イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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誰も気にしちゃいませんが…
ナミ達の傍にエルの姿は見えません。

いえ別に…
特に意味など無いので気にしないでください。



13-320話:ルーク

 鏡の世界は世界と同じか、それ以上の広さがあるらしい…。

 そして、そこにも精霊達は存在する。

 

『ミラミラの実』は鏡をその出入り口とするが、鏡の精霊は反射するもの全て、この世界と行き来するための出入口に出来る。たとえば静かな水面でも…。

 

 精霊が使うその扉は『ミラミラの実』の能力者には出入り口として見えていないモノもある。

 

 だからだろうか?

 

 彼女がここに居て(・・・・・)も気づく者は誰もいなかった。

 

 

 

「情報がないの!?鏡達~!!」

 

「いないわよ?だいぶ前なら通ったかなァ…」

 鏡の一つが答える

 

「サンジのお部屋にも!?」

「代わりに変な奴が寝てるぜ」

 キャロットが問うとまた別の鏡が答えた。

 

「城内じゃないなら…心当たりがあるわ」

「!?」

 

「外だから鏡はないけど…今朝ルフィとサンジ君が…戦った場所」

 

「え~~~~~~~~~~っ!!?ルフィとサンジがァ~~~!!ケンカしたのかァ!!?」

「サンジもヴィンスモーク家の立場上、余程の理由でここへ来た筈じゃ そう簡単に連れ帰れはせんじゃろう!!」

「……」

 

「うむ、 ― 皆揃うてから話そうと思っとったが、実はこの結婚式について、イオリさんから話を聞いとる」

「「え?」」

 

「ジンベエ、それってもしかして…」

「その様子じゃと、ナミはこの結婚式の事について()聞いとるようじゃな…!しかし事態はもっと複雑!!このまま明日、結婚式が開かれれば、ただの式じゃあ済まん!!」

「え?どういう事!!?」

 

「お前さん達、ぺコムズと一緒にここへ来たな?」

「あ…ぺコムズ無事なのか!?おれ達はぐれちゃって!!」

「 ― まずは無事だと知らせておく ― しかし奴はある陰謀に巻き込まれ、サメ達のエサになる所じゃった!わしらが気づかねば死んでいた…!!」

「!?」

「……」

 

 

 ― 6階バウム『客室』 ―

 

「か…かいぶつなの?…あんたた…ひ…」

 

「情けねェな!酒場の女が酒で潰れるなんて」

「差し出すならあのサンジの仲間の女にして欲しかった」

「あぁ、ナミって女だろ!!あの気の強さ…好みだ!!」

 

「おれは…あのユンアとか言う”メシ炊き女”がいいな…」

「!!?」

 ニジの言葉にヨンジが驚いた。彼もまた彼女を気に入っていたからだ。

 

「お前にはもったいない。貰えるならおれがもらう!!」

 イチジも口を出す。

 

「そうだな…料理長として譲り受けるのがいいだろう?そのナミとかいう女も捕まってるらしいから、結婚式の後でまとめて交渉してみよう!!」

 そしてジャッジも…

 

「さて…酒は程々にしようか。宴なら明日の夜だ!!『四皇』ビッグ・マムというバックを得て、ジェルマが再び”北の海”の支配者となる!明日こそ、その前祝だ!!考えてみればあの”出来損ない”も役に立った」

 

「確かに!”生け贄”サンジで釣れた魚はでかい!!」

「ジェルマの艦隊にビッグ・マムの旗が躍れば敵も戦意を失う!」

「より強く海を制圧できそうだ ― サンジに感謝しよう」

 

「はっはっは!”出来損ない”に!!」

「有益な”役立たず”に!!」

「「乾杯!!」」

 

「……」

 

 

 

 ― 町の外れ ―

 

 サンジの持つバスケットから漏れるニオイに反応してルフィが目を開ける…

 

「あ…ハンジ」

「…」

 

 合わせる顔が無い…

 そう思いながらもここへ来たのはどうしてだろうか?

 

 ユンアに言われたからかも知れないが…

 サンジは視線を逸らし…バツが悪そうに口を開く。

 

「おれは待ってろとも…おめェがここで待つと言ったのにも答えてねェ…」

「ししし…」

 

「ほれ!…食えるもんなら…食え!!」

「!? メヒ…」

 

「途中落としたし…潰れたし…雨にも濡れた…ひどい出来損ないだろ…?」

「え…」

 

「……」

 

  ― ばくばくもぐもぐ… ごっくん!! ―

 

「!!?」

 

「……!!ん~うんめェ~~~~~!!!」

「!!!」

 

「最高だこりゃ!!!うめェ!!!」

「……」

 

「これ、おれ達の…好物が…全部入ってんな!!うんめ~~~!!」

「……」

 

「んめェ~~~!!!」

「……ウソつけ」

 

  ― ガラン…!! ―

 

「は~~~うまかった!!干からびるとこだった!!」

「 ― 食ったら帰れ…!!」

「!?」

 

「何言ってんだ!!一緒に帰ろう!!」

「1つ…!!遥々迎えに来てくれた己の船の船長を!おれは侮辱し…無抵抗のお前を力の限り傷つけた!!だからおれは…今更お前の船には戻れない!!」

「!…!!」

 

「2つ!!大恩あるクソジジイ及びおれが育った故郷…!!海上レストラン『バラティエ』を、もしもの時の人質に取られてる。だからおれは『結婚式』から逃げるわけにはいかない!!」

「…」

 

「3つ…!!血のつながった悪の家族がビッグ・マムにハメられた!!数時間後、全員が殺される!!何の恩もない恨みしかねェクズ共だが…おれはあいつらを見捨てて逃げる事ができねェ…!!」

「…」

 

「以上…3つの理由でおれは!!お前らと…一緒には帰れない!!!」

「……」

 

「理解したら…消えてくれ…」

 

 突然、ルフィがサンジに向かって突進した

 

「!」

 

  ― ボカァン!! ―

 

「!!!!」

 

  ― ガシャアァン!!! ―

 

 ルフィの拳が顔面にヒット!!サンジは飛ばされ瓦礫の山に激突する!!

 

「ゲホ…ハァ…ハァ」

「…!!」

 サンジはルフィを睨みつける。その目をルフィは受け止め、そして叫ぶ!!

 

「本心を言えよ!!!」

「!!?」

 

「ハァ…ハァ…」

 ルフィがサンジを見下ろしている。にらみ合う二人だが、次第にサンジの目には涙がにじむ…

 

「…ルフィ…おれァ…!!」

「…」

 

「おれァ!サニー号に…帰り゛たい゛…!!!!」

「!!」

 

 サンジの目からは大粒の涙がボロボロと溢れ出す

 

「…だが…どうしても逃げ出す勇気が出ねェんだ…!!式が始まったら…もうおれ一人じゃ何も止められねェのに…!!それがわかってるのに!!それなのに…家族だとも思わねェあのクズ共を!おれは…!助けたいと考えてる!!!ウウ…!!」

「…うん!!」

「!?」

 会話と噛み合わない相槌にサンジが顔を上げてルフィを見る…

 

「だって!それがお前だろ!!!」

「!!」

 

「おれ達がいる!!!式をブッ壊そう!!!」

「!!?」

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

「ところで…お前ら捕まったって聞いてたけど?」

「ん?ああ、ジンベエに助けてもらった!!」

 

「ジンベエが!?」

「ああ、おれもびっくりしたよ!!」

 

「でもよかった…!ナミさんも無事なのか…!!」

「 ― しかしどうやってあいつらと合流するかだな。お前が帰って来るって聞いたらみんな喜ぶぞ!ししし!!」

「…おれァ…ナミさんに合わせる顔がねェなァ~~~」

 

「ナミ達がお前の事一番心配してたからな」

「…なのに恐ェ思いをさせちまった…」

 

「お!雨が止む…」

「……」

 

『おーい!!』

「え!?」

 

『ルフィ~そこにいるか~!?』

「チョッパーの声だ!!」

 

『おーい!!』

「あった!!これだ!!鏡のかけらか!!」

 

『ルフィ~~~聞こえるか~~~~~!!?』

「鏡からなんで声が!?」

 

「話すと長ェけど鏡の中にチョッパー達がいるんだ」

「!?…??」

 

「無事なのか!!チョッパー!!」

『あ~~~!!ルフィ!!よかった本当にいた!!」

「…??」

 チョッパーがルフィの声が聞こえたので喜んでいる。サンジはまだ状況が把握出来ていない。

 

『ルフィ!!サンジ君も一緒!?』

「ああ一緒だ!!そっちは?」

 ナミの声が聞こえてルフィの後ろでサンジは安堵の息を漏らす…

 

『こっちも鏡の中から全員救出できたんだよ!!ルフィ!!』

『ブルックは”歴史の本文”の写しも手に入れたんだぞっ!!』

 キャロットが誇らしげに言い、さらにチョッパーがブルックの手柄を伝える。

 

「ホントか!?さすがだな!!お前ら!!」

『そ…そんなにホメられても…嬉しくねーぞコノヤロー』

『えへへへコノヤロー』

『ヨホヘヘ!このイカレポンチ!!』

 

『ルフィ!!サンジがそこにいるのはいいが…話はついたのか!?』

 デレる3人をよそに、ペドロが状況を確認するが…

 

「サンジはまだ戻らねェ!!」

『『え~~~っ!!?』』

 ルフィの返答にジンベエ以外の全員が驚きの声をあげた。

 

「これから『ビッグ・マムの茶会』と『結婚式』をブッ壊して!!サンジの家族を救い出す!!そしたら…!!サンジは帰って来る!!!」

 

『『!!!?ビ…ビッグ…』』

「!」

 

  ― しーん… ―

 

「……」

 

「?」

「ルフィ…相手は『四皇』だ!おれのわがままでみんなを…いやナミさんを危険に晒したくねェ…だから…」

 

『『やったァ~~~~~!!!』』

「!!?」

 

「わ!!」

 鏡から、チョッパーを筆頭に大声で喜びの声が響いた。

 

「…!!」

 

『何だよお前ー!!ルフィと大ゲンカしたって聞いたから!!心配したぞバカー!!』

『よかった~本当にばか~~~!!』

『ウスラバカー』

 

『そうすればサンジ君は帰ってくるのね!!』

 

「あ…ナミさん!?あの…」

『ああ…サンジ君!あんたが私を恐怖のどん底に突き落とした件は…』

「…!!」

 

『絶対に許さない』

「オウ!!」

 ナミの言葉のナイフがサンジを貫いた。

 

『― だけど一旦忘れましょ!お茶会まで時間がない!!あんたには必ず帰って来てもらうからねサンジ君!』

「えェ~!?それプロポーズ!?ナミさん!!…なんか安心したよおれ」

 

『― ではルフィ!やるべき事はわかった』

「うん!そういやおれ、サンジの姉ちゃんに命を救われてんだ!」

 

『ああ、ぜひ助け出そう!しかし簡単ではない…!!ビッグ・マムを討ち取るわけじゃないにせよ、ママは毎度茶会を心底楽しみにしとる ― それを壊すとなれば「四皇」の逆鱗に触れるという事になる…!!更にはお前さん達…ここで色んな大臣達と見えたと思うが、それは「ビッグ・マム海賊団」のほんの一部に過ぎん。茶会にはその上の猛者共が出席する!そして各国より招かれる闇の世界の帝王達…!!』

「…!!」

 

『対する我々はわずか10人しかおらん』

 後ろではブリュレ達が自分達を数に入れるなと文句を言っているがジンベエは2人を加えたつもりはなかった。

 

 

『ルフィ…こっちの皆にはもう話したが…!!ちょっと別の話じゃと思うて聞いてくれ』

「?」

 

『カポネ・”ギャング”ベッジを知っとるな?』

「うん、サンジを連れてった奴だ!!」

 

『ああ、お前さんやイオリさんと名を並べる”最悪の世代”のその一人!奴の故郷”西の海”では強大な5人のマフィアが裏社会を牛耳っておるんじゃ』

「?」

 

『西の五大ファミリー…その5人のボスの一人だったのが…あの”ギャング”ベッジ!!ギャングという呼び名は奴の若い頃、鉄砲玉として名を上げた頃の名残り…。イカレた若造で生物の頭を切り…、もがく体を見て喜ぶ様な男じゃったと聞く…!!』

 

「!? 何だそのひでェ話…!!」

 

『それを組織に置き換えても同じ事が起きる!!若いギャング時代も常に裏社会のボスの首を狙い、ファミリーを率いても抗争相手のボスの首だけを取った!』

『 ― じゃが、その「地位」にも「ナワバリ」にも興味を示さず…金品だけを奪い、その後内部で起きる血まみれの覇権争いや裏で繋がる権力者達の狼狽を見て楽しんだ!実に悪趣味な男じゃ…』

『しかし、世の中やればやり返されるもの…!!奴は常に”復讐者”達にその首を狙われる様になる!! ― が、ベッジにとってはそれも楽しみ!「鉄壁の城」を構え、返り討ちにし…敵の無念をまた嘲笑った。』

『丘に飽きて海へ出てもやる事は同じじゃ!名のある海賊団の船長の首だけを取り名を上げた!!」

 

「…!!何で今そんな話をおれ達にするんだ!?ジンベエ?」

 

『海でも…復讐者達に追われ続ける奴に「四皇」の傘下とは恰好の隠れ家…!!ベッジはビッグ・マムの傘下に入った。』

『そして研ぎ澄まされた警戒心と防衛力の高さを買われ、今回の茶会ではとうとう戦闘員の「城(ルーク)」の称号を得て茶会の護衛の全権を任された!護衛が自分達ならば”邪魔する者”はおらんという事じゃ…!!』

 

「…え!?」

 

『今回の茶会のメインイベントは「結婚式」…!!知っての通りその式にてビッグ・マムはヴィンスモーク家を皆殺しにし…「ジェルマ」の全てを手に入れる腹づもり!!』

『しかし、それに浮かれた会場でベッジはビッグ・マムの首を取る気なんじゃ!!!』

「「え~~~っ!!?」」

 

 まぁ、どっちが先かと言えば、ベッジの方が先だと思うけどね?

 そもそもベッジがビッグ・マムの傘下に入った事だって、それが目的だろうしね…

 ジェルマ乗っ取りはジャッジのミスとしか言いようがない。

 傘下に入るわけでもないのに何で血縁結ばにゃならん?

 少なくともそれが、罠かも知れないと疑わないのが甘いんだよ!!

 だから何年経っても、悲願が果たせないんじゃね~の?

 

「どうなってんだ…!!陰謀まみれじゃねェか!!!」

「…!!」

 

『ルフィ、お前さん達をここへ案内したぺコムズは、実はベッジ達に連れ去られ…作戦への協力話を持ちかけられちょった」

「ぺコムズ…!!そうだったのか!!」

 

『義理堅いぺコムズは当然それを断り…!!口封じに岸壁で撃たれ、サメの群がる海へ落とされた』

「え~~~!!!」

 

『が…それを…わしの仲間が見つけ…間一髪助かった。今は療養中じゃ…』

 

「よかった無事なのか!!散々だなあいつ!!ベッジの奴許さねェ!!!」

 

『…ルフィ、ここからが相談じゃが…!ベッジの作戦を知ったイオリさんがな…』

「えっ?イオリちゃん?」

「なんでイオリが出て来んだ?」

 

『それはまた後で話す!!イオリさんはこの全貌を知ったらきっとお前さんが「サンジとその家族を救出する」と言い出す事を確信しておった!ぺコムズには悪いが今、この状況でベッジを敵に回すのは得策ではない!』

「ん??」

 

『茶会の開宴は朝10時 ― 今から約5時間後じゃ…ベッジ達はこの日の為に周到な準備をしておる!』

「ん~~~??」

 

『ルフィ!!サンジ!!ベッジと手を組まんか!?』

「「え~~~!!?」」

 

「 ― でも確かにそうだ!!」

「おい、正気かルフィ!!!」

 

『乗ってない?ルフィ』

『ホラ見ろわしの言う通り!』

『ルフィ!!おれ達4対2で反対なんだ!!』

 

「えっ?だって、イオリは全部その陰謀を知ってんだろ?」

「!!?」

『『!!?』』

 

「だったら何も心配ねェじゃんか!!陰謀を巡らしてイオリに勝てる奴なんて居ねェ!!」

 

 …

 

『実はもうお膳立てはしてある!!会ってみるか!?』

「よし!すぐ会おう!!」

 

『『え~~~!!?』』

 

『安心せい!嫌なら断っても構わん!!目的はわずかに違うのでな』

 

 

 

 ~ ホールケーキアイランド北西『ファイアタンク海賊団』アジト

 

「ボビンを消したのか?」

「 ― ええ”黒足”を追いかけてたので…だってジェルマはおれのヒーロー!!ニュロロ!!」

「ホントにあいつらここへ来るんで?頭目!!」

 

「ジンベエは冗談を言う様な男じゃねェ!!お互いビッグ・マムと敵対する以上、余計な敵を増やすべきじゃねェってのは正論だ…!!それに…」

 ヘッジは数日前の事を思い出す…

 

 ・

 ・

 ・

 

 サンジと共に戻ったヘッジの下に、珍客が現れていた。

 普通なら、招かねば入れぬはずのベッジの部屋に…

 

「…どうやってここへ潜り込んだのかはわからねェが…!!さすが、あのインペルダウンに潜入したというだけの事はある!!だが…”麦わら”がココに来てるなんて情報は入ってねェが?」

「私は今、別行動中だからね!」

 

「で…、大参謀さんが何のご用事だ? 黒足ならもう手元にいねェから返せねェぞ?」

「ちょっと小耳に挟んでね!結婚式であなたがやろうとしてる事について!」

 

「!!? その情報…どこで仕入れた?」

「あなたの部下の、幹部以上の頭の中を覗けば簡単よ!私のウワサは知ってるんでしょ?今、あなたの考えてる事だってわかるわよ?」

 

「その上…どこでも侵入出来るのか?おめェを敵に回すのは得策じゃねェな!!もっとも…」

「止めといたら?いくらあなたの自在空間とは言え、私がココで暴れたらただじゃ済まないわよ?それによく考えてみて!あなたが招いていないのに私はココに居る!!」

 

「!!?…なるほど…出て行くのも簡単だって事か?しかしどうやって……。まぁいい…!さっさと要件を言え!!」

 

「あなたの作戦自体には口を出すつもりはないわ!!だけど、脱出方法がちょっと弱い気がするのよね」

 

「ブリュレを利用すれば確実だ!!それが最善でもある!!」

「それは認めるけど、それだけっていうのがね!少なくとも次策は用意した方がいいと思うわ!!それを私が用意してあげるっていう提案よ!実は、ホールケーキ城が壊れるような事態を引き起こそうと思ってる。既に仕込みは済んでるしね!!」

 

「!!?…どえれェ事を平気な顔して言いやがる!!次策の方が実現困難に思えるのも珍しいなァ?おめェが出来ねェ事を言うとも思ってねぇが…。まぁ次策は任せといてやる。使うことはねェだろうがな!!しかし…どうしてそんな提案を?」

 

「ウチの船長が『万国』に向かってる。サンジを連れ戻す為にね!!」

「!!?」

 

「なんであなたにそれを教えるのかって顔ね?」

「…それを話して問題がねェとでも?」

 

「当たり前でしょ?少なくとも、ここではあなたは敵じゃない!それにあなたの嫁さんとは浅からぬ縁もあるの!!」

「シフォンと!!?」

 

「彼女の双子の姉妹とだけどね? あ~っと、それから私がここに来た事は内緒ね?」

「? 別にどうでもいいだろ?」

 

「あなたたちの作戦が成功した時、私の手柄になってもいいなら別にいいけど?」

「!!? なるほど確かに…そりゃ嬉しくねェなァ!!」

 

「じゃ、そういう事で!!」

 

「…消えやがった!! 下手すりゃ(いや下手をしなくても)ママより厄介な女だぜ…」

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

「それに?」

「いや、なんでもねェ… ― 後は”麦わら”の出方次第…!!イケ好かねェ時ァ、ここで消すまで!!!」

 

 

 

 

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