」
「昔の話だ、あの国にもう興味はねェ。」
ルフィが激昂してるけど、話が進まないのでイワさんが割って入る。
「解放しましょう、麦わらボーイ。確かにコイツがいれば相当な戦力になる。ヴァナタ達は止まらない…『海軍本部』へ行くなら尚更よ…!!」
「えェ~~!!?イワちゃん!!あのな、コイツは!」
「…イワンコフ…!!」
クロコダイルは苦虫をつぶしたような顔になった。さらに私に気づいて睨みつけてきた。
あらま!もう忘れてると思ってたのに…
「お久しぶりだわねェ、クロコボーイ…。」
「…」
「何だ、知ってんのか!?」
「ちょっと昔ね…。コイツがまだルーキーと呼ばれた時代…!!大丈夫よ。万が一ヴァターシ達を裏切る様な行動に出てもヴァターシが抑え込むから…。一切信用できないけど…ン~~フフフ、ヴァターシはコイツの“弱み”を一つ握ってる…!!大人しく“力”だけ貸すのなら…黙っててあげるけど。ヒーハー!!」
「貴様…!!」
歯ぎしりするクロコダイル…。
「何だオイ、だったらおれも解放しろォ!!」
「おれもおれも!!白ひげに恨みがある!!」
「黙れ、“
と囚人達を攻撃。LEVEL6にいるくらいだから、囚人達も弱くはないハズないんだけど…。
ああ、何かの能力者なのかな?海楼石の手錠で弱ってるとか?
もう一方から他の声が聞こえてきた。
「後生の頼みだ!!!」
ルフィが振り返る。その声はジンベエ…
「わしも連れて行ってくれ!!必ず役に立つ!!エースさんとは…彼が白ひげ海賊団に入った時からの付き合いじゃ。弟妹がいるという話はさんざん聞かされてきた…!!わしはこの戦争に反対した事でここにいる!!エースさんを救いたいんじゃ!!頼む!!わしに死に場所をくれ!!!」
ルフィとジンベエが互いに顔を見つめる。まるで何かを交信しているかのように…
「ウ~~~これまた大物…!!」
「いいぞ。」
「おい、大丈夫か?我々はコイツの危険度も人格も一切知らない!!」
イナズマさんが警告する。
「いいんだ、出してやってくれ。」
「…かたじけない!!!」
すると再び外野の囚人達が騒ぎ始めるが、イワさんがまたDEATH WINK!!
イナズマさんは鍵穴にハサミになった手を差し込み、手錠を解きジンベエとクロコダイルを解放した。
「 ― さァて、こうなったら時間がナッサブル…!!力技でこの監獄を突破するわよォォ!!ヒーハー!!」
「白ひげのオヤジさんには手出しはさせんぞ、クロコダイル 」
「じゃあ、今の内に殺し合っとくか? 」
「“元”も含め「七武海」が2人…超新星も2人とは…」
「そんじゃ、ルフィは任せて大丈夫かしら?」
「ヴァナータはいったい何をやらかそうっていうの?」
「ちょこっとココに用事があるのよね!!」
ある男の思惑を潰してやるの!それと
「さっさと来ねぇと置いてくからな?」
「気にしないでいいわよ。私は
「…」
「イワさんも心配しないで大丈夫よ。ルフィをよろしく頼むわね!!」
<お知らせ>
仕事の関係で、
次話投稿は、来週12日以降になる予定。
予定は未定と申しまして……
12日…
に投稿できたらいいなぁ…