イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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ルフィが好きなお酒はビールです。
日本酒は、すぐに酔ってしまうので苦手です。
(この話の中では、そう言う感じにしています。)

原作通りではありますが、

その後が…


ね…?


どうぞ!








11-299話:”子分盃”

 ルフィには大きな盃が渡され、そこに純米酒が注がれる…

 

「…」

 

「では、我々も…」

 7名が小さな盃に酒を注いだ。すると…

 

「これは、おれ飲まねェ!!」

 突然、ルフィがニッコリ笑って言い放つ。

 

「え……!!?」

 

「おれ、あんま純米酒好きじゃねェし…」

「いや、味の問題じゃねぐて!!」

 海賊たちがどよどよする中、ルフィは酒樽の上に盃を置いた。

 

「 ― あんたたづ!!この先この事件をきっかけに”大物達”から命を狙われるべ! ― その事件に救われたのは、おれたづで…!!」

 

 そうは言うけど…助けられたのはお互い様だと思うんだけど?

 言ってるバルトロメオなんて主に助けた側だろうに…

 

 それに…『海賊王』を目指すからにはどの道、その大物達ともやり合う事になるんだからね?

 

 

「だけどよ!これ飲んじまったら、おれはこの大船団の”大船長”になっちまうだろ?」

 あら、そこは”総長”じゃないんだ?

 

「んだべ!総勢5千6百名の子分がいりゃ、晴れて”大海賊”の仲間入りだべ!!ルフィ先輩はいずれ海賊王になられるお人っ!!世界をとるにゃあこれでも戦力は少ねェくれェだべ!!」

 

「やめとけ!そういうのはコイツにゃムリだ!!」

「!?」

 ゾロが言う。

 

「でもまぁ、立場が人を育てるって事もあるからやらせてみても面白いかもよ?」

 私はゾロに返した。

 

「言うねぇ…!じゃあオメェは、コイツら全員の面倒も見るつもりか?体一つじゃ足りねェぞ!?」

「別に…全員の面倒を見る必要は無いと思うけどね?」

 

 組織の運営は上司が全員を指導するわけじゃない。まぁ、少人数の場合は全員面倒見る事もあるけどね?

 大人数の場合、上司が面倒みるのはリーダクラスのみ。リーダークラスはその下のサブリーダーの面倒を見て、サブリーダーはさらに下のメンバーの面倒を見る。そうやって、小さなピラミッドがいくつも重なって組織は成り立つのです!!

 

 それに…

 体は一つじゃないのですよ!!

 

 

「その酒、ジョッキにつぎ直せ!おれが飲む」

「だから!味を楽しむ会じゃねぐてですね!!」

 バルトロメオ!ゾロはわかってて言ってるんだよ?

 

「なぜだ”麦わら”!!これだけの兵力の何が不服なんだ!?どんなに強い奴でも”数”という力には敵わぬ!!お前にも必要な時が来る筈だ!!!」

 

「「「…」」」

 一味のみんなが一斉に私を見てますが?

 

「えっ、何?何??」

 

「…その理屈に当て嵌まらねぇヤツがここに居るんだなァ…」

「説得力ねぇよ、どうしても…」

「「…確かに!!」」

 ゾロとウソップのつぶやきに、一味のメンバーが同意を示す…

 

「何それ!!まるで私がバケモノみたいじゃん!!」

 私は抗議したんだけど…

 

「”くれない”の事は置いておけ!!聞くところによれば戦闘にはほとんど参加して無い様ではないか!!」

「「まあな!!」」

 

「あ~あ…また無視ですかい?最近こんなんばっかし!!」

 誰も私の意見なんて聞いちゃくれませんね…!!

 なんかムカつくんですけど!!

 

「なればこそ…」

 

「窮屈~~~!!」

 ”どーん”

 という音が聞こえてきそうな勢いでルフィが言い放つ。

 めっちゃ嫌そうな顔しちゃってまぁ…

 

「「えええ~~~!!?なんかスゲーイヤそう~~~~~!!!」」

 

「それより奥で…もしかして宴の準備してねェか?」

 

「興味がメシに移った!!?」

「「ええええええええええ」」

 

「フザけるな”麦わら”!!先輩でスターのぼくが!!傘下に入ってやると言っているんだ!!」

 

「シメ上げて、それ飲ませよう」

「てめェ!子分の強さナメてんな!?恩人のクセに!!」

 

「ガラ悪すぎだろ!子分だとしたら!!!」

 

「だ~か~ら!!おれは”海賊王”になるんだよ!!!偉くなりてェわけじゃねェんだって!!!」

「!!?」

 

「?」 「?」 「?」 「?」 「?」

「??」

 子分希望の7名が、頭の上にクエスチョンマークを浮かべてる…

 

「……オイ!何言ってんだ?コイツ…」

 ローも疑問に思ったようだ。答えておきましょうかね。

 

「海賊王の定義がみんなと違うだけよ!」

「どういう事だ?」

 

「たぶん…ルフィの定義の方が、私は正しいと思うけどね?」

「…?」

 

 ロジャー海賊団はオーロジャクソン号一隻だった。

 初代海賊王は船団ではなかったのですよ。

 

 それが何故”海賊の王”なのか?

 

 それはたぶん、誰も成し得なかった事を成し遂げたから…。

 

 そして…

 

 何モノにも(・・・・・)縛られる事のない存在”となったから…

 

 つまり…

 

 本当の意味で…自由(・・)を手に入れたから!!!

 

 否定する意見もあると思う。

 ピースメインだったロジャー海賊団はそもそもが、海賊と言う縛りからしたら、とても不自由に見えていただろうから…

 

 

「わりといい酒だ…」

「コップで飲め!!行儀悪ィな」

 手で酒をすくって啜るゾロにウソップがツッコむ…

 ってかツッコむとこ、そこ?

 

「うふふ」

「お!どれどれ」

 ロビンが笑い、フランキーが相伴に預かろうと盃に近づく

 

「?」

「?」

「……」

 

「もし、おれ達が危ねェと思ったらその時は、大声でお前らを呼ぶから!!そしたら助けてくれよ!!!」

 

「まぁ、イオリが居りゃぁ、そんな事はねェだろうがな…」

 仲間内にだけ聞こえる声でゾロが言う…

 

「親分や大海賊じゃなくてもいいだろ!? お前らが困ったらおれ達を呼べ!!!必ず助けに行くからよ!!!一緒にミンゴと戦った事は忘れねェ!!」

 

「…なんか、言いてェ事がわがってきたべ!ルフィ先輩にとっての”海賊王”の意味が…!偉いんでねぐて…”自由”…!?」

 

 せーかい!!バルトロメオ選手、お見事!!

 

 

  ― ドカァン!! ―

 

「わあああ…」

「うわあああ!!」

「!?」

 

「何事だ!?」

「砲撃です!!」

 

  ― ズズゥン… ドゴォーン ―

 

「海軍か!!?」

「まさか!!軍艦ならぼくらがキツく縫いつけて来たれす!!」

 

「コロンブスに指揮を執らせろ!!我らはまだ取り込み中である。誰であれなぎ払え!!」

「は!!」

 

 

「『8億2千万の首』”麦わらのルフィ”がいるなら首を差し出せ!!!」

 

  ― ゴゴゴオォォ… ―

 

 大艦隊が押し寄せてきた。

 

「おれ達はドフラミンゴとでけェ取引をしてた!!!全てムダにしやがって!!!」

 

「我々は貴様を恨む者達の連合艦隊!!!王が代わったんなら『リク王』にも落とし前つけてもらおうか!!」

「!!?」

「撃て!!撃て!!」

「うぉおぉぉお…」

 

 海賊を恨むのは別にいいと思う。普段から理不尽な感情を向けられてるからそれはそれで別にかまわない。けどね…!!

 

 お前たちが取引していたのは『ドレスローザ国王』ではなく、『ジョーカー』だろうが!!

 『リク王』に落とし前というのはお門違いも甚だしい!!そもそも”裏取引”をしていたヤツラが何を言っているんだか…

 

 おぉっ…!誰も気にしちゃいないけど、瓦礫が静かに移動してますねぇ…

 

 瓦礫が落ちてきたら敵船に向けて念動力でぶつけてやるつもりだったけど、無駄な体力使わないで済みそうだ!!

 

「うおおおお…!んだばおれ…!!尚更あんたにホレたべさ、ルフィ先輩!!」

「ディガガガガガガガガ!!!”同じく”だ!!おい、バルトロメオ!!口上を言え!!コイツが『親』の盃を飲まなくてもいい」

「確かにそうだ」

 

「!?」

 

「互いに勝手気ままならいいな!」

「お前は人の自由も止められねェハズやい!!」

「ん?そうなんれすね?」

 

「ルフィ先輩!!まことに勝手ながら口上をのべさせていただくべ!!」

「ん?」

 

 

「撃てェ!! あれはオオロンブスのロンタマリア大船団!!沈めりゃ名も上がる!!!」

 

「ドレスローザの市民!!陸ヘ戻れ!危ねェぞ!!」

「だが、おれ達がいなきゃ君たちに藤虎の攻撃が」

 

  ― ドンッ!! ―

 

「!!?」

 

「うおォ!!敵船団の頭上にガレキが!!!」

「…」

 

 だ~か~ら…!!

 てめぇはよ~!!

 隕石の時もそうだけど、どうして落としたあとの影響を考えないかな?

 

 ガレキが落ちた事で発生した波を市民たちが居る場所より先の海面から派生させた波で相殺した!!

 リヴァイアサンが居なかったら念動力で疲労困憊になってるとこじゃんよコレッ!!

 こんなんで”餞別”とか言ってんじゃねェぞコラ!!

 

 

「では、ルフィ先輩!!!」

 七人が盃を掲げる…

 

「ここに我ら子分となり、いついかなるときも親分”麦わらのルフィ”先輩の盾となり!!また矛となる!!!こ度のご恩に報い!!我ら7人!!命全霊をかけて この『子分盃』!!勝手に頂戴いたしますだべ!!!」

「!!?」

 ぐいっ!!

 と、七人が盃に口をつける。

 

「あ」

 そして飲み干すのを見て、ルフィが大声をあげる。

 

「あ―っ!!!何やってんだお前ら!!」

 

「おお…これで晴れて…!!」

「宴の準備を急げ!!!」

「もう万端だ!!」

「総勢5千6百超えの”麦わら大船団”結成を祝え~~~!!!」

 

「うふふ 勝手な人達…」

「うはは『子分盃』!?何だそりゃァ!!」

 

「”麦わらの大頭”ァ!!!よろしく頼むぜ―!!!」

「! おい!!おれこれ飲んでねェからな!!!なんかもう中身なくなってっけど!!」

 ルフィが怒って声を張り上げる横で、ゾロが舌なめずりをしている。私もちょっと貰ったけどね!

 

「ああ、それでいい!!お前は今まで通りだ。おれ達ァ勝手にお前に忠誠を誓ったんやい!!」

 

「……!!」

「 ― そして、何かありゃ勝手に命かけて参上する。そんな奴らがいても損はねェだろ!? ― ついてはお前、おれら7人の名前と顔くらいは…」

「ルフィ!!メインは闘魚のステーキだ」

「そりゃうまそうだ!!!」

 ウソップに呼ばれ、ルフィが走っていく。食い物への執着はさすがルフィと言うべきか…

 

「「「…」」」

「後でちゃんと覚えさせとくから心配しなくていいわよ?それよか皆に提案したい事があるんだけど」

「「?」」

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

 

「レオ!船を出して宴にするが、キミ達はどうする?」

「宴は参加するれすよ!!終わったらイエローカブで帰るれす。ご心配なく!!」

「おい、いつまで泣いてる」

「いや…もうおれ、立てねぇべ…!!感動で……」

 

 

  ― ガレキのち晴れ…ドレスローザ近海ではこの日、世にも奇妙な天候が観測された ―

 

 

「さァ、野郎共ォ~!!ミンゴファミリーとの戦いは~…おれ達の~!!勝利だァ~~~っ!!!」

 

  ― わああぁあぁああぁぁぁぁぁ!!! ―

 

 ドンチャン♪…ドンチャン♪

 

 極めて異例の「子分盃」

 

 引き寄せられてか図らずか ”麦わら”ルフィの子分にと 名乗り集った曲者7人

 

「うお―!!!」

「ぎゃはははははは!!」

 

 ドンチャン♪…ドンチャン♪

 

 この先各個に成長を遂げ…いずれ歴史に名を残す「一大事件」を引き起こすのだが…

 

 今はまだ…

 

 誰も知らない物語…

 

 

 ~ 子分盃が終わった後… ~

 

「そのうち、白ひげ連合の総長が協定を持ちかけてくるだろうよ。”赤髪”は敵対はしねぇだろうから”麦わら”の敵になる四皇は2人って訳だ!!」

 シリュウが子分となった7名に言った。

 

「義兄はともかく、赤髪はどうして?」

「知らねぇけど、なんか、姉貴には敵対しねぇとか言ってたらしいぞ?」

「そりゃスゲェな!!」

 

「革命軍トップが親父で、赤髪が敵対しねえと宣言してて、蒼炎が義兄…そういや、海軍元帥と大将黄猿が、くれないを避けてるって噂もあるよな?」

 

「まぁ、そりゃそうだろうな…」

 あの光景(・・・・)を見ていたシリュウがポツリと呟いた。

 

「「!!?」」

 

 

「なあ…おれ達、実はとんでもねぇ一味に付いたんじゃねぇか?」

「「……」」

 

「ところで、イオリさんが稽古を付けてくれるって言ってたけど?」

「「!!?」」

 イデオの言葉にシリュウとアーロンが驚いた。

 

「どうした?」

「おめェら…あいつに稽古つけてやるって言われて、何て答えたんだ?」

 

「えっ!?…いや、普通に…『よろしくお願いします』って…なあ?」

 頷く面々にシリュウとアーロンは頭を抱えた。

 

「だよなァ~~~…そう聞かれちゃァそう答えるわなァ…」

「あ~あ…ご愁傷様!!」

 

「「えっ!?なになに…どういう事!!?ちょっと怖い!!」」

 

  ― 彼らはまだ、自らに訪れる地獄を知らない… ―

 

 

 

 

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