イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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クラスター・ジャドウさん、誤字報告ありがとうございます。


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ついに!!

彼女達の持つ(・・・・・・)、原作知識の最終章(・・・)!!

ワノ国編に突入です。

どうぞ!!









14-ワノ国編
14-336話:5番目の皇帝


「サンジ!これ、ユンアさんから!」

「「えっ!?」」

 エルが預かり物をサンジに渡す。原作ではルフィのポケットに入っていたモノだ。

 

「「おー!!それって、あれじゃん!!?」」

 ルフィとチョッパーが筒状の『3』と書かれたモノを見て喜びの声をあげる!!

 

「…」

 無言でサンジはそれを海に投げ捨てようと構えた!

 

「こらこら…」

 エルが呆れ顔でサンジを見て言った。

 

「「捨てるな―!!!」」

 ルフィとチョッパーが悲痛な声をあげる。

 

「捨てたらおれは!海の底まで探しに行くぞ!!」

「……」

 だからという訳ではないが、サンジは思いとどまった。

 

「捨てるくらいならおれにくれェ~~~!!」

 

「なんだってこんなモンをユンアちゃんが?おれはこんなもんで…科学の力を借りてまで、強くなりてェとは思わねェ!!」

 

「早まるなサンジ!!」

「科学は立派な”人の力”だ!!」

 

「それでレイドスーツに変身したら!!」

「「ビームが出るかもしんねェじゃん!!」」

 ルフィをチョッパーが涙を流しながらサンジに訴える!

 

「フランキー一人で充分だろ!そんなトリッキーな船員は…」

 

「なーに?科学をバカにした?」

「!」

 ナミが話に加わった。

 

「”魔法の天候棒”は『空の科学』と『ウソップの技術』の融合よ!えいっ!」

 

  ― ボン! ―

 

「ふはー!最高だ!この棒の中!!」

 

「ゼウス!!?お前本当に着いて来たのか!!忠義より食い物を取るとは!!」

「本当にのう!サンジの言う通りじゃ」

 

「だがこれは覚えとけ!下僕なら、おれの方が先だからな!!!」

 

 

「…ルフィ、サンジはいつもこんなんなんか?」

 サンジの発言にジンベエが目を点にしながらルフィに問いかける。

 

「ん?いつも通りだぞ!!」

「こんなんて…」

 

「強い下僕(しもべ)、手に入れちゃった!!」

 

 

「 ― だけど、おいらの住み家はナミが肌身離さない棒の中だぞ」

「あァ!!?」

 

「サンジさん!相手は水蒸気ですよ」

 

 

「…」

 

「どうしたんじゃエル?」

「いえ…」

 ジンベエにに聞かれたが答えられるはずもない。エルは深いため息を吐いた。

 

 ナミは気づいているのだろうか?

 その雲はビッグ・マムの魂によって命を得た雲。言わばマムの分身だ!

 恐らくリンリンはゼウスが何処に居るのかを知る事が出来るだろう。

 

 つまり…!

 

 それは一味がビッグ・マム海賊団に追われる事を意味する!!

 

 姿を見ては居ないけれど、イオリが万国に来ていた事をエルは知っている。ナミがゼウスを手に入れた事も、当然イオリは承知しているはず

 

 イオリ様はわかっているハズだ!!それなのに何も言わなかったのは…!

 

 きっとまた…!何か画策しているに決まってる!!

 

 それが何なのかはわからない。けれど、ものすごく疲れる事のような気がする…

 

 

「サンジ!伝言もあるわよ!!」

「!!?」

 

「『貰っておきなさい。ただし!その力に奢らず鍛える事は忘れないように!!』ですって!」

「…」

 

「ナミさんにはコレを見せてあげてと…」

「?」

 

「何よそれ、ユンアの写真?…えっ!?」

「似てますよね?彼女はそれを知って、成りきってたみたいですよ?」

 エルが見せたのは、サンジの母(ソラ)の写真だった。ユンアがそれを知っていた事も同時に告げた。

 先のサンジへの伝言は保護者の気持ちで言われたものらしいとも…

 

 ナミは少しサンジに嫉妬を感じていた。

 ベルメールさんは元気だろうか?

 

 そういえば、2年も離れた事などこれまでなかった事に、今更ながら

気づいてしまった。

 

「…ふ~ん」

 

「「??」」

 

「レイドスーツは装着者の身体能力を引き上げるらしいわ!しかもそれ(・・)を使えるのはあなただけ!いざという時のパワーアップアイテムとしては最高じゃない?私のも作ってほしいくらいだわ!」

 

「いざって時のねェ…。まぁ、彼女が貰っとけってんなら貰っとくか!」

 

「…みかんでも食~べよっと!!」

「…」

 みかんを取りに行くナミの後ろ姿を見ながらエルは考える。

 

 ナミはもしかして、サンジをうらやましいと思ったのかも…?

 ホームシックにでもなったかしら?

 

 

「ねェみんな!新聞が来たよ!!」

 キャロットがニュースクーを見つけ、新聞を一部買った。

 

「わっ!!ルフィのドアップ!!」

 

「ビッグ・マムの事は!?あの後の事載ってねェか!?」

 

「んー…麦わらの一味とファイアタンクが『ビッグ・マム暗殺未遂』だって!ほら!ルフィが主犯だよ!」

 キャロットが見張り台から飛び降りてきた。その拍子にひらりと数枚の手配書が落ちる…

 

「あ、手配書!」

「ん?うおっ!!おれの懸賞金!!3億9千万ベリー!!?マジかよ!! ん!?マリモの奴いくらだった!?」

 

「確か、3億8千万べりーですね」

「YE~~~S!!!見たかクソマリモ~!!!」

 

「またそんな数字で…」

 

「そんな額で何を喜んでいるんだ!低すぎだろう?」

「たしかにそうじゃな!」

 

「「えっ!!?」」

 

「ビッグ・マム海賊団、将星クラッカー:8億6000万、将星スムージー:9億3200万…!サンジは強さだけならスムージーに匹敵する!と、私は思う!!」

「何っ!!ほんとかエルちゃん!!」

 

「そうだ!4億程度で喜んでいるようでは困る!!」

「…」

 

「そう言えば…エルはクラッカーを圧倒してたものね!」

 

 ジンベエがエルの手配書を見つけた。

 

「なるほどのう…」

 

 『堕天使』 エル  懸賞金5億ベリー

 

「「えぇっ!!?」」

 

「初頭手配にしては破格じゃが…これでもまだ低いぐらいじゃろうて」

 

「な…何にしても!おれがマリモより上って事だ!!よっしゃー!…あ?…」

「あれ?どうしました?」

 

「名前が…!!!ヴィンスモーク・サンジに…!!?」

 

「当然でしょ?表向き、今回あなたは特に何かしたわけじゃないんだから!!」

 

「…ジェルマの悪名で上がっただけだったんだ…!!」

 サンジが暗黒を背負う中、さらに濃い暗黒を背負う者が居た…

 

「んえェ!!?あっちからもっと悲しいオーラ!!どうしましたルフィさん!!」

 

「おれ…懸賞金下がってた…」

「!?」

 

「ほら…1億9000万…」

 

「ホントだ!!そんな事あるんですかー!?」

「そりゃね…」

 下がる事だってあるでしょうけど…

 

「この前8億2000万だったじゃねェか~!!」

「何か悪い事でもしたんですかー!!?」

「そしたら上がるよ」

 

「いいじゃない安い方が狙われなくて」

「ナミさん!ルフィは船長だ!!これじゃウチの”箔”ってもんが」

 

「ちきしょ~~~何でだ~~~!!」

 

「だから…!よく見なさいよ!!」

「「!!?」」

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

 世間は『世界会議』である…

 

  ~ 魚人島 リュウグウ王国 ~

 

「やりおったんじゃもん!!」

「ジンベエがとうとうルフィ君の一味に!!」

 

「二人揃ってビッグ・マムにケンカを売ったとは」

「もう同じ船で逃げ出したのでしょうか」

「きっとそうだ!ビッグ・マムはご立腹とある」

 

「それでは、私は(ワノ国に)戻ります!」

 

「イチユリ殿!しらほしの説得、感謝します!!」

 

「説得というより注意事項の連絡ですよ!いい事しらほし!!防御に徹するんですよ?」

「はい、お姉さま!!」

 

「ほっほっほ!!では我々もゆこう!!イチユリ殿、途中まで一緒に参ろうぞ!!」

 

 

 

 しかし、まだ始まらぬ会議よりも何十年も揺らぐ事のなかった『四皇』ビッグ・マムに牙をむいた若き海賊、”麦わらのルフィ”のニュースに世間は色めき立っていた。

 

 新聞にはこうあった

 

 ある関係者の話では”麦わらのルフィ”はすでに強力な7つの海賊団を傘下につけており、5千人を超える子分を持つ大船長だったという事実。

 エースに続き、革命軍No.2サボと義兄弟だったという話題性!!

 『悪の軍団ジェルマ66』『タイヨウの海賊団』『ファイアタンク海賊団』をその場で従えた、常ならぬ人望と統率力!!

 計算尽くした作戦で女王の城を破壊した頭脳!!

 8億と10億を超える幹部を倒す強さ!

 

 この一件はもはや、”麦わらのルフィ”の勝利である!!

 

 5番目の『海の皇帝』現る!!!

 

 

 

 

「…カタクリを倒したっちゅうなら大したもんじゃが…」

 この評価の半分以上はあの(むすめ)の仕業じゃろうな…

 

 サカズキは新聞を読みながら知らず口元をほころばせていた。

 

 英雄ガープがロジャーに対して持っとったんは、こんな感情だったんじゃろうか?

 もっとも…わしがあの娘と対等に渡り合えるようになるには、まだまだ鍛えにゃならんじゃろうが…

 

 ルフィとイオリ!!この二人に関しては彼らから仕掛けて来ない限り手を出すつもりは無い!

 仮に敵対してきた場合でも、自分と上級大将は出張る事はしない!!

 サカズキはそう心に決めていた。

 

 無論、彼らが自分達から仕掛けて来る事などない事も確信している。

 そればかりか彼女の関わる海賊団に対しても同じ対応を取っている。そしてそれは大いなる航路の、特に楽園側ではいい方向に物事を進められる原動力にもなっている。

 楽園側での海域の哨戒や護衛は今や、ピースメインの海賊たち無しでな成り立たない。

 

 海軍本部を移動した後、戦力の大半を新世界側に配備した。ピースメインの海賊団(特に海都)との協力関係が無ければ楽園側は大いに荒れたに違い無い。考えてみればピースメインの海賊は賞金稼ぎとほとんど変わらないのだ。

 違いといえば勝手に何処へでも行ける!その一点に尽きる。

 

 今回、『世界会議』にあたっては、海都の海賊たちには手薄になる王国周辺の警護を依頼している。

 おかしな話だ。海賊に狙われる危険のある場所を海賊に守らせているのだから…

 

 おつるとあの(めすめ)が居らねばこんな状況は決して実現せんかったじゃろうて…

 

 どちらかと言えば、王族の護衛をしている海軍の方が頼りなかった。特に新世界側は…

 

「報告します!!サカズキ元帥!!『世界会議』へ向かうルルシア王国の船が海賊に襲われました!!王は無事ですがコマネ王女が誘拐されてしまい…!!」

 

 まったく!!考えていた傍からこれじゃ!!

 

「何の為の護衛じゃァ!!!」

 サカズキは怒鳴り声をあげた!!

 

 

 

 

  ~ サニー号の上 ~

 

「ん?…ちょっと待って…!!ルフィさんこれ…!あなた一ケタ読み間違えてますよ!?」

「だから最初から言ってるでしょ!!」

「ん?」

 

「ほら…10万…100万…1000万……」

「……」

 ルフィは駄々っ子のように暴れ疲れて仰向けになりながらブルックの言葉を聞いていた。

 

「あなたの懸賞金額……!!!19億ベリーですよ!!!!」

 

 ぎょ~~~~~っ!!!

 

「ええええ~~~~~!!!」

 

 ぎょえぇえぇぇぇえぇぇぇぇぇえぇぇ……

 

 

 一味のメンバーが驚く中、エルは今回更新されるハズの無い(・・・・・)一枚の手配書を眺めていた。

 

 イオリ様は万国に居なかった(・・・・・)のに…

 

 『紅大参謀』 イオリ  懸賞金19億ベリー

 

 

 ホールケーキ城を破壊する計画及び仕掛けを行ったのが彼女だからだろうか?

 その場におらず、智謀だけで四皇海賊団に大打撃を与えた事を思えば妥当な事かも知れないが…

 

 恐らくそうではないのだろう。

 

 エルはチラリとルフィを見やる…

 

 恐らく…イオリ様の本当の(・・・)懸賞額はさらに上で、船長のルフィを超えないように操作されていて…

 

「…」

 エルは無意識に手配書を畳んでポケットに仕舞った。

 

 …危険視されているのはむしろ…!

 

 イオリ様なのではないだろうか?

 

 

 

  ― 世界は『世界会議』 一行はワノ国を目指す ―

 

 

 

 




 五老星の考える、イオリの懸賞額はロジャー越え!?

 ルフィの懸賞金が上がるのを、今か今かと待ちわびる?

 危険視ではなく、推し?
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