イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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クラスター・ジャドウさん、誤字報告ありがとうございます。


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コミック82巻、丁度半分くらいでしょうか?

ゾウ編最終話です!

どうぞ!








12-309話:ダイブ

  ― ズズゥ…ン!! ―

 

「うわァ―!!」

「キャー!!」

 

「わぁあぁああ…あ?」

「えっ!!?少し揺れが収まった?」

 

「さすがに…これだけデカイと…ね…」

「イオリ、あなたまさか…!!?」

 

「象主に何が起きゆうがじゃ…!!!イオリ殿!!」

 

「恐らくジャックだと思うわ!!この巨象の足を攻撃してる!!」

「なにィ~~~!!?」

 

「なぜ、ここからそれが!?」

「この娘は特殊なチカラを持ってるの!!遠くを見る事の出来る…ね?」

 

「パオォオォ~~~!!!」

 

”誰だかわからぬが…助勢かたじけない…”

 

「「???」」

 

”そこにいるなら…!!!”

 

「モモの助様!!」

「ウゥ…また”声”が…」

 

「ルフィ!!どうしたの!?」

「どうしたって…聞こえるだろ!?」

「何が!!?」

 

「!!あガラもか!!」

 

「お前、誰なんだよー!!!」

 

  ― キィィイン !! ―

 

”早くしてくれ…!!!”

 

「今までで一番大きい”声”でござる!!!」

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

「撃てェ―!!!」

 

「…やめろ…」

「ジャック様?」

 

「砲撃をやめろ!!」

「「!!?」」

 

「一撃目は効いたようだ…が、あれを見ろ!!」

 ジャックが指さした先の象の皮膚は他と比べて変色していた。砲撃の跡ではなさそうだ。

 

「あそこだけ…黒い?」

「あれは…”武装硬化”だ!!」

「「!!?」」

 

「まさか、この象が!!?」

 

  ― ゾッ!! ―

 

 その時、一瞬ジャックが感じた気配は…

 

「(…いや、ちがう!!あの女(・・・)は今…ワノ国に居るハズ!!)」

 

「どうしますか?ジャック様」

 

「お前、標的になれ!」

「え~~~っ!!」

 

「コイツを狙え!!武装硬化の無いところに一斉砲撃する!!」

 

 そう言って、ジャックは部下の一人を象の足に向かって投げつけた!

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

  ― キィィイン !! ―

 

”命じてくれ…!!!そこにいるなら…!!!早く!!!”

 

「?」

「……!!」

 

「命じるって何をだよ!!!お前が答えろ!!お前は誰なんだ!!?」

「ちょっと誰と喋ってんの!?ルフィ!!」

 

「もしかしたら…この巨象の声が聞こえてるんじゃないの?」

 ※イオリに象主の声は聞こえていません。

 

「え? 巨象って?? 私達にはなんにも…!!」

 

「もしかして…イオリはこの巨象の思考も読めるんじゃないの?」

「どうだろう?どのみち今はムリね…!武装硬化でそれどころじゃないわ!」

「あなたやっぱり…!!」

 

「でも聞こえるだけだ!!こっちの話聞いてねェし!!どこの誰かもわからねェ!!!」

 

「ゴール・D・ロジャーもおでん様もこの地にて同じ事を言っていたと聞く…!!会話はできないが、大きな”声”が聞こえると…!!」

「!!?」

 

「ジャックでござる!!!イオリ殿の言う通り、ジャックがゾウを…おそっているでござる!!!」

「「え!?」」

 

「強そうな船が5せき!!九時の方角に…!!」

「モモの助様!?」

 

「象主が襲われている!!?」

「ジャックはやはり生きていたのか!!?」

 

「モモ!!お前何でそんなのわかるんだ!?」

「頭に…!!流れ込んで来るのでござる!!…こわい」

 

「この象が見たものが見えてるのかも…!声が聞こえるなら考えられない事じゃないわ!!」

「!!?」

 

「ヤバいわね!武装硬化に気づかれたみたい…!!奴ら標的をズラして撃ってくるつもりよ!!」

「「!!?」」

 

  ― ズズゥ…ン!! ―

 

「おわァ~~~!!また揺れが大きく!!」

 

「しまった!!こんな事なら最初から迎撃に向かうべきだったかも…」

 もっと広範囲に武装硬化を施すか?いや…それだと覇気の消費が激しすぎる!!それよりも見聞色の未来視を展開して武装硬化を施す方がいいかしら?

 相手は5隻!今は1ヶ所に固まってるけど…

 

 どうする?

 

 下手を打てば攻撃範囲が広がって、手に負えなくなるかも?

 

 

”痛い!!このまま攻撃が続けば…!!いずれ私は倒れてしまう!!そうなればお前達も危ない…!!”

 

「 ― ならば船を出せ!!!海でジャックに応戦を!!!」

「は!!!」

 

「声の主は ― このゾウでござる…!!!」

「!!?」

「やっぱり…”象主”か!!!」

 

”私は大昔に…”

 

「ゾウは大昔に罪をおかし ― ただ歩く事しかゆるされていないのだ…命令にしたがい続けてる…」

「……!!」

 

「だから…」

 

”だから…一度だけでいい…許可をくれ…!!!”

 

「パォオオオー…!!」

 

”命じてくれ…『戦え』と!!!”

 

「モモ!!お前が言え!!!」

「え?」

 

「お前の声なら届く気がする!!ゾウがやられたらおれ達みんな海の底だぞ!!!」

 

「…しかし、どんな大声を出せば…」

「いいから叫べ!!ゾウが倒れるぞ!!」

 

「パォオオー…」

 

「負けるなゾウ!!倒れてはならぬ!!!ジャックを追い払ってくれ―!!!

 

”承知した!!”

 

「「!!!」」

 

 ・

 ・

 ・

 

「静まった…!!」

「 ― どうなったんだ…!?」

「わからぬ…もう何も見えぬし、声も聞こえぬ…!!」

 

「ふう…」

 

「イオリ殿!イオリ殿は、何かわからぬか?」

 

「5隻の船は…海上から消えたわ!!」

「?」

 

「ゴメン!もう…無理!休ませて…!!エテが…見てた…みたいだから彼…から話…を聞い…て…」

 イオリとモモの助はその場でコテンと倒れ、気を失った…

 

*--*--*--*--*

 

「…では…象主が自らの鼻で…!!ジャックの艦隊を沈めたというのか!!?」

「!!?」

「ハァ…ハァ…!!そうでごサル!!一撃で!!」

 

「何という事だ…!象主の意志など考えた事もなかった…!!ましてや話が通じるとは…」

「おでん様はモモの助様のこの”力”を知っておられたのか…!?」

 

「おい、どうした!!また深刻な顔して!!」

「突然の出来事にあっけに取られておるのだ!」

 

「 ― まず、ジャックがなぜここへ来れたのかをつき止めにゃあここはもう安全じゃのうなるぜよ…!!」

「そっかー!ま、うまくやれよ!!ししし!このゾウも味方になったらすげェな!」

「気楽な…ゴロニャニャ」

 

「じゃ、おれ達出発するから!!食料いっぱいわけてくれ!!!」

「!」

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

「よし!!これでいいぞ!!」

 

「『現サクラ王国』の医学に加え『トリノ王国』の薬学!!素晴らしい!!しっかり止血されている」

「えへへ…森にいい植物がいっぱいあったからな!!」

「さすがチョッパー先生!!」

「そ…そんなにホメられたって嬉しくねーぞコノヤローが!!えへへへへ…」

 

「だけど包帯を替えるのも一苦労だぞ」

「それは我々が責任を持って!」

 

「おう!!任せてくれ!!!」

 

「しかし艦隊5隻と言っていましたが、これだけのケガで済んだのは幸いです」

「それはきっとイオリのおかげだ…」

 

「”象主”は千年続く我らの大地!!生まれた日からずっとある安心の中で忘れてしまっていたかもしれない…今日、あらためて気づかされました。」

「!」

 

「我々はいつでも ― この偉大な”命”の上に生かされているのだという事を… ― それはいつか終わりが来るもので、意志があるのなら ― 今、こう聞いてみたい…!!」

「!?」

 

「千年もの時間をかけて…一体どこへ向かっているのか…と!!」

「…」

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

「…」

「気が付いた?」

 目を覚ますとロビンが顔を覗き込んできた。

 

「うん…いやァ、参ったわ。さすがにこれだけ巨大な生き物に武装硬化した事なんて今までなかったから、体力使い切っちゃった…!もうちょっとうまくやれれば、象主をケガさせる事もなかったのになァ…」

 

「今チョッパー達が治療してるみたいだけど、傷は浅そうよ?」

「それはよかった…」

 

「ところでイオリ」

「うん?」

 

「あなた()は今、何処にいるの?」

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

「残る? この『ゾウ』にでござるか?」

「うむ」

 

「残ってどうなされる」

「どうすればよいかはわからぬが…!かなうなら今いちど話してみたいのだ!”象主”と!!千年を生きた者と!! ― なぜせっしゃの声は届いたのであろうか?よもや光月家の何かをしっていまいか!?」

 

「成程しかし…我々にはワノ国で待つ者達が…」

「いいぞ錦えもん!私はまだこの『ゾウ』をカイドウの脅威から守らねばと思っていた。どの道、一気にワノ国にはなだれ込めまい。しばしここに残るつもりだ。モモの助様は私が責任を持って後でお連れする!!」

 

「そうかすまぬ!! ― では一旦四手に分かれる事に!!」

 

 ワノ国に向かうのは錦えもんチーム…

  錦えもん、雷ぞう、カン十郎、ゾロ、ウソップ、ロビン、フランキー、ハート海賊団

 

 ゾウに残るのはイヌアラシチーム…

  イヌアラシ率いる昼のミンク族、モモの助

 

 マルコに会いに行くのはネコマムシチーム…

  ネコマムシと何人かの夜のミンク族

 

 ホールケーキアイランドに向かうのはルフィチーム…

  ルフィ、ナミ、チョッパー、ブルック、ぺコムズ、+α

 

 

「問題は伝達手段でござるが、海外では”かたつむり”を使ってその…」

「”電伝虫”か…だがこの国にもそれを使う文化がなくてな…」

 

「野生の子が森にいたわよ?」

「必要ならおれが作ってやろうか?簡単だ」

「「え?」」

 

 この間に、ルフィがぺコムズを連れてきたり、ペドロがルフィ達について行くのをネコマムシに相談したり、天候棒の受け渡しがあったりと、いくつかのイベントがあったが、イオリは気にしちゃいないので割愛…

 

 そして、ルフィ達の出向の時を迎える…

 

 

 

 ―『ゾウ』正門 ―

 

「結局6人か!!」

「ペドロだ!邪魔はしない」

 

「ナミ!!気をつけるのだぞ!!」

「ありがと!ワンダもね!!」

 

「な…なぜペドロの兄貴が…!!ガオ」

「昔からゆガラをよく知る者としてついてゆく!」

「どういう意味だガオ!!」

 

「結局イオリは一緒に来ねェのか?」

「イヌアラシ達に伝授したい技があるのよね!その後は、ネコマムシと一緒にマルコに会いに行くつもり!それに…まぁそれはいっか!」

 

「なんだ?」

「うん、ちょっとね…!とりあえずサニー号は象の下に戻しておいたから!!」

 ちなみに、サニー号には既に2つの気配がありますが…

 

「おう!サンキューな!!」

 

「いいか!あいつの事だ。鼻の下のばして結婚を喜んでる可能性もあるぞ!!」

「バカ言え!…って否定できねェ!!」

 ゾロの言葉にウソップが返す。まぁ結婚自体はどうでもいいんだけどね?

 

「ま!なる様になるよ!!」

 

「ナミ!!絶対にルフィにキッチン任せるような事はしちゃダメよ!!」

「どういう意味だよ!!」

 

「私はあんたにキッチンを任せてひどい目にあった事を決して忘れない!!こいつ料理を失敗した挙句、1カ月分の食材全部使い果たした事があるんだから!!飢えたくなかったら絶対に任せちゃダメよ?」

 

「それは、死活問題ね…わかったわ!!今回は特別に無料で作ってあげる!!」

「いやそれは…」

 特別でもなんでもなくて普通の事だからね?念のため…

 

 とにかく、これで行きにルフィ達が飢える事も、サニー号が燃える心配も無くなった!!

 

 …かな?

 

「ではルフィ殿!!ワノ国にてお待ちしておる!!」

「気をつけろよ―!!ルフィ!!」

 

「対カイドウ用の兵器作っとくぜ!」

「何かあったらすぐ連絡を!!」

「おれがワノ国の侍達をまとめ上げといてやる!!」

 ゾロ?あんたにはたぶん、それムリだから!!

 力量もカリスマ性もあるのにね?

 

 いかんせん、あんたはいつでもどこでも迷子(・・・・・・・・・・)だから…

 

「ではそれがしが下象の手伝いを!」

「いいよカン十郎!!」

 

  ― ぐるん! ―

 

「「ん?」」

 ルフィの腕が伸びてルフィチーム全員を囲った

 

 あ~あ…

 

 ― たん! ―

 

「「「!?」」」

 ルフィが地面を蹴って後ろに飛んだ。後ろはもちろん崖ですが?

 

 形としては、スカイダイビングよね?

 

 パラシュート無いけど…

 

 遊具ではないフリーフォール(自由落下)とも言う。

 

 あのね?

 おめーはゴムだから平気だろうけど、他のメンバーは違うんだよ?

 ちゃんとその辺わかってる?

 

 後が大変だろうなぁ~!!あたしゃ知らんよ?

 

 

「じゃ!!サンジの事は任しとけ!!」

「「!!???」」

 

「いってらっしゃ~~~い!!」

 とりあえず笑顔で見送っといた。ルフィにはどんなお仕置きが待っているやら…

 あ~…でも、怒る気力もないかもね?

 

「「ええええ~~~!!?」」

 私とゾロとロビン以外、見送りの人達も、ものすんごく驚いてる。

 

 まぁ当然か…

 

「「「???」」」

 驚きと恐怖の表情を浮かべて遠ざかっていく面々…

 笑顔で行くのはルフィだけ

 

「ワノ国で会おう!!!」

「おう!!」

 

「くれぐれもビッグ・マムには見つかるな!!相手は海の”皇帝”だ!!!」

「ああ!!行って来るー!!!」

 

「ああああぁぁぁぁ」

 

 

  ― ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ… ―

 

 

 かくして、ルフィの”サンジ奪還チーム”はケンカを売った『四皇』ビッグ・マムの待つ、ホールケーキアイランドを目指す

 

 

 

 

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