イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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ゴレムさん、誤字報告ありがとうございます。(2026.03.25)

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 頂上戦争編に続き、原作キャラが3人退場する事に?
 黒ひげと違って、重要キャラじゃないから、まぁいっか?


 タイトルを見れば何が起こるか、わかりますよね?

 どうぞ!!








08-239話:兄弟盃、再び…

 ― マリージョア、五老星の部屋 ―

 

「 ― 全く…話題の尽きん男だな”麦わらのルフィ”…ガープの孫といえば妙に納得だが…」

「レイリーとは一体どういう繋がりが…?今さら表舞台へ出てくるとも思えんが…」

「おそらくは『赤髪』であろうよ…。あの麦わら帽子は元は『ロジャー』のモノで、赤髪へと渡り、『麦わら』に預けられたモノと聞く…」

「ジンベエもいよいよ敵対したな。奴の”七武海”加入は種族間の和解を象徴していたのだが実に残念だ」

「”三大勢力”の均衡などもはや目も当てられん。”七武海”に空いた三つの席をどう埋めるか…」

「”新世界”の動きを少し待つべきだ。白ひげが居なくなれば(・・・・・・)、海賊達の中での勢力図も変わってくる筈。より影響力のある人材を選出せねば…」

 

「しかし…頂上戦争の勝敗はともかく、黒ひげの凶行を阻止できた事は大きい!!」

「そういう意味では”くれない”に感謝せねばならんな。」

 

「…」

 何故かは知らないが、イオリの事は『海賊』として、(カノン)とは分けて考える事にしたらしい。

 とはいえ、ファンクラブの会長は五老星の中に居るし、休憩中にはユナとイオリのファンクラブの会員数がどうとか盛り上がる事もある。

 もしかして、イオリの事を五老星(おじいちゃん)たちが話しているのを聞いて、私が呆れていたからかしら?

 そのうち、イチユリのファンクラブまで作りそうで恐いんだけど?

 さすがに私のは作らないと思うけど…

 

「ところで、海軍の『おつる』の提案はどうする?わしは基本的に賛成したいと思うが…」

「私も提案自体に異論は無い。区分けについては慎重な検討が必要だと思うがな…」

「それよりも…問題なのは、これをどうするか!という事!!」

 五老星たちは、目の前に置かれた報告書に目を落とす。頂上戦争前にヒューマンショップで起こった事件の報告書…

 麦わらのルフィと紅大参謀イオリの天竜人への暴行の一部始終が書かれたものだ。

 麦わらの一味をピースメインに区分けするにあたり、議論すべき事としてあげられてきたものである。尚、この報告書にはロズワード家の3人の視点で見た状況についても書かれている。

 天竜人が一般人とのいざこざについて、事実を曲げて報告する事はない。何故なら下々民への行いはどんな横暴でも許されるからである。

 そこに書かれた2ヶ所について、五老星たちは怒りを感じていた。

 その二人の凶行に…

 

「弾が入っていなかったロズワード聖は厳重注意で良いとして…」

「さよう!実際に心臓目掛けて撃ったという、チャルロスは…絶対に、許す事は出来ん!!

「いっその事…、手を下してやりたいところ…」

「いかんぞ!それは!!無駄に”能力(ちから)”を使うのは…!!だが、ヤルならもちろんわしもヤルぞ!!」

 

「…早急に神の騎士団に通達し、鉄槌を下すべきだと考えるが?」

「「「異論無し!!」」」

 

「だが…海賊を撃ったから…という事では聞こえが悪いな。」

「ではどうする?」

 

「あの『職業安定所』は事件で潰れたと聞く。騒動の原因もまた、チャルロス聖との事…。その責任を負わせるというのは?」

「それでは理由が弱かろう?」

「では…、チャルロス聖は『父と妹を殺した(・・・)罪』で処断する!!というのはどうか?」

「そうだな。それが良い。」

「では、そのように…」

 

「…」

 天竜人の処遇についても、こんな簡単に決まってしまうなんてね…

 イオリは無事だったのに、まさかこんなに怒るとは…

 シャルリア宮なんて、完全にとばっちりじゃん?

 でも、あの親子が居なくなると、世界会議編での凶行が無くなって、しらほし無事に済むかしら?

 それとも世界補正が入って別のイベント起こるかな?

 まぁ、まだ先の事か…

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

 マリンフォードからは見えないくらいの場所で待機してもらっていた九邪の船に乗り込み、私たちは女ヶ島へと向かっている。

 

 原作とは異なり、甲板ではルフィが元気にメシを食ってる。私がいるからなのか、意識がルフィだけに向いていないからなのだろう。ハンコックもドキドキしすぎて倒れるという事もなく、一緒に甲板に居る。

 

「ちゃんと届くかな?あいつらに……」

「記事を見れば伝わるハズだ…キミらしくない行動こそが鍵」

 ルフィがつぶやき、レイリーさんがそれに応える。

 

「普段新聞読まないヤツらばっかだから、それだけが心配なんだけどね…」

 ナミくらいだもんね。新聞読んでたのって…

 

「一人…鈍そうな男がいたな… ― まァ、何とかわかるだろう。キミ達ならちゃんと伝わる…そんな気がする…」

 それってゾロの事だよね? さすがレイリーさん!

 でも、ゾロの場合は集合場所に辿り着けるかどうかの方が心配なんだよねェ…

 一回くらい、シッケアールに行っとくか?

 

 

 女ヶ島に着いたらエースが迎えてくれた。私が船に乗っている事に驚いてるみたいだけど?

 

「イオリ、そなたらはすぐに修行に入るのか?」

 ハンコックが私に聞いて来た。

 

「そうねェ…まずは兄弟たちの現状把握をするのが最初かな?覇気の基礎についてはレイリーさんにお願いしているの。私の見立てでは、基礎的な覇気を使えるようになるのに2ヶ月ほどって感じだと思う。本格的な修行はその後になるから、ハンコックに参加してもらうのは、もうちょっと先になると思うわよ?ま、あなたたち3姉妹の背中の経過も見たいから丁度いいかもね?」

「そうか…2ヶ月以上も待たねばならんのか…」

 最初の数ヶ月はレイリーさんが行う為に、ハンコック達は島への出入り禁止を言い渡されて居る。緊張感がなくなるからとの事らしい。

 私はOKらしいけど?

 

「「…」」

 

「それと、私は他にもやりたいことがあるからちょこちょこ居なくなるかもしれないけど気にしないでね?」

 

「それは構わんが…ん?…あれはなんじゃ?」

 

 黒い鳥?の大群の上に人が乗っているのが見える。原作でドレスローザから去る時にも彼が乗ってたあれですよ。あれが何なのか、私も良くは知らないんだよね。

 

「ああ、あれは…、もう一人の義兄(あに)よ!!」

「なんとっ!!?」

 

 

「お~い!!」

「「!!?」」

 

「まさかっ!!」

「「サボ!!?」」

 

 目の前で、3人が揃って笑ってる。

 原作では到底考えられない光景だ。

 

 エースは生きてる。サボは記憶を失っておらず火傷の跡も無い。ルフィも元気。

 なんかねェ…これ見れただけで、今までの苦労(苦労は主に『ルフィのおもり』の様な気もするが…)が報われたって思えるわ。

 いやホント…

 

 エースとルフィの顔に笑顔が溢れてる。そして、そのルフィの笑顔を見てメロメロになるハンコック…。

 あ~…うん、確かに死んでしまう病だなこれは…

 

 

「おれもマリンフォードに行きたかったんだけど、イオリに来なくていいって言われてさ。頼まれてこれを取りに行ってたんだ!!」

 と言ってサボが取り出したのは『ダダン』の酒…

 ダダン宅からちょろまかして来てもらいました。それとは別に、酒屋さんに行ってもらって10樽ほど買ってきてもらった。収納貝、渡しておいたんだよね!!

 

 

「それ…まさかダダンのか?」

「すげー!!」

 喜ぶルフィ。

 

「サボは、コルボ山に行ってたのか!!ダダン、元気だったか?」

「黙って持ってきたんだ。会ってねぇからなんとも言えねぇけど、遠目で見た限りじゃ元気そうだったぞ?」

 

「はい、これ!」

 私がポケットから出したのは、あの日使った4つの盃…

 

「あの時使った盃よ?記念にと思って、ずっと保管してたのよね!!」

「「へぇ~!!」」

 

 

「今は別々の道を歩んでるけど…」

「おれ達は!!」

「「「兄弟だ!!」」」

 

 ガッシャァ…ン!!

 

 4つの杯がぶつかり音を奏でる。

 

 女ヶ島の面々も含め、海岸で宴が開かれた。

 私たちはそれぞれの近況などを話した。一番多くの時間を割いたのはサボの話。

 天竜人には襲われなかったけど、出港した日に反乱軍の船に拾われたんだとか…

 

「いやぁ、近海の主に襲われてさ…なんとか撃退したけど帆とオールが壊れちまって…」

 

 夜になり、途方にくれていた所をドラゴンさんに救助されたとの事。

 

 なるほどねェ…

 でもあの歳で近海の主を撃退するなんて…やるわねサボ!!

 

「…ところで、イオリ…おめぇさっき、なんで九蛇の船に乗ってたんだ?」

「?何言ってんだエース?イオリもマリンフォードに行ったんだぞ?」

 

「ルフィ?おめぇこそ何言ってんだよ…イオリはここでおれの覇気の程度を確認してくれてたんだぞ?」

「「え!?」」

 エースとルフィ…サボまで一緒になって私を見る

 

「…どういうこった?」

 

「「こういう事よ」」

「「「!!?」」」

 後ろから、()が声をかける。振り向いた3人は驚いた。

 

「い…イオリが2人!!?」

 

「もう一人居るよ?」

「「うわァ~!!!」」

 

 

「え?イオリさんて3つ子だったの?」

 赤髪海賊団にも教えてるので、ここに居るみんなにも分身出来る事を教えた。

 

 一人はシリュウ達と無人島へ…(←これはナイショ!!)

 一人はルフィ達とマリンフォードへ…

 一人はエースと一緒に訓練…

 一人は女ヶ島の闘技場で…(←連戦連勝してました)

 

 

「スゲーな!!」

「あんだけ強ぇのに分身出来るってずりィじゃねぇかよ!!おめぇ、どんだけスゲーんだ!!?」

 

「これは、ミニミニの実の能力の一つよ?もっともこれが出来るようになるのは稀らしいけどね?」

「もしかして、それがイオリの強さの秘密って事か?」

「分身すれば自分で自分を鍛える事ができるからね!昔からそれで自分を鍛えてきたの!!」

 

「すげー効果がありそうだな?」

「一人で訓練するより相手が居たほうが伸びがいいでしょ?分かれている時は別々の思考になれるから、別人と闘るのと同じだしね!それと、分かれる時に力の配分も可能だから!」

「配分?」

「少し強い自分と闘う事も出来るって事よ!」

 

「さっき、分かれた時に別々の思考になるって言ってただろ?戻った時に分かれてた時の記憶はどうなるんだ?」

「戻ったら全部の記憶が集まるの!ルフィとマリンフォードに行った事もエースと訓練してた事も闘技場で闘った事も今は全部わかるわよ?だから分かれる時より戻った瞬間に頭が疲れるのが難点と言えば難点かな?」

「「ふ~ん」」

 

「何人まで分かれられるんだ?」

「文献に書かれているのは4人かな?」

 そこばボカシて答えておいた。私はもっと別れられるけど、さらに増やす事は出来るんだろうか?

 

「そんな事が出来るんだったらエースを助け出すの簡単だったんじゃねぇか?」

「いや、たぶん…それは危険だからやらなかったんだろ?」

 エースが言う。

 

「うん。さっき配分って言ったでしょ?私のトータルの強さは変わらないのよ」

「そうか!!分かれた分だけ一人ひとりは弱くなっちゃうのか!!」

 サボが私の言わんとする事を理解してくれた。

 

「??」

 わかっていないのはルフィくらい。仕方がないので説明してあげる。

 

「この技の弱点でもあるんだけど、4人に分かれると一人ひとりの強さは1/4になっちゃうのよ。だから戦闘の時に使うのはリスクが高いのよね。もともと訓練の技だと思ってるから別に構わないんだけど…」

 ん?なんか、サボの視線が私の左腕に…

 

「ところでさぁ…まさかその枷、着けたままで()ってたのか?」

「そうだけど?」

 あら、気づいちゃった?

 

「ウソだろ!!?」

 アレってもしかして…イオリの1/10の力だったって事か!?

 

「あっ!!」

 そういや、イオリの枷は純度100%だったっけ……

 

「「………」」

「…なによ?」

 何で、そんなに驚いた顔してるわけ?サボまで一緒になって…

 

「なんか…おめェが1/4になったところで…」

「うん。なんも変わんねェ気がする……」

「いや、むしろ…いろんな危険が増すような?」

 なんか、さんざんな事言ってますけど?

 

「失礼しちゃうわ!あなた達!!」

 

 そーですか!そんな事言うなら望み通り、危険度増してやろうじゃないの!!

 おめーら、覚悟しとけよ!!!

 

 

 

 




 イオリは約2年の間に、革命軍にもお邪魔する予定です。
 サボも他人事じゃないんだなァ…


 この章を
『力をつける約2年』
 としました。

 2年間ではなく約2年としているのは、20ヶ月(1年8ヶ月)らしいからです。
 細かく言うと、ルフィの修行開始は5月6日。魚人等へ向けて出港するのは2月4日みたい。
(あら、ルフィの誕生日スルーしちゃった?とりあえず、肉でも食わせておきましょうかね?)
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