イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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またも、他漫画の技(?)が炸裂します!!

使うのイオリじゃないですが…

原作87巻前半あたりの話です。

どうぞ!








13-325話:待ち伏せ

 ビッグ・マム海賊団の主要メンバーが話し合っている中、既に軍隊が麦わら一味とベッジの下へ向かい、別動隊が『ジェルマ』に攻め込んでいる事が明らかになった時、スムージーが”皆逃げろ”と走って来た。

 

 その後ろからは…

 

  ― ボカァン!!! ―

 

ウェ~~~ディ~ングケ~~~~~キ!!!!!!

「!!?」

 

 街を破壊しながら突進してくるリンリンの姿があった

 

「出た―!!女王様の食いわずらい―!!!」

「こんなに短い周期でまた癇癪を…!!?」

 

「ウェディングケーキを壊されて!食い損ねた事を思い出したんだ!!」

「!!」

 

「手に持ってんのは…!!オペラの兄貴!!まさか寿命抜かれたのか!!?」

「…!!無謀にも立ちはだかったのだ!!もう誰も近づくな!!」

 

「わかってる筈だ!!ママの食いわずらいを止めるには、その食べ物を差し出す他ない!!!」

「一時的にであればユンアさんの料理でも可能かも知れないが…」

 

「総料理長はどこだ!?あのケーキを再現できる唯一の男!!」

「…それが…!シュトロイゼン様は…皆の命を救ったものの…本人は派手に着地を失敗したようで!!数日、回復は望めません…!!」

 

「何だと!?じゃあどうやってママを止める!?」

「この首都で暴れさせるのはマズイ…」

「……!!」

 

「ママ!!ウェディングケーキはあるぞ!!」

「!?」

「!!?」

「ぺロス兄!!ダメだ!何を言ってる!?」

 

「ケーキには予備があったんだママ!!」

「!?」

「厳選した素材で作られた!ほっぺたがとろける程の!!最っ高のウェディングケーキ!!」

「……」

 

「ママにぜひ食べさせたいのに!!何と”麦わらの一味”がそれを盗んで行ったのさ!!ペロリン!あいつらは今まさに南西の海岸へ向かい逃げ出そうとしている!!」

「!!?」

 

…!!ウェディングケーキ…!!!

「そうさ!!あいつらが持ってる!!!」

 

「…」

 

 ぐるりっとビッグ・マムが振り返る!!

本当だな?ウソをついたら…!!お前の寿命で償えよ!!

「!!!?」

 

「ゼウ~~~ス!!」

「ハイママ!!」

 

  ― ドスン!! ―

 

 ビッグ・マムがゼウスに飛び乗る!!

 

「ウェディングケ~~~~~キ!!!」

 

  ― ゴォ!! ―

 

 さながら筋斗雲に乗った孫悟空の如く、ビッグ・マムが飛び立った!!

 

「……!!マズイ事に…」

 ぺロスが膝をつく…

 

「うまく誘導できたと思ったら…」

 

「麦わら達をママが仕留めてもケーキなんてありはしない!!ここへ戻ってきたら私は終わりだ…!!」

「しかし時間は稼げた!その間にケーキを作らねば!この島も終わりだ」

 

「いや不可能だ。よく考えろスムージー!総料理長シュトロイゼンをもってして、何日かけて作ったケーキだと思う!?他国から奪い集めた”幻の食材”は、もうない!!それを作れる当人は意識不明!! 当然、ケーキは作れない!!」

「…」

 

「更に厄介なのは…!ママはあのケーキを一口も食ってないんだ…ペロリン!!」

「「!!?」」

 

「 ― じゃあ今回の『お題』は!?」

「『ママの想像の中で膨らんだ!食べた事もないおいしいケーキ』だ!!」

「!!?」

 

「そんなもの一体どこの誰が作れる!!?」

 

「マズイな…少なくとも…この島は滅ぶ!!その先は”未知数”だ…!!」

「…!!」

 島民たちが固唾を飲んで恐れおののく…

 

「私が助けてあげようか!?」

「!?」

 

「プリン!!!」

「今回のウェディングケーキは『チョコレートシフォンケーキ』よ!」

 

「あァ!プリン様!!」

「チョコの味なら私は総料理長にも負けないわ!! ― そしてシフォン姉さんはシフォンケーキのエキスパート!!私達なら!あのケーキを超えるケーキが作れるわ!!」

 

「本当かプリン!!」

「しかしシフォンは今や敵であるベッジの妻だ!!」

 

「もちろん、言う事聞かすわよ…!」

「出た!悪プリン!」

 

「え!?なんかプリン様…ガラ悪い!!?」

 

「実は今回のケーキの材料はナワバリの入口にあるカカオ島『ショコラタウン』に一旦集められてるの!!『幻の食材』なら本当に予備はある!!ぺロス兄さん!ママが麦わら達を消したら『ショコラタウン』へ誘導して!私が治めてみせる!!」

 

「本当か!助かるぞプリン!!」

 

「サンジに侮辱されたの私…!!あいつらを消してくれるなら…!ママにご褒美くらいあげなくちゃ!!」

「!?」

 

「私も協力させて頂きます!!」

「「!!?」」

 

「ユンア!!どうしてここに!!?」

 

「「ユンアさん!!」」

 

「おぉ!!『お題』以外でママを一時的にでも止められるあなたが一緒なら…!なお安心だ!!」

「…」

 

「さぁ、行きましょうプリン様!!」

「え、えぇ!!…よろしくねユンア!!」

 

*--*--*--*--*

 

 原作とは異なり、完全復活したキングバームは順調に走っていた。

 ビッグ・マムの攻撃を食らったものの、傷は浅い。

 ナミの作戦によって2撃目は避けられた。

 

 さらにナミがゼウスを誘うくだりを経て、場面は進む…

 

 しかし、あの…”威国”という技は、教わったのか?それともマネただけなのか…

 

 

「”誘惑の森”ィ~~~!!!そいつらを止めなぁ~~~!!!」

 ビッグ・マムが誘惑の森に指示を出す!!

 

「やば!ママが怒った!!」

 

「うわァ!!厄介な森に戻った~~!!」

「…!?蹴散らしてまっすぐ進めばいいんじゃねェのか!?」

 魅惑の森を知らないサンジが疑問を口にする。

 

「無理なの!そうやって暴れてる内に…右も左もわかんなくなっちゃう森なの!!」

「!??」

「ああ、この森は人間を弄ぶ…!!」

「女王の号令にはワシも敵わんジュ!!だが…!ここで死ぬわけにはいかんのジュ~~~!!!」」

 

「とりあえず、進路は確保します!!」

「!?」

 

「エル?どうするつもり!!?」

 

「森を!切ります!!」

「「!!?」」

 

 我が主(イオリ様)の名において命ずる! ―

 風よ…行くを阻みし者共を切り裂け!!

 

- 牙・裂・斬(がれつざん)! -

 

  ― ザンッ!!! ―

 

 エルの詠唱によって生じた風の刃が”魅惑の森”を切り裂いた

 

「すげェ!!」

 

「おい、キングバーム」

「!」

 

「ママを…裏切ったな…」

「!!?」

「…プ!!プロメテウス様!!!」

 原作通りプロメテウスが迫って来た。しかし…

 

「ジンベエさん!!これ(・・)を使ってください!!!」

 エルがウンディーネによって確保したプールをジンベエに示した

 

「おぉ!!これだけ水があれば!! ”槍波”!!!『群雨』!!! 」

 

  ― ボボボン!! ―

 

「ギャ―!!!」

 

 原作より少し早いタイミングでジンベエがプロメテウスを撃退する!!

 

「うおっ!!太陽みてェなヤツに効いた!!」

「当然じゃ!!奴は凝縮された炎の化身!!『大火事』が喋っとると思え!!」

 

「おのれ~~~!!!」

 

 キングバームが無事な為、ルフィ達はビッグ・マムと大きく距離を置く事が出来た。

 当然追撃隊も簡単には追いつけない

 

「森が騒がしいな」

 デッキの壁に寄りかかりながらカタクリが言う…

 

「ええ、でしょうね…ママが直接追ってますので…奴らがここに辿り着く可能性は”0”かと」

「ああ ― だろうな(普通に考えるならば…)」

 

「 ― はあ…では何の為に待ち伏せなど?」

「……念の為だ…」

 

 ちなみに…

 

 鏡世界の”本物”のサニー号と繋がる鏡たちは回収済み。サニー号に置いてある家具は

 鏡も含め全て安物と交換済である。宝はナミのへそくりも含め、ゾウを出る前に回収済み。盗まれる危険のあるモノは全て船内には無い。ここで交換した物はナワバリを抜けたら元に戻すつもりだ。

 

「しかし…この船には生活感が無いな!…まるで…(しかし、何の為に?)」

「は?」

 

「いや…」

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

「すぐに準備をお願い!!もうすぐプリン様がシフォン様を連れて、こちらにいらっしゃいます!!一刻を争う為、些細な邪魔も入らないようにこの建物を隔離します!皆さんどうかご協力を!!」

 一足先にショコラタウンに到着したユンアは、ケーキ作りの為の準備を進めていた。

 

「ユンアさん!!我々にも何か手伝える事は!!?」

 

「ケーキが間に合わない時の為の食事を用意して置きました!!念の為、港に食卓を設えておいてください!!」

「わかりました!!」

 

「この島の…いえ、この国の存亡にかかわります!!よろしくお願いします!!」

「「はい!!」」

 

 島全体が慌ただしく動き出す…

 ユンアは一人、ケーキを作る建物の中にと入った。料理人たちが到着するまであと少し…

 

「さて、ここはしばらく料理だけだから…!!半分でいいわね!!」

「そうね!」

 その傍らには、もう一人の姿があった

 

 

  ― 南西の海岸『誘惑の森』 ―

 

「…!!」

 

「『食いわずらい』!? 何だそれ!!」

「癇癪じゃ!!食いたい物を口にするまで辺り構わず暴れ続ける…!!!」

「!?」

 

「ウェ…!!ディング…ケ~~~キ!!!」

 

「意識はほぼない」

 

「今回のお題はどうやらウェディングケーキ!!結婚式のケーキを食い損ねたのが原因か…!!」

「ルフィ!!あんたがケーキ壊すから!!」

「作戦は成功したろ!!」

 いやいや…やりすぎだから!!作戦はほぼ失敗だろうに!!

 

「しかし、あんなうめェケーキそうはねェぞ!!」

「作戦中食ってたのかよ!!」

「私も食べた!!おいしかった~~~!!」

 

「とにかく!!急げ!!船まではそんなに距離はねェ筈!!」

 

 そして場面は進み…ゼウスがナミの”天候の卵”を食べて上空に舞い上がる!!

 

「ゼウス!!プリーズ!!テンポ!!!」

 

  ― ズドォン!! ―

 

 追って来た者達に強力な雷撃をお見舞いした!!

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

「……!!」

 

「…これは」

「ママがゼウスを使ってトドメを刺したようだな…ママがここへ来るぞ!!」

 

「…」

 

「だ…大丈夫…ですよね…」

「…ルフィ達…!!」

 

「仲間達は死んだ様だな!ペロリン!!」

「…」

 

「それで、お前らはどうする?命がけで、もし船を取り返せても、もう誰も帰って来ない!!その潜水艇で逃げるなら、お前達3人くらい見逃しても構わない!!」

 

「!」

「…!!3人?」

 

「お二人も見聞色を鍛えると良いかも知れませんね?」

「「!!?」」

 

「あれ?お前!ルフィ達と一緒じゃ?」

「一足先に駆けつけました。ビッグ・マムが来る前に出航準備をしておこうと思いまして!!」

 

「…驚きました!!心強い援軍ですね!!ヨホホ…!!」

 

「さて!!さっさと敵をサニー号から追い出しましょう!!」

「「おうっ!!」」

 

「舐めた口を…」

 

「ぺロス兄!気を付けろ!!あの女の力は”将星・クラッカー”をも凌駕する!!」

「「!!?」」

 

「あらヤダ!やっかいなのが居たわね…」

 

「さて…行きますよ!!」

「出てけお前ら!!おれ達のサニー号だ!!!」

 

 

「まったく…」

 ニセモノだろうと鏡は鏡!すべて処分してくれれば楽だったのに…

 

 シルフを使って船内を探ってみると、敵が通り抜けられる大きさの鏡は女部屋以外には無いようだった。

 もっとも…エルは鏡を1つ持たされてはいるのだが…

 

 ・

 ・

 ・

 

「ハァ…ハァ…」

 これも訓練の一環って事か…

 

 エルはカタクリを見やる…

 

「随分…戎兵に強いな…ガイコツ」

 

「 ― ゼェ…我こそは…ゼェ…ゼェ…”ソウルキング”ですから…!!!」

「ハァハァ…鏡から敵がいくらでも出てくる!!」

「……」

 

「ナミ達の部屋の鏡だ…割ったら怒られるかな?」

「割れるものなら割って後で謝りましょう…!!」

「まさか、カタクリが居るとは思いませんでした…彼が居なければ…」

 

「誰に謝るって?ペロリン!!さっきの落雷を見たろ?誰も帰っちゃ来ない!それに…カタクリが居なければだと?さっきから防戦一方の状態でよく言うじゃないか?ペロリン!!」

「……」

 

「つまらぬ問答です ― もう答え飽きましたよ!!とにかく降りてください!!サニー号は我々の船ですよ!!!」

 

「チョッパー!!ブルックと私で今いる戎兵を全て倒すわ!!その隙に鏡を割ってちょうだい!!ブルックは船上にいる戎兵をお願い!!私は…それ以外を倒します!!!」

「「!!?」」

 

「何をバカな事を!!」

 

「わかった!!」

「了解です!!」

 チョッパーは船内へと向かった。ブルックは船上の戎兵を掃討しにかかる!!

 

 ”大気に宿りし精霊達よ風と為りて我に力を与えよ!黒き影、魔邪の影を従えし破局の者共を浄化封印せよ”

 

 エルが何かの呪文を詠唱すると、辺りの空気がキラキラと輝き出して風が巻き起こった。

 そして…

 

「「!!?」」

 

 その風が扉を抜けて船内へと流れ込み、船内に居るホーミーズと鏡から出て来るホーミーズ達を包み込む…!!

 

「「!!?」」

 

- 霊・覇・封・塵(れいはふうじん)!! -

 

「「ギャァ~~~!!」」

 ホーミーズ達から煙のようなものが抜けたかと思うと戎兵達は倒れ動かなくなった

 

「「!!?」」

 

「さすがに…”霊覇の風”はキツイ…」

 精神力の消耗が激しい…軽く意識が飛びそうだ!!気功波一発くらいはいけそうだが…

 

 船上の戎兵はブルックが倒し、チョッパーが鏡を割る事に成功する!!残る敵は二人となった!!

 

「貴様…!!一体何をした!!?」

「まさか…精霊使いか!!?」

 

「とりあえず…ぺロスペローには退場願いましょうか!!」

「!!」

 

  ― ドン! ―

 

 ぺロスに攻撃を仕掛けようとしたエルをカタクリの攻撃が襲う!! が…

 

  ― バシャァ!! ―

 

「!!?」

 

 モチはエルの手前に突然現れた温水に弾かれた!!

 

「…おれの攻撃を防ぐとはな!…さっきのは風…今のは水か?」

 

「ルフィ以外には手を出さないかと思ったんですけどね?」

 

「そのつもりだったがな!!さすがに兄弟への攻撃を黙ってみているわけにもいくまい?」

「…なるほど…」

 

 ここに居たのがもう一人の将星であれば全力で戦えたろうに…

 しかし相手はカタクリだ。

 

「…誤算…ですね」

「残念だったな!!」

 エルの呟きをカタクリは勘違いしていた。

 

 負けるとは思わないが、戦闘力がクラッカーを凌駕するうえに精霊をも使う相手と闘えば、無傷というわけにはいかないだろう。この女を鍛えたのは間違いなく彼女だ!!簡単に倒せるはずがない!!

 

 これも…計算の内なのだろうか?状況は全てわかっているハズ!!

 

 カタクリはエルを倒そうとはしなかった。しかしぺロスへの攻撃を許してはくれず、結果としてエルはカタクリと牽制し合う事になる…

 

 

 

 




エルの唱えた呪文たち…
講談社コミック 『風使い』 鷹氏隆之作

興味のある方は是非!!

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