イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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07-228話:乱入

「門を抜けた!!さてヴァターシの気がかりは、うちの大将がここへ来てるのかって事っチャブル!!」

「うちの大将って?」

 

 イワさんはヒソヒソとルフィと私に言う…

 

「ヴァナタはドラゴンの息子…そして、処刑されようとしているエースボーイはあなた達とサボの義兄弟…」

 

「私たち4人は全員、親の異なる義兄弟よ!」

「ああ…エースの父ちゃんはゴールド・ロジャーだからな!せっかくすげェのに会った事ねェんだ。これ言うとエース怒るんだけどな。」

 

「はァ!!??」

 ええええ!!?

 

「あ…それと…これ内緒だった。」

「あァ!!?」

「…これだもんねェ…」

 

 ルフィがバツが悪そうに船内へと入っていった。私はイワさんとイナズマさんだけに情報を渡す。

 

「ドラゴンさんは来ないって言ってたわよ?」

「「はい?」」

 

「サボにも、マリンフォード(ここ)には来ないように言っといたの!」

 別の用事を頼みましたけどね?

 

「言っといたって、ヴァナータ…」

 順番的には白ひげの後でしたかね。

 この数日間、なにげに忙しかったなァ~…

 

 私がウインクしたところでルフィが戻ってきた。その手には骨付き肉が握られていた。

 おまえ、まだ食うんかい!?

 

 

 門を抜けてしばらくすると進行方向の左右から、かすかに爆音が聞こえた。

 その後時間差で空気が震えた。誰も気にしちゃいませんが…

 原作通り、白ひげが海振による津波を引き起こしたって事だろう。

 

 そして津波が押し寄せ、私たちの乗った軍艦が津波に乗っかる。

 そしてさらにその津波が凍った!!

 

何が起きたんだよォ!!おれ達なんでこんなとこにいるんだ!!?」

わからねェ!!急に大波にさらわれたと思ったら、突然海面が凍って艦が氷につかまった!!」

 

「下を見てみろ。答えがわかる。」

 ルフィとバギーが疑問を呈し、クロコダイルがそれにこたえる形となった。

 

 あれ?クロコダイルって見聞色、使えたんだっけ?

 それとも、単に見えただけか?

 

「オヤジさん!!」

「もう“戦争”は始まっチャブルのね!!」

 

「お前ら聞け!!おれのアイデアでこれを乗り切る!!ここまで来たのに急がねェと!!エースの処刑時間までもう3時間もねェんだ!!

 

 めずらしく…

 本っっっ当にめずらしく、ルフィがアイディアを出した…

 

「…」

 いやぁ~…あたしにゃ、嫌な予感しかしないんですけど?

 

 ルフィのアイデアを聞いたバギーと3…

 

「何をォ!!?この凍った波を艦で滑り降りるだァ!!?」

 

「それしかねェ!!まずこの氷に埋まった艦を氷から外すんだ!!」

「軍艦だぞ、バカカネ!!動かせるわけがないガネ!!」

 

「力を合わせれば必ずやれる!!」

 ルフィの力説に、バギーはつい…

 

「!!お…!!!おれならやれそうな気がしてきた…!!」

 囚人達が騒ぎ出す。

 

「そうだ、おれ達には天下を取る男、キャプテン・バギーがついてる!!」

 しかし…ほんとにルフィ達って私の能力忘れるよね?

 全員が船内に入って艦を小さくすれば、氷から抜け出す事なんてワケないのになァ…

 それに、おまえのアイディアだと、せっかく戦場の真上に居るのに遠ざかるだけよ?そもそも下った後はどうするのさ?氷に囲まれてるんだから戦場までたどり着けないわよ?

 

 とその時、

 

『プルルル…全艦全兵に連絡!!目標はTOTTZ、陣形を変え、通常作戦3番へ移行、準備ぬかりなく進めよ!』

 電伝虫が鳴りだして、海軍の作戦連絡が流れてきた。聞いていた囚人達もどよどよし出す。

 

「海軍の作戦連絡だ」

「なんか暗号がよくわかんねェ」

 

『整い次第、予定を早めエースの処刑を執行する。』

 

「!!?え?」

 

 それを聞いた全員(私以外…)

 

「急ぐぞ~~~!!」

 とルフィが叫び、アイディア通り?に軍艦を氷から外そうとカオス状態で全員が技を繰り出した。

 

 その結果…

 

「あっ…」

 足もとの氷が砕けた。

 

「ああああああ…」

 まぁ…そりゃそうなりますわねぇ…

 

 軍艦は半回転して真っ逆さまに落ちてゆく。

 

「逆逆逆~~~!!」

「落下するぞ~~~~~~!!」

 

 

「だからおめーはやりすぎってんだよ!!」

 

「コイツのまばたきのせいだ。」

「ヴァターシのせいにする気!?クロコォ!!」

 

「どーでもいいけどコレ死ぬぞ!!下は氷はってんだぞ~~!!」

 

あああああ…あ!おれゴムだから大丈夫だ!!

 

「貴様一人で助かる気カネ!!何とかするガネ~~~!!」

「てめェの提案なんて聞くんじゃなかったぜ、麦わらァ!畜生ォ!!」

 

「こんな死に方ヤダッチャブル!!!誰か止めて~~~ンナ!!!!」

 

「しょうがないわねェ…」

 私は落ちる軍艦を念動力で少し押してみんなを甲板に押しつけた。

 

「なんじゃァ!!?軍艦がぁ!!」

「潰されるガネ!!軍艦と氷に挟まれて潰されるガネ!!」

 うるさいバギーと3は放おっておいて…

 

「衝撃に備えて!!艦を反転させるわよ!!」

「「「!!?」」」

 

 念動力を使い、甲板を支点として船底を海面に向けて艦を半回転させる。スピードが出ていたのでこれまた念動力でスピードを緩め、同時に軍艦(主に船底)に武装硬化を施した…

 

 そして着水…

 

 ― ドッパーン!!! ―

 

「海だ!!助かった、海に落ちたぞ!!何でここだけ氷ねェんだ!?」

「氷に叩きつけられて死ぬかと思った!!」

 別に氷だったとしても大丈夫だったと思うけどね!!まぁ、衝撃が今の比じゃないかも知れんけども…

 

「手も触れずに軍艦を反転させるたぁ…時計を進めるのはわけねェな…」

「まさかこんな着水をするとはのう……お前さんが味方で心強いわい!」

 クロコとジンベエがつぶやく。

 

「元七武海から言われると、照れますなぁ…!」

 

 

ルフィ!!イオリまで…」

 

「エ~~ス~~!!!やっと会えたァ!!」

 緊迫した場面だというのにルフィは満面の笑み…まぁここまで来るのも大変だったからね

 

「…!!おい!!アレまさかクロコダイル!!」

「それ所じゃないぞ!!何だあの面子はっ!!」

 ルフィをはじめとする実力者たちが辺りを見回す。バギーも(勝手に?)盛り上がってる!

 

「ぎゃはははは!!世界よ、覚悟しろ!!」

「さすがに総戦力!!ハンパじゃナッシブルね!!」

「助けにきたぞ~~~!!」

 

 私たちの登場を見て敵側の反応はそれぞれ…

 

 センゴクさんがガープに何か言ってる。ガープは頭抱えちゃってるし…

 

「革命軍のイワンコフもいやがる!」

「そんなっ!?七武海のジンべエまで!?」

 

「ありゃ超新星の麦わらとくれないだぁ!?」

「後ろに極悪囚人共と極悪看守長のシリュウまで!?」

 

「話題に事欠かん男だ…“麦わら”…フッ…”くれない”も一緒か!」

 ミホークが不敵な笑みを浮かべ、

 

「ム~~ギィ~~ワァ~~ラァ~~!!?」

 モリアは逆ギレ

 

「何であいつがこんな所に!?いつもの仲間じゃねェだろ、ありゃ!!」

 フルボディとジャンゴは物陰から

 

「ルフィ…!!そなた、よくぞ無事で…」

 ハンコックはメロメロで…

 

 コビーもいるわね。一回逃げて戻ってきたんだっけ?

 

「見て、ヘルメッポさん!!あれ!」

「麦わら~~!!?紅もいるじゃねぇか!!」

「インペルダウンに捕まったって聞いたのに!!やっぱり…あの人すごい!!」

 

「えれェの引き連れてじゃないの。」

 と青キジ…

 

「…」

 くまはどうにか間に合ったみたいだし、

 

「こんなに早くまた会えるとはねェ~~」

 黄猿が喜ぶ

 

 

「アレはエースの言ってた弟と、この前のくれないじゃねェかよい!」

 とマルコが、

 

「“七武海”も新旧お揃いで…!!フッフッフッフ、そしてアレが噂の大問題ルーキー“麦わら”…そして”(くれない)”か…!!うれしいねェ!やっと会えたぜ!!」

 とドフラミンゴが笑みを深くする…

 

他所見(よそみ)してんじゃねェよ!!」

 と相手に怒鳴られ、斬りつけられたのはスモーカー。しかし斬撃を躱して斬りつけた相手を倒していた。

 

「スモーカーさん!!あれ!」

「ああ…“麦わら”と”紅”に…クロコダイル!?どういう組み合わせだ」

 

「アイツがそうか…英雄ガープの孫にして…ドラゴンの息子…」

 赤犬…サカズキがルフィを睨む

 

「 ― それが貴様の答えだな、ジンベエ!!」

 センゴクさんがジンベエに向かって叫ぶ

 

「称号を剥奪するなら勝手にせい!!わしゃあ、エースさんの処刑には最初(はな)っから反対しとったじゃろうが!!」

 

「何にせよ、あのチームはおかしいぞ。到底まとまった目的があるとな思えん…少なくともこの戦場では…。」

 

「ルフィ!!」

「うん?」

 

「さっきも言ったけど、エースの救出は任せたからね!だから余計な戦いは避けなさいよ?体力が完全回復したとはいえ、相手に付き合ってたらすぐにガス欠になっちゃうんだから!」

「おう!じゃ、直線上のヤツだけぶっ飛ばす!」

 ほんとにこいつは返事だけはいいよね…

 そもそも直線で行けるような戦場じゃねェよ!!

 

「イワさんは、七武海のくま。ジンベエは臨機応変にルフィのフォローをお願いね!!」

「分かったっチャブル!」

「うむ!」

 

「ん?クロコボーイは?」

「白ひげのところ。今、ルフィも行ったわ!!」

「!!?」

 イワさんがキョロキョロしてたので答えてあげる。次の瞬間、クロコダイルが白ひげの背後から襲いかかった。

 

「あんにゃろ、抜け駆けしやがって!!」

 バギーが叫ぶ…

 ってあんた、ここまで来る途中に言ってたのって本気だったの?

 

「クロコダイルが“白ひげ”を狙った!!

「オヤジィ!!」

 

「久しぶりだな、白ひげ。」

 

 ドカン!!

 

 ルフィがクロコダイルの腕を蹴って攻撃を止めた。

 

「おれとお前との協定は達成された。なぜお前が白ひげをかばう?」

「やっぱりこのおっさんが“白ひげ”か。じゃあ手ェ出すな。エースはこのおっさんを気に入ってんだ。」

 

「なかなかやるよい!エースの弟…」

 

「小僧、その麦わら帽子…“赤髪”が昔被ってたやつによく似てるな。」

「おっさんシャンクス知ってんのか!これ預かってんだ、シャンクスから。」

 振り向いたルフィの顔を見て、少し前にエースが自分の所へ持って来たもう一枚の手配書を思い出す。

 

「兄貴を助けに来たのか。」

「そうだ!!」

 

「相手が誰だかわかってんだろうな。おめェごときじゃ命はねェぞ!!」

「うるせェ!!お前がそんな事決めんな!!おれは知ってんだぞ、お前海賊王になりてぇんだろ!!“海賊王”になるのはおれだ!!」

 

「まったくあいつは…こんな時に何やってんだか…」

 しかも白ひげ相手に…。この子はホント空気読めないからなぁ…。周囲はドン引きだってのに…

 なんて言いながら私も笑ってるけどね?

 

 白ひげは一瞬ムッとして言葉を失った。けれど、すぐにニヤリと笑う

 

「…クソ生意気な…。足引っぱりやがったら承知しねェぞ、ハナッタレ!!

「おれはおれのやりてェ様にやる!!エースはおれが助ける!!」

 

「「“白ひげ”に張り合っとる―――!!」」

「まぁ、ルフィだからね」

 

 

「ありゃ全部“死刑”でいいんでしょ?センゴクさん…」

「無論だ」

 

 

 

 

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