イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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ルフィ達とジェルマとの遭遇です。

その他、いろいろございます。

どうぞ!







13-311話:0と4

 ゾウを出向して数日後

 

 ― サウザンドサニー号 ―

 

 食料難ではなかったものの、ルフィは釣りをしていた。

 趣味ですね!!

 

 隣には原作通りチョッパー、ペドロ、ブルックが並ぶ…

 ちなみにエサは、前もってイオリが作っておいたものである。

 

 そこは灼熱の海。

 しかし、ロビンからパンクハザードでのイオリの話を聞いていたナミが、天候棒を駆使して冷気を作り出し、甲板の上は快適温度に保たれていた。

 

「いや~!!こんだけ太陽が照り付けてるのに、ここは快適だなぁ~~~!!!」

「科学の力に感謝してよね!!」

 

「おれ、暑いのダメだから助かる!!」

「我々もだ…!ミンク族は暑さに弱い…」

 

「ほんとですね~…私ミイラになっちゃうとこでした…!ミイラに……ナミさん、それって私的に少し”再生”じゃないですか?」

「しるか!!」

 

「じゃあパンツ見せて頂いてもよろし…「誰が見せるかぁっ!!」」

 

  ― ガンッ!! ―

 

「おぉ…せ…せめて、最後…まで言わせ…て…」

 

 ガクッ…

 

 ブルックが沈んだ。

 

「ナミ…ちょっとコワイ~~~」

「ゆガラ、ひょっとして”武装色”を!?」

 

 

「しっかし釣れねェなァ~~~!!」

 ルフィがつぶやく

 

「ここからじゃ、よくわかんなかったけど、暑すぎて海が煮えたぎってるぞ!!?」

 

「「え~~~っ!?」」

 

「これじゃ魚は寄りつきませんね…」

 

「魚も食いたかったんだけどなぁ…やっぱダメか…」

 うんうんと頷くのはペドロ。彼は肉より魚のほうが好みである。

 

「はっ!ルフィ!!糸が引いてるぞ!!」

「!!」

 

「引け~!ルフィ!!」

「おおおおお~!!」

 

  ― ザッパァン!! ―

 

「!!!」

 ルフィは”例の(原作通りの)魚”を釣り上げた!!

 

「でけェ~~~!!」

「やったぁ~~~!!!」

 

「おぉ!!」

「ガオ!!(ペロリ)」

 

「でかいですね~!!」

 

  ― ズシィン!! ―

 

「うわー、でも変な色の魚!!これ、食えんのか!?」

 

「ルフィ!!ちょっと待っててくれよ!!すぐこの魚調べるてくるから!!」

 チョッパーがそう言って船内へと急ぐ…そして慌てて戻ってきた!

 

「ルフィ~~~!!!皮に気をつけろ!!その魚、皮に”猛毒”があるぞ!!ほらここにサンジのメモが!!?」

 

「皮うんめ~~~~~っ!!」

「!!?」

 

「ルフィ待って、私が焼くから!」

 

「ホラ食ってみろキャロット!」

「え~やだぁ!!ぬるぬるしてるよその皮~!!」

 

「ルフィ~~~~!!!」

 

 飢えているわけでもないのに、むっしゃむっしゃと”猛毒”の皮を貪るルフィがそこに居た。

 既にかなりの量を食べた様で、その体形は大きく膨れている。

 それを見て、絶叫するチョッパーは既に大泣き状態だ。

 

「「「えぇっ~~~~~!!?」」」

 ルフィが突然倒れてしまい、チョッパーから皮に猛毒があると聞いた面々はビックリ仰天!!

 船上はカオスと化していた…

 

 ・

 ・

 ・

 

「おいしー!!すっごくおいしいよ!ナミー!!!」

「サンジ君のメモ通りに焼いたからね!」

 ばくばくと魚を食べるのは、ルフィとチョッパーを覗く面々だ。

 食料不足にはなっていなかったが、ゾウでもらった食材は、ルフィが選んだ肉ばかり!実は魚に飢えていた。

 

 ルフィはというと…

 

「さ…さぶい…」

 

  ― ガクガク… ―

 

「ルフィが…ルフィがしん…しんじばうよーう!薬が全然足りねいよーう!」

 

 ひっくえぐ…

 

 

「チョッパー、あんたも食べなさい!!ほら」

 と言って皿に盛った料理をチョッパーに渡すナミ

 

  ― ぱくぱく ―

 

「うまっ!!早く島を見つけねーと!!ナミ、これんまっ!」

 

 ― ぱくぱく ―

 

「わかってるけど…急に島なんて言われても…でも”即死”の猛毒って書いてあったんでしょ!?それでも生きてるんだからルフィは強い抗体を持ってるんじゃない?」

 

「ルフィ~…!!死にそうなの?」

「大丈夫…あ~…川がきれいだなァ~…」

 

「生命力は人類トップクラスだから!」

「三途の川が見えてるよーッ!!!」

 

 

「日数的には『黒足』達はもう島に着いている筈!おれ達もそろそろナワバリに差しかかってもいい頃だ…!!」

「ナワバリ?」

 

「!? え?今度は雪かしら…!違う!!あの雲は…”甘み雲”…!?」

 

「その通りだ、よく知ってるな!!降ってるのは”わたあめの雪”」

「え~~~!?わたあめ~~~!?」

 

  ― プルルルルル!! ―

 

「おや、誰でしょう電伝虫!」

「『警戒念波』をキャッチしただけだ!!ビッグ・マムの『ナワバリ』に入った!お前ら隠れるか変装をしろ!!」

「わたあめー甘っ!!」

 

「何か見えるぞぺコムズ」

「早ェな、もうか」

 

 しばらくすると甲板でも船影が見えてきた…

 

「おそらく、ウチの『偵察船』だガオ!!おれがうまくうやるからみんな黙ってろ」

「解毒剤持ってねェかな」

 

「!!?え!!?」

 

『 ― こちら”ジェルマ”… 麦わらの一味の船と見受ける』

 

「!!? 違うっ!!『ジェルマ66』の船だ!!!」

 船の上で黒マントをまとった男がサングラスをずらす…

 

「え!!?」

 その顔を見て、ナミとキャロットが驚いていた

 

 

*--*--*--*--*

 

 

「…」

「…!!!」

 

『 ― なぜお前達がここにいる!?”麦わらの一味”!!』

 

「……!!」

「帆をたたんで!ぶつかる!!」

 ナミが叫んで指示を出す。

 

「サンジ様がこの船で送迎の筈はなく…やはり行き違いになった様で」

「その様だな…」

 船の上では男と乗組員が話をしていた。

 

「…」

 

「サンジ―!!」

 船を止めて向かい合った船を見る面々…。キャロットが叫ぶが、ナミは思案顔になっていた。

 

 …顔も気配も似てるけど…なんか違う…?

 

「ヨホホ!!よかった!!こんなに早…く…?」

 ブルックも違和感を覚えていた。

 

「何と幸運…」

「サンジ―!!」

 ペドロとチョッパーも相手がサンジだと思っている。

 

「…」

 

「おいサンジ!!大変なんだルフィが!!魚の毒に当たって死にそうなんだ!!その船に解毒剤はないか!!?」

「さっきから…サンジサンジと…!!」

 

 マント男がフードを取った。髪型が明らかに違う。マントには4の文字が…

 

「え!?!!」

 

「人違いだ…!!似ていて当然だがな!私の名はヨンジ!!」

「やっぱり…」

 チョッパーの後ろでナミがつぶやいた。ブルックはビックリして言葉も出ない

 

「サンジじゃなくてヨンジ!!顔そっくりで、まゆげぐるぐるなのに別人!!?」

 

「お前らのよく知るサンジとの関係性は秘中だが」

「「(絶対に弟だァ。。。。。。!!)」」

 

「…弟がいたんだ…」

「え!?何で弟ってわかったの!?」

 

「ん!?」

 ヨンジがナミに気づく。

 

「ワーオ!!カワイ子さーん!!!」

「お前!やっぱりサンジだろ!!!」

 目がハートになって飛び出すヨンジを見てチッパーが叫ぶ。

 

「兄弟には違いないみたいね…」

 

「ヨンジ様…」

「 ― ああ引き上げよう…ムダ足だった」

 ヨンジは踵を返して船内へと向かう。

 

「待ってくれよサンジ―!!!」

「ヨンジだ!!!」

 

「ゲホ!!オエ…」

 ルフィは全身の震えが増していた…

 

 ガクガクと震え、口からは泡も…

 

「!!?ああ!!ルフィ!!!湿疹が広がってく!!抵抗力がなくなってく!!何て毒だ!ルフィは強い抗体を持ってる筈なのに…!!」

 

「アァ!!!」

 

「本当に危ない…ルフィ!!ルフィしっかりして!!!」

「ゲホ」

 

「何よ魚の猛毒くらいで!!あんた海賊王になる男でしょ!!?」

「ルフィ!!死なないで~~~!!」

 ナミとキャロットが悲痛な声を上げる。ルフィの目からは光が失われていた…もう意識は無いだろう。

 

「おい頼むよ!!解毒剤くらい積んであるだろ!!?ウチのは使い切ったのに…まだ効かなくて!!」

「サンジさんの弟さんなら!!頼みます!!どうかルフィさんを助けて!!!」

 

「悪いな…私に人助けの趣味はない ― それとも薬を略奪してみるか?”海賊”らしくな…!!!」

「!!?」

 

「何あいつ!!サンジ君とは似てても似つかないっ!!同じ女好きなのに!!」

「ぜんぜん優しくないよ~~~う!!」

 

「戦るなら命令を…!!」

 

「ヨンジ!」

「!」

 

「ケチくさい事言ってんじゃないよ!!!」

「ぐおォ!!!」

 

「!!!」

 

  ― ドッボォ…ン!!! ―

 

「ヨンジ様~~~!!!」

 ヨンジが何者かによって蹴り飛ばされて海に落ちる…

 

「今度は誰!?」

「ウゥ…!!!」

 

「ルフィ!!」

 

「あ!!レイジュ様っ!!」

 ジェルマの船から誰かがサニー号へと飛び降りた。

 

「ルフィ!!ルフィ~~~!!」

「!?」

 

「侵入者!!何者だ!!!」

 

「こんにちは!ごめんなさいね。弟は人情の欠片もない人でなしなの!」

 

「弟!?あいつの姉ちゃんか!?また眉毛ぐるぐるだ!!」

「美しい~~~!!」

 

「レイジュ~~~!!!おのれよくも私に恥をかかせたな!!」

「お黙りっ!!恥知らずはどっちよ!!」

 

「え…浮いてませんか!?あの人!!」

 

「『ジェルマ』は科学戦闘部隊だ!それこそがママの欲している力!!」

 

「ぺコムズさん…『ヴィンスモーク家』とは…確か王族の名じゃありませんでしたか?大昔…”北の海”を武力で制圧した一族!!」

「えっ!!?そんなにすごい家系なの!?」

 

「…そうさ!ある時代の”悪”の代名詞…だから絵物語のモデルにもなった」

 

「あらガイコツさん、歴史に詳しいのね」

「長く生きてますので…死にましたけど…」

 

「 ― でも過去の話じゃないわ!今もまだ”王族”よ 『ジェルマ』は国土を持たない国。治める土地はないけど『世界会議』への参加も認められてるわ」

「ああ…それは失礼!! ― ではパンツ見せてもらってよろしいでしょうか?」

 

「やめろっ!!」

  ― ガシッ!! ―

 

「 ― さて、じゃあ…いただいちゃおう(・・・・・・・・)かしら♡」

「!?」

 

「この症状は…熱々海の”ヨロイオコゼ”の皮ね!食べちゃった?」

「え!?何でわかるんだ!?」

 

「この毒は効き方が特殊なのよ。食いしん坊ね…!普通、巨人族でも即死なのよ?」

「えェ!!?どうしよう!!おれは船医失格だァ!!うおおおん!」

 

「だけどこの子は運がいいわ。だって私は…この毒が大好物(・・・)♡」

「「!?」」

 

「いただきます!」

「!!?」

 レイジュがルフィの唇に、自分の唇を押し当て、吸い出した!!

 

「え~~~おいおいおい!!!そんな毒吸ったらお前が死んじゃうぞ~!!!」

「あーっ!!!羨ましいっ!!チュ~~~~~ 私、唇ないんですけど―!!!」

 

「湿疹が移ってく!!?」

 

「え?」

「わー…!!」

 ナミが頬を赤らめる。

 いえ、人工呼吸のようなモノなんですけど?

 

「……」

 

  ― ちゅうぅぅぅぅぅうぅ… きゅぽっ!! ―

 

 ごっくン!!

 

「はぁ…」

 

「え~~~!!?ルフィの湿疹が全部消えた!!お前が吸ったのか!?大丈夫か!?」

「ええ勿論…!私は”ポイズンピンク”…!!」

「!?」

「…?」

 

「ごち!!」

「ワーオ」

 ペロリと舌を出してレイジュが言った。それを見てブルックが目をハートにする

 

 そしてルフィが目を覚ます…

 

「ぶっはァ~!!ゲホゲホ…!?ゼェ…!!ゼェ…!!」

「「ルフィ~~~!!!」」

 

「ル~~~フィ~~~ィ!!!よかった―っ!!」

「?」

「何ともないのか!?お前」

 チョッパーとキャロットがルフィに抱きつく。ルフィは何も覚えていない

 

「あれ!?おれ魚食ってたら…寝ちまったかな!?皮がうめェの何のって!!まだあるか!?」

「ないわよっ!!!」

 ルフィのおバカな発言にナミが怒る!!

 

「ん?サンジ!?」

「女だぞ!!!」

 

「本当だ、誰だ?」

 

「ルフィさん、あなたの命の恩人です!」

「え!!?ありがとう!!! ― 何が?」

「うふふ…」

 

 

「 ― アレが”麦わらのルフィ”か…」

 ジェルマの船で、ヨンジが一人ごちる

 

 

「弟が今までお世話になったわね」

「!!?」

 

「へーっ!!お前、サンジの姉ちゃんか!!」

「ええ…小さい頃に生き別れたサンジを…父はずっと探していたの…。2年前にサンジらしき手配書が出回り、父は海軍本部に彼を追わせたけどそれはデュバルという別人だった」

 

「あーデュバルさんの件…!!サンジさんも怒ってましたね」

「最近になってからよ…”麦わらの一味”の復活騒動でやっと”黒足のサンジ”の姿を写真に収めたと政府から連絡があってね。父はすぐに懸賞額を上乗せして『Dead or Alive』を『Only Alive』に変えさせたの」

 

「 ― それでサンジ君の手配書だけ少し変わってたんだ…!!」

 

「サンジは今どこにいるんだ!?」

「さァ…?ビッグ・マムの所かしら…それとも父の所か 私達も出迎えに来たんだけど行き違ったみたい」

 

「サンジの姉ちゃん!おれの恩人なのはありがとう」

「!」

 

「だけどサンジは返せよ!!?あいつはおれの仲間だ!!!」

「!!」

 

「…」

「ホラみろ…”敵”を助けちまった…。お前、ビッグ・マム海賊団のぺコムズだろう!?」

「!」

 

「なぜ”麦わらの一味”と一緒にいる?」

 

「こっちにゃこっちの都合があるんだ。いちいちお前らに話す事はねェ!!まだおれとお前らの間には何の縁もねェんだからな!!ガオ!!」

 

「確かにそうね!!」

「わっ…」

 レイジュが飛んで自分の船へと戻る…

 

「ひとまずここでは何も見なかった事にするわ!」

「そうだな。私達が騒ぎを起こして兄の結婚が破談になっては事だ ― お互いに慎重に行こう…!!」

「それが利口だガオ!!」

「…」

 

「では…幸運を…」

 サニー号とジェルマの船はそこで別れた…

 

 ・

 ・

 ・

 

「ヨンジ、気づいた? ミンク族の3人はいいとして…」

「ああ…あの黒装束だろう? 何者だ?」

「私も…ウワサでしか知らないけど…」

 

 

 その様子を海底から見ている者も居た…

 

「…ああ、間違いない…”麦わら”が乗ってる。彼女(・・)は居ない様だが…」

『やはり来たか…』

 

「どうする?ジンベエ!!」

 

 

 

 

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