イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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少し使い方が違うかもですが…

言ってる事は通じるものと思ってのサブタイです。

どうぞ!








11-297話:『知らぬは亭主ばかりなり』

「か…海軍本部の『大将』が…!!?土下座を…!!」

 

 民衆がどよどよと騒ぎ立てる…当然だろう。映像電伝虫も回っているのだ。

 つまり…この光景はどこかに放送されていると言うこと…

 

「顔を上げてくれ…藤虎 ― これを、世界に見られていいのか!?いや、もしや…この為に…ドフラミンゴに手を出さず…!?」」

 

「必要なのは”事実”…!!!戦う事一切を彼らに任せた!!…”賭け”でござんした!!海賊を野放しにした張本人が…今更七武海に刃を向けてどの顔下げて正義を語れやしょうか!!」

「…」

 

「この国は海賊によって…また、戦士、市民の手によって勝利を勝ち取ったんでござんす…!!」

「…」

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

「何を笑ってるんだ?くれない屋」

「いや、赤犬が怒りそうだなァ…と思ってね…」

「?」

 

「ごめん。わけわかんないわよね?気にしないで!!」

 

 私は電伝虫の映像を頭の中のタブレットで見聞きしているので、ローには何も見えていないし聞こえていない。

 一人でニヤニヤしてたら、そりゃ不思議に思うだろうし、危ない娘に見えちゃうじゃんね?

 

「とりあえず、東の町のカルタの丘に行きましょうか。そこにキュロスの家があるみたいなの。」

「…ニコ屋や鼻屋がそこに居るのか?」

 

「ゾロもフランキーもね?キュロスが”麦わらの一味”の仲間を匿ってくれるらしいわ。ほかの海賊達はリク王が王宮で匿ってくれてるみたいよ?」

 

「…」

「ん…?どうしたのロー!」

 

「…いや…おめェらがおれと組んだことに意味があるのか疑問に思っただけだ。麦わら屋を誘った時にヤツも言ってた事だが…、おめェらにとっちゃ四皇は半分身内みてェなもんだからな!!」

「身内だからって味方とは限らないけどね?」

 

「…どういう意味だ?」

「別に…じゃ、行きましょうか!!」

「…」

 

 

 

 

 

 藤虎が土下座してしばらく…

 

 その現場付近には小さな軍隊が集まっていた…

 

「…みんな、本当にご苦労だった…!反ドフラミンゴ体制”小さなリク王軍”!!」

 キュロスが敬礼をしてトンタッタ達を見回す…

 

「はいれす隊長!!」

 

「全ての任務は完了した!!今日をもって我々は解散する!!」

 

「隊長―!!」

「隊長―!!」

「わぁああああ…」

 涙を流すトンタッタ達…

 

「フフフ…王宮のリク王様の元へ行っててくれ!」

「はいれす!!」

 

 

 

 

 ~ ”赤い土の大陸” 聖地マリージョア ~

 

「ほいじゃあドフラミンゴ七武海脱退から誤報の一件…!!あんたらの…もっと上からの指示っちゅう事ですかい」

「……」

 

「なぜドフラミンゴごときの為に!!世界が振り回されにゃいけんのですか!!今後もこがいな事があっちゃあ、わしが元帥として格好がつかんですけぇ!!!金輪際やめておくんない!!!」

「……」

 

「生意気な口をきくなサカズキ」

「お前の面子など取るに足らん!!」

「お前達『海軍』は政府の”表”の顔」

「この案件は『カノン様』に一任したのだ!!!」

 

「なんですと?そこの小娘に!!?」

 こらこら、おめェはよォ!!2年前、マリンフォードで正座させられて暗黒背負うまで躾けられといて、まだ女性蔑視発言すんのかい!!?

 私も躾けてやろうか?あ゛ぁ!!

 

「口をつつしまんかサカズキ!!わしらまで巻き添えになったらどうする気だ!!」

「!!?」

 

「と、ところで、クザンの行方はつかめたのか?」

「!!」

 あら、あからさまに話を逸らしたわね。まぁ別にいいけど…

 

「あの巨大な戦力が今や闇に落ちているとのウワサもある!!軍の体面も何もあるまい!!」

「あのアホはもう海軍を辞めた男ですけ!!どこで何をしちょろうがわしにゃあ関係ありゃあせんので!!」

 よく言うわ!あんたらが連絡とり合ってる事くらい、筒抜けなんですけど?確かにうまくやってるみたいだから、五老星は知らん事だけども…

 

 

 ハァハァ

 

 

「…!!ハァ…”五老星”!!サカズキ元帥!! ハァ…ハァ…ご報告します…!! 王下七武海ドンキホーテ・ドフラミンゴ並びにそのファミリーが…『麦わら』『ロー』の海賊同盟に敗れ!! ドレスローザは完膚なまでに崩壊致しました!!」

「「!!」」

 

「何じゃと…!?」

 

「…だろうな」

「敵対した時点でこうなる事は決まっていた様なモノ…」

「……!!?」

 

「更にもう一つ大変な事態が!!」

 

 

  ― 隣国3島に流された”映像”と”情報”は実害を孕んで瞬く間に世界を駆け抜けた ―

 

 

  ― ドレスローザ ―

 

『とぼけるなイッショウ!!!』

「ひえ~~~~~!!」

「ぎゃぁ~~~~~!!!」

「……」

 

『海軍大将が手落ちを認める事の意味がわからんわけでもあるまい!!なぜ本部にまず報告せなんだ!!!』

 

「…報告したら…また、そっちで内容の違うニュースに変わりゃしやせんか」

『!?』

 

「……」

 

 

 ”おれも『七武海』は消えるべきだと思ってる…!!2年前おれはクロコダイルの化けの皮がはがれた現場にいたんだ!!!”

 ”……”

 

「おれたち海軍は何も出来なかった!!”麦わらの一味”がいなかったらアラバスタは今のドレスローザの様に”海賊の国”になってただろう」

 ”― だが政府は…それを海軍の手柄だと世間に報じた…あの時おれにもっと地位があれば…!!!”

 

『…確かに…昔のわしじゃったら間違いなく”もみ消し”たじゃろうが…。”大将”っちゅう役を受けたからにゃあ「海軍」っちゅう組織の信頼や威厳についても考えてもらわんと困る!!』

 

「あっしはウソで英雄にされるのはゴメンだ 世界の均衡の為にと海賊を雇ったのは我々の上司『世界政府』じゃありやせんか!!」

 

「い…イッショウさん…あ…相手は…」

 

『勝手に土下座なんぞしよって!!正義の面目丸潰れじゃろうが!!』

「潰れて困る顔なら懐にでも仕舞っときなさいや!!不備を認めたくらいで地に落ちる信頼など元々ねェも同じだ!!」

 

「ひえ~~~~~!!!」

 二人の怒鳴り合いを聞いて、兵たちはその場から逃げていく…

 

『…近くに兵は居なくなったか?』

「へぇ…」

 

『ハァ…詫びるにしてもやり方があるじゃろうが!”麦わらの一味”がおったならヤツらを”ピースメイン”と判断し共闘したとすりゃまだ格好がついた!!今回はもう済んだことじゃけェ…今更どうにもならんがな…。次からは大事な事はまず(わし)に相談せい!!勝手に判断して事を進めるんは許さんぞ!!』

「…ええ、わかりやした、サカさん!!」

 

『ところで…』

「!!?」

 

 

 

 

 ~ その夜… ~

 

「イオリ!!起こさなくていいよ…。最後に顔を見に寄っただけだから…」

 キュロスの家には、サボが訪れていた…

 

「もう、国を出るの?」

 ロビンが問いかける。

 

「『CP0』がここへ引き返して来てる。狙いはたぶん、おれ達革命軍だ…」

「…」

 

「一日二日でドレスローザは混雑するぞ!お前達も可能な限り早く出港しろよ?」

「ルフィが起きたらね」

 

「…!!…にしても…、エースの他に4人目の兄弟がいたとは…」

「全くだ!初耳だった!」

 

「おれはしばらくの間、行方知れずだったからな…」

「…」

 私はサボの父親の事を思い出し、少しだけ気分が悪くなった。情報によれば小さくなった事が功を奏したらしいけど…

 まぁ、原作通りに進んでるみたいだから別にいいんだけどね。

 

「ある事件があって、おれは3人より随分前に出港したんだ。…海賊じゃなく革命軍に入っちまったから、イオリもおれの情報は掴んでなかったんだろ?」

「アラバスタでエースに聞くまで知らなかったからね。とにかく無事で良かったわ!!」

 

「 ― ガキの頃に、エース、イオリ、ルフィと4人で暴れ回って、ガープのジジィにシゴカれて…将来は海賊だって…おれ達は兄弟の盃を酌み交わしたんだ…」

「…」

 いやいや、私は暴れてないし、海賊になるつもりもなかったんだけど?

 

「そして2年前…エースが無事助かった後、二度目の盃を交わしたんだ!!おれ達の絆は切っても切れねぇ!!」

「そうね」

 本当のところはわからないけど…。

 特にサボは…

 原作通りに進めば、最悪のタイミングで彼女と会う事になる。

 その時サボはどう思うんだろう?

 

「…」

「大丈夫よ。覇気の使いすぎで疲れて寝てるだけ…」

 ルフィを心配そうに見るサボに言った。

 

「…じゃ!帰る」

「もう?」

「顔も見たし…!!」

 

「はいこれ!ルフィの『ビブルカード』!!そんでこっちが私のね!!」

 エースに作ってもらったカードをルフィは無くしたみたい。エースと私のは持ってるみたいだけど…

 なのでこの2年の間にルフィのビブルカードはもう一枚作っておいた。

 ちなみにサボのビブルカードはルフィの分ももらってある。

 

「おっ!サンキュー!!」

 しかしルフィは…大物と言うかなんというか…

 

「 ― ほんじゃ…ルフィにゃ手ェ焼くだろうが…よろしく頼むよ!!イオリの事もな!!」

「おう!!任しとけ!!」

 

「私はついでか?」

 

「…ぷっ…エースと似た様な事を言ってやがる…」

 

 次にサボと合うのはマリージョアかな?

 

 さて…どうなりますやら…

 

 

 

 ~ ~ 決着より3日目… ~ ~

 

 ぶっちゃけ…回復薬 or 仙豆を使ってルフィを回復させればすぐにでも出港出来たのです…

 

 そうしなかったのには理由がある。

 

 ①ある程度、街を復興させるだけの時間が必要だった(主に住居と公共機関の修復…)

 ②ローとセンゴクさんのイベントを邪魔したくなかった。

 ③献ポポの調達。ちなみにルフィが勝利した後からマンシェリーにお願いして作ってもらってる。

 ④放置したらレベッカとキュロスがどうなるかわからない。

 ⑤麦わら大船団の結成がなくなる?

 ⑥藤虎とのカラミ

 

 そしてなにより、原作とズレる事が今後どのように影響するかがわからないからである。

 

 ローに言っていたように、藤虎は”とりあえず”私たちとローを逮捕するつもりらしい。

 そして原作通り、おつるさんとセンゴクさんが到着する…

 

 

 ~ キュロスの家 ~

 

「いやはや…」

「 ― で、レベッカ殿の父上はどこぞの王子だと…そんな噂で持ち切りだったでござる」

 町の様子を見てきた錦えもんとカン十郎が仕入れた噂を披露する。

 

ぱんぱわェうェんがげが(何だそれ変じゃねェか)!!いぐおあいがあぼいっぎあうい(いつの間にかサボ行っちまうし)あんぎゃあイモああぐごっぎゃえあああ(サンジ達も早くおっきゃけなきゃだ)!!!ぐ~っ…」

「怒るのか泣くのか急ぐのか寝るのか食うのか!一つずつやれ!!忙しねェな!!」

 

「…」

 ゾロ…私はもう諦めの境地だよ!!そもそも食事に関してコイツを躾けるのは無理かもしれない…

 

  ― ガシャン!! ―

 

 ルフィがテーブルを叩く音が響く…

 

「レベッカの父ちゃんは!!兵隊のおっさ…ぐー」

「まだ回復しきってねェんだろ!!食い意地はらずにまだ寝てろ!!」

 ウソップが突っ込んるけど…ルフィ達(エース、ガープ)が会話の最中に寝るのは普通の事ですが?

 

「その噂は私が流したんだ…」

「え!?」

 キュロスの言葉に皆が驚く。私はひとり溜息をついた。

 

「レベッカの出生を知る者は王族の一部とそれを調べたドンキホーテファミリーの一部だけだ。国中が知っているのは母親の事だけ。私が父親だとバレる前に噂を流した」

「?」

 

「どうして?」

「私には”前科”がある…育ちも劣悪…本来王族と結ばれていい身分ではなかったのさ。 ― だから、これでいいんだ」

 

「いいわけねェよ!!レベッカはそれ知ってんのかよ!!」

 ルフィが怒る

 

「手紙が渡っているハズだ。私の人生の全てを正直に綴った…」

「…」

 

「彼女には軽蔑されるかも知れないが…レベッカはまだ子供だ。一時の激情で将来の幸せを逃して欲しくない。リク王様にもご理解頂いた」

 

「「…」」

 ウソップとゾロがむすっとするルフィを見て何かを思っている様だ。まぁ当然ね…

 

「イオリは何を笑っているの?」

 私が一人笑っているのを見てロビンが聞いてきた。

 

 だって…ねぇ?

 

「『知らぬは亭主ばかりなり』ってね!」

「?」

 

 そこにバルトロメオが駆け込んできた。同時に電伝虫が鳴る。

 

「イオリ先輩~~~!!わールフィ先輩お目覚めになられてんべ!!おはようございます!!!」

『隊ちょ…あ!キュロス様っ!!レオれす』

 

「ぐおお~~~!!6人も”麦わらの一味”が揃うと眩しすぎて見えねェべ~!! ― まるで偉大さのレーザービームだべ~~~!!もしいづが!”麦わらの一味”オールスターズに遭っちまった日にゃ、おれァ失明しちまうべ!コレ~~~!!」

「急いでたんじゃないの?用件は何?」

 

「そうでした!海軍のテントに動きが!!ボチボチここも危ねェべ!!!海軍の大参謀おつる中将と前元帥センゴクが到着した!!」

 

「おつるにセンゴク!?」

「そんな大物まで何しに来やがった!!帰れ!!」

 フランキーが驚き、続いてウソップが毒づく

 

「たぶんおつるさんはドフラミンゴ護送の為だと思うわよ?センゴクさんは…何だろうね?」

 私はちらりとローを見た

 

「…」

 

「レオ、そっちは何だ!!」

『あ…!!その海軍が動き出しました!!』

「「!!?」」

 

「海軍が来るぞ!!」

「ギャーとうとう来たー!!」

 キュロスの言葉にウソップが慌てる。

 

「何を今更!!逃げる準備ならいつでもできてござる!ルフィ殿が目覚めるのを待っていただけ」

「うむ!なぜ敵が攻めてこなかったかの方が不可思議!あと、ないのは船だけでござる」

 ウソップを尻目に錦えもんとカン十郎が続く…

 

「船どうすんだよォ~」

 いやいや、サンジ達を先に行かせた時点で気づきなさいよウソップ!

 

「あんた達…一体どうするつもりだったのよ?」

 私は一応メリー号は持って来たけどね?今のところ言うつもりはないけども…

 

「レオ!!頼んだ事はやってくれたか!?」

『勿論れす!全て言われた通りに!!!ニワトリさん!!王宮へも行くもようれすよ!!戦士達も危ないれす』

 

「おう!!心配ありがとよチビ助!!おれらも海軍の動きは随時見張りさつけてた!!抜かりはねェべ!!」

 どうやら王宮に匿われていた者達は既に動き出していたらしい…

 

「ルフィ先輩たづ!案内します!!まっすぐ東の港へ走ってけろ!!あんたたづがいつでも目覚めていづでもこの国から脱出できる様に!!すでに同志たづがずっと要所に待機してんだべ!!東の港に船もある!!」

 

「 ― ありがてェな!!サニー号を先に行かせたんで困ってた!!」

「…」

 フランキーが言ってるけどさぁ…

 マジっすか?確かに急な展開だったとは思うけど…

 人数少ないっていうのに、この一味(・・・・)が一番問題を抱えてる気がするわ…

 

「当然だべ!みんな共に戦ったチームだ!!今更王将の首取られてたまるかってんだ!!!」

 

「ベラミー!立てるか!?」

 ルフィが食べながら隣に座るベラミーに声をかける。

 

「 ― もう走れもする!」

「そうか、よかったな!!」

 

「トラファルガー!!なぜわざわざおれを運んだ!?おれは王宮で死ぬべきだった!!」

「麦わら屋がダチだと言ってたんで2段目で倒れてるお前を運んだだけだ!!死にたきゃそこで死ね!!」

 

「2段目だと?おれは王宮に…どういう事だ!?」

「知らねェよ!!」

 

「あの小人のお陰でバカみてェに回復しちまった…!!なぜおれが海軍相手に死ななきゃならねェ!!」

 

「礼の一つも言えねェんなら死んじまえって言ってんだ!バカ!!」

「何だと!!?」

 

「よォよォ!考えてるヒマはねェべ!とにかく走れ戦友!!」

 

 

 

 

「撃て―!!」

 キュロスの家を飛び出した途端、海軍達の攻撃が襲う…海軍の銃弾はバルトロメオのバリアが防いでいた。

 

「こっちだべ皆様っ!!」

「くそ…!!」

 バルトロメオが先頭に立って走る。ベラミーはまだ不貞腐れているようだ。

 

「藤虎に出くわしたら大変だ!!決して一人にならねェ様に!!!」

 

 突然、ルフィが立ち止まった!!それじゃあ、私も…!!

 

「え!?ルフィ先輩!?」

 

「やっぱ、ちょっと用事あるから先行っててくれ!!!」

「はいィ!?」

 

 

 

 

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