錦えもんが語り部としておでんの話を聞かせます!
どうぞ!!
ホールデムたちがイチユリに叱られ戦闘不能になっていた頃、ルフィ達はホームデル以外の原作イベントをこなし、博羅町を後にした。
イチユリは先に城へと戻り、分身の一人と対面していた。
「なんだお前か!修行はもう終わったのかい?」
「ちょっと!なんだはないでしょう?イオリじゃなくて悪かったわね!!修行はまだ続けるつもりよ!この先は当面1/16でいいと思うから、
「そうか…で、次はどこに?」
「西に行くつもり!それより置いていく半分だけど…女人島に行かせたいのよね!」
「例のあれか?」
「ええ…一応ユナもなにか手を打つつもりらしいけど…」
「海軍が敵対したらどうするつもりだ?まさか、海都に全員引き上げるわけにもいかないだろう?」
「なるほど!その手もあるか!」
「バカな事言わない!!海都の居住区が半分以上埋まっちまうよ!!」
「ちがうわよ!紅雨の参下についてもらうって事!!」
「!!?」
「一時的でも構わないでしょ?この2年、彼女達は民間人に対する海賊行為は行ってないんだから!!」
「つまり…女人島に居ながら紅雨の傘下に入った事にして、ピースメインと認識させるって事か…。なるほど!あそこは『大いなる航路』で言えば楽園にあたる場所!区分けがそうなれば海軍も敵対はしないか…」
「ユナとビゼンが行けば交渉もうまく行くと思うしね!」
「でしょうね」
「それからイオリだけど…知ってるでしょ?マリージョアの件!」
「…サボは大丈夫なの?」
「それだけじゃないのよ!!場合によってはイオリはワノ国に来れないかもしれない!!」
「…ユナとカザマでは足りないと?…ココには、”
「…すっかり”ワノ国”の住人ね?」
「気に入らない?」
「別に…あなたは”参謀”は捨てたんだっけ?構わないけど視点が狭くならないようにね!」
「…言われるまでも無い!!けど…忠告、肝に銘じておくわ!」
「最悪、
~ ~ ~ ~ ~
しばらくするとルフィ達がイチユリ城に到着した。
カザマから知らせを聞いた錦えもんとモモの助が迎えに出た。そこで菊は錦えもん達が戻っていた事を知る事になる。さらにサンジ達も合流した。
ちなみにそこにはゾロは居ない!
原作と異なるのはお玉がそこに居る事くらいか…
しかし…
狛犬にルフィ達と一緒に乗っていたのに迷子になるって、どゆこと?
どうやったら迷子になるのか是非とも教えてもらいたい!!
まぁ、本人が一番わかっていないのだから説明なんて出来ないだろうけども…
どんどん迷子が酷くなってません?(←この表現もなんかおかしいぞ!!?)
実は、イオリはゾロから事あるごとに六式を教えてくれと言われているらしいのだが、必死に理由をつけては断っているそうな…
何故かって?だってゾロが月歩や剃を使えるようになったらどうよ?
迷子が加速するぞ!!(←いやだから…この表現おかしいってば!!)
そうなったら、イオリでも探せなくなるんじゃね?
「再会の感動に興じているところ悪いけど、外は目立つ!ひとまず中に入ってちょうだい!!」
「イチユリすわん!!?」
「これが入口なのか?なんか忍者屋敷見てェだ!!」
「だろ~!!」
チョッパーが我が事のように自慢する!
「ねェちょっと!」
ナミがイチユリを呼び止めた。
「はい、なんでしょう?」
「…あんたネコちゃんとマルコとかいう人を探しに行ったんじゃなかったの?そう言いながらマリージョアに行ったのかと思ってたんだけど…?」
ナミは近づいてイチユリの耳元で話しかけた
「…はは~ん…もしかしてナミ!
「? 何をよ!!」
「悪いけど、イオリに聞いて!私、もう怒られるのイヤだから!!」
「え?」
「さあ、中に入って!!」
「…どういう事?…イオリに聞いてって…??」
・
・
・
城の地下には3フロアがあり1フロアは訓練場になっていた。地下施設はもともとあったモノを改修したに過ぎない。入口も脱出口だったのだろう。墓の近くのお堂と城の地下が繋がっていた
ちなみに…お玉は別室に居た。そこで映像電伝虫で、エースの映像を鑑賞中である。
「ここが我らの『本拠地』となる…!!よく来てくれ申した!! ― まず、モモの助様の件に続き、おぬしらに黙っていた事を一つ話しておかねばならん!」
「お前ら秘密が多いな!さっさと全部喋れよ水くせー!!」
「いやごもっとも…あいすまん!しかしこれは言うても信じ難き話…!!」
「!?」
「だが…!これもイオリ殿は知っておられた事なれば…おぬしらにも理解してもらえると信じる!!おぬしらも知る『カン十郎』と『雷ぞう』、そしてここにおる我ら3名のしめて5名っ!!何を隠そう『過去』の人間なのだ…!!」
「は??」
5名とは、モモの助、錦えもん、カン十郎、雷ぞう、菊の事。
「実は我々!!20年前の『ワノ国』より時を超えてやってきたのでござる!!!」
「「は!!??」」
「現在イチユリ殿の城が建っているこの場所にはかつて、『おでん城』と呼ばれる大きな城があった。それは異名で…本当は『久里城』という!久里の人々はおでん様が心底好きでそう呼んでいたのだ!」
「モモの父ちゃんか!」
「そうでござる!!」
「我らが主君おでん様は、実に破天荒なお方で…、当時ワノ国の将軍であった『光月スキヤキ』様の子息でありながら、自由人で暴力事件を繰り返し…ついには『花の都』を追放されてしまったのだ。」
「え!」
「一方、当時ワノ国で『無法地帯』と呼ばれる場所があった…!各郷から追放された罪人・浪人達が徒党を組み、奪い合い、斬り合い、毎日のように血が流れるような…!!将軍家もさじを投げる程の凶悪な土地!それがこの『久里』だった!!」
「!?」
「……」
「若き日のおでん様は、事もあろうにその『久里』に踏み込み、悪党達の中でも最も危険な男、『アシュラ童子』と大ゲンカを始め、ついに討ち取り…!やがて全てのならず者達をまとめ上げた…!!」
「…」
「働く事を覚えさせ、町を築き、城を建て!!皆の為に『桃源農園』を作り…!!自由で笑いの絶えぬ、活気ある”郷”を作り上げ!とうとう将軍スキヤキ様より『久里大名』の地位を与えられた!!それがおでん様、若干20歳の偉業!!」
麦わらの一味の面々は、錦えもんの話に引き込まれていた。
しかしねェ…
ルフィとこれまで冒険して来た者にとって、はたしておでんは破天荒と映るのだろうか?
至極普通の考えを持った人にしか聞こえないと思うのですが?
「河を作り舟場を作り、郷をつなぎ人をつないだ!おでん様の口癖はこうだ!『窮屈でござる!!』」
それにしても…錦えもんは語り部としても有能かもしれない。この才能がもし、未来へ飛ばされず、ワノ国にあったなら…
あるいは勢力図は大きく変化していたかもしれない。
「白ひげを魅了し…ロジャーが惚れ込んだワノ国の”侍”…!!」
トノヤスが隠れていられたのだから、恐らくそれは十分あり得ただろう。
もっとも…
”トキトキの実”の能力は、未来の事が見える訳ではないのだろうから、今更言ったところで仕方の無い事か…
「……」
「…!!!」
「何その話…!!ひどい!」
「…で、おでんはどうなったんだよ」
「皆に愛されたおでん様は…!!そのまま『花の都』にて…罪人として亡くなり申した」
「「!!!!」」
「何だとォ―!!! 冗談じゃねェ!!! 汚ねェぞオロチ―!!!」
何をいまさら…
おでんが処刑された事は、ゾウでも聞いたでしょうに!!
ルフィが興奮して銃を放つのをイチユリが受けた!!建物を壊さない為だ。
誰も気にしちゃいませんが…
事実を情報として聞くだけであれば、ここまで激昂する事もない。
ワノ国の住人以外は、あまり感情的にならないでほしんだけど?
「…」
「その壮絶なるおでん様の死は、20年前の昔話だが…!!我らにとっては、ほんの数ヶ月前の出来事!!『光月おでん』という勇ましき武士の最後!!まだ鮮明にまぶたに浮かび申す…!!!」
「何という豪傑…」
みんな涙を流しながら聞いてるけども…
”20年前の昔話”!!そここそがが”キモ”だろうに!!
確かに仲間は集まるかも知れない。しかし…時の流れを感じている者とそうでない者の違いは大きい!!
20年前と言えば、まだルフィは生まれていないのだから…
― !!? ―
いや…、錦えもん達がこの時代に来たのは…まさか!!?
「そんな状況からお前らよく助かったな」
「ああ、もはや我らに味方はおらず、そこからは無我夢中で逃走の一路でござる!”処刑場”を後にし、一心に『おでん城』を目指した!途中イガミ合う、ネコマムシとイヌアラシがオロチの手の者に捕まり、二人の命は諦めた…!!」
「!?」
「もはや誰が死のうとも、誰かが『おでん城』に辿りつかねばならぬ!光月家転覆を目論むオロチが次に狙うは城にいたモモの助様の命!!」
「…!!」
「 ― しかし、すでにカイドウの手が回り、城は燃えていた!!」
モモの助様!!日和様!!トキ様~~~!!
「城内にはモモの助様と、妹君日和様、そして母君『光月トキ様』…!!信じ難き事だったが…トキ様は、遥か遠い過去に生まれたお方だというお噂があった!」
人は決して過去には戻れないけれど…未来になら行けるのよ…!!
「…」
「私は、この不思議な”トキトキ”の能力で未来へ未来へと旅をして遂に辿り着いたの…旅の終着点に!」
「…!!おでん様でございますね!」
「ええ…だから私はここに残るわ」
「止められましょうか…!!もし、真に未来へ飛んだならば!我ら必ずやおでん様の想いを遂げ!オロチを!!カイドウを討ち果たし!!きっとこの国を『開国』してみせまする!!!」
にこっ
「錦えもん!モモの助を…頼みました!!」
― キラリ ―
どさっ!
「え…これは……!?」
「夢か!?ここはどこだ!?」
「何だあの城は??火は??トキ様!?」
錦えもん達が過去から飛んできた時、既にイチユリ城は存在した。
『久里城』よりもかなり小さな城だった為、彼らは最初、自分達が何処にいるのか分からなかった…
「日和様ァ~~~!?」
「母上はどこでござるか!?錦えもん!!!」
「古き墓…!!」
「なんと!我らの名まで!!?」
「真であった…トキ様の能力は…!!」
辺りを散策した錦えもん達は墓を見つけた。原作と異なりキレイに整備されており、おでんとトキの墓の前には献花も見える。
「ここは…20年後の…!ワノ国でござる!!!」
「そこで何をしている?」
「「!!?」」
「見ない顔だね…この地区の者ではないな?」
「錦様!!」
「うむ…」
「…きん!?」
― ザザッ ―
錦えもん達が女を取り囲んだ
「おとなしくしてもらおう。大事ない!我らの事を忘れてくれれば何もせぬ!!」
女は取り囲んだ4人を見回したあと、少し離れたところに居る子供に視線を向けた。
「…なるほどな…久里城が焼失した日から、
「「!!?」」
女の言葉に驚いた全員が剣を抜く。緊迫した状況の中、女の口元には笑みが浮かんだ。
「ここは久里城跡、そこに見えるのは私の城だ!!この周辺も私が治める
「「!!?」」
「おぬし…カイドウの、いやオロチの手の者か!?」
「そのどちらでもない!!」
「!?」
「おぬし、”錦えもん”だな?」
「…」
「そなたらの事はしのぶから聞いている。俄かには信じがたい話だったが…本当だったようだ!!」
「しのぶに!?それはまことか?」
「まずは剣を納めなさい!しのぶはいるか!」
「はっ!!」
― ザッ ―
現れた白装束の忍者は、スラリとしたナミに勝るとも劣らぬプロポーションの持ち主だった。
原作ではしのぶちゃんはちょっぴり太目の愛されキャラだったが、ここでのしのぶは昔の姿に戻ってる。
※イチユリに惚れて、カザマをライバル視したからですが…
「しのぶ?しのぶではないか!」
「カン様!キン様!!そして…モモの助様!!よくぞ御無事で!!」
「私が治めるこの地には、カイドウやオロチの支配は及ばぬ!!必要であれば寝所も用意しよう!!」
「「!!?」」
全員が顔を見合わせた。あまりの展開の速さについて行けないのだろう。しのぶは錦えもんの妹分とは言っても、オロチ配下に寝返った忍びの一門!!あの日、味方をしたからと言って、信頼できるか疑問である。
「心配するな!この周辺に住む者達は元々久里の住人達だ!!おぬし等がこの地に住まうのに何の問題もない!」
「…」
「まずは傷の手当てをせねばな!その様子では城内は難しかろう? しのぶ、『離れ』に案内なさい!」
「はい、イチユリ様!!」
錦えもん達はとりあえず城の外にある、離れへと向かった。そこで傷の手当を受けながら、しのぶからワノ国の現状について話を聞いた。しのぶが忍びの一門から追われていた事やイチユリの事も…
※イチユリ配下になったという事で、しのぶが追われる事は無くなっていた。
信用しない訳ではないが、自分達の目で確認したいと思った一行は原作同様、ワノ国を歩き回った。
「立ち並ぶ工場 ― 空に吹き上がる無数の黒煙…滅ぼされた『大名』と『郷』!!蔑まれる『光月』の名…!都以外は口もつけられぬ水、支配された食料…!イチユリ殿が治めるようになる前は、久里も同様だったと聞く!!もはやここは我らの知るワノ国ではない。共に戦う者もおらぬかと思うたが…違った!」
「光月モモの助様に相違ありませぬか?拙者かつての”希美”が旗本、地武えもんと申す者!!20年…、お待ち申し上げておりました…!!母君トキ様の言葉を信じ…この日を!!!
「母上が…!?」
「トキ様の最後の言葉は、20年後の光月家の復讐を示し…!!まさかと思うもそれを裏づける様にあなた方”赤鞘九人男”の遺体は一体たりとも確認されませんでした…!!」
「…」
「万に一つでも…!!20年後の未来にあなた方が姿を現し…!!オロチを討つ為の指揮をとってくれるのならば…!!その日共に戦える様にと闘う意志のある者は、どこで何をしていようとも、足首に月の印を彫り待っております…!!!」
「なんと…!20年を経ても味方はまだいるのか!!人は人知れず集めねばならんぞ」
「尽力致します!!」
……
「菊に敵側の調査を託し…!!我ら4人、ご存知の通り同志を募る旅に出た」
「…」
「しかし我らには航海術もない為『ゾウ』を目指すも、すぐに遭難し船は大破!雷ぞうと離別!!」
「命からがら流れ着いた島『ドレスローザ』ではカイドウと通じていたドフラミンゴに追われ…!!手違いで謎の船に乗ってしまったモモの助を追いかける折にカン十郎と離別!!」
「行き着いた『パンクハザード』でもシーザーがその手先!!今は味方のロー殿に”分解”され…絶対絶命のところ…!!おぬしらと出会った…!!!」
「……!!」
「思えば危機また危機でござったが出会いに恵まれた。 ― オロチの軍勢は我らを名指しにするも完全にはこの事態を信じておらぬ事が救い…!!拙者達はせいぜい”亡霊”扱い!」
「したがって我々はまだ指名手配すらされておらず、再びこうして入国した事も気づかれておらぬ」
「同士である拙者も気づきませんでした」
「いや、それは悪かった…」
「おい!!イチャつくな!!」
「…私が伝えておくべきだったか…」
「いえ、イチユリ様そんな…」
「この戦いはバレぬ事が重要でござる!!」
「よしわかった!!」
「…」
いつもの事だが、ルフィのいい返事にイチユリがジト目を向ける。
つい先ほど自分とゾロの存在がバレた事はもう忘れているらしい。結果オーライとはいえ、よくもまぁ簡単に『約束』を破るものだ…
「こちらの戦力はルフィ殿率いる”麦わらの一味”ロー殿の”ハートの海賊団”ミンク族イヌアラシの”銃士隊”ネコマムシの”侠客団”」
「そして今かき集めておる反乱の意志を持つ侍達…!!理想の戦力は5千人!!しかして拙者達は戦争をしたいわけではない!極秘の内に情報を集め、計画的に『大将』の首を取る!!時は二週間後!!”火祭りの夜”カイドウの住む『鬼ヶ島』へ『討入り』を決行致す!!!」
イチユリは、彼らの行動に口をだすつもりはない。彼らを久利の住人としてあつかうのみである。
カイドウやオロチが約束を破らぬ限り、イチユリは中立を保つつもりでいる。
頼まれているモモの助を
今の会話の内容は、全てタブレットで記録している。程なくイオリにも伝わるだろう。それも踏まえて、彼女は策を組み立てて来るだろう。
錦えもんの作戦の