イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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★一馬★さん、誤字報告ありがとうございます。


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11-290話:サボ vs 大将藤虎

「うわァ~~~!!工場がせり上がる~~~!!?」

「えェエ!!?何が起きてんだコリャァァ~~~!!!

 

 地下にあるSMILE工場がせり上がり、地下から逃げるようにして移動した。ピーカの仕業だろうけど、無茶苦茶よね。

 

 《 ご案じめさるな!この程度ならばすぐ元通りにすることが可能です!! 》

 ベヒモスの声が聞こえる。

 

 あらまぁ!私も無茶苦茶な事が出来るわけね?

 

 ピーカがまだまだやらかすだろうから、戻すのは戦いが終わってからにしたほうがいいかもね。

 

『ドレスローザの国民達…及び…客人達』

 突然、国中に放送が流れる出す。さっきまでコロシアムを映し出していたあちこちにあるスクリーンも使われているみたい。

 私たちの居る地下港の壁にも、映像が映し出されている。工場付近に居た者達は外に注意が向いているが、そうでない者はドフラミンゴに恨みの籠もった目を向けている…

 

『別に初めからお前らを恐怖で支配してもよかったんだ…!!!』

 よく言うよ…!そんな事をしてたら、おめェは七武海になれてなかったちゅうの!!

 

『真実を知り…!!おれを殺してェと思う奴もさぞ多かろう!!だから「ゲーム」を用意した…このおれを殺すゲームだ!!』

「…」

 

 

「ドフラミンゴの野郎!何を始める気なのかわからねェ!」

「こんな事あるのか!?工場がせり上がって、生きてるみてェにどっか行っちまったぞ!!」

 工場が移動した後には急勾配ではあるけれど、地上へと抜ける道が出来上がっていた。

 

「だが、これは紛れもないチャンスだ!!外へ出られるぞォ~~~!!!」

「やっと地下から出られる日が来た!!ありがとうゴッド・ウソップ~~~!!」

 その道をオモチャだった連中が駆け上がっていく…

 

『おれは王宮にいる…逃げも隠れもしない!!!この命を取れば当然そこでゲームセットだ!!』

 何言ってんだコイツ? 逃げも隠れもしないってねぇ…

 

 既に王の大地から王宮だけが移動してる。 ← 逃げてんじゃん!!

 

 糸の分身を操って敵を攻撃している。 ← 隠れてんじゃん!!

 

 ウソばっかじゃん!!

 

 そもそもこの放送で言ってる事だってウソじゃんよ!!

 おめェの目的は皆殺しだろうが!!

 

 それにしても、今までも事実を隠され欺かれ、何年もウソをつかれてきたはずが、さらに上塗りのウソを信じて動く国民って…

 

 でもまぁ、あんまり非難も出来ないか…

 

 

『だが、もう一つだけゲームを終わらせる方法がある…!!今からおれが名前を挙げる奴ら全員の首を君らが取った場合だ!!! ― なお、首一つ一つには多額の懸賞金を支払う!!殺るか殺られるか!!この国にいる全員が”賞金稼ぎ”!!!お前らが助かる道は、誰かの首を取る他にない!!!』

 

「…」

 

『誰も助けには来ない…!!!この「鳥カゴ」からは誰も逃げられない!外への通信も不可能!何もしなけりゃ、外の誰にも気づかれる事なく、お前達は死んでゆく!暴れ出した隣人達は、無造作に人を傷つけるだろう!それが家族であれ…!親友であれ…!守るべき市民であれ…!!逃げても隠れても、この「カゴ」の中に安全な場所などない!!「鳥カゴ」の恐怖は幾日でも続く!!全員が死に絶えるのが早いか!!お前らが”ゲーム”を終わらせるのが早いか!!!』

 

 私たちのところに錦えもんが駆けつけてきた。

 

「さっきのは何の騒ぎだったの、錦えもん?」

「ゼェ-ゼェ-…いや、少々変装しておったら命を狙われた!ゼェー」

 

「ドフラミンゴにでも化けてたんじゃないの?」

「おぬし、なぜソレを!!?」

 原作知識です!はい!! 言いませんけどね!

 

「あ!ウィッカ!!」

 

「ロ…ロビン先輩!下僕にして…!!って違う!!聞ぎてェ事が!!イオリ先輩の隣にいる人の”鼻”!!『司法の塔』の旗を撃じぬいたでお馴染みの”そげキング”先輩にそっくりだども…?」

「本人よ!彼はウソップっていうの!」

 

「出た―っ!!!仲間一人の為、世界を敵に回した一味に心を撃じぬかれたロビン先輩と合わせで~~~YES!!『エニエス・ロビー撃じぬきコンボ』だべ~~~!!!」

「うるせェなァ!!お前、何に興奮してんだマニア野郎!!」

「こんなのに私は腕を…!!!」

 

「あ~、そうね!それも治しておきましょうね!」

「おぉ!!これはすまない!!」

 回復薬ですぐさまハックの折れた腕が完治した。

 

 

 

「では確かにお届け申した!小さいがあっぱれな武人にござる!!」

「ありがとうチョンマゲランド!!」

「王宮の廊下に倒れていたの」

「隊長の為、身をはったんだな!!カブさん!!ランボー!!みんな立派れす!!」

 

 ボロボロだった二人も回復薬で動けるようになった。トンタッタは頑丈なようで回復薬の瓶はあまり減る事なく回復出来た。

 

『叫べ…恨め!!お前達は「被害者」だ!!!』

 相変わらず、ドフラミンゴの放送は続いている…

 

『考えろ…おれの首を取りに来るか!!我々ドン・キホーテファミリーと共におれに楯突く12名の愚か者達に裁きを与えるか!選択を間違えばゲームは終わらねェ!!』

 

「ドフラミンゴはこの国に居る人を助ける気なんて無いわ!奴の首を取る以外に助かる術は無いのよ!!」

「で、でもよう…」

 ウソップが不安そうな声を出す。

 

「そうね。多額の懸賞金って言葉に踊らされるヤツは多いでしょうね?コロシアムに参加した奴らは特に!!つまり、ここに居るのは、ほとんどそうなんじゃない?」

「「!!?」」

 

『星一つにつき1億ベリー!!!こいつらこそが…!!ドレスローザの「受刑者」達だ!!!』

「「おおっ!!」」

 

 画面にはデカデカと写真と星が映し出された。

 星一つにはレベッカ、ロビン、錦えもん、ヴァイオレット、フランキーが…

 星二つにはゾロとキュロスが…

 星三つにはサボ、ルフィ、ロー、リク王が…

 

『フッフッフッフッ!!!各組織の”主犯格”は…もれなく”三ツ星”だ!!!』

 

「情報が早いな」

「おれもかよ!!」

 サボのガーン顔ってなかなかレアよね?

 

「よ…よかった…おれはバレてねェ…」

 ウソップが、こんな事言ってますけど?

 

「そんなわけあるわけないじゃん!!安心するには早過ぎよ?」

「えっ!?」

 

『さらに、今日おれを…!最も怒らせた男がいる…!!お前らをこんな残酷なゲームに追い込んだ全ての元凶!!こいつの首を取った奴には!!5億べりーだ!!!』

 

 画面いっぱいにウソップの顔が映し出される…

 

 ”ゴット・ウソップ”

 

 ゴットだって…

 

「ね?」

「!!?」

 目が飛び出さんばかりに目をみはるウソップ。断末魔の叫び声が聞こえてきそうな顔をしている。

 今の顔でもシュガーのトラウマ発動出来そうじゃね?

 トンタッタも一緒に驚いてるし…

 

「…た…大変れす!ウソランドが…!!」

「な…なんでェ~!!イオリが入ってなくて何でおれェ~~~!!」

 

「コラコラ!私は関係ないじゃない!!それに今の大声で気づかれたわよ?」

「「!!?」」

 

「五ツ星~~~~~!!!」

「一ツ星二人に三ツ星もいるぞ!!!」

 

  ― ギクッ!! ―

 

「サボ君どうする!?」

「そうだな…」

 

 サボがチラリと私を見る…

 

「?」

 あれ?『地上へ出るぞ』って言うんじゃなかったっけ?

 

「ゴッド・ウソップ!すまん死んでくれ~~~!!!」

「さ、さ…さっきまでこいつらおれを崇めてたクセにィ~~~!!!おい!早く逃げよう!!」

 

「イオリ!見てろよ!!コントロール出来るようになったぞ?」

「!!まさか?」

 

「あっちにも一人いるぞ!”一ツ星”の侍だ!!1億べりー!!」

 錦えもんは穴に飛び込んだ。そして…

 

  ― ドクンッ!! ―

 

「「「!!?」」」

  ― ドサドサドサッ… ―

 

「「覇王色!!?」」

 

「す…すごいれす…」

「「すごい…」」

 

「1年でここまでとはね…」

 さすがドラゴンさん!覇気の制御は完璧だ!!しかも、威圧がかなり強くなってる!?それはつまり、サボ自身が強くなったという事だ…

 ちょっとビックリ!!

 

「キャァアァ~~~!!四兄弟が覇王色コンプリートだべェ~~~!!し、シビレるゥ~~~!!」

「…驚き方がビミョー…」

 まだ私、この子と挨拶もしてないんだけど?

 

「それじゃ、坂道を登って地上に出ましょう!!」

「了解れす!!」

 

 

『迷ってる時間はないぞ!!刻一刻と人間は倒れ町は燃えていく!!!』

 

  ― プルルルルル… ガチャッ!! ―

 

 地上に向かいながらロビンが電伝虫をかける。出たのはゾロらしい。

 

「ゾロ!?」

『あァ』

「今どこ?」

 

『ロビンか!今、ルフィ達と一緒にいる…!!『王の大地』ってとこらしいが面倒な事になってきたな!!』

『ロビンか!?見たか今の!ムカつくなァミンゴ!!ウソップはなんか大爆笑だしよ』

「なんだとォ!ルフィ!!」

 

『レベッカもリストに入っちまたけどあいつ大丈夫かな?』

「レベッカなら…」

「私いるよここに!!ルーシー!?」

 

『おお!!ちょうどよかった!!今”兵隊”がここに……あれ!?兵隊どこ行った!?』

『え!?』

 

「…見聞色使いなさいよ!」

 気配を探るとキュロスは『王の大地』から少し離れた場所に居る。街中を王宮に向かって移動しているようだ。

 

「兵隊さん!?兵隊さんも人間に戻ったんでしょ…!!?ねぇルーシー…どんな人?」

『ん!?どんな人ってお前っ!!!何言ってんだ!!あの”片足の兵隊”が!!お前の父ちゃんだったんだよ!!コロシアムの銅像のおっさんだった!!!』

「!!!」

 

 レベッカの表情が歪む…

 

「…やっぱり…」

 

『よかったな!!今どっか行っちまったけど!!いいかレベッカ!!まだ泣くなよ!!兵隊は死なせねェ!!!お前も無事でいろ!!お前が食いたがってた”グラグラの実”やれなくて悪かったけど!!そのかわり…!おれが必ずドフラミンゴ、ブッ飛ばしてやるから!!!おれの仲間のそばを離れんなよ!!!』

 

「そう言うと思った…」

 さてっと…

 

『こんなゲームすぐ終わらせるから生き残れ!!いいな!!!』

「うん…!!」

 

「ルフィ、そっちのメンバーを教えて!こっちは今、トンタッタ達と、(あら居ない…)ウソップにレベッカ、私に革命軍のサボ君とハック、コアラ。それとあなたもコロシアムで会ったと思うけど…」

「ルフィ先輩~!!おらです!!バルトロメオっす~~!!」

 

『こっちはおれとゾロ、トラ男と、はぐれちまったけどレベッカの父ちゃんそれと…』

『ヴィオラとお父様…”リク王”よ!』

『だってよ!…とりあえず、お前らここに来てくれ!!』

 

 通話は切れたけど…ルフィは先に行っちゃうんだろうなァ~!!

 行間に『おれとゾロとトラ男はミンゴの居る王宮へ行く!!二人はここに残しとくから』って言葉が聞こえた気がするよ。

 ちなみに私は今、誰も居ない場所に居る。もちろん仲間の様子はわかるようにした上でだ!!

 

 

「わかってんのか…!?」

「!?」

 ローがルフィに問いかける。

 

「ドフラミンゴを生かす事でカイドウと衝突させるのが作戦だった!今ドフラミンゴを討てば…『SMILE』を失うカイドウの怒りは全ておれ達に向けられる!!怒れる『四皇』と直接戦う事になるんだぞ!!!」

 

「そんな先の話は後でいい!!この国よく見てみろ!!今おれが止まってどうすんだ!!!」

「「!!?」」

 驚いたのはリク王だろうか…?

 

「…!!!」

 ローの錠はまだ外れて居ない…。私が外そうかと思ってたけど、ここで外すとローの動きが読めなくなる。鍵が届くかどうかわからないけど、外すとしてもタイミングは原作通りが良いだろう。離れていても、私にそれは可能だから問題無い!!

 

「じゃあ、お前ら持ってく(・・・・)ぞ!!」

 ルフィがゾロとローを抱えて走り出す!!

 

「待て!!おれは錠を外してからだ!!」

「そのうち外れるよ!」

「テメェバカか?外れるかよ!!!」

 

「どういうルートで行くんだ?」

「まっすぐ!!」

「…!!」

 

 

「まさか、飛び降りるの!?」

 

 ルフィは王宮へ向かって一直線に走っていた。そして王の大地の端から飛び降りる!!

 

「待ってろドフラミンゴ~~~~~!!!うおおおおお!!!」

 

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

 

「大人しく捕まってくれ!!キュロス!!!」

「ハァ…ハァ…」

 

「金が欲しいんじゃない…!!」

「…!!」

「お前達を討たなきゃ!みんな死ぬのは時間の問題だ!!!12人の『受刑者』達には捕まってもらう!!」

 

「その判断を責めやしないが…」

「責めなさいよ!!」

「!!?」

 

「久しぶり!人間に戻れてよかったわね?」

「キミは!!」

 キュロスは数ヶ月前の事を思い出す…

 

 オモチャの兵隊は突然現れた女性に捕まえられて、広場のベンチに座らされた。彼女は剣闘士キュロスの事を覚えているという…。

 

 ~ …なぜ、キミは”キュロス”の事を覚えているのだ? ~

 

「私は本人を見たこと無いの。顔はコロッセオにあるという銅像の写真でしか見たことが無い。何で彼を知ってるのかと言えばこの国を訪れた冒険家の航海日誌に書いてあったからよ!!」

 

 そこには『無敗の剣闘士が居て、国王が家臣にほしいと言っている』と書いてあったらしい…

 

「それと私は人の考えてることがわかるのよ?悪いとは思ったけどあなたの思考を読ませてもらったわ。」

「!!?私の…考えていることがわるのか?」

 

「あなたがキュロスだって事もね?しかし…オモチャにして奴隷化した上に周りの人に忘れさせてしまうというその女の子の能力は厄介ね…」

 

「…キミは…この国に何をしに来たのだ?」

「この国から流れた武器が世界の戦乱を助長してるのよ!それを食い止めようとする勢力があるんだけど、そこに兄弟が居てね…。ちょっと暇になったんで情報収集に来たってところ。」

 

「…ずいぶん危険な事をする!!見た所、私の娘とたいして変わらないだろう?」

「今年16だっけ?私は20歳。4つ上よ?それに私は海賊みたいだからあなたが心配するような相手じゃないわ!」

 

 ~ ~ ~ ~ ~ ~

 

「あの時、海賊と聞いていたが…しかし、まさかキミが…”麦わらの一味”とはな!!」

「だいぶ疲れてるようだけど?とりあえずこれ飲んで!!体力回復薬だから…」

 

 疑いもせずキュロスは瓶の中の液体を飲み干す…

 

「…驚いた!キズも治るのか?」

「多少のキズはね。ルフィがレベッカと約束したのよ!あなたを”死なせない”ってね!!とりあえず、”ルフィランド”のところまで送るわ!!その前に…」

 

  ― ドクンッ!! ―

 

「「!!?」」

「邪魔な連中には寝ててもらいましょう!」

 

 

 

 

 ~ 旧 王の大地 ~

 

「あんれ~~~!!?ルフィ先輩がいねェべェ~~~!!!そういや、イオリ先輩もいねェ~!?」

 

「当然よ」

「当然とはコレいかに!!?」

 

「ルフィは同じ場所に5分とじっとしてねェからな!イオリは速ェから目を離すとすぐにどっかへ行っちまう!!」

「キャ~~~!!姉弟揃ってFREE~~~!!DO~~~M!!!フーッ海賊王!大参謀!!さすがだべェっ!!」

 

「 ― あの石の怪物は!?リク王様!!」

「…」

「王宮がなぜあんな所に!!?」

 

「ロビンさん!!下からまだ追っ手が!!」

「…みんな登り終わったらネットを外さなきゃね!失礼!!」

 

 ― うわぁ!! ギャー!! ―

 

 ロビンが手で編んだネットを消し去る。登っていたハンター達は悲鳴をあげて全員落ちていった

 

「あったわ!!」

「あ!!ヴィオラさんっ!!」

「ぎゃーヴィオラ様―っ!!」

 

「何をしてた?」

「鍵よ!お父様!!トラファルガー・ローの手錠の鍵!!やっと見つけた…何とかして届けなきゃ…!!」

 

「待てヴィオラ!あいつらが何だと言うんだ!!海賊だぞ!!」

「ええ!彼らこそ、この国の見せかけの平和を壊してくれる”無法者”達!!」

「!?」

 

「お父様!私…彼らに賭けたの!!『世界政府』が称号を与え、この国に君臨した”海賊”ドフラミンゴに、私達はこれだけのキズを負わされたのに!!今更『正義』をかかげた海軍や政府なんかに助けて欲しくない!!!彼らには聞こえないのよ!自ら出した犠牲者の声が…!この国の”怒りの声”が…!!権力者の耳は都合よく出来ているから…!!!」

「…!!!」

 

「少なくとも”麦わら”達の言葉には血が通い!!!彼らの行動は心と共にある!!!」

「……」

 

「リク王様!彼をご紹介します!!」

「君は…五ツ星の…!!」

 

「『ゴッド・ウソップ』ことウソランドれす!!この方こそが命の危険も顧みず10年間この国にかかった”オモチャの呪い”を解いてくれた僕らのヒーローなのれす!!!その勇姿にぼくらは涙したれす!!!」

「…」

 

「そして、ルフィランドはそのスーパーヒーローの”船長”!!リク王様!!”麦わらランドの一味(ウソランダーズ)”はドレスローザの希望の光なのれす!!!たとえ海賊でも僕らは最後まで信じ抜くれすよ!!!」

「…」

 

 

 

 ~ 旧 王の大地付近の街『アカシア』 ~

 

 海軍は足止めされていた…

 

「どうしても…どいていただけやしませんかね」

「そうだなァ…海賊”麦わらの一味”及び…それを手助けする戦士達…!!それらに危害を加えようとする者を…通すわけにはいかないな!!」

「海賊の援護は…『革命軍』の仕事ですかい…?」

 

「海賊じゃなくて”麦わらの一味”の援護だけどな!『革命軍』として…!じゃなく兄として!!この道は通さない!!」

 

「ほう…一体どちらさんのお兄ィさんでしょうね」

 

 

「よせと言うのに!!!なぜ仕掛けたんだらァ~~~!!!お前らの力と持つ武器じゃ、そいつの”覇気”には敵わねぇ!!」

 バスティーユが叫ぶ… 

 武装色と見聞色…さらには六式を駆使して砲弾も弾丸も避ける、防ぐ、弾く…

 覇気を纏っていない普通の武器では戦闘中のサボに傷を追わせるのは不可能と言っていい!!

 

「この男…!!指の力が異常だ!!!」

「”爪”だよ!」

 サボが海軍の武器を素手で破壊していく…

 

「どけい!!お前らじゃ無理だらァ!!!」

「!!! おれの指は…竜の爪!!!」

 

 バスティーユが振り下ろす剣を片手で止めるサボ…

 

「!!」

「嵩取る権力を引き裂く為の”爪”だ!!!」

 ”竜の爪”は刀身を貫通してヒビを入れる! そして…

 

 ― ミシ…バキン!! ― 

 

 刀身が割れた!!

 

「!!!バスティーユ中将の”鮫切包丁”が!!!」

「おんどれ!!」

 

「人間の頭蓋骨くらい卵みてェに握り潰せる…!!!」

「!!?」

 サボの指がバスティーユのマスク越しに頭蓋骨を締め付ける…

 

  ― メキメキ!! ―

 

「弱りやしたね…」

 

  ― キィィイィイィィン!! ゴォッ!!! ―

 

「!!!ん!?」

 

「”鳥カゴ”とやらが邪魔して…ウチの隕石が切れちまってやしませんか…?」

 

  ― ズパッ ズパパッ! ―

 

「!!?」

 

「逃げろ!!隕石だァ~~~!!!」

 

  ― ゴゴ ゴ ゴゴン!! ―

 

「うわあああ!!!!!」

 

「…あちゃあ~…こらいけねェ!ずいぶん広範囲に…!!市民の皆さんにお怪我ァねェか…!!」

 

「隕石落とす時は言ってくださいイッショウさん!!」

「あいすいやせん。落としやした」

「「やる前っ!!」」

 

「よっと!!」

 サボがマントの様な大きな布を払って立ち上がる。その生地は強固な糸で紡がれている。武装色を纏わせる事で硬度を増して隕石をも防ぐ事が可能だった。

 

「!お前さん、立場わかってやすか…?」

 

「すげェな隕石!!聞いてなかったら対応出来なかったかもな?」

 バスティーユのマスクを持ったまま、サボが言う。本人はサボの後ろで伸びていた。マントの下に居たので隕石に潰される事はなかった。

 

「ああ!!バスティーユ中将!!!」

 

「2年前の頂上戦争の原因となった…今や四皇の一角を担う”蒼炎”のエース、そして”紅大参謀”イオリも”麦わら”の『義兄弟』と公表されていやしたが、お前さんもそうだと?」

「4人で盃を交わした。おれ達には切っても切れねェ”絆”がある…!!!」

「…ハタ迷惑な四兄弟がいたもんだ…!!」

 

「どんな兄弟だ…”麦わら”の兄弟は!!!白ひげの後釜の四皇と紅大参謀に加え革命軍のNo2!!?」

 

「覚えとけ!!ルフィやイオリがもし、おれに助けを求めたら!たとえ世界のどこにいてもおれは立場を押して駆け付ける!!もう二度と…」

 

 もう二度と…!仲間はずれはたくさんだ!!

 

 

 あの時…下手すりゃエースは死んでいた…

 

 イオリに頼まれてコルボ山に行ったけど…

 

 コルボ山に行くのを決めたのはおれだけど!!

 

 もしもエースが死んでたら…おれはきっと後悔してた…もしかしたらイオリを恨んでたかもしれねェ!!

 

 いや、ちがう…!!

 

 

 ~ もしも2人が居なくなったら…もしかしてイオリは… ~

 

 - !!? -

 

 

 おれはショックを受けていたんだ…!自分の卑しさに!!

 

 

 だから…!!

 

 

 誰に何と言われようと、おれはキョウダイの危機には必ずそこに行く!!

 

 そう決めたんだ!!

 

 

「…これ以上の質問はヤボな様だ…」

「 ― どうせ興味もねェんだろ?」

「その肴に合う酒もねェもんで…!!」

 

  ― ドン!! ―

 

「うわあああ!!!」

 二人の武装色が激突する…

 

 

 

 

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