イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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原作、ワノ国第一幕 完 の辺りの話です。
(92巻の最初の方?)

原作沿いに進んでおりますが…。

いろいろ違ってきてますね?

※すんません。
 また、文字数が多くなってしまいました。


どうぞ!!








14-342話:国の行く末

 錦えもんが昔語りをしている間に、イチユリはイヌアラシと酒天丸を呼んでいた。

 

「決戦の地は『鬼ヶ島』と呼ばれるカイドウと百獣海賊団の本拠地!」

「島…!!」

 

「ワノ国とはいえ、海を渡るんですか?」

「さよう!従って船がいる!!海岸より見える距離の島ゆえ大帆船である必要はない!それについては既に、集めた船をフラの介殿に修理してもらっておる!!」

 

「決戦当日の”火祭り”は、都の町人達の年に一度の盛大なお祭り!カイドウは国を守る『明王』とされていて、その日オロチの『将軍行列』が『鬼ヶ島』へ参拝に行きます。 ― それは形だけ!『役人達』と『百獣海賊団』の宴が始まるのです…!!」

 

「成程!酒飲んで酔っ払ってバカ騒ぎしてるバカ共を!!なぎ倒し大将の首を取るのか!!そんなおれの雄姿見たら、お菊ちゃんおれに惚れちゃうかもよ~~~!そんなエロ侍より」

「!」

 

「サンジ!菊はめちゃくちゃ強ェんだぞ!」

「ん?」

 

「いやいやサンジ殿!勘違いは困る!拙者には歴とした妻があり、菊は単に同士であって…!!」

「お鶴さん、お元気でしたよ!!」

 

「会うたのか!?」

「はい!気づかれず!」

 いやいや…めっちゃ気づかれてるよ?

 

「そうか…無事ならばよし…!拙者は…まだとても会えぬ…」

 

「既婚者がモテるな!!うらやましい~~~!!」

「うるさい!」

 暴走しかけたサンジがナミに怒られている。しかし、菊は女型(※心は女性)なのだが?

 

 

「さて!決戦の日と集合場所を図案にした!『火祭り』の日、夕刻『酉二つ』!場所は『刃武港』!!『火』の『鳥2羽』に『ハブ』!!そして反乱の意志『逆さ三日月』!!」

「ん??」

 錦えもんが手に持つ図案を見て、ルフィが首を傾げている。

 

「大丈夫でござる!ワノ国に住む者なら理解できる!酉二つとは海外の時計なら夕刻5時半から6時!」

 私が考える事ではないのだが、数ヶ月前(・・・・)に、カイドウに敗れた原因を、錦えもんはどう考えているのだろう?

 情報が洩れていた事は明白だろうに…

 

「この札を”左足に月の印を持つ者”達に速やかに渡して回るのだ!その印こそ反乱の意志!!味方でござる!!ワノ国中、どこにおるやわからぬが…!!一人でも多くの者に渡せる様、仲間達が国中に散っておる!!この任はゾロ十郎殿、ウソ八殿も都にて実行中」

「あ、ゾロはたぶん役に立ってねェな!」

 

「更に!先にも申したが、フラの介殿には船の修理をお願いしておる!!目標は5000人を運べる船団!!そして、オロチの軍勢の動向を正確に把握する為、おロビ殿は”芸者”となり、お座敷からオロチへの接近を試みてもらっておる所!!もはや評判と聞いておる!」

「ゲイシャのロビンちゃん見てみてェ~~~」

 

「ブルック殿の能力は、都にて人の入り込めぬような場所の偵察が適任!!」

「え?人の入り込めない場所って…ちょっとコワイ!」

 

「ナミ殿の天候術はまるで忍術!くの一に!」

「女忍者ね!」

 

「サンジ殿の料理は一気に人を集め、人探しにうってつけ!」

「ナミさんのくの一!!」

 

「錦えもん!おれも忍者がいい!!」

 

「では葉っぱを頭に!!ゆくぞ!!”フクフク”の術!!”ドロン”!!」

 

「わーお!!ん?」

「うおー!!んナミさ~~~~~ん!!」

「忍者~~~!!」

 

「ではワノ国に馴染んだところでそれぞれの任務に…」

 

「待って錦えもん!コレ本当にくの一!? わたし”カザマ”みたいな服装かと…」

 

「いやいや、くの一とはそうなのでござる!!!」

「あんたウソついてない!?」

 

「では案内人を呼ぼう!本物のくの一でござる!”しのぶ”!!」

「!?」

 

「本物のくの一~!!」

「大サービスだな!!」

 

「お呼びで!」

 現れたしのぶの衣装は色こそ白だが、カザマと同じ様なものだった。忍びは全身を覆い隠すのが基本!決してナミが着せられたような、きわどい衣装ではない。

 ナミの衣装は、色仕掛けや合戦時に使われる系の衣装(もの)である。

 

「ぜんぜんちゃうやないか!!」

 

  ― ばん!! ―

 

 ナミのビンタが錦エモンを張り倒す!!

 

 諜報活動の際には床下や天井裏に潜む事が多い為、音を出さない為はもちろん、怪我防止の為でもある。

 鎖帷子や装甲もある。カザマ同様にしのぶが今来ている服はイチユリ特注だ。丈夫なのはもちろん、肌ざわりも通気性も良い!海楼石製ではなく角質の粒子のみを使った丈夫な糸で紡がれたものである。

 

「しのぶ…その服の時は下着は白かベージュにしろと言ったろう?」

「赤だとさすがに目立ちますね…」

 

「サンジが鼻血吹き出してるぞ~!!」

 目は♡だし… ほんとこの子は正直ね…

 

「お前の恰好はなんだ?」

「頭にパンツ被ってる人かと思ったら違いました」

 ルフィの質問にブルックが答えていた。その服装はワノ国以外の人が見てもわからないかもね? 

 

「…」

 

「二択でござるぞ…!!」

「う~ん…締めればいけるか!あっちの方がなんかエッチだもんね…」

「…」

 

「フフフ若いってのもいいじゃない?わたすはしのぶ!!昔は錦様の妹分だった!今はフフフ…得意技は”妖艶の術”!よしなに…」

 

「やられたい!その妖艶の術にィ♡!しのぶすわぁ~~~ん!!」

 

「わかるわ少年!熟女って…凶器よね!」

「「確かに!!」」

 何故かサンジと錦えもんがユニゾンしていた。

 

 錦えもんもナミを見る時よりも鼻血を出してるし…

 実はこの二人…チラリズムの方が興奮するのでは?

 

「なぁキンエもん!おれとキャロットは何すればいいんだ?」

 チョッパーが錦えもんに問う

 

「そうであった!キャロット殿とチョッパー殿はイヌアラシの所へ…おお!二人共いつの間に!?」

 そこにはイヌアラシと酒天丸(アシュラ童子)が居た。

 

「さっきからおるわい!」

「お前は昔っから話が長いんじゃ!」

 

「錦えもん殿!よろしいか?すこし時間をもらいます!!」

「!…わかり申した!」

 

「…まだネコマムシ殿は居ませんが、主要なメンバーが揃ったようなので少し話をさせてもらいます!!ここに集まったのは”麦わらの一味”、”ハート海賊団”の海賊同盟とミンク族、そして光月家の連合軍!!総大将は光月家のリーダー…モモの助殿ですね?」

「は、はい!」

 イチユリの問いにモモの助が応える。

 

 ココだけの話…モモの助、実はイチユリにホレている。既に数年(数日)、一緒に修行を行っているので、なおさらだ。

 

「ではモモの助殿に問います。カイドウとオロチ将軍を倒した後、あなた方はこの国をどうされるつもりですか?」

「え?…」

 

「心してお答えください! その回答如何によっては…!私はカイドウに付く事になるかも知れません!!」

「「!!?」」

 

「ちょっと!それどういう事!?」

「何言ってんだお前!!」

 ナミとルフィがイチユリに詰め寄る。が、イチユリは無視して話を続けた。

 

「敵討ちでカイドウとオロチ将軍を討つのは理解できます。むしろ当然と思います。感情論としては(・・・・・・・)ですが…」

「「…」」

 

「あなたが普通の侍の子であるならそれも良いでしょう…!けれどあなたは大大名”光月おでん”様のご子息…!!将軍の血筋であるあなたは、単なる敵討ちをする事は許されません!!」

「…」

 

「この国が今どういう状況にあるか…あなた達は理解してる? 彼らを討つ事をゴールとするなら!!ワノ国は滅びますよ?」

「「!!?」」

 

 イチユリはこの国の置かれた状況を皆に話して聞かせた。

 

 この国で20年過ごした者達にとっては言わずと知れた事である。が…、海外から見たワノ国の状況を聞かされると彼らも驚いていた。

 

「なんと!!」

 

「武器は…百獣海賊団の物だとばかり…」

「ジョーカーを通じて海外にも売られてもいたのか!!」

 

「おそらく『SMILE』と交換だったのでしょう。それに…武器は世界政府にも流れています!!」

「「!!?」」

 

「どこまで情報の共有がされているかわかりませんが、”世界政府”にもワノ国の現状が知られています!!”侍”神話はもはや過去のものであるという事が!!…今この国は『カイドウ』によって”守られている”!まさしく彼は『明王』なのだという事を認識してください!!」

「…」

 

「じゃあ何…?あんたがカイドウと戦わず、この辺り一帯を統治するだけで我慢してるのはそういう事?」

「それに関しては答えかねます。そもそも私にこんな事をする資格(・・)があるかどうかもわかりません…!!」

「「?」」

 

「この辺り一帯は、昔…私がお世話になった人達が住んでいた場所なのです。ここに住む人達が虐げられるのを見過ごす事は、私にはできませんでした。ただそれだけなのです。その事ですら、もしかしたら余計な事だったのかも知れません!!」

「…」

 

「私には、カイドウを倒す力があるかも知れません。しかし、私がカイドウ達を倒し、将軍を討ってこの国を治める事が出来たとしても…!!それはこの国の民にとって、支配者が変わるだけの事!それでは意味が無いのです!!この国の未来はこの国の人達(・・・・・・)が考えるべきはずのものですから!!!」

 

「手を貸す事はしても…!主体はあくまでもこの国の民!!そういう事でござるか?」

 モモの助がイチユリに尋ねる。

 

「そうですね!」

 

「やはり…!おいどんの目に狂いはなかったど!!あんたを選んだのは間違いじゃなかった!!」

 

「そうとも言えませんよ?私は、カイドウと闘う事が出来ません(・・・・・)から!!」

「そうなのか?」

 

「この地区に自治権を持たせる為の約束事(条件)です。それを破ればここに住む人達の命に関わります。」

 

「でもよ…戦いが始まればそんなの関係ねェだろ?そもそも決戦の地は離れた島って事なんだし」

「いや、そうとも言い切れんでござる!!」

 

「敵には月歩を使える者も多い。別の手段で飛べる者もいる!殲滅するのであれば別ですが、そんな戦いを錦えもん達は望んでいないでしょうからね!!」

「その通りでござる!!」

 

「それに…!大将(あたま)を失えば暴走する者が必ず出ます!!ただでさえ上役が居ないからと暴走する輩は毎年出ているのです!!おのずとそういう者に対処する為の力が要ります!!なので、私は島へは行けません!!」

「…」

 

「それから!!カイドウはともかく…将軍を討って一番に名をあげるのはこの国の侍でなくてはなりません!!侍の名を今一度世界に轟かす事が出来なければ、この国は…!!他国の侵略をゆるし、滅ぶ事になるかも知れぬのです!!」

「「!!?」」

 

「まぁ、その辺はイオリが来れば心配ないでしょうけど…。情報操作はお手のモノでしょうから!」

「…」

 

 イチユリの話が終わるとそのまま今後についての話し合いが行われた。錦えもんが考えた作戦が伝えられ、それぞれの役割が決まっていく…

 モモの助は、イチユリの問に対する回答を必死に考えていた。

 

 

「では、集合まで各地に散ってもらうが…!特に探してほしい2人の侍がおる!見つかれば100人力!!”河松”と”傅ジロー”!!かつて我らと同じくおでん様に仕えた侍!!きっと生きておる筈!!!」

 

 ・

 ・

 ・

 

「しっかり頼むぞウマ美!!」

「私は百獣海賊団”真打ち”スピードだぞ!!貴様に頼まれる筋合いはない!!」

「…なんでスピードがガキの言いなりに…」

 

 食堂での誕生会に参加したのは、イチユリとルフィ、ローとスピード、菊としのぶとモモの助。そして城下町に住む、元、網笠村の子(玉の同年代)数名だった。会がお開きになったのは未刻(14時頃)である。

 

「家来が主を守るのは当然だ!!」

「アニキ!!おら、今日のおしることリンゴの味…一生忘れねェでやんす!!」

 

「こらこら、誕生日会はどこに行った!?」

「イチユリのアネキにはいくら感謝しても、し足りないでやんす!!おら、この2年で一生分のいい事全部、使い切っちまった気さえするでやんす!!」

 

「…また来年…、楽しみにしてなさい!!」

 

「はい!お土産までこんなに!ありがとうでやんす!!」

「鼻ジジイによろしくな!刀も、も少し貸しといてくれ!!刀ねェと侍じゃねェからな!!」

 

「…お玉ちゃんに持たせるわけにもいかないからね…。それ、ちゃんと返しなさいよ?」

 返事しねーし!!

 

「またな!!!玉!!!」

 

 お玉が帰って行く!とりあえず様子を見て判断するか?

 

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

 異変が起こったのはお玉が帰って間もない頃だった。ルフィ達がサンジのおやつを食べている時である。

 

「ん?」

 

「何だ急に…雨でも降るんすかね」

「…違う!!」

 

 

「おい、麦わら屋!すぐに来い!!」

「!?」

 

「どうしたトラ男!!」

 

「ん!?空になんかいる」

「あ!!」

「やべーぞ麦わら!!」

 

「龍!!?何だあれ!!?」

「…!!」

 

「カイドウだ!!」

 

「……!!」

 

「カイドウって龍なのか!?」

「何ですか!?アレ!!!」

「あれが…!?」

 ルフィ、ブルック、チョッパーが騒ぐ…

 

「そう!アレに見えるはカイドウ…カイドウは…!!龍に化けるのでござる!!!」

「「!!?」」

 

 ワノ国の者(イチユリ含む)とロー、そしてルフィ以外のメンバーは、驚きのあまり声が出ない…

 モモの助は、龍の姿になっている。呼応しているのだろうか?

 

「おお」

「モモの助様っ!!」

 驚いたモモの助が声をあげ、錦えもんが変化に気づいた。どうやらモモの助は自分が変身している事に気づいていなかったようだ。

 

「…」

 

「え!?モモの助様ぁ!?」

「その…龍が!?」

 

「…後で説明いたす!!こういう体になってしまわれたのだ!!よりによって憎き龍の姿に…!!」

 

「……あの辺…!!おこぼれ町だ!!」

「ちがうわよ!今カイドウが居るのは”博羅町”の上空!!」

 

「なぜ急にカイドウが『久里』に…!?」

 

「…!!すまん錦えもん!実はおれと麦わら屋とゾロ屋は正体がバレた…!!」

「何と!!?」

「何やってんだてめーロー!!」

「…」

 

「お前ら”麦わらの一味”に責められる筋合いはない!!」

「そうね!」

「!!!」

 

「あ…きっとルフィのせいだ!とりあえずゴメン!」

 

「だがそれだけだ…!!カイドウがこの国で作らせてる『武器』と…ドフラミンゴとシーザーが生み出していた『人工悪魔の実SMILE』の”闇の取り引き” ― その根源の工場を『パンクハザード』、『ドレスローザ』で潰し、商人ドフラミンゴを監獄に送り壊滅させた! むしろケンカを売ったのはこっちで…奴の狙いはおれと麦わら屋の首だ!!」

 

「ルフィどこへ!?」

「ルフィ殿!?」

 

「おこぼれ町が心配なんじゃない?あそこは私の領地だから、カイドウは手を出さないって教えたのに…」

 

「追うな!おれが行く!!!」

「!?」

 

「冷静に考えろ!これ以上誰かの顔が割れれば”麦わらの一味"と”ハート”は全員滞在が確定する!!そうなれば、大捜索が始まるぞ!!いくらイチユリ屋の領地だからと言って、安心出来なくなる!!ただでさえ麦わら屋とイチユリ屋の間には『蒼炎』という繋がりもあるんだからな!!」

 エースの事は問題無いと思うけど…

 

「見つかったのはおれ達だけ!お前らの『作戦』は無事だ!!いいな」

「では、おぬしらどうする」

 

「放っときてェ所だが…”麦わら屋”はすでにこの国の人間に関わっちまった!感情で動かれちゃ作戦に支障を来す!決戦の日に顔が揃わねェんなら『同盟』の意味がねェ!おれが何とかしてくる!」

 

「ルフィのヤツ…逸れた数時間で何したんだ…!!」

 

「ロー殿!放っておきなさいよ!!」

「「!!?」」

 

「まさか…お前の口からそのセリフを聞くとはな!!」

 

「他のメンバーがバレるとマズイと言うなら、あなたが動く事は、あなたの部下が捕まるリスクを高くします!!」

「!!?」

 

「自分の部下の行動が予測出来ない訳じゃないでしょう?」

「…」

 

「ならば、ここで大人しくしているのが賢明よ!!」

 

「麦わら屋は大丈夫だと?」

「この後の展開がどうなるかによるわね!カイドウを攻撃するような事があれば捕まるだろうし…」

 

「……」

 

「?」

「!あれ?」

「こっちに向かって来てねェか!?」

 

「バカな!?」

 

「やっぱりね…」

「ちょっと!何がやっぱりなのよ!!」

 

「城の周辺は一応私の領地だが…、最近この辺には妙な噂が流れていてね…!!それに、前にも一度、酔って攻撃された事がある!!今もどうやら酔っているみたいだしね…!!」

「え!?」

 

「気づかれたんじゃ!?」

「それは無いと思うわ!ここに人が居ても別に不思議じゃないもの!それに…今の彼はそんな事を気にするほどに冷静じゃないわ!!」

 それに、なんだか怒ってるみたいだし…

 

「!!?」

 

「さて…」

 

「ぎゃ~!!近づいて来る!!逃げろ~~~!!」

 

 ”熱息(ボロブレス)

 

  ― カッ!! ―

 

  ― ボコォン!! ― ドゴォーン ―

 

「「!!!?」」

 

 

*-*-*-*-*

 

 

「あ―っ!!!」

 ルフィが叫ぶ!!

 

 

 山の手前に、大きな火煙が立ち込める!!気づくとその場からイチユリの姿が消えていた。サンジとローが立ち込めた火煙を見つめて目を剥いていた!!

 

「イチユリちゃん!!?」

「えっ!?何が…いったいどうなったの!!?」

 

「イチユリ屋が…!!カイドウの攻撃を受け止めやがった!!」

「「!!?」」

 

 

 その頃、博羅町上空ではルフィがカイドウを叩き落していた!!

 

 

 カイドウが酔って城を攻撃して来たのはこれが2度目である。

 

 1度目は城の建設中…

 イチユリは”熱息”を弾いて、その軌道を大きく変えた。

 しかし!!

 それが海上で大爆発を起こし、派生した大波により海岸沿いの村に多大な被害が出たのだった。

 それゆえ今回の攻撃は受け止める事にした!!

 博羅町に居るルフィからは、城のある山が爆炎に包まれたように見えたかもしれない…

 

 

「!!?」

「煙が…!炎が…!!消えていく!?」

 

 さすがに覇気だけで爆炎を鎮める事は出来ず、イチユリは風と水と火の精霊の力を借りてそれを処理した!

 

「フゥ…まったく!!」

 

「!!?…カイドウはどうした?」

 

 声をあげたのはローだった。イチユリ城付近からはカイドウの姿は爆炎に隠れ見えなかった。

 煙が晴れてみれば、そのカイドウの姿が無い!もっとも…

 

 龍になったカイドウはかなりの巨体である。それゆえイチユリ城からも見えたのだ。変身が解ければ見えなくなるのも当然だった。

 

「へぇ~…!凄いじゃない!!」

 

「「!!?」」

 イチユリが博羅町の方へと飛んで行く…

 

 

*-*-*-*-*

 

 

「”雷鳴八卦”!!!」

 

  ― ガン!! ―

 

「!!!」

 ギヤ4のルフィがあっさり倒された。恐らく原作のそれよりも覇気の量を大幅に上げたものだと思われる。

 イチユリは驚いたが、それ以上に驚いていたのはカイドウかも知れない。

 

「最悪の世代の懸賞金一位が一撃!!?」

「そりゃカイドウ様の金棒だぞ!!」

 

「何の王になるだと…?小僧ォ!!」

 

「海賊王でしょ?」

「「!!?」」

 

「いくらカイドウ君が酔ってたからとはいえ…!一割削るって凄いじゃない?」

「?」

 

「最悪の世代の中じゃ懸賞金は1位らしいからな!それでもイチユリちゃんに比べりゃたいした事ねェ!!」

 

 カイドウがイチユリに向き直る。と同時にイチユリはカイドウに向かって手のひらをかざした!

 

「”雷鳴八卦”!!!」

「「!!?」」

 

 カイドウの金棒は顔の手前…イチユリが手のひらで受け止めていた。

 

「……」

 

「ビックリするじゃないさ!」

「ウォロロロロ…!!冗談だ、冗談!!」

 

 なんだ、冗談か!!

 百獣海賊団の三下たちが笑っていた。

 

「そりゃそうか!!いくらイチユリさんだって、カイドウさんの金棒は無理だよなァ!!」

 

「冗談なものか!!麦わらへの一撃より格段に(強力)だぞ!!」

 笑う三下の後ろでジャックとホーキンスは顔を青くしていた…

 

「バカ共が!!あれの凄さもわからねェとは…!!」

「しかし…ああも簡単に受け流す(・・・・)とは…!!ウワサは本当なのか!?」

 ウワサとは、イチユリがカイドウに勝ったという話…

 

 少なくとも三害(大看板)は、イチユリが龍と化したカイドウと無手で互角に戦う光景を何度も目撃している。

 

 

「驚いた!息はあるようです!!」

 ルフィの様子を見た三下が言った。

 

「だろうな」

「え??」

 

「ところでカイドウ君!なんで私がココに居るか…わかるわよね?」

「え?」

 

「2度目よ!2・度・目!!あなたが城を攻撃したの!!」

「あ~…」

 

「”あー”じゃないでしょ!!」

「…ごめんなさい」

 

「「え~~~!!!」」

 まるで叱られた子供の様に謝るカイドウの姿は、その場に居合わせた者を驚愕させた。

 

「いいわ!部下の責任(せい)にしないで素直に謝ったから許してあげる!!ただし…!!」

 イチユリはカイドウから目を逸らし、辺りを見回す髪の長い男を見た。

 

「そこでキョロキョロしてる君!!」

「えっ!?」

 ホーキンスはローの姿を探していた。麦わらが居るのならヤツも来ているハズだと考えたからである。

 場合によってはローの部下を捕まえる事が出来るかも知れないと思っていたのだが…

 

「あなたが余計な事を言ってカイドウ君を焚きつけたみたいじゃない?」

「え…あっ!!」

 

  ~ カイドウ総督!!!”麦わらのルフィ”と”トラファルガー・ロー”を探しているのなら!! ~

 

「!?」

 

「奴らは『おでん城跡』に!!つまりイチユリ城付近に隠れています!!!」

「!?」

 

「ホーキンス!!本当か!?それは!!…あの山に…!?」

 

「いえ、あそこに居るかは分かりません。イチユリ殿と麦わらが一緒に居るところを見たもので…」

「!?」

 

「それに…ここ最近、例の伝説の影響か山頂に不信な光を見たと噂をする者達がおりますもので…!」

 

 ~ お前なァ…イチユリさんの城を!!おれはどうなっても知らねェからな!! ~

 

 ~ ? ~

 

 

 

「まさか、部下が私にやられた腹いせじゃないでしょうね!?」

「そんな事はない!そもそも今日、あなたに手を出した部下が悪い!!」

 

「じゃあ何よ!理由もないのに人の城を攻撃させたわけ?海賊なら何でも許されるとでも?」

「…」

 

「それに、何をキョロキョロしてたのよ!!バレないとでも思ってたの!?」

「いや…」

 

「カイドウ君!!あとでこの子にお仕置きするわよ!?」

「ああ、好きにしていい!!」

「「!!?」」

 

「ホラ見ろ!言わんこっちゃない!!」

 

「で?カイドウ君、その子はどうするつもりなの?」

 

「不屈の闘志か虚勢か知らねェが…さっきからずっとおれを睨みつけてやがる」

「!!?」

「え??こいつが・・!?」

 

「ただ気絶してる様にしか…見えねェっすけど」

 

「イチユリちゃん!そいつ(・・・)要るか?」

「「!!?」」

 

「そうねぇ…予測がつかない様な鉄砲玉は…今のところ(・・・・・)いらないかな?」

「!!?」

 

「なによ?」

「いえ…当然”麦わら”を引き取っていくものと…」

 

「言ったでしょ?その子はツレ(・・)じゃないって!」

「…」

 

「ウォロロロロ…!!お前ら、ブチ込んどけ!!心をへし折りゃいい戦力になる!!」

「…はっ!」

 

「瓦版には『海賊』とも書くな!海外に興味は禁物だ」

 

「え…」

 

  ― ドクン…!! ―

 

「!!?」

 ルフィの近くにいた数名が泡を吹いて倒れた。

 

「わあァ~!!どうしたお前ら!!何の冗談だよ!!!」

 

「お前もか…!!キッドのガキも”覇王色”…!!何人もいらねェんだよ…覇王なんて」

 

 

「飲み直すんでしょう?酌してあげるわ!!」

「ホントかイチユリちゃん!?そりゃ是非に!!!…でも…急に何で?」

 

「さっきはちょっと見直したからね!言い訳しない男らしさに!!」

「ウォロロロロ…!!乗ってくれ!!」

 カイドウが龍になり、その頭にイチユリが乗った。龍は都へと向かう…

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

「よかった!みなさんご無事で!!」

 

「イチユリ屋はどうした?」

「それが…」

 

 

「「え~~~!!カイドウに乗って都に!!?」」

 

「でも、さすがイチユリさんですね!カイドウのあの攻撃を止めてしまわれるとは!!」

 

「お菊ちゃん!錦えもんは?」

「おこぼれ町の様子を見て来ると言ってました。じきに戻ると思います。 ― ところで状況なんですが…心して聞いてください」

 

「え!?」

 

「ルフィが捕まった!?」

「イチユリ屋は…麦わら屋を助けなかったのか?」

 

「あの子…本当に何考えてるんだろ? 変な事言ってたし…」

 

「変って言やァ、イチユリちゃんの気配がイオリちゃんと全然違う気がするんだよなァ…」

「…そういえば…(ユナもイオリも違う気が?相殺してるからだと思ってたけど…)」

 

「おめェら何言ってんだ?そんなの当たり前だろう?」

 ローが呆れたように二人に言う。事情を知らないローからすれば当然のセリフではある。

 

「…あ、いや、そうなんだけどよ…」

 隠す事でも無いような気もするが、ユンアの事もあり、サンジ自身も混乱していた。

 それに…

 魚人島でイチユリを見かけた後、イオリがルフィと一緒に戻って来た時の事を思い出していた。

 

「?」

 

 

 ちなみに…

 

 スピードはイチユリ城へと引き返していた。当然お玉も無事である。

 実はそれ…イチユリの命令だったりする。

 

 ※スピードを含む真打ち達はイチユリと面識があり、彼女に逆らう事が出来ません。

 

 その後、持ち場に戻ったスピードがイチユリ城に行っていたと話すと、誰にも責められる事はなかったとか…

 

 ベポたちローの部下数名は、ローを追ってという事でなく、博羅町まで偵察しに行き、結局原作通りに捕まった。

 

 ルフィ太郎の久里での大立ち回りはワノ国中に轟いていた。原作通り瓦版によって麦わらの一味全員に伝わった。

 

 

 

 




モモの助の修行について…

 時の精霊は、トキトキの実(未来に行く事、送る事)の様な事は出来ないが、トシトシの実の能力とほぼ同じ事(老化・若返り)が出来る。
 さらに、ある一定範囲の時間の流れを変える事が出来る。
 そうなのです!DBで言うところの『精神と時の部屋』と同じ様な事も出来るのです!!

 原作で、モモの助は中身そのまま20年熟しましたが…
 それだとねェ…20年分寿命を削っただけじゃんね?
 この話では10年間、きちんと?歳を取らせることにしています。

 イチユリが頼まれていたのは、モモの助を10年鍛える事だった。
 ルフィ達が到着した頃、モモの助は既に5年の修行を終えていた。

 誰も気づいちゃいませんが…

 モモの助はイチユリから、武道を学び、ワノ国の、そして世界の歴史を学び、兵法や人心掌握術を学んでいた。
 最初の2日(2年)は基礎体力の向上を、続く2日(2年)で技術を学び、さらに1日(1年)の短期間で覇気(見聞色)を身に着け、イチユリをたいそう驚かせた。それはひとえにモモの助がイチユリにいい所を見せたいと思った故である。

《方向性を間違えなければ!スケベは短期間で力をつける!!》
”違うと思いますよ!!”

《えっ!!?》マヂデ?
”…”

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