イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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浴衣0227さん、誤字報告ありがとうございます。


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09-261話:古の方舟

「おおっ…麦わらの一味の連中も皆強いのう~」

 ルフィ達の戦いっぷりを見物して、感心してるネプチューン王。そこに長男フカボシが駆け付ける。

 

「父上!」

「? どうした…! まさか…」

 

「はい! ノアが動き出したようです…!おそらく…いえ、間違いなく下手人はデッケンでしょう。行き先はやはり…」

 

「うむ、しらほしを狙うか…イオリ殿の言われた事は本当だったんじゃもん!!しらほしも訓練に訓練を重ねてきた。きっと制御してくれるはず…」

 

 ネプチューン王の言う通り、これはしらほしの実力テストも兼ねている。仮に失敗してもリヴァイアサンに再命令を出させれば問題ないし、さらに言えば海王類ナシでも小さくすればノアを止めるの簡単だ。

 

 ノアの大きさは全長5Kmほどなので1/100で50mになる。私はさらに1/100にする事が可能なので、50cmまで小さく出来る。

 しかも、海の中なら間接的に触れている事になるので、離れていても小さくすることが可能。

 まぁ、私が居ない時の事を考えて、しらほし一人で対応出来る事が望ましいわけですが…

 

「海獣も無力化し終わったし我々は麦わらの一味達やしらほしのサポートに徹するぞ!」

「「「はいっ!!!」」」

 

 王族達は何の心配もない。自ら望んで私にしごかれたからESを飲んだ幹部共すら倒せるほどに強くなった。

 さすがに暴走ホーディにはタイマンじゃ勝てないだろうけど…

 

 それはそうと、デッケンも暴走したか…はるかかなかたから魚人島に匹敵する大きさを誇る舟『ノア』がこの島…いや、しらほし目掛けて向かってくる。大きすぎるからスピードはゆっくりだけど…

 

 しかし、こんな所にも(?)ストーカーが居るとはね。

 新世界側で待ち受ける、もう一人に合わせてやりたいもんだわ。

 

 

 ― ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ… ―

 

 遠くで地鳴り、もとい海鳴りのような音が響き、広場全体を巨大すぎる影が覆った。

 

 …ついに来たわね…

 

「え!?」

「何だ!?広場が急に暗く…」

 

 ギャラリーが上空を見上げると、そこには…

 

「「えええ~~~~~~~~!!? あれは…!! 魚人街の”ノア”!!?」」

 

「魚人島上空になぜノアが!?」

「明らかにこの広場に向かってる!!」

「島のシャボンを突き破ろうとしてるぞ!!」

「シャボンが割れたら…!!”ノア”が衝突する前に水圧で居住区なんて吹き飛んじまう!!!」

 

「??」

「!?」

「何アレ!」

 ルフィ、サンジ、ナミが驚く。

 

「ノア!!? デッケンのヤツ、本当にやりおったのか!!?」

「アレが…ちょっと大きすぎじゃないの!!?」

 ジンベエはノア自体を見知っているので大きさには驚いていない。デッケンには呆れているようだが…

 

 それに、しらほしや私のチカラを知っているので慌てることもない。

 

「あんな船がぶつかれば島ごと砕けるぞ!!」

「一体誰が動かしてるんだ!?」

「いや…!!”ノア”に動力なんてねェ筈だ!!」

 ホーディ軍はホーディも含めて何も知らないので騒いでる。

 それに比べて崖の上の島民達は落ち着いている。王族達が信頼されてる証だね。

 

 

「聞いててもビックリしますねアレ!!!」

「でけェ……!!!」

 ブルックとチョッパーがノアを見上げてつぶやく

 

「デカすぎだぁ~~~!!ホントにあんなもん、なんとか出来んのかァ!?」

「失敗して、私達が一斉に潰れたら海は赤く染まるかしら」

 ウソップは相変わらずの小心者だ事…

 ロビンの軽口も健在だ。

 

 あ~…! 原作通り、ノアからワダツミが落ちてきた。

 運が悪いわねェ… あそこら辺に居たやつら…

 

 ワダツミは何人かの雑兵とかを下敷きにしながら地面に落下。彼からしてみたら4、5階から落ちた感じかしらね?

 痛い痛いと喚きながら、さらに辺りの雑兵を吹き飛ばしてる。

 

 そこにノアからデッケンが現れ、わめくワダツミを見捨て、ノアをしらほしに向けて投げたと叫ぶ。

 見捨てられたワダツミが相変わらずわめいているが、そこにジンベエとサンジが近づいた。

 

「大入道か…」

 静かに覇気を纏うジンベエ。

 

「ジャンボ饅頭はさっさと消えてろ。」

 ようやく表れた自分の相手にサンジもやる気を出して見せる。

 

「なんら~?キサマら~!踏み潰すど~!!」

 ワダツミが二人を標的に定めた。

 

 しかし…ワダツミも運がない。原作でも二人にあっさりヤられていたのに、二人の戦闘力は原作よりも格段に上がっている。

 ウルフのように覇気が使えるならまだしも、単なるでくのぼうでは為す術なくヤられるしかないだろう。

 

 ご愁傷様です…

 

 

 ワダツミに気をとられている間に、しらほしが広場上空に向かった。目標はノアだ。

 

「………!」

 

 しらほしも、かなりやる気になってるみたい。というか怒ってる?

 

「デッケン様!みな様を巻き添えにしてまでのこの愚行…!許すわけにはまいりません!」

 

 ― ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…… ―

 

 あいつらも間に合ったみたいね。

 よし!今の所は上手く指揮出来てるわね! まだ誰にもバレてないし。

 ってか、なんだかいつもよりも感じる気配が多いような?

  

「しらほしぃぃ!たいした勇気だぁ!それでこそおれの愛した女ぁ!!さぁこの魚人島と共に死ねぇ!!」

 

 そこへ異変を察知したホーディも単身ノアに。

 

「デッケンめ…勝手な事ばかりしやがって。だが…これは使える!!」

 

「ホーディのヤツ!!」

 もちろんルフィもノアに向かう。そこにジンベエがバブリーサンゴを渡す。

 

 原作ではサンジの力を借りていたけど、今のルフィなら自力で突っ切れる。

 

「ゴムゴムの…ロケット!!」

 ルフィが弾丸と化し海域に到着。すぐさまサンゴからシャボンを作り出す。

 

 こうして魚人島上空の海域にルフィ、しらほし、ホーディ、デッケンが集う。そしてもう一人…

 

「へっ…ようやく出番か。世話が焼けるぜ!!」

 暇を持て余していたアーロンがこっそりと上空に向かった。

 

 いよいよこの島のイベントもクライマックスだ。どれもこれも見逃さないようにしないとね!!

 

 

 

 ~ ルフィVSホーディ ~

 

「…このデカブツを魚人島に落とせば…クズ共みんなまとめて処分できる!」

 

 麦わらの一味共、それに魚人のプライドを捨てやがったアーロンやジンベエも全員ぶち殺してくれる!

 そのためには、しらほしが島の真上辺りに来た時に…ヤツを、デッケンを始末する!そうすりゃあ!ジャハハハハ!

 さぁ~て…まずはしらほしをとっ捕まえるか。スピードで今のおれに叶う者などいないんだからなぁ!

 ……ん? 誰かと思えば麦わら…か? 下等種族が海に入るなんざ笑わせてくれるぜ!

 

「ジャハハハハ!麦わらぁ!陸の上じゃてこずったがこの海では立場は逆転する!」

「へーそーなのかー?」

 ルフィがシャボンの中で鼻をほじりながらホーディに言葉を返す。本人にそのつもりはないんだろうけど、相手を苛立たせる天才よね。

 

「なめてんのか!?死ねぇっ!」

 ホーディが撃水を10発ほど放つ。陸上と比べて威力は増してるようだけど…

 

「だから無駄だって。」

 ルフィはほとんど動かずにそれをかわした。ホーディは驚愕というか何が起こったのか理解出来ないらしい。

 

「確かに動きにくいけど…お前程度ならこれで十分だ。」

 

「何だと!!? このガキがぁ!!」

 いや、ヤツのペースに乗せられるな…そんなもの…超スピードでの噛み付きでバラバラにして…

 

「武装色!銃弾(ブレット)!!」

 ホーディがごちゃごちゃと考えている間にルフィが仕掛ける。

 

  ― ドゴォォ!! ―

 

「!? グ、ヘェッ…!?」

 ハ、ハラが…なんて一撃…

 

 ありえねぇ…人間…しかも能力者が海中でこうも速いとは…

 

「ぐぅ…シャボンさえ破壊できれば…一瞬でカタがつくってのに…」

 

「も~い~か~!?」

「!?」

 海に出た事で、ルフィのハンデは無くなった。覇気の解禁である。

 一撃を加えただけで動かなくなったホーディに対して、少し待っててあげたらしいルフィが声をかける。

 

 ホーディはルフィを軽くあしらってデッケンを殺ろうと思ってたみたいだけど、相手を甘く見過ぎだ。

 ここは偉大なる航路で、新世界とも面しているというのに、覇気も鍛えず、魚人の特性だけで戦おうなんて考えがそもそも甘いんだよ!!

 

「んじゃとりあえず、ぶっ飛ばすぞ~お前!」

 ルフィがシャボンの外に武装硬化した腕を伸ばす…

 

「ギア2武装…! くらえ! エース直伝のぉぉぉ…火拳銃(レッドホーク)!!!」

 

  ― ズドォォォッッ!! ―

 

「!? ガハァッッ!? ば、馬鹿な見、見えな…ギィアアア!? ハ、ハラがや、焼けるぅ~~死…死んじまう!!」

 

「あれ?ひょっとしておれの出る幕なしじゃね!?」

「!!?」

 アーロンの声が聞こえたからか?ホーディが持っているESを全て口に入れたのが見える。

 

「ありゃ~アーロン!お前も来たのかよ!!」

「へっ…姉貴の指示でな。けど…思った以上だな。海中でもホーディを倒すとは…む!?」

 

「アーロン!!…貴様ァァ…どこまでおれを幻滅させるぅぅ!人間に寝返った軟弱者め…!」

「それに関しちゃ何の弁明もできねぇな。もっともおめェに許してもらおうとも思わねぇが…。おれはただ敵を倒す…そんだけだ。」

 

「しらほしは、一人にして大丈夫なのか?」

「デッケンの強さと能力は姉貴から聞いてるし、実際に見て大体分かった。あの程度じゃしらほしの敵じゃねぇよ!姉貴に地獄の様な特訓やらされたみてェだからな。『海中』でしらほしに勝てるヤツはそうそういねぇさ。」

「うへ~そうなのか!!?」

 

「グオオオオオ………グッ…グウエエエエエッッ!!!」

 

「うわっ!なんだあいつ…いきなり苦しみだしたぞ?」

 

「ドーピングのやり過ぎだ…!!いや、気配が増してるぞ!!?」

「マジか?ほんとだ!…すげぇ威圧感だ…」

 

「ガアアアアッッ!」

 ホーディが奇声を上げながらルフィに向かって突進する。ルフィは辛うじて避けた。

 

「! 速ぇ!やべぇな…これじゃ満足に戦えねぇぞ?」

 

「やっと出番か!おれの背中に乗れ麦わら!おめェの脚代わりになってやる。」

「おお!サンキュー!!」

 

「ききき貴様らぁ~どこまでも舐めた真似を!目障りな馴れ合いなぞしおってぇ~!」

「おや?もしかしてうらやましいのか?」

 

「ほざけぇぇっっ~!貴様ら!八つ裂きにしてやる!!キリサメ!!」

 ホーディが大刀を抜き背ビレに装着。そして、猛スピードで進む。

 

「死ねぇっ!!」

 

「うわっと!…なかなか速ぇじゃねぇか!先輩としちゃ、うれしい限りだな!」

「それ以上しゃべるなぁっっ!!面汚しがぁっっ!!!」

 ホーディのスピードにもアーロンは難なく対応出来ている。ホーディの知る10年前の姿からは想像もつかないだろう。

 ESをこれでもかというくらい飲んだのに届かないなんて…

 

 っていうか、いい加減に気づけよ!と思う。

 

 ESは無制限にチカラを与えるものではない。どうせ使うにしても、ヤツラはもっと地力を鍛えるべきだった。

 

 

「魚人空手!海太鼓!!」

「! 振動波か…しかし、姉貴の『無空波』に比べりゃ弱すぎる!!魚人ケンカ殺法&武装色!螺旋掌打(スパイラル・ストライク)!!」

 

 アーロンがコークスクリューブローを放ち、派生した渦が衝撃波を消し飛ばす。渦はそのままホーディに直撃。吹き飛ばした。

 

「おいおい!もうちょっとしっかりしてくれよ後輩。」

 

「ぐ…おのれ…調子に乗るなぁっっ!!」

 

「武装色!ゴムゴムの…JETバズーカ!!!」

 続けざまのルフィの攻撃がホーディを襲う!!

 

  ― ドゴオオオオッッ!!! ―

 

「グオオオオッッ!!?」

 

「ありゃァ~…吹っ飛ばしすぎちまった。」

「…ノアの方へ飛んでったな… 麦わら!追うぞ!!」

「おうっ!!」

 

 

 

 

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