イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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原作86巻です。

ユンアとプリンが叫びます!

どうぞ!







13-322話:フザけんな!

 ― ホールケーキアイランド『東の入り江』 ―

 

「…」

「じゃあな!ぺコムズ!!本当に一緒に行かないのか?」

 

「ああ、気にするな!!おれは麦わら達のところへ行く!ガオ!」

 

 

 ぺコムズは今回のお茶会、結婚式に隠された2つの陰謀を知った。

 故郷の恩人である”麦わらの一味”と、所属する”ビッグ・マム海賊団”!!二つの狭間でその話を聞かされたのだ。

 

 

「協力しろとは言わないわ。だから…出来れば何もしないでほしい!!」

「…しかし!ママに暗殺の件は伝える必要が…」

 

「何言ってんの?そんな簡単に暗殺が成るなら彼女は”四皇”なんて呼ばれてないでしょう?」

「ガオ!確かに、そうだ!!が…しかし…」

 

「それに、暗殺の話が伝わってしまえば、その後の展開が予測不能になる!!場合によっては私も戦闘に参加せざるを得なくなる!!仲間の為に…私はビッグ・マムを殺さなきゃいけないかもしれない!!」

「!!?そんな事が可能だと思うのか!ガオ!!”くれない”!お前もベッジと同じ!!ママをナメるな!!!」

 

「そうかしら?」

「!!?」

 一瞬…ぺコムズはイオリが巨人族よりも巨大化したように見えた。もちろんイオリが巨大化したのではない。ぺコムズが小さくされたのだ!!

 が…

 

 それを見た魚人たちが揃って顔を青くする。

 

 彼らはイオリの強さを知っている。月に一度程度だが、彼らもまたイオリにシゴかれているからだ!!

 ”白ひげ連合”の隊長達が束になっても敵わないとの話も聞いている。

 その上で、相手を一瞬にして小さく出来るとは…!!?

 

 普段のシゴキでも地獄だというのに、さらにその上のステージがあるとは思わなかった!小さくされた上に『海神様』に襲われでもしたらひとたまりもないだろう!!

 

「仲間をムダに(・・・)危険に晒す事は出来ないからね!!でも…できれば彼女とは戦いたくないの…」

「!!?」

 

「かわいそうなコだから…」

 

 最後の言葉はぺコムズにも他の者にも聞き取れないほど小さな声だった。

 

 ペコムズは、全ての陰謀に関わらないと決めた。とはいえ恩は返したい。だからこの場に残りルフィ達と合流する事にしたのだった。

 

 

 一方、魚人海賊団。

 原作では、アラディン達は『魚人島』に戻ると言っていたが、この世界で魚人島を守るのは『白ひげ連合』である。

 ビッグ・マムが怒ったところで魚人島が危機にさらされる事はない。

 

 ジンベエにはビッグ・マムのナワバリからは離脱するとだけ言っておいたが、アラディン達は麦わらの一味を援護をするつもりでいる。

 

 もっとも…

 

 さらにそれを援護するつもりの者も居るのだが…

 

 

「出航の準備を急げ!!」

「うおお!!」

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

 ホールケーキ城には続々と招待客が集まってきていた…

 

 会場の門付近では、原作通り臓器売買業者のジグラが現れ、カタクリによって始末された。

 

 

「おれの判断だとママに報告しろ!お前はこう言う…『わかった…ならいい』」

「わかった…ならいい」

 

 カタクリは門の中へと消えた…

 

 ベッジは思った…

 

 相手の思考を読める”くれない”も厄介だが…!この会場にいて、最も厄介なのは”カタクリ”、こいつだ!!

 

 まぁいい…!

 ヤツの反応を見れば、うまくいくのかそうでないのかがわかるだろうからな!!

 

 

*--*--*--*--*

 

 

 あれから半年弱か…

 

「短かったな…」

 カタクリは独り言ちた。

 

 必死で鍛えたが、未だ彼女の気配を捕らえる事は難しいらしい…

 彼女は絶対にココに来ているハズ(・・・・・・)だ!!

 

 カタクリは確信している。”麦わら”が敵地に来ている以上、彼女もまた、ココに来ていると…!!

 そもそも一味に手を出したのはこちらなのだ!!彼女が黙っている訳がない!!

 

 まさか…こんなに早く”麦わら”と戦う事になるとはな…

 

 プリンの話では、彼女は麦わら達と一緒には来ていなかったらしい。もっとも…

 彼女がココに来るのは容易い事を、カタクリは知っている。

 5ヶ月程前…彼女が自分の前に姿を見せたのは、きっとワザとに違いない。

 

 感じる”麦わら”の気配は、ママに遠く及ばない…

 恐らくドフラミンゴよりも下回るだろう。しかし…

 

 麦わらはそのドフラミンゴを倒しているのだ…ならば、今感じるこの気配は…

 

「相殺か…」

 

 奴の見聞色もバカに出来んな…!黒足もかなり鍛えられているようだ。

 

 クラッカーが敗れた際、カタクリは大きな気配を感じていた。その気配は今は感じない…

 そして…それがイオリで無い事もわかっている。つまり…

 

「麦わらの一味には”将星クラッカー”を上回る船員が他にも(・・・)居る!!」

 

 黒足ですら、スムージーに近い力を感じる…

 ココには居ないが、”海賊狩り”も居る…!!

 

 ”くれない”はママと同格…いやそれ以上!!

 もし…”麦わら”がおれと同等かそれ以上ならば…

 

「麦わらの一味の戦闘力は…”四皇”ビッグ・マム海賊団をも上回る!!!」

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

 門が開き、招待客が次々と会場へ入っていく。そして…

 原作通り、門の中にはもう一人の”将星”スムージーが居た。他の兄弟たちも、もれなく揃っている。

 

「そろそろ時間だ…」

「お!ビッグ・マムだ!!」

 

「みんな遥々よく来てくれたねェ~~~!!!右を見ても左を見ても目に映る物はみんなお菓子さ!!好きなだけ食って飲んで楽しんでおくれよォ~~~~~!!!今日ここで起きる全てをねェ~~~!!!」

 

 ビッグ・マムが入場して皆を迎えた。マザーの写真も飾られ、招待客からプレゼントの宝箱が山のように積み上げられた。その宝箱の山で一番目立つところに飾られているのが『玉手箱』だった。

 目ざとくモルガンズが指摘して、それが何であるかが示されると歓声があがった。挙式の後にお披露目されるという事に、多くの者が興奮した目で”玉手箱”を眺めていた。

 

 

 門の外ではベッジの部下達が集まり、シーザーも外に出ている状態。しかし…原作とは異なり、擬人化したドアはなぜか寝ていた。

 

 ルフィ達はベッジの城で寝ているが、問題ないとジンベエが断じた。ジンベエはイオリからパックダイアルを一つと、ルフィの復活の呪文を預かっている。寝坊することは無いので作戦開始で慌てる事もない。

 

 さらに…!

 イオリの入れ知恵で、プリンがミスる事も想定して、誓いのキスの際に、祝いの空砲を撃つ事をベッジがビッグ・マムに提案して了承されていた。これにより合図がブレる事も無くなった。

 

 ベッジは全員を城に入れると会場へと足を踏み入れた。

 

 そしてファンファーレが鳴る!!

 

「おォ!?」

 

『さて、ご来場の皆々様!!本日のメインイベント!!C家35女!!シャーロット・プリン様と!!VS家3男!!ヴィンスモーク・サンジ様の!!ロイヤルウエディングを執り行います!!』

 

「おお!!」

「美しい…!!」

 

『若き二人が!!悪の両家の夢路をつなぐ!!!』

 

「フフ…」

 笑うジャッジを一瞬だけ、ギロリと睨むビッグ・マム

 

『マリアージュ・デ・レゾン!!!二人が結ばれる事で!!!また一つ!!世界に悪の華が狂い咲くのだ!!!喝采をォ!!!めまいがするほど美しき今日に!!!喝采を~~~!!!』

 司会の声と歓声が響く中、サンジとプリンが入場する!!

 

 ― わあああああああああああ… ―

 

 デレて満面の笑みを浮かべるサンジを見て、ベッジは驚く!!

 

「!!(あの野郎!!…なんて演技力だ…!!!)」

 

 陰謀だらけのお茶会・結婚式が、今…始まる!!!

 

 

 

 ~ ベッジの城の中… ~

 

「ルフィ!!どデカイ肉があるぞ!!」

「!!? 肉ぅ~~~!!!」

 ガバッと飛び起きて肉に食らいつくルフィ…

 

 結婚式が始まる少し前にルフィ以外は全員起きていた。ルフィも普通に起こそうと思ったジンベエだったが、サンジが入場した事で諦め、イオリの言う通りに起こしにかかる…

 

「ジンベエ…これって?」

「ルフィを起こす方法は聞いとったからな!!手の届かん所に大きな肉を置いて、声をかければええと!!」

 

「あ~…手の届くところや小さな肉だと寝たまま食べちゃいますからねェ~!!ヨホホ…」

「「…」」

 

「式が始まった!!新郎新婦が入場しておる!!あと10分ほどで合図の銃が撃たれるぞ!!」

「よし!!急げお前ら!!」

「「おおっ!!」」

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

「……!!」

 突然…カタクリの脳裏にプリンが崩れ落ちる光景が浮かぶ…

 

「!? どうした…プリン!なぜお前が倒れるんだ…!?(まさか?)」

 

「…ではベールを上げて誓いのキスを」

「…」

 

 辺りを見回しながら祭壇へと歩き出すカタクリ…

 

「どうかした?兄さん」

「いや…彼女がプリンを襲うようなマネをするワケはないか…だが…だとしたらなんだ?」

「?」

 

「(見たな未来を!!カタクリ)」

 ベッジもそれに気づいた

 

「ベールを上げるよ…」

「…ええ(…フフ よく見ろサンジ…この忌まわしき…第3の目を!!!)」

「!!!…!!」

 

 後ろ手で銃を取り出すプリン…しかし…

 

「なんて…美しい瞳だ…」

 第3の目を見つめ、目の前の男がそう言ってのけた!!

 

「!!?」

 

 ~ ツー… ポロッポロッ… ~

 

「え?」

 

 涙が…溢れた…

 

「あ…ご、ごめん!近くで見たら…つい…!!見惚れて…」

「……!!?」

 プリンの脳裏には子供のころからのイヤな記憶が蘇る…

 

 この目を見て忌み嫌わない者は一人として居なかった…!

 

 つい数か月前までは誰も…!!

 

 彼女だけだと思っていた…!なのに…!!

 

 男性から、しかも美しいなどと言われるなんて、想像すら出来るはずもない!!

 

 ~ キレイな瞳!! プリンって三ツ目族の血を引いてたの? ~

 

「えっ…えぇ!!あなたは、その…この目を見てなんとも思わないの?」

「何が?だって別に…?プリンはプリンじゃない!って、ちょっと何泣いてるの?私、なにか気に障る様な事言っちゃった?」

 友達になった、ユンアに第3目を見られたときの会話…

 

 あれ以来、彼女は私にとって特別な存在になった!!

 

 ウソでしょ?こんな事って!!

 この目を美しいなんて言った奴なんて!今まで一人も…!!

 

「プリンちゃん?」

 

「フザけんな…!」

「!!」

 

「フザけんな!!!殺すんだ…!!私は…お前を!!!」

 

 

 

 ~ 私は…三つ目の醜い化け物なんだ!!! ~

 

「フザけんな!!自分の事をそんな風に言うもんじゃないわ!!」

「!!?」

 

 ユンアの他に…

 

 私の目を見てこんな言葉をかける人がいるなんて!!

 

 

 

「よし!祝砲を上げろ!!」

 ベッジが部下に指示を出す。リンリンは神父に、お前が撃てと指示を出し、カタクリもサンジを狙ってジェリービーンズを弾く!!

 

 殺気を察知したサンジはカタクリの放ったジェリービーンズをあっさり避けた。

 ジェリービーンズは神父を貫き、祝砲と神父の銃声が同時に鳴り響く!!

 

「神父が発砲!!」

「 ― いや!!神父が撃たれた!!」

 

「なぜ!?」

 

「何が起きてる!?」

「…!!」

 ヴィンスモーク家が慌てだす

 

「…!!」

「どうしたカタクリ!!プリンに何が!?」

 カタクリが戦闘態勢を取るのを見てビッグ・マム(リンリン)が問う

 

「それ所じゃねェ!不測の事態だママ…!!おれにも手が出せねェ!!」

「!?」

 

 止めようがねェ!!!

 

 未来が見えた!!信じられない事が起ころうとしている!!

 

 

 ― ズズズズズズズ…!! ―

 

 突然地鳴りのような音がケーキ―から聞こえ、ケーキが膨張し始める…

 

「「!!?」」

 

「何だ!?ウエディングケーキに異変が!!」

「え…」

 

  ― ドッカァーン!! ―

 

「ビッグ・マム~~~~~!!!ウオォオオォォ!!」

「「!!??」」

 ケーキが破裂して、中から大勢の(・・・)ルフィが飛び出した!!

 

「「え~~~~~~~~~!!?」」

 

 

 

 




こちらから手を出さない限り…

と言っていたのはカタクリです。
イオリは何も言っちゃいません。

要するに、彼らの勝手な思い込み…
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