イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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クラスター・ジャドウさん、誤字報告ありがとうございます。


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 話数がズレました。
 『食い逃げもどき』と『エースの憂鬱』のあとがきをまとめて
 『エースの憂鬱』の後に 『閑話:イオリの微笑み』として追加させていただきました。

 今回の話が30話になります。






01-28話:刀工修行

 今回の行先は『新世界・ワノ国』

 えぇ、すっごい先回り?いや、違いますよ?

 

 この世界では刀剣がけっこうあるけど、一番優れているのはやっぱりワノ国で作られたもの。

 当然そこには優れた刀工がいるわけで、どうせ造るなら本場できちんと学ぼうかなって思ったわけです。

 

 剣術修行で分かった事だけれど、基礎は優れた人からきちんと学んだほうが早く伸びる。

 まぁ、教えるのが下手な人に当たっちゃう可能性もなくはないだろうけど、それでも我流よりは習得する期間が短く済むと思う。

 時間は有限なので、なるべく短く済ませられるほうがいい。ってことでワノ国に来たというわけ。

 

 ワノ国は既にカイドウの支配下にある。それは知っている。優れた刀鍛冶は全て召し抱えられるか殺されるかしている事だろう。

 けれどそこは原作知識持ち。私は、鬼徹一門の刀工を一人知っている。

 編笠村が滅ぼされるのは麦わら一味崩壊後。つまり今はまだ無事という事。ただし…

 水の汚染状況がわからないんだよねぇ…

 

 ちなみに、姿はカノンそのまま。名前はイチユリです。

 顔はシャンクス似ではありません。

 

 ここは世界政府非加盟国。鎖国中だもんね。

 それにしても、強そうな気配がかなりある気がする。

 これはカイドウの部下達なのかな?まぁ別にヤツ等を討伐する為に来たわけではないので、今はどうでもいい事か。

 ある程度探っておいてもいいかもだけど、ここに来るのはずいぶん先の事だから、今調べても後でもう一度調べる事になりそうだ。

 まずは目的の人に会いに行くとしますか…

 

 九里ヶ浜から山に入りしばらく進むと村があった。奥にある大木、ご神木のような木の根本付近に祠?が見える。

 原作ではあの中に居たと思ったけど、はたして…

 

 一応、周りに馴染もうと思って下調べはしておいたので、今の身なりは着物です。もちろん女物。

 歩幅が取れないので歩きづらいのがちょとね。改善出来ないかしら?

 

「お嬢ちゃん、誰かに用があって来たのかい?悪いが勝手に村に入る事はできないんだよ。」

 この人は…もしかして用心棒の人かな? へぇ…けっこうな強さ持ってるじゃない。

 

「ここに『飛撤』っていう刀鍛冶の人が居るって聞いて来たの。知ってます?」

「…おい、六助!天狗さんに客だ!呼んで来い!!」

「へい!」

 六助と言われた子供がご神木へ向かって走り出す。やはりあそこに住んでいるようだ。

 この村に人の気配は100も無い。これが全部なのか、それとも外に出ている者もいるのかどうかはわからないけれど、全部合わせても200は居ないだろう。

 小さな村だから誰もが知り合いなのかな? まぁ、飛撤さんの素性はみんな知らないんだろうけど…

 

「今日は機嫌がいいから会ってやるって!」

 六助という子が戻ってきて用心棒の人にそう告げる。通って良いと言われ、私は六助につれられて、祠へと向かった。

 

 

 目の前にいるのは天狗の面をつけた人。当然他の村人はお面なんてつけていない。

 これって逆に目立つんじゃねぇの?まぁ別にいいんだけどさ…

 

「その顔には見覚えがある。かつて、ロジャーという海賊の船に乗っておったシャンクスとかいう見習いの小僧。もしやおぬし、奴の子か?」

 あれ?スキヤキさんて、ロジャーと会ってたとは思うけど、船まで来たの?

 

 っていうか私、今、シャンクス似じゃないんだけど? え、ちょっと待って!!?

 それって、見る人から見たら、このままでシャンクスの子に見えるって事? 面影あるの? マジで!!?

 

 うっそだぁ~!!ってことはなにさ。私あいつの娘って事になっちゃうんじゃないの? そしたらイムは女か!!?

 

 まぁ別に…あいつの娘だって問題ないんだろうけども。

 

 問題…ない…よ…ね?

 

 

「…すまんな。興味本位の発言だった。答えずともよい。」

 軽く混乱して目が泳いでいると、飛撤さんがすまなそうに言ってくれた。

 

「えっと、そのシャンクスとかいう人の子かどうかは正直わかりませんが…。私はイチユリと申します。ここを訪ねて来たのは、鬼撤を打たれた飛撤さんに教えを請いたいからです。」

「刀を打ちたいと申すか?」

「はい。」

「残念だが、弟子は…「このこけし、珍しいんですよ?」」

 断られそうだったので、懐柔策を取り出しました。珍しい、美少女こけしを見つけといたんですよ~!!

 

「!!?こ…これは!!?」

 

「弟子にしていただけるなら、それは差し上げますけど?」

 交渉です。欲しがるだろうこけしを見せて、ほしいなら弟子にしろや!!と言っただけ。脅しじゃないよ?

 

「おぬし、なかなかやるな! 仕方ない、特別だぞ!」

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

「もっと早く!もっと力を込めろ!!」

 激が飛ぶ。汗だくになりながら槌を打つ。

 

 打って、焼いて、また打って。。。何度か打ち終わった後に水に付ける。

 ジュゥッ!という音を立てて打っていた刀剣が湯気を上げる。

 

「信じられんな。初めてで打ち切った者をわしは知らん。それが女でしかも子供とはな。」

「女性をバカにしたら、後が怖いですよ?」

「安心せい、それは知っておる!」

 おでんさんのお母さんも怖かったのかな?

 

「わしの知る限り女性の刀工はおらん。おぬしが初めてじゃないか?しかも、おぬしなら『鬼撤』が打てるやも知れん!!」

 

 こんな感じでとりあえず、刀工修行が始まったのでした。

 

 そうそう、水はまだ飲める状態だった。ただし、水が汚染されている場所が増えているという話はこんな村にまで聞こえていた。

 このまま工場が増えていけば、いずれここの水も飲めなくなるのでは?と言われている。

 なんとかならんかねェ…

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 大きな出来事も特になく、刀工修行は順調に6ヶ月が経過しました。

 筋がいいとか褒められながらその技術を学んで行く。どうやら私は褒められて育つタイプのようらしい。

 しらんかったよそんな事。褒めてくれる人なんていなかったし、もともと強かったから恐れられることはあっても褒めてなんてもらえなかったんだよ。

 なるほど、うれしいから頑張れるんだね!うん。これからはもっとみんなを褒めてあげようっと!!

 

 

 原作で飛撤さんが出てくるまでは、

  鬼撤が妖刀なのは刀工の命?と引換えに生まれていたからなのではないだろうか?

  文字通り、魂を注いで作られた剣ゆえに・・・

  だからこそ、剣自身にふさわしくないと思われた持ち主は非業の死を遂げるのだろう。

 な~んて思ってたんだけど、どうやら技術があるらしく、それによって鬼撤や閻魔が造られたらしい。

 とはいえ、簡単に伝承できる技術ではない。ある意味呪術的要素があると言っても過言ではないものだ。

 

 教わりましたよ?教わってそれを駆使して剣を打ちました。でもね…

 

「信じられん。この刀は妖刀ではないぞ。しかしながら技術はちゃんと通っておる。」

「通る?」

「うむ。剣は剣気を流す事でその力を増す。鬼撤は通常の剣よりもその巡りと溜める力が強いのだ。それゆえそれを使った剣士の剣気が留まり、それが増幅する事で妖刀となるのだが…。この剣は剣気を溜めるだけでなくそれを力に昇華しているように感じる。純粋な剣気として溜め込んでいるようじゃ。」

 う~ん…よくわかんないけど、要するに感情とかは溜め込まず、剣気を純粋な力として溜め込むって事なのかな?

 

 

 そして、私は鬼撤一門の名前を貰った。

 

 『姫撤(きてつ)

 

 これが、私の刀工名。

 その後、私は2種類の刀を打った。そして、ワノ国に別れを告げた。

 

 ― 数年後、大業物23工に名を連ねる事となる二本の刀。―

  四代にして初めて『妖刀』ではない鬼撤が誕生した。

   四代鬼撤:白刃(はくじん) 『雲』

 

  そして、その姉妹刀

   黒刃(こくば) 『海』

 

 

 

 実に濃い6ヶ月を過ごした。もちろん日々の鍛錬は続けてました。継続は力なりってね。

 しかも、刀鍛冶って結構なトレーニングになったかもしれない。剣や拳のスピードが増した気がする。

 

 近いうちに鍛冶場を作る予定。小さくして持ち歩けるようにするつもり。

 打たないと鈍ってしまうだろうからだ。それに剣を打つこと自体がトレーニングにもなる。

 とりあえず刀剣数本と包丁セットは造っておこうかと思う。包丁セットは自分用の他に数セット。サンジにでもあげようかな?いいもの持ってそうだからいらないかもだけど…

 

 ちなみに私が打った刀は『角質の粒子』を使ってる。鉄とまぜて造った。『海』は海水。『雲』は水を使った

 要するに『海』は海楼石の剣だ。硬度は雲のほうが上。鉄の配分も雲のほうが少ない。

 

 奉納刀を置いて、真打は持っていく事にする。

 

 奉納刀の扱いについては飛撤さんにお任せした。売っちゃってもいいし。

 

 

 そんな訳で、刀工修行は完了です。

 

 お疲れさまでした。

 

 

 

 




閑話:驚愕の事実

 10歳になった頃、元の世界について検索してみた。

”元居た世界は、2026年です。”
 えっ!?ちょっと待って!!私が覚えているのは、2023年なんだけど。まさか…

《私は…いつ死んだの?》

”検索結果がありません。”

 !!?

《 神野楓音 Wikipedia で、検索!》
”神野楓音(じんの かのん、1960年9月2日-)は東京都〇〇区出身の株式会社〇〇〇の会長……”

 没が無い…!?って事は…えっ、ウソ…死んでないって…事?


《こっちで死んだら、元の世界に戻れる?それとも…》
”検索結果がありません。”

 そりゃそうか。わからないわよね?

 でも、なんとなくわかるのよね。『夢から覚める』か『息をひきとる』のどちらかだろうな…。

 2周目が無いとも言い切れないけど。。。


 ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)を見つけて終焉まで行けたら、『夢から覚めれる』のかな?

 当時、『人生100年時代』とか言われていたから、70歳前ならあと30年くらいあるわけだ。
 戻れたならば、まだまだいろいろと出来るかもしれない。

 でも…

 私…、戻りたい…の…かな?



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