イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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クラスター・ジャドウさん、誤字報告ありがとうございます。


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 ユナがオーダーメイドの下着作りを休止して、1年ほどが経過した。

 世間では、世界会議(レヴェリー)が開催される事で賑わっていた頃、
 F-RONPに一通の招待状が届きます。

 差出人は…







01-30話:招待状

 ユナがオーダーメイドの下着制作を休止して1年が過ぎようとしていた。

 会社の幹部もみんな、そんな事はすっかり忘れた頃に、招待状が届きました。会社に……。

 

 世界会議(レヴェリー)の前夜祭ですって…。 うん? 私、王族じゃないんだけど?

 

 でも招待状は天竜人からなのでお断りは出来ません。

 当然会社はパニックです。注文が来た時の比じゃなかったね。

 もちろん、嬉しそうな顔をしてる人なんて誰も居ない。

 どちらかと言えばみんなの顔が引き攣っている感じ?

 気持ちはわかるよ。だって大企業が潰されちゃったの見たもんね?

 

 で、招待状読んだ私が、すっごい嫌な顔してたみたいで…。

 でも会社としては断れるわけもなく…。

 

「…行って下さい。」

「どうか、お願いですからっ!!」

 社長以下、役員全員に頭を下げられてしまいました。

 

「私も同行しますから。ね。観念してください。」

 と、社長に言われ……はい。と答える以外の選択肢は受け付けてもらえませんでした。

 分かりました。行きますとも…。行けばいいんでしょっ!!

 

 

 採寸する時とおんなじメンバーで、やって来ました。マリージョア。

 一応フォーマルに決めてね。

 化粧もしました。もちろん全て自社製で!

 

 あっ、ビビ見っけ。なんか幼い感じがするのは気のせいだろうか?

 私が化粧して大人っぽくしてるからかな?まぁね、私のほうが2歳年上ですけど。

 元の世界で言えば、私は中2でビビは小6。そりゃまあ違うでしょうね。

 

 さて、迷惑だけど招待されてしまったので一応、挨拶しました。

『招待ありがとう御座います。』的な?

 そしたらねぇ……。

 

「約束の1年が過ぎた!」

 とか言って、天竜人の奥様、お嬢様連中に取り囲まれてしまいました。

 

「この手がすごいアマスッ!!」

 と言われて手を捕まれ頬ずりされて。。。

 ってあれ?なんであんたたち私の手に頬ずりなんてしてるの?

 

 私の素性はバレていないと思うので、下々民と見られているはずなんだけど?

 

 私たちとは同じ空気吸えないとか、汚らわしいとかじゃなかったっけ?

 採寸の時もそんな感じだった気がするのに、何故に? なにがどうなってる!!?

 

 いや、ちょっと怖いんですけど…

 

 

 嵐が去った後、いつの間にか出来た天竜人の行列が出来ていた。

 

 しかし、なんだろうねこの行列?

 

 私が呆けて行列を眺めていると、行列に並ぶ一人が教えてくれた。

 

 

「あの方々は、そちの下着を持ってる方アマス。わらわは持っておらぬゆえよくわからぬが、なんでも『天にも昇る気持ちよき付け心地』らしいの?是非、わらわのも造ってたもれアマス。」

 

 だって……。

 

 なるほど、行列はそれか。それなのか………

 

 結果、注文が殺到しました。24組!!ご注文、いただきました~!!

 …って、全然嬉しくないけどね!!

 

 3ヶ月で2組(上下セット)の予定なので3年分だね。

 ハァ……

 とりあえず、二人分の採寸を済ませました。

 

 

 いや~、疲れましたよさすがに。やっと嵐が過ぎ去ったって感じ?

 

 部屋の隅っこで椅子に座ってます。

 履きなれないヒールだし、パーティなんて出たこと無いし…。

 ぼーっとしてたら隣に誰かが座った。

 

《あぁ、なんだビビじゃん。》 って、ビビ?

 

「えっ、何?」

 ってビックリた声を出したら向こうも驚いていた。

 

「こんばんは。私はビビ。ネフェルタリ家の王女よ。あなたは?」

 

 あぁそうか、知らないよね。一企業の会長が呼ばれてるなんて。

 知ってたとしてもこんな小娘なんて思わないか。

 まぁ、小娘感はビビの方が上な気がするけど…

 

 ここはきちんと挨拶しておいたほうがいいかな?今後の為(?)に…

 

「お会いできて光栄です、王女様。私はF-RONPの会長を致しております、ユナと申します。天竜人の方々に招待を頂きまして、本日はこちらに参りました。以後、お見知り置きを。」

 立ち上がり、カーテシーを行いました。相手は王族ですからね?

 

 その立ち回りはあまり気にしてないみたいだけど、ビビがまた驚いた顔をする。

 

「F-RONPって、自然派で有名な企業の? えっ、あなたが会長さん? うそ、やだ。嬉しい!私、あなたに会ってみたいと思っていたの!!」

 まぁ、有名になったもんだよ、うちの会社も…。

 でも感動してくれてるのは素直にうれしいな。

 自然を大事にしてるって企業理念が伝わっているのが特に。

 

 話しをしました。いろいろとね。なんで会社をつくったのか?とかほんとにいろいろ。

 歳が近いという事もわかった。

 私は一応、敬語を使ってたんだけど、別にいいって言ってくれた。

 それからは普通に会話出来るようになった。

 敬語はきちんと使えるけれど、やっぱり面倒だからね。

 

 会長になったから、今はそんなに会社には行っていない。なので、世界を巡ってみたい。という感じの話をした。

 

「もしかしたら海賊とかになっちゃうかもね? だって自分で世界を巡ろうと思ったらそのほうが楽なんだもの。冒険家とかは、申請やら許可やら大変なんだって。許可してもらえないこともあるみたいだし。その点、海賊なら好きな時に好きなところに行けるでしょ?」

「…海賊って…犯罪者にわざわざなるの?人に迷惑とかかける気?」

 

「ううん。人に迷惑をかけるつもりはないの。海賊って言っても、”ピースメイン”だし。」

 ビビに、ピースメインとモーガニアの説明をした。言ってることを理解はしてくれたようだけど、『海賊になる』事自体には納得してくれなかった。

 

 なんか、一般の人はいろいろ面倒なのね。って言ってたよ。

 いやいや、王族だって結構面倒だと思いますけど?ネフェルタリ家みたいに義務をキチンと果たしてる人達は特に。

 聖地の天竜人は好き勝手やってますけどね!!

 

 

 さて、世界会議(レヴェリー)です。まぁ参加するワケじゃないから適当に暇を潰してました。

 下着造ってます。

 

 そして会議後の一幕。

 そうです、ビビがワポルに嫌がらせをされるの巻です。

 イガラムと一緒にビビに駆け寄りました。ビビってば健気だよね。あんなバカに謝るなんてさ。

 ってかホントにムカつくよなワポル。なにもかも!!

 

 コイツのせいで、ドラムでは結構バタバタだったと聞いているから余計にムカつきますわ。

 

 ムカついたんで、ちょっとコラシメてやりました。

 時間を止めて、ワポルの目の前まで行って、覇王色発動!!

 ビビの所に戻ってから時間を動かしました。

 

 突然泡吹いて倒れたワポルにお付のバカ二人が慌ててる。

 ザマァないね。

 

 何が起こったのかとビックリするビビに、

『やっちゃった!』テへッってな感じで舌をチョロっと出して見せた。

 すかさずシーっと人差し指を口の前に立てましたけど。

 

 あなたがやったの?という驚きのビビには、さぁどうだろうね?と答えておいた。

 だって、きちんと説明したところで信じてもらえないと思うから。

 

 

 お別れの時にプレゼントを渡した。そう下着。毎日使うものだから一応3組。

 昨日採寸して半日で仕上げた。社員たちには絶対言わないけどね。

 そうですよ?作りたいって思う人のものなら1日で出来るんですよ。

 同じものなら3組程度はなんとかなります。

 1ヶ月もかかりませんって。集中すればそれこそ半日で出来ますけど、なにか?

 

 ハッキリ言って、天竜人の下着なんて、そんなに何着も作っていられません。

 だからいってるじゃないさ!嫌いだって!!(自分の事は棚上げしてます。)

 出来るなら ”作りたくない”んです!!

 だ・か・ら、言ってるじゃない!そもそもオーダーメイドは面倒くさいんだって!!

 

 いいじゃんよ!量産品使えば!私だって普段はそれ使ってるんだから!

 

 でもまぁ、自分のもつくろうかな?って、最近思ってたりもするけどね?

 カノンのは作ったし…。

 

 ビビに渡す際、今の自分達は成長が早いからすぐ使えなくなると思うと告げて、また会う約束をした。

 私もいろいろあるのできちんと約束できないけど。。。

 

 

 次に会ったのは13歳のビビの誕生日の前日。採寸して、誕生日に新しいものを渡した。

 

「じゃあ次は来年ね?立志式の2日前に来ようかしら?式には別に興味ないけど、式典の時に身につけてほしいから。」

 

「なに言ってるの?ちゃんと招待するわよ、友達なんだから!! 式には出て…くれるでしょ?」

「ええ、もちろん!」

 

 約束を交わして別れた。けれど…ご存知の通リ、約束の時にビビは居なかった。

 

 一応、アラバスタには行った。国王にも会った。

 国王には13歳の誕生日の際に面識を得ていたからね。

 

「わざわざ来てもらったのに、申し訳ない…。ビビは今、行方しれずなのだ。明後日の立志式も中止になった…。」

 うん。知ってる……。とは言えないよね。

 

 でも、ビビはともかく、イガラムはさぁ…。誰にも言っていかないのってダメじゃね?

 そんなに周りを信用できないって、どうなのさ?

 せめてチャカやペルには言っとけばよかったんじゃないの?

 でも今はそれどころじゃないのか……。いろいろ不穏な動きが出てるんだもんね。

 

「そうですか…それは、心配ですね。」

 と私も心配そうにつぶやいてみた。

 

「でも、きっと大丈夫ですよ。ビビ…いえ、王女様は、お強いですから。」

 戦闘力の事ではない。精神力が…という意味だ。そう言い残して、私はアラバスタを後にした。

 

 

 ~ 後日談 ~

 

 世界会議(レヴェリー)の前夜祭には、多くのマスコミ関係者もマリージョアに来ていた。知っていたけど、私は王族じゃないから別段、気にしてなかったんです。

 そしたら、写真取られてたみたいでね。

 天竜人が行列作ってる所とか、ビビと話してるところとか…。

 ぶっちゃけそんなの気にしてる場合じゃなかったし、気づいてたところでどのみち阻止なんて出来なかっただろうけど…。

 

 それが新聞に載ってね。まぁ特に、問題はなかったんだけど。

 いや、…あったの…かな?

 

 なんと!!!

 ファンクラブが出来ちゃいました。ビビのはともかく、私のまで!!

 

 なぜに?

 

 創設しましたって手紙が届いてました。会社に!!

 代表者から…。

 

 代表者は匿名で『とっても偉いおじいちゃん』だって……。

 

 ん?

 まさか…ね?

 ちがう…よ…ね?

 

 まあいいや別に…。気にしない事にしよう。

 

 

 

 

 




<おまけ>
 1000文字に達しないので、投稿できないモノをあとがきに載せちゃいました。
 そのうち書き足して、1話にするかも知れません…


閑話:イオリ、小説家になる。

 別に…、特段理由なんてないのです。

 タブレットで読むと、目を閉じて眠っているように見られてしまうだろうから、
 本にして手に取って読めるようにしようと思っただけなのです。

 それがまさか………

 こんな事になってしまうなんて…!!?


 でも、これって非情にマズくない?
 と、思う私が居る一方で、

 いやいや、そもそもバレたところで関係ないっしょ!!
 だって世界が違うんだから!!!
 と、思う自分も居たりする。

 何が起こったのかと言えば、書いた本をユナが製本しやがったんです。
 勝手にカザマが、書き出した紙をユナの所へ持って行ってたんだよ!!

「なんで勝手に売り出してんの?しかもけっこうな数をさぁ…」
『いいでしょ別に。』

「そもそも何で著者が私なの?」
『うれしいでしょ?今や、あなたはうちの売れっ子有名小説家なんだから!!』
「勝手に名前使ってんじゃないわよ!!自分の名前を使えばいいでしょう?」

『だって、それはあなたが書いたんでしょう?』
「ちげーよ!元の世界にほんとの著者が居るでしょうが!!」

 私とユナの会話でお分かりでしょう。

 言ってみればそれらは全て盗作です。私の考えた物語ではありません。
 一人が書いたとは思えないほどの才能とか言われちゃってます。
 そりゃそうでしょうとも。作者は一人じゃないんだよ!!いろんな人の作品なんだし…。

 純文学に恋愛小説。ミステリーやSF、官能小説といろいろ書きましたよ。
 オートパイロットで!!

 そりゃあね。
 端から見たら私が書いているように見えるでしょうよ!
 実際、ユナのオフィスでも書いた事あるわよ?
 でもね、それらは全て別の人が書いたやつなのさ!!
 短編小説くらいは書いたけど、なんかこれ面白くないとか言われちゃったし。

 くっそう…!!
 文才も付けてもらえばよかったんだよ!!いまさらどうにもならんけどね。

 本はまぁ…それなりに売れてるらしいですよ。売れっ子小説家って言われるくらいには…
 印税ももらってます。

 なんかちょっと罪悪感…

 !!
 …これってもしや…!!

 音楽とかもイケる? ← ”オイッ!!”



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