イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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09-256話:新・魚人海賊団

「…ぶへぇ~ くった、くった!!」

「ルフィ様も、ものすごく大食漢であらせられるのですね。すごいです!」

 

「食うのが好きだからな!!」

「お姉さまみたいですね!…あら、もうこんな時間!!それでは、わたくしはお父様に挨拶に行ってきます。」

 

「何のあいさつだ?」

「はい。外出の時はお兄様達の誰かか10人の兵士の皆様が一緒に付き添ってくださるんです。」

 

「あんだけ強けりゃ問題ねーと思うけどな?」

 

 

 

 

「おお、来たか。しらほしや…紹介しよう。この者達が『麦わらの一味』のみなさんじゃもん。 お、ルフィ君。すでにしらほしに会ったのか。」

 

「あれ? みんな…どうしたんだ?」

「ああ、『色々』話してたぜ。…ってなんだぁ!!? この女の子は!!」

 

「ああ、おっさんの娘のしらほしだってよ。…あ、ゾロ!!」

 全員がしらほしの名を聞いて驚いた顔をする。

 

「ゾロ!おめぇ一人で飲んでたんじゃねェのか?また迷子になってここに来たとか?」

 

「違うわバカ! 呼ばれてここに来たんだよ。」

「ヨホホホ…ここに来る途中で迷子になったみたいですけどね?」

「チクってんじゃねぇ!!」

 

「お父様、海の森にあるお母様のお墓に行きたいのですが。」

「おお、そういえば今日も通う日であったな。…付き添いは…うーん、今息子達は不在じゃし…」

 

「おれがついてってやるよ!食いもん食わせてもらったしな!!」

 

「ルフィ君か…すまぬが頼まれてくれるか。ではしらほしをよろしく頼む。」

「おう!任せとけ!」

 

「しらほしも気をつけるんじゃもん。スパルタで鍛えられたとはいえ、お前の見聞色の覇気はまだまだ未熟なんじゃから。」

「はい気をつけます。それではお父様……行ってまいります。」

「うむ。」

 

 

 *--*--*--*--*

 

 

「そろそろ、奴らがやって来るわ。準備はいい?」

「「準備万端、整ってございます!!」」

 

「それじゃ、ネプチューン軍のみんなはギョンコルド広場へ!!周辺住民の避難も頼むわね?」

「まかせておくんじゃもん。心配はしておりませんが、気をつけてください!」

「「では、我らは先に行っております!!」」

 

 

「なんで国王まで、おめぇに敬語なんだよ?」

「イオリちんすごい!!」

 

「もしかして…これも『リヴァイアサン』の影響?」

 

「「えぇっっっ!!『リヴァイアサン』って…!!?」」

「イオリちん、まさか、”海神様”と繋がりが?」

 

「そうよ?『リヴァイアサン』がこの娘の事、"我が主"って言ってたもの…」

「「……」」

 バッパグとケイミーが口をあんぐりと開けて驚愕している。

 

「それはそうとケイミー、ナミのわがままに突き合わせてゴメンね?相手の親玉を見たらバッパグとナミを連れて海の森までお願いね!!ルフィ達はそこに向かうはずだし、フランキーとロビンもそこに居るから。」

 

「イオリ…あんた、またなんか企んでない?」

「えっ!なんで?」

 

「だって、楽しそうな顔してるんだもん。あんたがそういう顔する時って必ず何かあるのよね…」

「まぁ、サプライズではあるけどね。とりあえず危険は無いから大丈夫よ!」

「…」

 

「おい、お出ましのようだ…行くぞ!!」

 

 

 

 

「バギャな!! 場内に誰も居ねぇかと思えば、奥から出てきたのは人間だと!!?」

「…その面、見覚えがあるぜ。てめぇが”くれない”だな? おい、野郎ども!!あのガキに下手に手を出すと、四皇を敵に回すことになりかねねぇ…。闘るなら殺さず生け捕りにしろ!!」

 

「バーカ、おめぇら程度じゃ相手になんねぇよ。そもそもコイツは見学だ。闘るのはおれ達…覚悟しろよ!」

「てめぇは『海賊狩り』だな? ずいぶんと舐めた口叩くじゃねぇか。下等種族が…」

「へぇ…聞いたことあるセリフだな。そんな事を言ってたサメ野郎が確か東の海にも居たな…」

 

「あんた達がアーロンの意思を継ぐとかいう”新・魚人海賊団”?」

「ほぉ…よく知ってるなぁ…おめぇが『泥棒猫』か?」

 

「バホホホ!こんな少人数なら問題ねぇな!!おれは勝手にやらせてもらうぜ!!さぁサンゴよ! しらほしの下へ飛べぇ!」

 バンダー・デッケンが城に生えてるサンゴでしらほしの元へ向かおうとするが…

 

「硬殻塔へ飛ばねぇ!? おのれぇぃ! 誰がかどわかしたぁ!!?」

 

 …いきなり戦力が減ったか…まぁいい。相手はたったの5人!!(人魚とヒトデは戦力外) ー

 

「我々はアーロンさんの意志を受け継いだ新魚人海賊団! アーロンさんの野望を打ち砕いたお前らは… 我々の糧になってもらう!」

「おめェらの野望ってのも打ち砕いてやるよ。それに言ったろ?闘るのはおれ達だってな!!」

 ゾロとウソップ、ブルックが構える。

 

「さて、人間共…無力になったらどうするか、見せてもらうぞ!租鮫(ソシャーク)!!」

 城の柱を破壊。広間に海水が侵入してくる。

 

「うおっ!? なんつー真似を!」

 

「ジャハハハハ……驚くのはまだ早ぇぜ?矢武鮫(やぶさめ)!!」

 

 - パチンッ!! ー

 

 私が指を鳴らすと、ホーディの放った水の礫が弾けて消えた。

 

「「なっ!!?」」

 

「あっ!!ゴメン。つい、いつもの癖で…」

 その技見ると、反射的に止めちゃうのよねぇ…

 

「……」

 一味の面々が驚いたような顔で私を見る。が、すぐさま正気を取り戻した。

 

「一体、何をしやがった…いつもの癖で…だと!?」

 

「うわぁ!? 頭の撃ち水を消しやがった! バケモンだぁっ!!」

 

「サメ野郎…テメェはおれがブッた斬ってやるよ。」

 

「ウソップとブルックはとりあえず、これに乗ってなさい!!」

 と言って、私は小舟を浮かべた。

「ヨホホホ…用意周到ですね!!おや?イオリさんは平気なので?」

「まあね…」

 平気というか何というか…今は私と海水の間には空気の層があるからまったく平気。

 既に海楼石の腕輪は付けた状態なので、海水に浸かっても問題ないし、ウンディーネを召喚すれば沈む事もない。

 

「ナミは先に行ってて頂戴!!ケイミー!!ナミとバッパグをよろしくね!!」

「「うん!!」」

 

「逃がすか…って早ぇ~!? さすが人魚…まぁ、女どもは逃しても問題ねぇ」

 

「お~い、ここにも女子がいるんですけど?」

 

「おめェは入ってねェとよ!」

「え~!なんでェ~!?」

「「…」」

 

「さぁ、王共をどこへ隠したか……吐いてもらうぞ下等生物共……」

「出来ると思うか?魚野郎。」

 

「あっ、一言言っとくね!!私…見学だけど、()使ったら手伝うからね?」

 

「なんだよ薬って…」

「奴らに聞いたら?」

 

「最初っから参戦してかまわねェぜ?」

 

「行くぞ!! 一刀流…厄港鳥!!」

 ゾロの斬撃が水面を疾る…

 

「ちっ!!」

「ぎゃああああ!!?」

 

「あ、あのヤロー仲間を盾に!?最低だぁ!!」

 

「フン…もう手遅れだ。直にここは海水で満たされる。てめぇら下等生物に勝ち目はねェ!!」

「下等生物ってセリフは聞き飽きたぜ。相手の力量も見極められねぇようなヤツが何を言ったところで虚しいだけだ!おめェ達の土俵で負けりゃ、ちったあ堪えるか?」

 ゾロが水中へと潜る。ウソップがゾロの事を心配して潜って見てるけど…

 

 ― ザンッ!! ―

 

 2、3度、剣とやりがぶつかったかと思うと、ゾロがスピードを一段上げて、ホーディーに袈裟斬りを食らわす。

 

「!? グッ…ハッ…!? バカな…」

 今のは…月歩や剃刀とは違う…縮地…かな?

 水中では無駄な動きは抵抗が大きくなる。ずいぶんと鍛え込んだわね。剛だけでなく、柔の剣も…

 さすがはミホークさんって事か…。

 これはもしかして…苦戦するかもしれないわね。

 

「か、頭ァ!!エ、ESを!」

 魚人の部下が持ってきたESを掻き込む。

 

「…!! ッグオオオ!!」

「む…この威圧感、なんだ?」

 魚人共の気配が急に大きくなりやがった!!?

 

「…ハアッ! ハアッ…」

 

「ウソップ! ブルックを連れ…!? テメェ、しつけぇな!」

 

「逃がしはしねぇ… ジャハハハハッ…もうテメェらは終わり…!!?」

 ドゴォォ!!

 

「ぐぁっ!!」

 

「言ったよね?薬使ったらどうするかって…」

 はい、ぶっ飛ばさせていただきました。

 

「イオリ!!」

 

「ゾロ!!今のうちにギョンコルド広場へ!!」

 

 既に、ウソップとブルックはシャークサブマージ3号に乗り込んでいる。魚人島の外に出るわけではないので、強度的には問題ない。それにバブリーサンゴ大も付けているので、仮に魚人島の外にでても大丈夫!!

 ゾロも乗り込んで、潜水艇が動き出す。定員は3名なので、私は別行動を取る事に…

 ちなみに、噴出貝を搭載しているので人魚並のスピードも出る。

 

 ― !? く…逃げられたか。 しかし…ギョンコルド広場とは… ―

 

 

 

 

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