イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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ちょこっと余裕があったので…

連日(連続?)投稿だァ~!!


どうぞ!!








10-274話:シーザー・クラウン

「子供達はどうした?シュロロロ…」

 

「!!?マスター!!」

「うおっ!! マ…”M”?」

 突然現れたシーザーに茶ひげが驚きの声をあげる。即座に反応したのはウソップだ。

 茶ひげが急に方向転換した為に、私たちは茶ひげから落ちていた。全員ちゃんと足から着地させたけどね?

 

「…“M”って…!!…じゃあ、あんたが子供たちを攫った犯人ね!?」

「何でここに…!?ルフィ達とすれ違っちまったのか…!!」

 

「シュロロロ…お前たち、可哀想な事をする…なぜ連れ出した!?子供たちは苦しんでやしないか?」

 

「…!何ですって!?」

「おいバカやめとけよナミ…!あいつは“自然系”で3億の首だってローが言ってたろ!」

 ウソップが怒れるナミを宥めようとするけれど、彼女の怒りは収まらない。見た目サンジなのが何とも言えんけど…

 

「誰があの子達を苦しませてんの!?あんな小さい子達にあんた一体何を飲ませたのよ!!?みんな家に帰りたがってるわ!親達だってずっと捜してるに決まってる!子供達は私達が必ずここから逃がす!!」

 

「シュロロ…帰りたがってる子がいる!?キャンディが欲しくて部屋へ戻りたい子の間違いだろ?」

「やっぱり…そのキャンディに覚醒剤が入ってるのね!!?」

 

「…ところでお前、どうして無傷なんだ?」

「えっ!?」

 ナミの質問を無視してシーザーが茶ひげに声をかけた。

 

「それはあれ?あなたがクールブラザーズに指示したのに何で無傷かって言いたいのかしら?」

 すかさず私がシーザーに質問し返す。

 

「何言ってんだ!こいつはウチの優秀な守備隊長だ。抹殺命令なんて出すわけねェだろ?」

「あら?誰も、抹殺命令なんて言ってないんだけど?」

 あっさり自爆したなこいつ…

 何か言い訳を考えているようだったので、電伝虫を再生してやる。既に茶ひげは聞いたものだ

 

『…あー…それと…あいつ何て名だったか、敵に掴まったらしい…あのクソみてェなヒゲ顔の…元々マヌケで有名な、ああそうだ”茶ひげ”…アレも足手まといだ…もういらねェ殺せ…』

「…」

 

「これ、”あの2人”から回収させてもらったの。あなたのよね?」

「…バレちまったならしょうがねぇ!まぁいい…そいつはもう用無しだ。」

 

「ついでに子供たちも諦めてくれない?」

「そいつは無理な相談だな。」

 

「話のわかる相手じゃねェだろ!!どいてろイオリ!!あのガス野郎に思い知らせてやる!“火の鳥星”!!」

 シーザーへ向けて燃え盛る火の鳥を放つウソップ。が、シーザーへ届く前に火が消え、残された本体は虚しくシーザーのガスの身体を通過する。

 

「シュロロロロロロ!!引火爆発すると思ったか?おれがガスの能力者だと知ってたな?だが残念!体に触れる前に火は消した!!何も毒ガスだけが『ガス』じゃない!ここに漂う空気も全て『気体(ガス)』!!おれは一定範囲の空気をも操れるのさァ!!酸素を抜いちまえば火も燃えられず!お前らは“呼吸”もできなくなる!」

 

「!!?」

 苦しげな表情になるウソップ。

 

「このように!」

「あ……!!」

 一瞬でウソップまで詰め寄ったシーザーが周囲の空気から酸素を抜く…

 

「え!?いつの間に!!ウソップー!!」

「(息が…!!)」

 

「“ブラックボール”!!“雷雲”…」

 ウソップの危機にナミが応戦しようとするが…

 

「ウゥッ…」

 ナミも苦しげにのどを押さえて倒れこむ

 

「シュロロロロ…」

 

「お前ら、“麦わら”がおれとすれ違いになったと言ったか…? 会ったとも…!“麦わら”と他2名…こうやって窒息させてやったよ!」

 

「能力の解説どーも!!」

「!!?」

 

 私は高速移動で二人を回収した。二人はシーザーから離れた事で呼吸が出来るようになったようだ。

 

「「ゲホッ…ブハー」」

 

「ガスガスの特性は理解したわ。何に気をつければいいかもね!」

 

「…さすがは参謀か?お前には気をつけろとジョーカーに言われてたのを忘れてたよ。」

 何を気をつけろと言われたんだか…。あんたの思考ダダ漏れよ?ジョーカーの正体まで教えてくれちゃって…。

 まぁ、それ以前に知ってたけどね!

 

「子供等をどこに隠したか知らねェが、薬が切れりゃ暴れ出すぞ?おめぇらの手に追えるわけがない。そうなる前におとなしく渡すんだ!!」

 

「冗談じゃないわ!あんたなんかに子供たちは絶対渡さない!!」

 

「シィーザァ~!!!ウェアアアア~!!」

 突如、茶ひげがパイプを持ってシーザーへ殴りかかる。

 

「!」

「茶イロ!!?」

「“茶ひげ”だよ!!」

 

「目が覚めたぜおれァ…!“麦わらの一味”!!おれはコイツを信じきっていた!」

 

「シュロロロ…そう怒るな!COOLブラザーズに命じて生き残るとは、なかなか運があるじゃないか!」

 

「おれがダマされてた事は…いい おれは、もういいんだ…!だが、部下達を返して貰う!あいつらを、おれと同じ目にあわせやしない…!」

 

「はぁ?」

 反旗を翻した茶ひげを、あきれたような顔で見下すシーザー…

 

「たわけ!お前の部下などもういない…!!」

「!?」

「お前を含む全員がおれの部下になったんだろうが!いつまで船長気取ってやがる!」

「…!!」

 

「“新世界”落ちのクズ海賊が!!」

「……!!!」

 

「あいつらはまだおれが“救いの神”だと信じ従い続けるのさ!バカだから気付かねェ!ただのモルモットとして生かされてるとも知らずに!」

「貴様ァ~!!」

 

「“ガスタネット”!!」

 

  ― ドン!! ―

 

 激昂してシーザーへ襲い掛かる茶ひげだが、シーザーが懐からだしたカスタネットを鳴らすと茶ひげの周囲の空気が爆発を起こした。

 技名が”ガスタネット”ってのもダジャレっぽいなぁ…

 

 相手の周りにガスを充満させて、カスタネットの火花で引火させてんのかな?

 …なんか、炎の錬金術師みたい?

 

 その技に私が目を見張り2人が驚いていると、続けざまシーザーは私たちの所へと移動し同じ技を繰り出した。

 

「「!!?」」

 

  ― ドン!! ―

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

 

「―こちらシーザーだ…子供達の回収は後回しにする。”くれない”のヤツが匿ってるに違いねェ…!実験には支障がねェはずだ…!!モネ!!スマイリーの「エサ」の準備は!?」

『こちらモネ。言いつけられた準備は全て整っています“M”』

 

「ではスマイリーの到着を待つばかりだな。しかし…ジョーカーの言う通り厄介なヤロウだ…」

『…』

「各受信機関へつなげ」

『はい』

 

「あー各地非合法なる“仲買人”諸君!急な実験ですまないが…これを目にする君らは運がいい…これより見せる毒ガス兵器は、4年前のそれにさらに新たな効果を加え、とても政府のカス共では作り出せねェ代物になっている…!!」

 

「(ねぇ…何よ実験って…)」

「(それより、こいつに付いてきちまって大丈夫なのか?見つかったらおれ達もモルモットにされるんじゃ…)」

 ひそひそと、ナミとウソップが私に聞いてくる。

 

 私たちは今、シーザーと一緒に飛行船に乗っている。原作でシーザーが子供達を乗せて運んだ船だ。

 シーザーは奪還した子供達を運ぶために飛行船を用意していた。子供達が居なければシーザーは一人で研究所に戻る可能性もあったけど、原作で移動中に放送していたのを知っていた私は、飛行船を使うだろうと踏んでいた。

 まぁ、使わなかったら使わなかったで剃刀で追って行くから問題ないんだけど、飛行船のほうが楽だからね!

 

「(大丈夫よウソップ。それに、こいつに付いてきたのは正解だったみたいよ?)」

「「(?)」」

 

「(こいつが子供達を奪還しに来たことを不思議に思ってたのよね。私たちが研究所に向かっていたのは分かってたはずなのに、なんで自ら迎えに来たのかってね。だからなにか企んでる気がしたのよ。)」

「(おめぇは…こいつが現れただけでそんな先の事まで考えてたのか?)」

「(まぁね!だからこいつに付いていった方が安全な場所に行けると思ったわけよ。恐らくさっきの話からすると研究所の外に居たら実験の被害を受けてたんじゃないかしら?)」

「(さすがね…)」

「(おれの”元部下たち”は無事なんだろうか?)」

「「(…)」」

 

 

「今日、わが島に招かれざる珍客達が迷い込んできた為、この実験を執り行う次第だ!“国盗り”、“戦争”、“支配”…用途は様々 ―  気に入って貰えたら ― 取り引きをしようじゃないか…!!」

 

 

 しばらくすると飛行船は研究所へと到着した。私は小さくなったまま、更に小さくした3人を持って剃刀でシーザーを追って研究所へ入った。

 中には他にも人が居た為、気付かれないよう人気のない方へと移動する。誰もいないところで元の大きさに戻り、みんなも元の大きさに戻す。

 シーザーとは別の場所へと来たけれど、気配は捉えているので問題ない。それよりシーザーが向かった先に感じる気配のほうが気になる。

 

 これは…

 

「どうしたのイオリ…あっ!?」

「おい、シーザーが向かったところに居るのって…」

 ナミとウソップが気づいたのはルフィ達の気配だろう。ルフィとロビンの気配が小さくなっているのは海楼石かな?フランキーとローの気配は変わってないから分かりやすいもんね!

 ウソップは炎のエリアで見た鳥女の気配にも気づいているかもしれない…

 

「ルフィ達でしょうね。ローも、ついでに海軍二人もいるみたい?」

「「あっ、ほんとだ!!」」

 一人おいてけぼりを食らっている茶ひげはスルーさせてもらう。いちいち説明してもいられない。

 あれ?チョッパーだけ少し離れたところに…?あぁそうか!捕まってないんだっけ…

 

 まだ遠いけどゾロ達の気配もこちらへ向かっている。毒の怪物(よね?)との距離は原作より随分と余裕があるみたいだ。

 

 さて…どうしますかね?

 

 

 映像電伝虫を使って放送されている映像を見る。ルフィ達の檻が研究所の外に出された事やゾロ達が毒から逃げるの様子が映された。ゾロ達の進行方向には海軍たちが集まっている場所だ。ルフィ達が入れられた檻がある壁の下でもある…。

 あの扉を開けて海軍たちを研究所内に入れるんだっけ?ならば先回りでもしてようかな?

 ゾロ達が到着してから毒の到着までには余裕がありそうなので、扉は斬らずに入れると思う。

 

「ねぇ、どこ行くのよ!?ルフィ達を助けるんじゃないの?」

「ルフィ達と一緒に居るローの気配の大きさは変わってないでしょ?」

「ん?…ああ、そういやそうだな…」

 

「あいつは海楼石で拘束されてないんだろうね!」

「え?どういう事?」

 

「ローは一瞬でモノを入れ替える事が出来る。拘束される前に入れ替えたんだと思うわよ?」

「マジか!!気配だけでそこまで気づけんのかよ!!」

 

「恐らくローは、スモーカー達も含めて全員助けると思う。そのほうが都合がいいだろうからね!!」

「「…」」

 

「さて、そう考えた場合、彼らは次にどう動くと思う?」

 

「…外に居る仲間を研究所内に避難させるとか?」

「正解!!だから扉を開けに行こうかなってね?」

 

 

 

 *--*--*--*--*

 

 

 

 ― ズズゥ…ン!! ―

 

 大きな音を立てて扉が開く…

 

「扉が開いたぞ!」

「何でかは知らねェが、助かるんだ!」

「ありがてェ!ガスに殺されなくて済むんだ!!」

「中に入るぞ!」

 

「おぉ!イオリじゃねぇか!!」

 扉が開いた頃にルフィ達が現れた。私たちが居る事にスモーカーとたしぎが驚いている。

 あれ?あなた達も覇気使えたよね?

 

「『じゃねぇか』じゃないわよ!!あっさり敵に捕まって!!」

「いいじゃねぇか!ちゃんと脱出したぞ?」

 お前それ、自分の手柄じゃないだろが!!

 

「とりあえずこの辺に居た敵は殲滅しておいたわよ?」

 手足は縄で縛っといたから目を覚ましても問題ない。防護服を着てるから毒が来ても大丈夫でしょう。

 

「ふふふ…さすがね!」

 

「よかった。みんな扉の内側に入った!」

 

「おれの心臓をどうするかだな…」

「ひひひ!面白くなってきたなァ!!」

 

「おーい!!まだ扉を閉めねェでくれ~!!」

「錦えもん、ブルック、いそげ!!」

 ゾロ達の声が聞こえる。ゾロが扉を斬らずに済んだのは海軍達にとっては喜ばしいことかしら?

 

「おっ、ゾロ達も来た!全員そろったな!よし!暴れるぞ!!」

 

 

 

 

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