『じゃーもん♩ じゃーもん♫ じゃ~もん』
「あん? なんだ? この変な歌は。」
「「ああっ! あの方はっ!!?」」
「「何だアレ? くじら?」」
「この島の統率者! リュウグウ王国、国王『リュウグウの海神』ネプチューン様!!」
「でっけー男の人魚だコリャ…」
「女性がいいですよねー 人魚は」
「うへー! もじゃもじゃだ!おもしれェ!」
「失敬だぞお前らァ!平伏せェ!!!」
「くじらかわいいっ! ん? あれ…あのサメ、海中で見たわよね?」
「おぬしらか? 『麦わらの一味』は? …フムなるほど、良い顔をしておるんじゃもん。 よし!おぬしらを我が竜宮城へ招待するんじゃもん! 友人も構わんじゃもん!!」
「「りゅりゅ…りゅ…竜宮城~~~~~~!!?」」
「?」
~ ~ ~ ~ ~
「ほっほっほ!! 落ちるでないぞ!! ネ~~プチュ~~ン!!」
「ホエ~~ル!!」
ネプチューンはクジラに乗り、ルフィ達はサメのメガロの上に乗って城を目指す。
「何だおっさん、そのかけ声、バカみてェ!」
「やめろ、無礼者!! 麦、てめー!! もうコワイ!! おれはお前がコワイッ!!」
「ほっほっほ、そのサメ…『メガロ』は娘が大層可愛がっておるペットじゃもん!! あの時はメガロが帰って来んと泣いて手に負えなんだ…!! クラーケンに襲われとったとは、危ない所よう助けてくれたもんじゃもん!」
「ししし!! まー、おれはなんもしてねェけどな!偶然だけどよかったな、助かって!」
「人魚姫様のペットか…!!」
「あれ?バッパグさん。確か昔…人魚姫さんとはマブダチだとか…」
「しーしーっ!!!」
「あ…!!ウソだったんですね!?」
「聞いておる通りの正直者じゃもん!!」
「何で? おれの事知ってんのか? おれ、おっさんの事知らねぇのに?」
「エース殿がおぬしの事を話しておったんじゃもん。イオリ殿からもいろいろとな」
「あっ、そっか!!ここは白ひげ連合のナワバリだもんな!!」
「ちょっと、ルフィ…」
「いいんじゃもん。エース殿が白ひげ殿の統治をそのままに引き継いでくれたことで、この島の平穏は守られておる。ところで、イオリ殿の姿が見えんようだが?」
「あ~…あの娘は、用事があるみたいだから、来れないかもね…そうだわ!! 私、3時頃にはサンゴが丘の表通りに戻りたいんだけど…ケイミーも行くんでしょ握手会!!」
「うん。もちろん行くよ!!忘れる所だった。ありがとナミちん!!」
「「握手会?」」
「誰のだよ?」
「あんたらは知らないわよ。女性の味方、F-RONPの会長さん!!」
「「ね~~~!!」」
「でも、いいのかな。私達まで『竜宮城』へ…」
「友人も構わんじゃもん ってんだからいいんじゃねェか」
「ほっほっほ!! 実は先に息子達を使いにやったんじゃが、とんと戻って来んのじゃもん、それでわしが来た!! わしも宴の料理が楽しみで早く始めたいんじゃもん!! ― ああ、言い忘れたがお前達の仲間をすでに一人招いておる。」
「え?」
「そやつが今、さっさと酒盛りを始めてしまっとる。宴は皆でやる方が楽しいと言うのに身勝手な男よ!」
「ゾロか。」
「ゾロね。」
「確か、名前が…ゾリ!!」
「「ゾロだって…。」」
「他の仲間達も直に兵達が探し出して城へ招くので安心するんじゃもん!」
「ナミ、あいつらどこ行ったか聞いてねェのか?」
「ロビンは『歴史の本文』を探しに、フランキーはサニー号の様子を確認しに行ったわ。イオリは……なんか用事があるとかで大変そうだったわよ?」
「何だ用事って? まっ、あいつはいつもの事だもんな…」
「ルフィ達のほうも問題なかったんでしょ?」
「んー…ないっつーか…あったっつーか…」
「ねー、ところでおじいちゃん!」
「“海神”ネプチューン様だ、くらァ!!」
「イオリにあなたが説明してくれるだろうって聞いてたんだけど…ここは深海1万mなのに、この魚人島のある場所だけどうしてこんなに明るいの!?」
「ほっほっほっ、魚人島のある場所が明るいのではない… 世界で唯一光の差すこの海底に…遠い昔…魚人達が住み始めた…それが魚人島…!! ― ここには地上の光をそのまま海底に伝える“陽樹イブ”という巨大な樹の根が届いておる…!!」
「『陽樹イブ』…その根が光るって、 ― つまり1万mを超える光る根っこをもつ樹があるって事?」
「そうとも。学者達は何かと理屈づけておるが、地上で受けた光をその根に灯す神秘の樹じゃもん。 その樹の根の呼吸はさらに空気をも海底へと供給する…!!」
「シャボンディの「ヤルキマン・マングローブ」の親分みてェなモンか!!」
「地上に陽が差せば海底も明るく…地上の夜には光を失う。何の慈愛か…我々もまた当然という顔をして…太陽の恵みに生かされておるんじゃもん!!」
「…へえ、すげぇな“陽樹イブ”…」
「もじゃもじゃのおっさん、ハラへった。」
「お前っ!!」
「ほっほっほやがて着く。あれが入口じゃもん。」
ネプチューン王がインターホンを押す。
― ピンポーン! ―
『はい。』
「わしじゃもん!!」
『こ…国王様っ!! 只今通路を降ろします!!』
水の通路が伸びて来た。
「―さァゆこう!! ネ~~プチュ~~ン!!」
「ホエ~~ル!!」
「わー楽しみ!! 竜宮城!」
「シャボンをしっかり張るんじゃもん!」
しばらくすると、城が見えてきた…
「おおっ!!」
「さァここじゃもん!!」
目の前に広がるのは何もかもが巨大な城…海の生物がたくさん…建物の周囲を竜(建造物)が取り巻いている。
「着いた~~すげ~~カッコイイ~~!!」
「パッパグさんの屋敷がノミの様ですね!!」
「比べんな!!」
「キレーなお城~~!!」
ルフィ、ブルック、バッパグ、ナミがそれぞれ喋る中、ケイミーは恐れ多いらしく震えていた。
「王が戻られたぞ、門を開けよ!!」
「ネプチューン王がお戻りに~~~っ!!」
「どこへ行かれたのかと…!!」
「開門します!! お帰りなさいませ!! 国王様!!」
「うわ~~っ!! 色々あって楽しそうな城だな~~!!」
「我が城じゃもん!! ゆるりとしてゆけ!!」
~ ~ ~ ~ ~
「まったくあなたという人は!! ご自分の立場を
「…はい…はい…以後気をつけるんじゃもん…」
「かなわんわー…」
”怒られた…”
国王は大臣に小言を言われてしゅーんとなっていた。ルフィを除く一同はそんな国王を見て唖然…
ルフィは何かいい匂いを嗅ぎつけ、匂いにつられて何処かへ消えた。
「それよりホレ…!! 麦わらの一味の者達を連れて来たのじゃもん!!さァ客人達を持て成せ! 姫は?しらほし姫はどうしておるのじゃ!」
「 ― それが国王様、王自ら客人をお連れ頂いた所、誠に相すまんですが重大な話が!!」
「ええ、今しがたフカボシ王子より連絡がはいりまして、ホントかなわんわー…!!!」
「ん?フカボシが…何事じゃ…?」
「実はですね…!!」
「あれ?ルフィは?」
「おもてなし、まだですかね~」
「さっきまでここにいたけどな、あんにゃろ相変わらず1分とじっとしてられねェなー!」
「あいつ何、神の聖域をウロついてんだよっ!!」
ルフィは城の中を鼻を頼りに進んでいた。
「宴だ!宴!う~ん我慢できねぇ!ゾロは一人で飲んでるって言ってたし、先に見つけて食っちまおう!」
修行ん時は食うにも困ったもんな~!
食える時に食う! これは何度も死にかけて学んだ教訓だ!
そうと決まったら、みんなには悪ぃけど先に食いもん探すぞぉ!
おー!!
「しっかし広ぇ城だな~!部屋探すだけで大変だ。ゾロの気配を探しゃいいやって思ってたけど、あいつもスゲェ鍛えたんだな。全然わかんねぇや。」
イオリはシャボンディで全員の居場所がわかったって言ってたけど、イオリとゾロの居場所は分かんなかった。
サンジはギリギリって感じだったし… まだまだ鍛えねぇとダメだ!!
「おっ! んまそーな匂いがするなぁ! あの部屋だ! 間違いねぇ!!」
ありゃ?なんかでけぇ部屋だなぁ…ん!?
なんだ? なんかの気配が…
「どちら様でいらっしゃるんですか!? あなた様は!!」
うぇぇっ!? この圧迫感…覇王色の覇気!?
しっかし、デケェ人間…あ、人魚か!!?
「お前は誰だよ!!?」
「わたくしはリュウグウ王国のネプチューン王の娘! しらほしです! 賊に弱みを見せる様な無様な醜態はさらしませんよ!」
なっ…なんだぁ!? コイツ…もじゃもじゃの子供ぉ!!?
「ち、違うんだよ。おれ達、そのもじゃ…ネプチューンのおっさ…王様に招待されてココまで来たんだよ!」
「…本当でございますか? わたくし、疑わしきは全てぶっ飛ばせとお姉様から言われているのです!嘘だったら……ハッ!?」
「!? なんだありゃ…斧ぉ!?」
斧が飛んできた!?
…にしたってあれ、デケェな! あっ、あぶねぇんじゃ…
「えい! 鉄塊!指銃っ!!」
人魚のヤツが指で斧をついたら粉々になっちまった!?
なんだってコイツが六式使ってんだ?
しかし、ありゃえげつねぇなぁ~!
指がおれぐらいあるからとんでもねぇ凶器だぞ!!?
「おい、お前それどこ…」
「もぉ~!デッケン様ったらしつこいです!! 国中で探しているのに姿を見せないでこんなイタズラばっかり!!ここはお姉様の教え通り、『シメ』なきゃいけませんわ!」
「…」
ずいぶんはちゃめちゃなヤツだなぁ…イオリみてェだ!
「そういや、ここは宴会場…じゃねぇよな? なんか食いもん匂いがしたから来ちまったんだけど…」
「食べ物ならございますよ!お食べになりますか?私もトレーニングが終わったばかりで…」
「おめぇ、良いヤツだな!」
ここの飯ウメェし大量にあるしな! こりゃ、宴会が楽しみだ!!
しかし、しらほしってヤツもいっぱい食うなァ…
「あっ! そうですわ。今日はお母様のお墓に行きませんと! え~と… あなた様のお名前はなんと言うのでしょうか?」
「おれか?おれはモンキー・D・ルフィ!海賊だ!!」
「まぁ!あなた様が! お姉様からよく聞かされていましたわ。」
「モグモグ……へ? お姉様って?」
「はい。とてもお強くて優しくて、それでいて厳しくて…。わたくし、とても尊敬しているんです。1年半前に突如この島に現れて、それまで内気で引きこもりだったわたくしを鍛えてくださって。それに、この魚人島を守ってくださっている方の妹さんなんです!!」
「…ん? この島を守ってるって、エースじゃんか!エースの妹って…」
「ルフィ様のお姉様なんですよね?だから、エース様と同じく、あなたも私のお兄様になりますね?」
「えぇっ!!おめぇが尊敬してるって、イオリの事か?」
あいつが…優しい???
ルフィはこの2年の特訓を思い出していた。
”あんたが言ったんだからね!『強くなりてぇ』って!!…しかも誰も失わないほど強くなりてぇって!”
「言ったけどよォ…」
「ふ~ん…じゃあ、あれはウソだったんだ?」
「バ…バカ言え!!おれがウソなんか吐くかよ!!」
「そうなの? じゃあもう一度聞くね! やるの?やらないの?」
”…やる…やりゃいいんだろ!! うぉーやってやるぞ!!…”
”その意気その意気…”
じいちゃんやレイリーのシゴキも凄かったけど、イオリのシゴキはそれ以上だったもんなぁ…
ただ、何を鍛えるのかという目的がはっきりしていた分、ガープのシゴキよりはまともだったと言えるかもしれない。
イオリのシゴキは以前と変わらず体を苛め抜いてもう動けないというところまで行った状態からが本番だった。
1週間に3日あるイオリのシゴキの翌日は午前中いっぱい、思うように体が動かないほどだった。
普通なら繰り返すたびにその影響は少なくなるはずなのだが、肉体が鍛えられる都度にシゴキの強度が増していた為、2年間その状態は変わらずに繰り返された。
※紅雨海賊団も同じ…
そのかわり、イオリのシゴキ以外の訓練が楽に感じるようになっていく。ルフィと手合わせする面々もイオリに鍛えられていたが、ルフィの成長の速度のほうが早かったからだ。
「あっ…」
優しい…そっか…
いつも、死ぬほどの訓練をした後…
― お疲れ様…良く頑張ったね ―
手当をしながら、そう呟くイオリの事を思い出す。
そういや、そんな時のイオリは…すげぇ優しかったっけ…
「そうかぁ…イオリに鍛えられたんならおめぇが強ェのも納得だ。」
「ところで、お姉様もいらしてるんですか?」
「いや、いらしてないぞ?なんか用事があるとかで来てねぇって…」
「用事?…もしかして…」
「ん?」