イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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何気に黒装束の女が活躍してますが、
流れに大きな影響はありません。(たぶん…)

パンクハザードからの脱出開始!!

どうぞ!


2024.05.18追記
 名前やしゃべり方が違くなってた!?
 すみません。
 書き直しました。







10-275話:扉の向こうへ

 扉が閉まり、研究所の外は一面煙に包まれている…

 シーザー達が設置した映像電伝虫も真っ白な画像しか映し出しておらず、ブルックが霊魂を飛ばして偵察に…

 私はシルフを使って見ることが出来るけど、海軍が大勢いるところでむやみに使うつもりは無いのです。

 

「どうだ?ブルック」

「ええ、まるで死の世界!扉が閉まる前に中に入れなかったと思うと…ゾッとします」

「お前がな!!!」

 口から霊魂を出すブルックにモブ達がツッコミを入れる。

 

「電伝虫の映像も復活したわよ?」

 私が言うと全員が壁に映された映像に目を向けた。外の光景にモブ達が青ざめている…

 

「あ…あぶなかった!!スモさんと大佐ちゃんが扉を開けてくれなかったら…」

「開けたの私だけどね?」

「「!!?」」

 下で海兵たちが話しているのが聞こえたので、事実を伝えたら驚かれた

 

「何だよ!おめェはこいつらも助けてやったのか?」

 

「当然でしょ?私たちは”ピースメイン”なんだから!!まぁ、助けたのはあんた達のついでだけどね?」

「…なるほどな」

 

「「…」」

 新世界ではその定義が通用しないらしいけど、だからと言ってモーガニアになるつもりはない。ゾロだって最初は海賊を嫌っていたけどピースメインの定義を知ってからずいぶんと馴染んてくれたもんね…

 

「…噂以上にフザけた海賊団だ…!!」

 

  ― ジャキキン…!! ―

 

 モブ達が銃をかまえる…

 

「観念しろ!麦わらの一味!!そして海賊”茶ひげ”!!」

 

「え~~~!!何この逆に追い詰められた感じ!!」

 

「逃げ場がねェ…!!」

「そんなもんいるか!!」

 

「グルルル」

「へへ…やめときゃいいのに…!!」

「ヨホホホ」

 

 (お…おれの名を知ってた) ポッ

 

 

「お!!始まったな!!?」

 

「いいな!お前ら二人はコイツの一味とおれの邪魔はするな!」

「ああ…」

 

「あ!トラ男~~!!ちょっとあんた~~~~~!!!」

「!」

 

「そう言えば二人はまだ入れ替わったままだっけ…」

 

「元に戻して!」

 元に戻りたくないらしいサンジをひっ捕まえ、ナミがローに要求している。

 要求通りローは二人の体を戻した。

 

「はっ!畜生!夢の時が終わった!」

「戻った!! ― けど、あれ?」

 子供達は小さくして持ち歩いているからナミもウソップも一緒に行動していた。

 イエティは、カザマが退治?してくれたので、サンジの体は傷ついていない。

 錦えもんの上半身も湖に落ちなかったはずなので、ナミの体も湖を泳がずに済んでいるはずだ。

 

 だからナミがサンジを殴る理由は無いはずなんだけど?

 

「何でコートが変わってんのよ!!!あんた服脱いだわね!!?」

「いや、それは…」

 

  ― バゴン ―

 

「ガバブゴゥッホ!!!」

 有無を言わさず、ナミにぶん殴られるサンジ…

 ご愁傷様です。

 今、拳が黒くなってたけど…

 

 あれ?上半身は結局、湖に落ちたのかしら?

 

 聞くと、元々着ていたコートは黒装束のレディとマリモが戦っている時に取られてしまったとの事…

 今ナミが着ているコートは新たに錦えもんに出してもらったモノらしい…

 

 あれま!身代わりの術でも使ったのかな?

 

 

 

「ここにいる全員に話しておくが!!」

「!?」

 

「ロー!!」

 

「八方、毒ガスに囲まれたこの研究所から外気に触れず直接海へ脱出できる通路が一本だけある!!!」

「!?」

 

「『R棟66』と書かれた巨大な扉がそうだ!!」

「!?」

 

「おれは殺戮の趣味はねェが猶予は2時間!!それ以上この研究所内にいる奴に命の保証はできねェ!!!」

「ええ!!?」

 モブ達がわ―ギャーと騒いでいる…

 

「研究所、どうにかなんのか?」

「どうなるかわからねェ事をするだけだ」

 

「ふーんそうか!!じゃあまー…とにかく行くぞシーザー!!!もう息なんか止められねェ!!!ブッ飛ばして誘拐してやる!!!」

 

「待っていろモモの助!!必ず助け出す!!!」

「手分けして子供達を見つけて、片っ端からその通路へ誘導しましょう!!ゾロ、あんた一人じゃダメよ!」

「あァ!?」

 

「『G-5』!!!お前らは誘拐されたガキ共を回収しつつ『R-66』の扉を目指せ!!港のタンカーを奪い『パンクハザード』から脱出する!!!」

「「ウオォ~~~!!!」」

 

「麦わらの一味が走り出したぞ!!コイツらは行かせるな!!」

「「ウオォ~~~!!!」」

 

 

「たしぎ、お前は野郎共を率いて先に行け!!」

「え!?スモーカーさんはどこへ!? ― まさかヴェルゴを…!!」

 

「法律じゃあ”落とし前”ってもんはつけられねェんだ…!たしぎ!おれの手でやる…!!海軍をナメくさりやがって…!!!」

「じゃあ、私も連れてってください!!彼の強さは本物ですよ!!もしもの事があったら…」

 

「部下達を誰が守るんだ!!あのバカ共を逃がせ!!ガキ達もな」

「……!!スモーカーさん…」

 

 

「本当か!?ルフィが一度やられた!?」

「シーザーが言ってた。窒息させたって…相手は”ガス”だ!厄介なんだ!あの野郎、空気中の酸素をぬいちまうんだぞ!?」

 

「おれ達も…”黒装束の女”に翻弄された…!!」

「!?」

 

「これじゃダメだ…!!『油断してた』で ― 命取られても一巻の終わりだぞ!!」

「まーまー、お互い命あったんだし」

 

「冗談じゃねェ!!おい、ルフィ!!」

 ゾロが研究所内部へ先行して向かうルフィに声をかける

 

「ん?」

「……!!」

 

「しっかりしやがれ!!これからだぞ!!!”新世界”は!!!」

 

「!! ……!!」

 

「厳しいなァ…自分に」

 サンジが笑みを浮かべながらつぶやく…

 

「 ― うん、悪ィ!!!もう油断もしねェ!!!」

 ルフィが元気よく答えた。…すぐに忘れなきゃいいけどね!!

 

「麦わらだ!!」

 研究所内部への通路の先は橋になっていた。その橋の向こうからシーザーの手下が銃を構えながら向かってくる。

 

「うおおおおおお~~~!!」

 ルフィはスピートを上げて敵へと向かう…

 

「何かする気か知らねェが討ち取れェ―!!」

  ― ドンドンドン ―

 

「ししし!」

 銃弾を避け、通路から飛び上がり…

 

「“ゴムゴムのォ~~~~~”」

「!?」

 

 足をプロペラのように高速回転させ宙に浮くルフィ。

 

「”UFO”ォ~~~!!!!」

 

  ― ドガガガガガガガ… ―

 

「うわぁ~~~!!!」

 

「だっはっはっは!先行くぞー!!」

 

「だから、マジメに…」

「あはははは!!」

 呆れるゾロと笑うウソップ

 

「やっほーーー!!」

  ― ぎゃああああああ! ―

 

 

 

 

 私は今、茶ひげに乗っている。ローのおかげもあってか、茶ひげは私には友好的になっていた。シーザーの正体が解って、研究所まで私が連れてきた事もあり、信頼すらしてくれている感がある。

 

 おっ!チョッパーが動き出したみたいね。

 確か薬の構造と鎮静剤を手に入れた筈…

 

 原作では、ビスケットルームに行ってキャンディを食べさせないように怪物化するチョッパー…

 だけど、大きくなった子供達の大半は収納貝の中だから、原作ほど暴れる子供は居ないんじゃないかな?

 ならばカンフースタイルでも充分止められる程度だと思うのよね…

 

 ビーッ!!ビーッ!!ビーッ!!ビーッ!!

 

 アラーム音が響き出す…

 

「トラファルガー・ローの言う制限時間が何なのかは知らねェが、お前らをみすみす逃がすか!!麦わらの一味!!逃げ場はねェぞ!!!」

「よせよせ…!!」

 

「「「邪魔するなァ!!!」」」

「熱ィ!!!」

「痛ェ!!!」

「冷でェ~~~!!!」

 錦えもん、ゾロ、ブルックの斬撃により、モブ達を蹴散らしながら進む…

 

「うほーっ!!頼もしいな三銃士!!」

「ヨホホホ~~~」

「悪ィな茶ひげ!途中まで乗せてくれ」

 

「ハァ…構わねェがお前ら…!!あの竜、何で連れてきた!!ハァ…ハァ…」

「…!?捕まえて、乗って飛ばしてガスから逃げようと思ったんだが…」

「今飛ばねェのは”鎮静剤”を射ってあるからだ!」

「!?」

「アレを研究所内に入れたのは少々マズかったかもしれん」

 

「危ないの!?わりとかわいい顔してるけど…」

 

「クルルル~!」

 

 

「こんなチャンスは滅多にねェんだ!!必ず仕留めろォー!!!」

「手柄いただきだ!!!」

 

「だから、忠告したよな…!!?」

 私はゾロの前に飛び降りて全員の動きを制した。

 

「ごめんゾロ!ここはたしぎに任せてやって頂戴!!」

「!!?」

 

 すぐさまたしぎが現れる。ゾロの斬撃を止めようと考えて剃を使ったみたいだけど…。

 

「た、大佐ちゃん?」

 

「大佐になったのか?パクリ女! だが戦意がねェな…!!」

「ムカッ!!」

 

「それどころじゃないのよ!3人とも茶ひげに乗せてもらって!!茶ひげ、早くあの扉の向こうへ!!」

「わかった!!」

 回復薬もあるから全力で動いてもらって問題ない!

 

「たしぎ、お仲間に言ってやってよ!これじゃ助けた意味がないわ!!」

 

「え!?ええ…G-5!!今は戦ってる場合じゃない!!!奥の通路へ急いでください!!!」

「アラーム音が聞こえるでしょ?あれは扉が閉まる時に鳴る音よ!!早くしないと閉じ込められるわ!!」

「えっ?」

 

「扉の向こうへ行かなければパンクハザードから脱出できなくなる!!!早く奥へ!!!」

 

「…!!!大変だぞ!!!急げ野郎共!!」

「たしぎちゃんの言う通りに!!!」

「負傷者を運べェ!!!」

「一直線に扉を目指せェ―ッ!!!」

 

「くれない!あなたは何故彼らを助けたの?」

「聞いてなかった?私たちはピースメインだからよ!」

 

「…本当にそれだけ?」

「放っておいてもどうせ、たしぎ達が助けたんでしょ?ゾロ達があの扉に向かっているのは分かってたから、ついでよついで!」

 

「…ありがとう」

「どういたしまして…!じゃ、私は行くわよ?たしぎも急いで!!」

「ええ…」

 

 ・

 ・

 ・

 

「…ひどい事するわ」

 いつの間にか、茶ひげの背中にロビンが来ていた。

 

「うお!!ロビン!お前いつの間に!?」

 

「うふふ、ちょっとルフィに頼まれ事を」

「とにかく聞いた!?今の話!!頑張れ茶ひげっち!もっとダッシュよ!!!」

「ハァハァ…ムチャな、もう最速だ!!!」

 

「そうだ!イオリから預かってたんだっけ!はい、コレ飲んで!!」

「くれないから?」

 茶ひげがソレを飲むと、体力が回復した

 

「こりゃすげェ!力がみなぎる!!…よし!一気に扉を抜けるぞ!!」

 

 

 

「急げG-5!」

「本当にもう閉まっちまうぞー!!!」

「急げ急げー!!」

 閉まりゆくドアに駆け込んでいく海兵達…

 

「急いでください!!」

「あ、あなたは!?」

 

  ― ドゴォン!! ―

 

 突然、研究所の壁が爆発した

 

「!!? うわああああ」

 

「えっ…」

 

「壁が壊れた!!おいおいまさか…」

「冗談じゃねェぞー!!!」

 

「殺人ガスが中に入ってきた!」

「にげろおおおおお!!」

 

「たしぎさん!急いで!!」

 女が叫ぶ。たしぎは走り出すが、彼女がついてこないので振り返る。

 

「ちょっと、あなたは?」

「毒の…侵入を阻止します!!」

 と言って、彼女が両手を広げ前へと繰り出す。すると…

 

  ― ビュオォ~ッ ―

 

 突如、彼女の背後から風が巻き起こり毒ガスの進行を阻止した。

 

「!!?」

 

 外からの流入を止めることは出来ないようだが、時間稼ぎとしては充分だ。風は旋を巻いて毒ガスを巻き込み、爆発で崩れた壁の付近にとどまっている…

 

「うおぉ!!す、すげぇ~~~!!」

「なんなんだ…あの黒装束の女は!?」

「今のうちに扉を抜けるんだぁ!!大佐ちゃんも急げぇ~!!」

 

 気づくと、いつの間にか彼女の姿は消えていた。

 

「彼女はいったい…!?」

 

 走りながらたしぎは考える。ローの時といい、今といい…なぜ彼女は危機に現れては助けてくれたのか?

 

 (彼女の主って?…”あの女”って?…誰?)

 

 

 

 第一の扉は原作と異なり全員が無事通過した。ただしシーザーの手下のモブ達は別である…

 

 

 

 

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