イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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09-262話:暗黒の感情

「しらほしぃぃ~大人しくするんだぁ~!!」

「デッケン様…今すぐノアをお止めください。お願いです。」

 

「ふざけるなしらほしぃ!お前は魚人島と共に滅びるのだぁ~!そして!このおれも後を追ってやるぞぉぉ~!」

 

「…そうですか…やはりお止めになってくれないのですか…仕方ありませんね。ここはお姉様の教え通り…」

「?」

 

「…デッケン様。あなたの体に直接言うことを聞かせます。ですからもう…今から泣いて謝っても、許しませんからね!!」

 

「許さないだとぉ!?お前が何をしようと言うのだぁ!」

「あなたを…こらしめます!」

 

「ほざけぇー!」

 デッケンは、ノアを魚人島から離す際に自分が投げたナイフをしらほしが鉄塊で防御する場面を目撃している。

 けれど、ホーディの撃水を弾き返した場面は見ていないので、防御が優れてるとしか思っていないのだろう。

 だからだろうか?攻撃されるとは思っていないようで、どのようにしてしらほしを殺るかを考えているようだ。

 まぁ人魚姫が格闘界でも上位入賞するとは普通思わないわよね?

 

「えい!指銃…(ばち)!!」

 地上では空気を弾く技だけど、海中で弾くのは空気ではなく海水…当然威力は気体より液体のほうが大きいのです。

 

「!」

 

  ― ドゴオオンッッ! ―

 

「!!?」

 

 撃水のように海水の歪みが見えたのだろう。デッケンは間一髪それを逃れたが、背後の巨岩を粉砕した威力に慄く

 

「デッケン様お覚悟!」

 

「くっ!!」

 投げるものを探すデッケン。今の攻撃を見てしまっては、相手が人魚姫だからと手加減すれば己の身が危うい。

 そもそも死ぬ気ではあったが、しらほしよりも先に死んでは意味が無い。

 すると魚人島へと向かう一隻の大型ガレオン船がデッケンの視界に入った。真上に居るので能力者である彼でもシャボンで向かうことが可能だ。

 

「あの船は…人間のか!?バホホホホホッッ!!あれでも十分殺せるだろう!覚悟しろよ!」

 

 デッケンはノアに戻るために命綱をつけてシャボンでその船へと向かい…タッチ!能力が発動した。

 

「!? ジャイロ船長! 舵が急に効かなく…」

「なっなんだとぉ~~!? このバカチンがぁ~!?」

 

「バホホホホホッ!! ノアには遠く及ばんがこのサイズの船ならっ…」

 

「!? 船…!? これもデッケン様の…」

「もう遅いぃ! 死ねぇぇぇっ!!」

 

「………」

 しらほしが目を閉じ両手をあわせて祈りのポーズを取る。

 

「?」

 

「お願いします!マダラ様っ!!」

 

 《 心得た…我らの王…しらほし姫よ。 》

 

「!? なっなっなっあっあれは…海王類だとぉーっ!!?」

 白と黒の斑模様が特徴的な海王類。かつて凪の帯にてゴーイングメリー号を額に乗せた海王類と同じ種だ。

 

「うわああああ~!?」

 海王類がデッケンの投げた船をパクリと口の中に入れた。船は口の中に衝突して止まった事だろう。

 

 《 後で出してやる…人間達よ…さぁ皆…我らの王と神の勅命が来た… 》

 《 ノアを魚人島に落とそうとするなんて…悪い子だねぇ…神の逆鱗に触れちゃうよ~ 》

 

「~~~~~~っっ!!??」

 海王類が次から次へと現れる。いや、確かに大勢呼んだほうが敵の戦意を削げるからとは言ったけどねぇ…

 ノアを止めるだけなら10頭もいれば十分足りると思うけど?

 既にその数倍は集まってるわねェ…

 

 集まってくる気配からするに100頭超えるんじゃ…

 

 でもまぁ、しらほしのチカラを試すにはいいのかな?

 

 《 あの(むすめ)も、ずいぶんと成長したものだ… 》

 

「海王類の指揮に関しては海神(あんた)自ら教育したんだから当然でしょ?」

 《 まあな… 》

 

 おっと!ホーディが飛んできたわね。デッケンもノアに戻ったようだし。

 

 さて…

 

 私が甲板に降り立つとデッケンがわめくのが聞こえた。人間が海の中を!!?とかキサマくれないか?とか言ってるけどどうでもいい。

 

 私の目的はこの船を守ることだからね?

 

 無視すること十数秒…ホーディが甲板に激突する。

 ぶつかる場所に武装硬化をしておいたから船は無事。逆にホーディのダメージは倍増したかもね?

 

「ぐ…ここは…!? き、貴様はっ…くれないっ!?」

 

「お目覚めかしら、薬中君?」

 

「!! 減らず口をっ…麦わらが追ってくる前に、貴様には…死んでもらうぞ…チラ」

 

 私からすれば何をしようとしているのかバレバレだ…しかし…見事にデッケンは油断してるみたい。

 

 ― グサァッ…! ―

 

「!!?」

 

「ジャハハハハ! デッケン…ノアが魚人島の真上に来た今、貴様はもう用済みだ。安心して死ね。」

「お、おのれ…」

 

 ホーディーを掴みながらズルズルと崩れ落ちるデッケン。原作と違いあっさりと気絶したわね。

 アーロンに乗ったルフィも来た。いいタイミングでフカボシ達もノアの近くに来たみたい。

 

「ジャハハハハ!さぁおれを殺せよ!ノアはもう誰にも止められねぇ!どのみち魚人島が滅ぶ事に変わりはないんだからなぁ!」

 

「「…」」

 勝ち誇った様に笑うホーディ。私たちがシラケているのも気づいていない。

 

「…あんたねぇ…周りを良く見て見なさいよ!!もう終わってるわ。」

 周りと言って、私はノアの上を見る。ホーディが顔をそっちに向けて固まった。ルフィもアーロンも固まってる。

 さすがにこれだけの大群になると視認するにも時間がかかる。ほとんど壁みたいだしね。

 

「うわあああ!す…すげぇ…」

「これを、しらほし姫が!!?」

 

「なっ…か、海王類だと!?しかもなんて数…だ、だが…それがどうした!? …!? まさか!」

 

「こいつらは、しらほしに呼ばれてここに集まったのよ!『シャクレ』!あなたが中心となってノアを止めといて頂戴!」

 

 《 うん!!分かったよ~神様~ 》

 

 精霊であるリヴァイアサンは、私の体に宿らせることも可。そうすれば私自身が海王類と話すことが出来る。念のため、海王類が神と言っているのは私ではなくリヴァイアサンである。まぁ、勝ちましたけど…

 

「なんか聞こえなかったか?あの黄色い奴がしゃべったような…」

「おれにゃあ聞こえなかったが?…気のせいじゃねぇのか?」

 

「それともう一人…じゃないや。もう一匹会わせたいのがいるんだけど? お~い、スルメ!!」

「ん?…あっ! スルメじゃね~か!!どこ行ってたんだ~?」

 

「なっ…クラーケン!? どういうつもりだ!? 貴様…このおれを裏切ってただで済むと…」

「あ、そうそう。スルメ…クラーケンの仲間は一週間程前に助けておいたから。」

 

「!? …な、なんだと!? あそこにはおれの手の者が…」

「もちろん潰滅しといたわよ 好き勝手されても困るし目障りだったんでね…」

 実際にはボコボコにして小さくして牢屋に入れてここまで運んだんだけど…。

 っていうか、いくら魚人とはいえ100人程度でクラーケン3匹をどうするつもりだったんだ?

 脅すだけなら兵力を割く必要なんてないのね?

 勉強が出来るヤツ(薬を複製したのってゼオだっけ?)は居ても、頭のいいヤツはいなかったって事かしら?

 

 ちなみに、ホーディ達が王宮からギャンコルド広場に向かったところで、捕まえたヤツらは竜宮城の牢屋に入れて、映像伝電虫でひろばの状況をわかるようにしておいた。オトヒメ殺害の犯人が分かった事で、ホーディ軍の兵士の心はホーディ達から離れている。牢屋の兵士も同じだろう。

 

「ぐ、ぐぬぅ…くそ…何から何まで小賢しい真似を!!それにま、まさかしらほしだけでなく人間の貴様までが海王類を操れるとは…」

「別に…正確には私のチカラじゃ無いからね。自慢する気も無いから忘れてくれる?」

 

「アーロンの事といい、クラーケンの事といい…しらほしや王族どもを鍛えたのもテメェだな?そうか…!シャーリーが言ってた『ある御方』ってのも貴様か…!くそっ!!何もかもを台無しにしやがって…貴様だけは許せねェ…何としてでも殺してやるぞ!!」

 

「「絶対無理だろお前っ」」

 おおっ!!ルフィーとアーロンのツッコミがユニゾンしたっ!?

 

「ホーディ様、わたくしも無理だと思います。」

 

「バカにするなァ!!!」

 ホーディが突進してくる。

 

 せっかくなので…受けてやりますか。

 

「「!!?」」

 

 ノアのシャボンを突き抜け、ホーディと私は海中へと出た。

 

 けど大丈夫!!

 

 私の周りには空気の層が出来ているので苦しくもない。

 

「シャボン…とは違うようだな…貴様も能力者だと聞いてるが…なぜ何ともねぇ!!」

「私はまだ、海水に触れてないからね!!」

 触れても何ともないけどね!!

 

「なら、その空気をどうにかしちまえばいいってわけだ…」

 ホーディが撃水を放つ。が…

 

「くそっ!!麦わらと同じ…」

 ホーディの攻撃は数分続いたが、私は難なくその攻撃を避け、防ぎ続けた。

 

「ハァハァ…く…くそ…何で…攻撃して来ねぇ…?」

「…」

 

 

「あぁそっか!あいつはおれがぶっ飛ばすって言ったから、イオリは手ェ出さねぇんだ!」

「まぁ分かってたけどな…ホーディが何をしようと姉貴には傷一つ付けられるわけねぇ…」

「あの…ルフィ様。お姉様は遊んでらっしゃるんですよね?もし、我慢されてるのでしたらわたし……この後がとっても(・・・・)怖いですぅ…」

「「あっ!!」」

 

 

「…」

 現在の私は、例によって海楼石の腕輪をしている。2年の間、自身も鍛えて来たので戦闘力はかなりアップしてると思う。

 シリュウ曰く、私の成長速度の方がみんなよりも上との事で、みんなの戦闘力がアップしているのにも関わらず、私との差は開く一方なんだとか…

 

 それ、ほんと?

 

 それにしても…

 

 ホーディが、ここまで弱いとは正直思っていなかった。

 

 原作では、ルフィがホーディとの戦いの後、動けなくなっていた。

 その原因はノアを破壊しようとした時の無理が祟ったということだけど、そもそも大量に血を流させたのはホーディである。

 だから多少は期待していたのかもしれない。けど、考えてみれば当たり前なんだよね…

 

 確かにルフィは海中では、ほぼ動けなくなるからアーロンが居なければ苦戦したと思う。ただし、ルフィの武装色は原作よりも格段に強化されてる。さらに、まだ完全ではないけど鉄塊も使えるようになっているので、ホーディがルフィを傷つけるのは容易ではない。

 

 つまり、仮に原作通り、ノアを壊そうとする場面があったとしても、ルフィは出血多量になること無く、ホーディを沈める事が可能だったわけだ。

 

 正直…というか、ガッカリだよホーディ…

 ES飲んで、限界突破したっていうのにこの程度って…

 

 怒りよりも呆れ…むしろ憐れみすら感じる。この上この後、副作用によって若さも失う事になる。

 はたして、彼らが元の通り、若さを取り戻すにはどの程度の時間を要するのだろうか?(そもそも取り戻せるのか?)

 私は溜息を吐いて、電伝虫のスイッチを入れた。

 

「ホーディ…あんた達は何故、それほどまでに人間を憎むわけ?あんた達は、人間に”何もされていない”というのに!!」

「「!!?」」

 驚いたのはホーディではなく、フカボシ達だ。

 

「ほう、良く知っているな。そうだ!おれ達は人間に何もされていない。されるわけがないだろう?おれ達は特別なんだ!天に選ばれたのだからな!!」

 

「私には見える。あんた達が子供の頃…大人たちの人間に対する呪詛の言葉を聞いて育った様子が…」

 その大人の中にはアーロンの姿も見えた。でもそれだけじゃなかった。

 

 シャボンディ諸島には、悪しき風習が残る。

 魚人島で生まれた者達が目にする人間は、海賊かシャボンディの人々。

 海賊たちは魚人島で暴れ、シャボンディでは魚人達は奴隷にされるか迫害を受けていた。

 

 その怒りの捌け口が魚人街の酒場だったのだろう…。

 魚人街に住む者達だけでなく、人間に不満を持った者達が酒を飲み、不満をぶち撒けてウサを晴らす。

 子供達も、海底深くに押し込められている事への疑問や不満を誰かのせいにして納得する事の方が楽だったに違いない。

 結果、大人たちの話からそれが人間だと植え付けられてゆく…

 

 人間にもいいヤツは居る。魚人にだって悪いヤツも居る。そういう意見もあったが、魚人街においてそれは少数意見。人は皆、見たいものを見、聞きたいものを聞く…

 いつしか魚人街は人間に不満を抱える者達の溜まり場になっていった。

 

 そんな環境で育ったホーディが人間を憎むのは当然と言えるかも知れない。けれど、同じ環境で育った者にも少数派は存在する。

 

 何が言いたいかというと、結局は本人次第という事だ。

 

 正直、私はホーディがこうなった事を責めるつもりはない。決めるのは自分だと思っているからだ。

 私が気に食わないのは”全ての責任を他者に丸投げしている事”

 その一点に尽きる。

 

「だからどうした!?おれ達は、人間に裁きを与えるべく天に選ばれ…力を得たのだ!!」

「この程度の力で、天に選ばれたって?思い上がるのにも程があるでしょう?」

「ぐっ…」

 

「所詮、あんた達も”選ばれた者”じゃなかったって事ね?」

「ち…違う!!おれは…」

 

「…そもそもあんたバカ?天が人を選ぶもんかよ!!」

「!!?」

 

「全ては自分で選ぶのよ!!そして誰もがその選択に責任を持って生きて行くの!!それゆえ人は自分の行いの正当性を訴えたり、時には疑問に思ったりして、悩み、苦しみながら前に進む。それが何?あんた達は自分がやった事を正当化するために天に選ばれたという。結局あんた達は全ての責任を誰かのせいにして、今まで生きてきたんでしょうよ!何か問題が起これば人間のせいにして!自分たちの行いの結果は天のせいにして…!子供の頃のあんた達が、誰かを悪者にしなければ耐えられなかったという事はわかる。だけど、それが許されるのは子供のウチだけよ!!あんた達の頭の中がまだ幼児並だからといって、今のあんた達の行いが許されるわけじゃない!!」

 

「ほざけぇ!!おれ達が天に選ばれなくて誰が人間に裁きを下すんだ!!」

「知るかボケ!何度も言わすな!!天は人を選ばない!!!」

 

 

 

「以前…聞かされた言葉の意味がやっとわかった…こいつらの恨みには…『体験』と『意志』が欠如している!!!実体の無い…『空っぽ』の敵だったんだ!!!」

「「!?」」

 

 フカボシが喋りだす…

 電伝虫は魚人島にもその音声を届けている。私とホーディの会話も島全体に放送されていた。

 

「…空っぽ!?」

「聞かされたって…一体誰に?」

 

『「新・魚人海賊団」は怨念が作り上げたバケモノ達だ。先人達の怨みが忘れ去られることを恐れ…人間達への怒りが冷める日を恐れ…!!生き急ぎ!!己の聖戦が正しくある為、人間が良い者でない事を願っている!!血を欲するこいつらは魚人族の平穏すら望んではいない!!!』

 

「フカボシ王子は何を言おうとしてるんだ!?」

 

『手遅れだったんだ。いつしか疎通を失った『魚人街』は、まるで切り離された『魚人島』の暗黒の感情…!我々は、海底深い無法の溝に蓄積し続けた、いびつな”怨念”に見て見ぬフリをして!!表面ばかりを整えて、前進した気になっていた!!!』

 

「…」

 

『こいつらこそが!!母上が最も恐れていた存在!!!もっと前に…人間と共存すると言う前に、まず…我々は内側と戦うべきだった!!母は、魚人島の”怨念”に取り殺されたのだ!!あの人はもしかしたら、それに気づいていたのかも知れない…!!!』

 

 

 ”犯人がどこの誰であれ、私の為に憎しみに取り込まれないで…”

 

 

「しかし私は、心のどこかでまんまと人間を恨んでいた。1年半前、ある人間がこの島を訪れるまでずっと…」

「「…」」

 チラリと3人の王子が私を見た。

 

 ジンベエと共に訪れたエースとマルコ、そして私は竜宮城で彼らと対面した。

 初めて合う者の思考を読むのはもう癖になってるからね。彼ら4人が人間に対して敵意を隠しているのは分かっていた。

 白ひげの統治をそのままエースが引き継ぐと言った後も、表向きはともかく、その感情は変わることがなかった。

 

 彼らとのわだかまりが解消したのは私がリヴァイアサンを従えて、同じメンバーで再び魚人島を訪れた時だ。

 リヴァイアサンを出す前に、私は最初に会った時の彼らの感情について話をさせてもらった。顔を見合わせバツが悪そうにしながらも、彼らが私に返した言葉は和解の言葉ではなかった。

 彼らは言った。個人としては受け入れられるが”人間”という種族を受け入れることはまだ出来ない。と…

 

「まぁ、そうだろうね。私も頂上戦争でエースが殺されてたら『海軍』を憎んでいたと思うから…」

 海兵の強硬派が『海賊』を目の敵にするのも『海賊』に家族を殺された為だと言われている。

 種族、種別、所属…元の世界もそうだけど、区分けとは本当に厄介なものだと思う。だから私は、なるべく個を見る様にしてるわけだし…

 

 その後、リヴァイアサンの口からオトヒメ殺害の真犯人を知らされた彼らのショックはとても大きなものだった。

 それこそ人間へ対する怨みが吹き飛ぶ程の…

 

 まるで…そう

 

 まるで…それがホーディ達の存在意義であるかのように…

 

 

「死者の無念は死者のもの…”怨念”は、生きる者が勝手に生み出し増幅させる幻!!わずかに人間を恨んだせいで見落としていた『魚人街』の怨念は…!!!気づけば我らでは手に負えぬ程の強大な力になっていた!!!」

 フカボシが私を見る…私がコクリと頷づくと、フカボシも目を閉じ頷いた。

 

「麦わら!! 頼む!!!この島をタイヨウから遠ざける…!!!亡霊を消してくれ!!!お前の手で!!」

 

「ほざけフカボシ…魚人族の怨みは永遠だ!!!」

 

「それでも…!あんた達の怨みは『正当』なものじゃない。怨みを晴らそうとするならせめて、覚悟を持ってしなさいよ!」

「なっ…!!? こ…この下等種族がぁ!!」

 

 《 いい加減にしろ、若造っ!! 》

 

「!!?」

 突然姿を現した巨大なウミヘビにホーディが固まる

 

「ば…バカな…」

 

 ホーディの脳裏には、つい先程のネプチューンとのやり取りが蘇っていた…

 

 ”海神様は今、ある御方を主とされている。お前も一目見れば分かる…”

 

「か…、海神…リヴァイアサン…だと!?」

 大型海王類なんて目じゃねェ…なんという神々しさ…なんという威圧感!!

 

 ホーディの全身が震えていた。本能が…その存在にひれ伏す事を求めている…

 

「お…おゆる…し…ち、違う!!ダメだ!!ヤツは…くれないは人間!!おれ達の敵だぁ!!!」

 

 《 これ以上、主を愚弄するならば、貴様を… 》

 

「やめなさい!!こいつは『ルフィ』の相手よ。あんたに任せるくらいなら、私がとっくに沈めてる!!」

「!!?」

 

 《 …そうだな、スマン… どうも、我が種族がお前を愚弄するのが耐えられんようだ。 》

 

 まぁ、力を見せないとね…。

 

 海王類達も最初は、私の事『何だコイツ』って顔して見てたもんねェ…

 襲いかかってきたティアマートをぶん殴った時は、リヴァイアサン以外は驚いてたっけ…

 とんでもない体格差があるっていうのに、未だにヤツは私にビクついてるし…

 

「話は終わったわ。ルフィ!!もうコイツを楽にしてやって頂戴!!」

「なんだと、貴様ッ!!」

 

「おう!任せろ!!」

「!!?」

 

「ゴムゴムの…JET・エレファント銃!!」

 フカボシの言葉で準備していたルフィがトリプル技(ギア2+3+武装色)をホーディにぶちかます。

 

  ― ドゴーン!! ―

 

「ゴブォァ~~~!!」

 

 ルフィの拳に飛ばされたホーディは、ものすごいスピードで魚人島へと落ちていく…

 

 既にデッケンを捕縛していた3王子がそれを追って魚人島へと向かった。

 ホーディの意識は飛んだようだけど、どうせすぐに目を覚ますでしょう。

 捕縛しておかないと被害が出るかもしれないけど、ホーディが飛んで行った先にはちょうどイチユリが居る。

 任せておいて問題ないでしょう。

 

「良かったですぅ~!!お姉様が我慢されてなくて!!」

「はぁ??」

 しらほし、あなた何言ってんの?

 

 ルフィ達と合流したら、なぜかしらほしが泣いていた。アーロンとルフィはしらほしの言葉に頷いてる。

 

 わけがわからんのですが?

 

 

 

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