イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

315 / 385
★一馬★さん、誤字報告ありがとうございます。


ドフラファミリーが次々と…

ドレスローザ編の終盤にさしかかります

どうぞ!








11-292話:2人の”D"

「じゃあ、ここは任せるぞ兵隊!!!」

「ああ!」

 

「イオリ!お前はどうすんだ!?」

 

「とりあえず、ここに残ってレベッカを守ってるわ!」

「そうか!じゃあレベッカは心配ねェな!!」

 

「おれ達はドフラミンゴの所へ!!」

「行こう!!」

 

「行かせるかァ!!!」

「お前の相手は私だ!!ディアマンテ!!」

 

「…!!」

 

「ししし!!よかったなレベッカ!!父ちゃんに会えて!!」

「うん!!」

 

「鍵ありがとな!行ってくる!!」

「 ― ねぇルーシー!!」

「!?」

 

「…!!ホントにあのドフラミンゴを…倒してくれるの!?」

 

「…”ルーシー”じゃねェ!!」

 ルフィが麦わら帽子をかぶる…

 

「!?」

 

「おれはルフィ!!海賊王になる男だ!!!」

「…ブレないねェ!」

 

「安心してろっ!!!」

「……!!」

 

「~~~ん何を小賢しいィ~~~!!!お前らを王宮になど…!!行かせるわけねェだろうがァ~~~!!!この裏切り小僧がァ~~~!!!」

 ディアマンテがローとルフィを攻撃する

 

 が…

 

「”ROOM”」

「ん?」

 ローがルフィを掴む。そして…

 

「”シャンブルズ”!!」

 

  ― パッ!! ―

 

 ロー達の居た場所に現れた酒樽にディアマンテの攻撃が当たった。

 

「!ぬあァ~~~!!!」

 熱くなっちゃってまぁ…

 

 ドフラミンゴの戦術はそのまま部下にも通用するんじゃね?

 

 なぁ~んだ!ヤツが言ってた程じゃないわね。

 

 原作と比べてファミリーの実力が格段に上がっているとはとても思えない。さっきから見てるけど、ピーカは最終局面を待たずしてゾロが倒せそうな勢いだ。

 もしもこのタイミングで倒れたなら、復活する事は難しいだろう。

 

 どのみちレオ達が失敗でもしない限り、幹部の復活はもう出来ない。彼らが王宮に向かったタイミングも原作より早いから、倒れた幹部たちの数も少ない。

 ってか、今のところ倒れた幹部って、シュガーしかいないんじゃ?

 

 もしもレオ達がしくじったら私がマンシェリーを救出するつもりだ。もちろん復活した幹部達が居た場合、その場で片付けさせてもらう。

 何ラウンドも闘り合うつもりなど無いのです。

 

 倒れたシュガーは早速復活してるようだけど、さっきヴィオラに連絡したからウソップがなんとかするだろう。

 こちらについても同様だ。ウソップがなんとか出来なかった場合には私がフォローするつもりでいる。

 幸いな事に、私の記憶からルフィが消える事は無い。これはさっきロビンで検証済みだ、目の前にメッセージが出た場合には、状況を確認してシュガーを覇王色で気絶させて、その場で海楼石の錠で捕縛する!!次に復活しても能力を使えないようにね!!

 

「残念だったわね!!ルフィ達は無事、王宮に着いたわよ?」

 そこにシュガーも居るけどね!!

 

 私はディアマンテにむかって言った。

 

「おのれェ~!!」

 

  ― ボンッ!! … ボンッ!! ―

 

「?」

 

「何の音?」

 レベッカが首を傾げる。

 

 遠くで悲鳴が聞こえ、私は口元をほころばせた。

 

 さすがはうちの狙撃手だ!!

 

 

 

 

 ~ 王宮 ~

 

 - 鍛えたのはあなただけじゃないわよ? -

 

 確かになァ…!!

 

 もしも…頂上戦争でのヤツを見ず、対抗する為にと鍛えていなかったら…!今の不意打ちの一撃でおれは沈んでいただろう!!

 

 しかし…麦わらがココまで強くなってやがるとは…

 

 ここに現れた時、ローとたいして変わらねぇ気配の大きさだったってのに…さっきの力は一体何だ?

 そういやぁ、モネの所に来た時のくれないの気配は殆ど感じられなかった。

 つまり何だ?

 コイツら”麦わらの一味”の強さは見聞色じゃ測れねぇって事か?

 

「効いたかコンニャロー!!!」

「ペッ!!フッフッフッ!厄介だなァ…」

 

「見ろ!!まだ致命傷にできねェ!!もう二度と今の作戦は通じねェぞ!!!」

 

 ローはトレーボルを倒そうとするが、ドフラミンゴに止められた。手枷をつけられたルフィも寄生糸に操られたベラミーに阻まれ、ドフラミンゴに攻撃できない。

 ルフィは格段にレベルアップしているというのに、原作とほとんど変わらない展開だ。

 原作と違うのは斬りつけたベラミーの剣をルフィが武装色で完全に防いだ事くらいだろうか?

 

 

「…!!おれが一番キライな事を覚えてるか?ロー…!!見下される事だ…!!!てめェらに一瞬でも勝てると思い上がられた事が耐えられねェ程の屈辱!!!いいかおれァ世界一気高い血族…!!”天竜人”だぞ!!!」

「「!!?」」

「生まれただけで偉い…この世で最も得難い力をおれは持ってた」

 

「えェ!!?」

「…」

「…!!?え…」

 (…)

 ルフィとベラミーの驚きは当然だろう。ローも最初に聞いた時には驚いていた…

 

「 ― だが!!その生まれ持った世界一の権力を…ある日、父が放棄し…一家4人で ― このゴミの掃溜めの様な世界に下りてきた!! ― 何が”人間らしい生き方”だ…愚かな父だった…!!!」

 

 確かに、彼の父は愚かな男だったと思う。特権を持って生まれたということ…その事自体を理解して居なかったのだから。

 もっとも…ほとんどの貴族、天竜人も同じだろうけども…

 

ドフラミンゴの頭の中には10歳の頃の記憶が蘇っていた。彼は既に天竜人に完全に染まっていたようだ。

彼が子供の頃からサングラスをかけている事が気になった。これは彼の記憶だからだろうか?

 

「何が起きたと思う!!?10歳にしてこの世の天国と地獄を見たおれは、元凶である父を殺し…その首をマリージョアへ持ち帰った!! ― だが、天国にいる天竜人は『裏切り者の一家』を二度と受け入れなかった!!この地獄から出る術はない ― その時に誓ったんだ!」

「「…!!」」

 

「こいつらの牛耳るこの世界を…!!全て破壊してやるとな!!!」

 

 ……

 

「お前らの生きてきた人生とはレベルが違う!!!ガキと遊んでるヒマはねェんだおれには!!!」

 

 …支離滅裂ね…

 

 ドフラミンゴが海賊になったのは、まぁしかたのない事だったと思う。

 性格的にもロシナンテのように保護してもらうという事もムリだったろうから…

 

 だけど、ヤツの望みが本当にそうだとしたなら『オペオペの実』を求めたりしなかったと思う。

 革命軍との連携だって考えていてもおかしくないのに。それをしないのはやっぱり、自身がトップに座りたいと思っているから…

 おそらく幹部達もそう思っているんだろう。

 

 ”こいつら”という天竜人に取って代わることも、不老を手に入れれば可能だと考えて居るのだろう。

 

 でもなァ…

 

 仮にドフラミンゴがトップになったとして、それじゃあこの世界は何にも変わらないのよねぇ…

 いや、変わらなくはないか。今よりまともになるかもね?

 

 だけど、不老を手に入れただけじゃ、ドフラミンゴがトップに座るのは無理なんだよなァ…

 

 

 

 ルフィはベラミーと一騎打ちをさせられていた。まぁ、原作のようにルフィがダメージを受けることはないでしょう。覇気の強さが違うからね。

 ただ、時間稼ぎにこの方法は有効だと思う。ルフィは友達を傷つけることが出来ない。もっともこの場合、気絶させればいいだけなんだけどな?

 

「お前からだロー…!!」

「!」

「処刑を始めようか…!!」

「ぺっへっへっへ!!んねー!!」

 

「腑に落ちねェ事がある」

「?」

 

「マリージョアから落ちた元天竜人のお前になぜまだ権力がある…!!お前は今朝『CP0』を動かした!!」

 

「 ― フフフそんな事…死ぬのに知りてェのか…?」

「…」

 

「おれが”聖地マリージョア”内部にある、重大な『国宝』の事を知っているからだ!!それは存在自体が世界を揺るがす」

「!!?」

 

「あいつらにとっておれは、最悪のカードを持った脱走者。殺そうにも死なねェおれに天竜人達は実に協力的になった… ― 更にお前の”オペオペの実”の能力があの日おれの手中に入っていたら…」

「!」

 

「マリージョアの『国宝』を利用し、おれは世界の実権さえも握れていた!!!」

「…!?」

 

「それ程利用価値のある能力なんだ!!『人格の移植手術』も然り…もう一つ…お前は知ってるのか!!?”オペオペの実”は才気ある者が使用すれば…古来よりの人類の夢さえも叶う”究極の悪魔の実”と呼ぶ者も少なくない」

 

「…!! ― ああ、知ってるさ… おれは興味ねェがな…!!この能力の最上の技は…人に”永遠の命”を与える『不老手術』!!! ― だが、それをやれば能力者当人は命を失う」

 

「フフッ!!…!!!そうさ!!!お前に食わせる気はなかった!!恩を仇で返しやがって!!!」

 

  ― ギィン!!! ―

 

「ディアマンテの剣術!ラオGの体術!グラディウスの砲術!お前に戦闘の全てを叩き込んだのはおれ達だ!!」

 

「…ああ!! ― そして今があるのはコラさんのお陰!感謝してるよ!この力でお前らを討ち取れる!!!”ROOM”」

「!!!」

 

「麦わらの一味、モンキー・Dをどう思ってる!?」

 ローが小石をドフラミンゴの背後に投げる。

 

「!?」

 

「おれは昨日、くれない屋からお前が”天竜人”だった(・・・)と初めて聞いた!!”シャンブルズ”」

「!!」

 

「”D"をどう思ってる!!?」

 ローはドフラミンゴに向かって剣を突く。ドフラミンゴはそれを避けて武装色を纏った左手でその剣を掴んだ。

 原作とは違い血は流れていないようだ…

 

「お前には関係ない!!!モンキー・D・ルフィはじゃあ…運命に導かれて…!!”神”の血を引くおれの首を取りに来たってのか!?」

 グイっと剣を引きローに向き直るドフラミンゴ。右手からは糸が出る…

 

「!!!」

「バカバカしい!!」

 

  ― ガッ!!! ―

 

 剣を掴んだままドフラミンゴの五色糸がローを襲う。ローは剣を放して武装色を纏わせた両腕でそれを受け止めた。

 覇気を増した今のドフラミンゴの糸を受け止めるなんて…!!

 ローもずいぶん鍛えたみたいね!

 

「おれも”D”だ!!!」

「!!?」

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

 ~ 旧 王の大地 ~

 

 現在、この国の戦況は大きく3つ…!!

 王宮、ビーカの石像、SMILE工場だ。

 

 現時点で、原作と異なる点がいくつかある。

 

 <寄生糸による被害状況>

 操られた者のおよそ1/4は海軍が対応。2/4は足が突然埋まったり全身に蔓が巻き付いたりと、大地と植物の精霊達によって身動きが取れなくなっていた。

 残りの1/4は何者かによって手足を捕縛され意識を失っていた。

 

 <災害>

 ピーカによる大地や街の変形の大部分がいつの間にか元通りに…

 街の火災も小規模なもので済んでいる

 

 <海賊の悪行>

 犯罪を犯す海賊達は海軍に見つかると途端に動きが鈍くなりアッサリと捕まった。

 

 <動物たち>

 鳥カゴの外へ出ようと暴れていた動物たちは、突然現れた白い虎の咆哮によって落ち着きを取り戻し、現在は1箇所に集まってじっとしている。

 

 後に海軍本部でこれらの事に関わった者として、”黒装束の女”の存在が囁かれる事となる…

 

 その女は、パンクハザードで七武海(ロー)の攻撃を止め、ヴェルゴの攻撃(指銃)から海兵を守ったという。

 赤犬と黄猿はクザンからその存在を聞かされてはいる。

 クザンもあたりをつけているが未だ正体を掴めていない。

 わかっていることと言えば…

 名を『カザマ』と言い、不可思議な術を使うという事と、ワノ国の『忍』だろうという事だけだ。

 

 そして…

 

 早くもレオ達がマンシェリー姫を奪還したようだ。ジューラはしっぽハンマーで卒倒させられた後、地面に全身を縫い付けられていた。

 これでもう幹部たちが倒れても復活する術はなくなった…

 

 次いで、ゾロがピーカを撃破した。

 

 原作では後半戦まで持ちこたえ、リク王を殺そうとまでしていたが、見聞色を身につけ鍛えたゾロからは逃げることも出来なかったようだ。

 岩の中を自在に移動する特性に気づいたゾロは、ピーカが石像に入ったのを見計らい、”大千世界”で石像を横一文字に切り、続けざまに大竜巻を放ってピーカが潜む上半身を上空に巻き上げた。

 空中を移動する事が出来ないピーカはそれでもなんとか攻撃を仕掛けようとするが、どんどん細かくなる石像から出て戦う事を選択!!

 無論、原作よりも強度を増しているゾロの武装色に勝てるはずもなく三千世界で沈んだ。

 

 戦っていたコロッセオに集った面々もその戦闘を目の当たりにして、原作と同じセリフを言っていたことだろう。

 

 でも…

 

 う~ん…

 

 リク王の演説?のタイミングが無くなっちゃったかもしれない?

 

 中でも一番情けなかったのはディアマンテだ。

 原作ではレベッカに攻撃を仕掛ける事でキュロスと互角の戦いをしていたが、レベッカを守っていたのは私!

 最初の攻撃こそキュロスも心配して見ていたが、私にまかせて大丈夫だと判断したようで、それ以降のレベッカへの攻撃はキュロスへの牽制にはならなかった。

 結果、ディアマンテは能力者であるにも関わらず、片足の剣闘士キュロスにアッサリと斬られて敗北したのだった。

 

 トゲの鉄球を使う余裕も無かったみたい…

 

 あらまぁ、なんてなさけない…

 

 2段目の攻防もケリが付いていた。ゾロは現れなかったが、立ち上がったハイルディンを見たマッハ・バイスがトドメとばかりに”万tヴァイス”を仕掛けた。

 ここは原作通りハイルディンが”英雄の槍”で撃破した。

 

 その際、飛ばされたマッハ・バイスを見上げた者は首を傾げていた。先程まで縦の筋しか見えなかった”鳥カゴ”に縦の線よりも明らかに太い、1本の横の筋が現れていたからだ。

 

 3段目の攻防はハクバによってほとんどの者が斬られていた。

 ロビンがハクバを捕らえたところまでは原作通り…

 そこからが少し違った。

 

 レベッカを私が守っている事を知っているロビンは4段目に急ぐ必要は無い。

 つまりグラディウスが仕掛けた”破裂岩(パンクロック)”を3段目に戻って回避するという選択肢をロビンは持っていた。

 加えて3段目には、バルトロメオ以外にも倒れていない者が居た。

 

 バルトロメオは彼女を知っていた。何故なら彼女はつい最近まで大先輩のエースと共に居たからである。彼は彼女の指示でグラディウスをバリアで囲み、そのバリアを徐々に小さくしてグラディウスを潰して撃破した。

 

「おら、こんなバリアの使い方思いづかなかったぁ!!まるで”大参謀様”みてェだべ~!!」

 結果、”破裂岩(パンクロック)”『スーパーアリーナ』も回避する事ができたのだった。

 

 この時点でフランキーもセニョール・ピンクを撃破しており、幹部は王宮の2人を残すのみとなっていた。

 

 

 壁が膨らんだ際、ロビンとハクバは3段目に降りていた。そこで彼女と遭遇する…

 

「キサマ…ナニ者ダ!!?」

「あなたが有名な”ハクバ”?…ウワサほどじゃないわね。」

 

「ナンダト!!?」

 

 ハクバは彼女に斬りかかるがアッサリと背後を取られた。

 

「馬鹿ナ…オレヨリモ速イダト!!?」

「(すごい!割合はいくつ?…私でも彼女を捕らえるのは難しいかも)」

 

 剣技においても彼女はハクバを上回った。勝負において勝敗を分けるのは技と速度、そして力(重さ)だ。

 そのどれもが彼女の方が勝っていた。当然ハクバは敗北する。

 

「イチユリ!!オレヲ…オマエノ弟子ニシロ!!」

「なんで上から目線!!?なんだべコイツ!!」

 

「…そうねぇ…あなたがキャベンディッシュと同化して本当の強さを手に入れたら考えてもいいかな?」

 そう言い残し、彼女は2段目そして地下港へと消えた。

 

 その後バルトロメオに3段目を任せ、改めてロビンはひまわり畑へと向かったのだった。

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。