イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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いつも誤字報告ありがとうです!!

あと2話でこの章も完了です。(たぶん…)


どうぞ!







10-280話:利害の一致

 巨大な鍋でサンジがスープを煮込んでいる。

 結構な大人数だけど、そこは原作知識持ちの私が居るのでご安心を!

 この分の食材は別途に用意してたりするのです。

 

「新人類拳法奥義『99のバイタルレシピ』!!!冷えきって疲れた体に”復活系”海豚肉入りホルモンスープ!!」

 

 ― おぉおおぉぉぉ!!! ―

 

 周りでは子供達や一味の面々だけでなく海軍までもが歓声をあげている。

 

 そうそう、錦えもんとモモの助は無事再会を果たした。

 二人のやり取りを聞いて思ったこと…

 うん、この二人絶対親子じゃない!!原作知らなくても見破れた気がする!!

 

「何日も食ってねェんなら…!!」

 

 ― どぼっ ダン! ―

 

 サンジがモモの助の前にスープを置き、グラスに飲み物を注ぐ。

 

「スープからゆっくり腹に入れろ」

「!!!」

 

「んまほ―う!!!」

 ルフィとブルックが興奮してモモの助の後ろで目を輝かせている。

 

 ― ご…ごくり! ―

 

「お前、腹減ってんだろ?モモ~~~!!サンジのメシは最高だぞ!!!」

「……」

 

「…い!!いらぬ!!!せっしゃ腹など…すいておらぬ!!!こんなもの!!!」

「!!?」

 スープ皿を持ち上げ立ち上がるモモの助…

 

「オイ待ててめェ!その皿どうする気だ!!ガキだろうと食い物を粗末にする奴をおれァ許さねェぞ!!!」

「!!!」

 サンジがモモの助の胸ぐらを掴んで持ち上げた。

 

「毒味してあげたら?あなたが食べれば安心するんじゃないの?」

「おぬし!!?…う、うむ!!」

 私は錦えもんにだけ聞こえる声で言った。錦えもんはモモの助が座っていた場所に座り…

 

「いただきそうろう~~~っ!!!」

 ― ばくっ!! ―

 

 料理を食べた…

 

「!! あっ!!おい!!!」

 

「うまい!!! 何だ!?力がみなぎる!! モモの助!…大丈夫…!!大丈夫でござる!!」

「…!!」

 

「これも…!!これも…!! 何というウマきメシでござろう!! 一飯の恩に預かろうぞ!! 実は拙者もこの度、命を救われた… この者達は信用してもよいのだ…!!おぬし今日まで何も食わなんだか…よう耐えた!!辛かったろう!!」

「……」

 

「 ― もう、大丈夫でござる!!奴らもきっと無事と信じよう!!…さァ 生きようぞモモの助!!!」

 涙を流しながら錦えもんが言う…モモの助も涙を流しながら”コクコク”と頷く…

 そして、スープを口にする。

 ゆっくりとスープを飲み、そして泣きながら固形物にも手を伸ばす…

 

「泣くほどうめェのか!!?」

「バーカ…相当な訳アリだこいつら…何があったんだ…?」

 

「…」

 私が錦えもんとモモの助の方をじっと見ているのに気づいて注意を向けているのはロビンと…スモーカーか?

 その奥にはたしぎも居るわね。

 

「彼らはまだ仲間じゃないものね?」

 ロビンが私の横に座って話しかけてきた。誤魔化すのも何か違う気がするので正直に話す…

 

「一応ね…船に乗せることになるだろうから、ある程度素性は知っておかないとね?」

 

「一味全員?」

「まぁ…ある程度はね…」

 

「…何かわかった?」

 

「言わないわ!彼らが知られたくない事だと思うから。」

「そう、じゃあ聞かない事にするわ。必要なら彼らが話すでしょうから!」

 そう言ってニッコリと笑うロビン…

 

「…そうね…」

 ちょっとバツが悪かったので頭を掻きながら答えた。相手が大人なロビンでよかったと思う…

 気配がわかれば別に見てなくても思考は読める。今後は気をつけないとね…

 

 ロビンとそんなやりとりをしてる間に、料理には行列が出来ていた…

 

「正義と悪の境界線はどうしたんだよ!!!」

「停戦って事で!アニキ!!」

 海軍も並んでいたのでサンジが文句を言っている…

 出来上がった料理の量を見れば全員分用意したのがミエミエだけどね?

 

「じゃあお前らタンカーから酒もって来い!!」

「喜んで!!」

「ジュースも!!」

 

「おい麦わら屋、ここは急いで離れるんだ。ゆっくりメシなんか食ってたら追っ手が来る!!仲間達にそう伝えろ」

「そうなのか、よし!!わかった!!!」

 と言いながらまったくわかってないルフィ…みんなに言うどころか

 

「宴だァ~!!」

 と叫んで楽しんでる始末…

 

 ローさんや!

 食うのを止めろとルフィに言ってもムダなのよ?ってか何でルフィに言うかな?

 まぁ、私に言われてもどうしようもないけどね!!

 

「……!!」

「誰か来るにしても、早くて4、5時間はかかる。数時間は余裕があるわよ!」

 唖然とするローに私は声をかけた。

 

「あのなぁ…」

 

「ドレスローザとこの島の中間辺りには、雲ひとつない空が広がってるわ。ジョーカーもすぐにはここに辿り着けない。」

「…ったく…おめェんとこはいつもこんな感じなのか?」

 

「船長が”あれ”だからね…!苦労も多いけど、それ以上に楽しくもあるわよ?ローは染まらないように気をつけなさい!」

「……」

 

 

「大きかった子供達はあなたが小さくしたのね?」

 気づくと、たしぎとスモーカーが近くに来ていた。

 

「まぁね。子供達の記憶から探った情報だから確信は持てないけど、だいたい大きさは合ってると思うわ。家に戻っても問題無いでしょ?」

 まぁ、すぐには戻れないだろうけどね

 

「あなたが、海賊だなんて…」

「やっと海賊も分類されたからね。新世界側では意味は無いかもしれないけど…。ピースメインと言われてるけど、私は自由な冒険者のつもりなのよ?」

「自由な冒険者…」

 

「てめぇらはピースメインに区分けされているが、新世界では目をつぶるというルールは無いに等しい!何だか知らねェが、2年前の天竜人騒動の件が不問になったとはいえ、本来ならおめェらを見逃すなんて事はしねェんだが…」

 

「市民が一番大事だもんね?」

「「!!?」」

 

「世界招集された大将の一人はそう言ってきかないんでしょ?仲いいらしいじゃない?」

「…ったく、どっから情報を…!まぁ、驚く事じゃねぇか。てめぇは『大参謀』だもんな?」

「まぁね…」

「うぉい!!即座に肯定かよっ!!」

 あれま、いつの間にかウソップ居たのね?

 

「スモやん中将!!おれ達もう一度島内に行って来る!!」

「とうした?」

 

「毒ガスの弱点をシーザーに吐かせた…!!仲間はまだ助けられる!!」

「!?」

 

 

 宴の輪から離れた場所にスモーカーとローが座って料理を食べていた…

 

「ロー」

「!」

「まさかおれが海賊のお前との約束を守るとは思っちゃいまい?本気で口止めしたきゃおれを消せる場面は何度もあった… ”麦わら”を利用して何を始める気だ」

 

「利用ね… どっちがされてんのか…」

 

 ~ ローの回想 ~

 

 ”その四皇って誰のことだ?”

 ”百獣のカイドウという男だ”

 ”ふーん…一人目はシャンクスじゃなきゃ、まあいいか!! あっ、エースもダメだな!!”

 

「…」

 

「四皇はおれが全部倒すつもりだから!!!」

 

「!? 四皇を全部倒す!? 利害は一致してる様だがナメすぎだ! 奴らはかつて”白ひげ”ともナワバリ争いをしていた『海の皇帝達』だ! 中でも百獣のカイドウって男は、この世における最強生物といわれてる」

 

「最強かぁ…イオリが黙ってなさそうだな…」

「くれない屋が?」

 

「ん? ああ…あいつは”世界最強”になるのが目標なんだってよ! すげェだろ? ししし…」

「…」

 

「そういやその”カイドウ”ってヤツ! エースの白炎に耐えたって聞いたぞ!!おれ大やけどしたのに…」

 

「!!?…とりあえず、兄貴の話しは置いとけ! おれ達の同盟はカイドウの首を取るまで… 成功の確率は…そうだな…30%…ってとこか…」

 (もっとも…くれない屋が戦闘に参加すりゃぁ確率は格段に上がるが…)

 

「そうか…よし、やろう!」

 

 ~ 回想おわり ~

 

「お前を生かした事に意味なんかねェよ…白猟屋」

「……」

 

「 ― ところで、おれは…”グリーンビット”へ向かうつもりだが…」

「!?」

 

「 ― さて、”麦わら屋の一味”はおれの手に負えるかどうか…!!」

「……」

 ローは立ち上がり、捕縛されたシーザー達の元へ向かった…

 

 

「何か、手伝おうか?」

 声をかけると、ローはゆっくりと私に視線を向けた。

 

「…宴に参加してたんじゃねェのか?」

「もちろん参加してたわよ?でもまぁ周りに気を配ることは忘れない。絶対にね!」

 

「おれの…思考を読んだのか?」

「さぁ?なんの事だか…」

 

「フッ…まぁいい、じゃあ小舟を1隻用意してくれ。確かタンカーに救命ヨットがいくつかあったはずだ。それでかまわねェ。それと電伝虫一組と…発煙筒を10本程」

 

「発煙筒は時限式で連続点火できるように?」

「ああ、それで頼む!」

 

「それから…」

「!!?」

 私はローの背中に手をあてた…

 

「くれない屋?」

「いいからじっとして!!」

「…」

 

 生命帰還を使ってローの心臓の動きを整える。所々の筋繊維が切れているのでそれを修復する為に小さな献ポポを瞬間移動で心臓に直接つけた。ほのかにローの胸の辺りが光ったかと思うと少し青かった顔に赤みがさした。

 

「!?」

「調子が悪いならちゃんと言いなさい!医者はあなただけじゃないのよ?うちにだって船医は居るんだからね!!」

 

「…すまん。だいぶ楽になった…。また…」

「これは貸しじゃないわよ?同盟組んだんだし…!それにあなたの調子が悪いと作戦に支障が出るでしょ?」

「…そうだな…」

 

 

 

 

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