イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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この話は、
原作コミックで言うと、75巻の最初です。

どうぞ









11-289話:神の使い

 ― ぁああぁああぁあああぁ… ―

 

 どさっ!!

 

「シュ…シュガ~~~~~~~~!!!」

 

「!!」

 私の隣でオモチャがロビンへと姿を戻す…

 

「…!!」

 

「おかえり!!」

「イオリ!?」

 

 建物の外が騒々しい…。続々と、オモチャが人間に戻っているようだ。

 私は国の様子を視たいからと言って小さくなってロビンの肩の上に乗せてもらった。

 

「すまねェドフィ~~~~~~~~!!!」

『 ― トレーボル!?』

 

「シュガーが!気絶しちまったァ~~~!!!」

『!!?…オイ、何の冗談だ!!!まさか!そこに、くれないが現れたのか!!?』

 

「違う!!身動き取れねェヤツが、恐ろしい顔をして…!それを見たシュガーが気絶しちまったァんだ!!!10年かけて増やし続けたおれ達の下僕共が!人間に戻っちまう!!!ホビホビの呪いが解けていく!!!」

 

「ウソップしっかり!!」

 ロビンがウソップに駆け寄り、頭を膝の上に乗せて声をかける。ちなみに私は今、ロビンの首の後ろ(髪の毛の中)に居る。そろそろコロシアムでも決着が着く頃かな?

 

「ありがとう!お陰で私も人間に戻れたわ!!」

「!!?」

「ウソランド~~~!!!やったれすよ!!『SOP作戦』成功れすよォ!!!」

 

 シュガーは完全に気を失っている。あれなら間違いなくトラウマになってるでしょうね!それはすなわち、復活したとしても(・・・・・・)対処のしようがあるという事だ!!

 

「オモチャ達はみんな…元の姿に戻ったれす!!!」

 

 ウソップは…かなりボロボロね。タタババスコがトドメになったのは間違いないけどね!(内臓へのダメージが…)

 

「そんなに傷ついて…ぼくらの為にひ…!!!ひっく」

「銅像は建てるれすよ!!!だってあなだは紛れもなぐぼぐらのヒーローれすから!!!」

 

「…!!(ずべ)で…計算(げいざん)どおりら…!!!」

 喉が(ただ)れているのか声が酷い。シュガーが言ってたけど、ある意味、”毒”だ。

 

「本当れすか~~~!!?カッコイイ~~~~~!!!」

 …ボロボロの体でよく言うわ…!!

 でも、こういうハッタリは仲間を鼓舞する効果が高いのよね!

 本人は意識してないだろうけど…

 

「…あどは…おれ゛の仲間をだよれ゛…(だだが)いは…ごれがらだ…」

「「「はい!!!」」」

 

 

  ― ゴゴゴゴ… ―

 

 コロシアムが崩れる音が響く!!試合は…サボが勝って悪魔の実を手にしたようだ。

 収納貝を渡しておいたので持ち運びも問題ないと思う。程なく地下に来るだろう。

 

「おのれ!麦わらの一味!!!トンタッタ!!!おめェらはここから出さねェぞ―!!!」

 

「ウソップをお願い!!」

「逃げるれす!!!ウソランドに指一本触れさせるな―!!!」

「おお―!!!」

 

「お前らの狙いは『SMILE工場』!!そうだよんね―!!?ニコ・ロビン!!!」

「!!!」

 

「ベタベタチェ~~~~~ン!!!」

 

  ― ドヒュン!! ―

 

「ロビン!何もしなくても平気よ!!」

「!!?」

 

「待てェい!!!」

 野太い声が聞こえ、何かが飛んでくる。

 

 ― ドゴン!! ―

 ― ベチャ!! ―

 

「!!?」

 トレーボルの攻撃は、飛んできた岩によって防がれた。

 そして、その岩を投げた本人が現れる。

 

  ― ズシン!! ―

 

「巨人族!!?」

 

「ちょっとコイツを借りるぞ」

「わー!!ウソランド―!!」

「ん?お前ら小人族か!?」

 ハイルディンがウソップを持ち上げる。

 

 ありゃりゃ…!治療しとけばよかったかしら?

 

 ここで崇めてもらっても、この先役に立つとも思えないのよねぇ… すぐに裏切るような奴らも多いんだし!!

 

 あら!ダガマも居るじゃん!今のうちに言い含めておくとしますか!!

 

「……!!!こんなにボロボロになってまでおれ達を!!聞けば10年間オモチャだった奴らもいる。それはどれ程ツライ事だか知れねぇ!お前がいなけりゃ、おれ達も永遠にオモチャのまま奴隷としてこき使わ続けた事だろう。まさに命を拾った思いだ!!」

 

 天井にヒビが入る。すごいタイミングだこと。

 

「よく見ろ戦士達よォ!この男こそ!!おれ達の呪いを解いてくれた英雄だ!!その名も!!!」

 

  ― バキバキィ!!! ドカァアァン!! ―

 

「海賊ウソップ~~~~~!!!」

 

 オォウオォオォォオオオォォオォォ…

 

「うわああ!!何だァ!!?天井が崩れたァ!!!」

 コロッセオの戦いでね?

 

「天から光がァ~~~!!!」

 ここは地下だから天井が崩れりゃ外の光も入るでしょうね!

 

「ええェっ!!?この男!!!天の使いだとでもいうのか!!?」

 いやいやいや…誰もそんな事、言ってないから!!

 

 オモチャになってた奴らは涙を浮かべてウソップを見上げている。

 ってか拝んでる!!?

 

 - おれ達は今…!!奇跡を見ているのか…!? ー

 

 ウソップの機転によって、シュガーが気絶したのは確かだし…。

 私は少し手伝っただけだもんね。

 

 ここまで崇められれば、一番の賞金首になるのも仕方ないのかな?

 

 

「はぁ」

「こ…神々しい…!!」

「……!!」

…下ろせ!!!お前…!!タチわりィな…おれがどんな状態か()てわからねぇのか?()だらけで自分でもビっちまうらいの状態なんだぞ!!?

「!!?」

 

「『お前達は…おれが導く』…!!?」

「?」

 

「あんた…やっぱり天の使わした…おれ達の救世主なんだな!!!」

「導いてくれ!!おれ達ァどうすればいい!!?”ゴッド・ウソップ”!!」

「…」

 人は見たいものを見、聞きたい事を聞く…ってか?

 

「? ハァ…ハァ…じ…じゃあ、後ろの…『工場』を破壊して……小せェ仲間達を救出してくれ…!!」

 

「仰せの通りにィ~~~~~!!!」

「ウソランド~~~!!!」

 

 

*--*--*--*--*

 

 

「…ルフィさんじゃなくてサボさんだったとは!!ちぇっ!!ゴムゴム対策が無駄になっちまった!!せっかくビゼンさんにいいとこ見せられると思ったのになぁ…」

 

「畜生!!ドフィに何て言えば!!」

 天井が崩れたのは工場の真上辺り…。パージェスやディアマンテも居る。そこに向かうはウソップの信者達…

 

「!!?何だァ!!?あの野郎共ァ!!!そうか!!地下のオモチャ達か!!!」

 トレーボルも工場前に移動したようだし、幹部二人相手に彼らじゃ相手にならないだろう…

 

 

「ちょっとひでェじゃねェっスか!!大先輩!!そりゃおれァバリア張れますけど!!」

「…」

 

「地下にこんな場所があったなんて…あ…!!あなた一体、何者なの!?最初のルーシーは?」

「ああ、最初のルーシーは『7億2千万の首』いつか海賊王になる男…!!”麦わらのルフィ”!!」

「海賊!?」

 

「おれの弟だ!!よろしくな!おれ達は『革命軍』…!!ルフィはいい奴だろ?昔っから全然変わらねェ」

 サボも降りて来ていた。コアラも一緒に地下でオモチャにされたハックと合流したらしい。

 

「革命軍がなぜこの国に…?」

「この港から出る武器が世界中の『戦争』を助長してる。そいつを止めに来た!!」

「…革命軍は、幾度もこの国に兵士を送り込んでいるんだけど全員ここで”オモチャ”にされてた為に、この闇のマーケットをずっと暴けなかったの!」

 

「(…!!おいおいやべェぞアイツ!!)」

「(『サボ』だよな!?革命軍のNo2が何でここにいんだよっ!!若に知らせろっ!!)」

「はい、残念!!」

「「!!?ぐあぁっ!!」」

 私は、物かげからサボ達を見つけたドフラミンゴの部下を卒倒させた。

 

「!!?イオリ!!」

 

「余計なことをしたかしら?サボの正体はもう、コロシアムでバレちゃってるんでしょ?」

「ん?ああ、ディアマンテにはバレたかな?」

 

「…」

「ど、どどど…どうすべ!?い…イオリ先輩だべさ!!」

 

「あなたがレベッカね?よろしく!私はイオリ!!ルフィ…最初のルーシーの船で副船長をやってる者よ!」

 

「うぉ~~~!!ルフィ先輩の腹心・副船長・大参謀様!!たまんねぇ~~~!!」

 なんか一人、うるさい子がいるけども?

 

「おれの妹だ!!」

「最初のルーシーの姉でもあるのよ?」

「ルーシーの兄姉?」

 

「まぁ、今はその辺の事は気にしないで!」

 

「武器の『生産』は別の場所みてェだな!どこから運ばれて来るのか…!!」

「はいこれ!!」

 私は封筒をコアラに渡した。コアラが封筒から書類を取り出す。

 

「これって…!!?」

「先月ここに入港した船名と取引された積荷の一覧よ?船名と国名の対比表も添付してあるわ!政府を動かす様な物的証拠にはならないけど、革命軍への情報としてはそれで十分でしょ?」

 

「お前、おれ達の為にわざわざこれを?」

「ここを潰しただけじゃ、第2のジョーカーが生まれるだけだからね?」

 実はイチユリも気にしていた。ここで扱われる武器はワノ国製のモノだけじゃない。

 そして、ワノ国で生産されている武器のすべてがここに流れているわけでもない。

 確か、政府にも流れていたハズ…

 原作では書かれていなかったけど、既に第2のジョーカーは規模は小さいながらも居るはずだ。ならば武器の流れをおさえておけば、出どころを叩く事で被害を小さくすることは可能だろう。

 

「確かにな…ドラゴンさんへのいい手土産が出来た。ありがとなイオリ!!」

「気にしないでよ。それより向こうに仲間が居るの!紹介するわ!!」

 私はロビン達の方へとみんなを誘導した。

 

「キャー!!ロビンさーん!!」

「コアラ!!サボ!ハック!」

 コアラが歓声を上げてロビンに抱きつく。

 

「ルフィには会ったの?」

「ああ、1年半ぶりだ!ずいぶんと鍛えられたみたいだな?」

「まーね!」

 

「仲間よ!ウソップ」

「オ…オハッホえす…(ウソップです)」

「寝かしといていいよ(--;…」

 

「あ~ゴメン、ゴメン!はい、ウソップ!!」

 私はウソップに回復薬を飲ませてあげた。

 

「おぉ!!なんだよイオリ!!持ってたんならもっと早くくれェ!!」

「「!!?」」

 

「あ~そう言う事言うんだ?」

「す、すまねェ…助かった!ありがとよ!!」

 

「今のって…?」

「回復薬よ!多少の傷なら一緒に治る優れモノ!!…ん?」

 リフトの方が何か騒がしいわね?

 

 それよりも…

 

「?…どうしたイオリ?」

 私が気になって目を向けたのは空いた天井…外の方だ。サボが私の視線を追って聞いてきた。

 

「鳥カゴが始まったみたいね…」

「「…!?」」

 

「鳥カゴ?」

 

「ドフラミンゴの(能力による)技の一つよ!案の定、あいつはこの国の真実が漏れる前に、今この国に居る者を閉じ込めて皆殺しにするつもりね!!」

 あの技の恐ろしい所は閉じ込められて外に出れないだけでなく、囲われた中と外との通信も出来なくなること。要するに助けを呼ぶことは出来ない。

 

「え!!?」

「何だとぉ~~~!!せっかく『SOP』作戦が成功したのにィ~~~!!」

 ウソップが涙目になって叫んでる。となりのロビンはすまし顔。コアラが不安そうにサボを見るも、サボは少し呆れた感じで私に声をかけた。

 

「お前の事だ。”案の定”って言うからには対策はもう済んでるんだろ?」

「「!!?」」

 

「試せる事じゃないから確実とは言い切れないけど…。なんとかなるんじゃないかしら?たぶんね!!」

 

 

 

 

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