イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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 くまは聖地(ここ)には()ないので、当然ボニーも来てません。
 ぶっちゃけ、エッグヘッドで10歳のボニーに、あんな記憶は見せれません!!
 (この世界では、くまは記憶を外に出していないしね!)
 
 もう少し、ボニーが大人になってから!
 平和な時代になってから!!

 くまが直接話して聞かせるのがよろしかろうと思います。

 ※そんな話を描くところまで、この物語が続かどうかは知らんけど…






 さて、今話の冒頭部分!
 原作ではずいぶん先の巻ですが、時間軸的にはこの頃の事…

 伏線になるのか?それとも散らかしつくして終わるのか?
 たぶん後者になるかしら? (・ω<)テヘペロ!!  ← オイっ!


 ワノ国の話は、93巻後半部分にあたります。

 どうぞ!







14-345話:イチユリ VS イオリ

 少し時間を遡る。

 

 これはまだ、イオリがワノ国に入る前の話…

 

 

 ー 虚の玉座の間 ー

 

 コブラは五老星と話をする為にココを訪れていた。

 カノンは権力の間にコブラが通されると思っていたのだが、イムの意向により、謁見はこの部屋になった。

 原作通り、コブラからの五老星への質問はイムの聞くところとなり、話の途中でイムが現れ、虚の玉座に座る。

 

 会話が交わされるも、イムはコブラを見下していた。それはそうだ。

 彼は、彼()の血を引いていない!!

 

「ヌシア…さっきから”ネフェルタリ家のリリィ女王”としか言わないのは…なぜだ?」

「!!!」

 

「女王の残した手紙の”送り主”の名を言え!」

 

 五老星が懐から銃を取り出すのが見て、コブラは思った。

 

 まいった…!!どうやら私はもう…

 

 すると、女性の声が響いた。

 

「五老星!銃を仕舞いなさい!!」

「「!!?」」

 

「…」

 

 いつのまにか、虚の玉座に座るイムの隣に女性が一人立っていた。

 

「問いには私が答えましょう!!」

 

「ユナ殿!?…いや…」

 髪の色が違う!?

 

 

 あれは…イチユリ?いや違う!!

 

 イオリは4人に分かれられると言っていた!!

 おれが知っているのは、イオリ、ビゼン、イチユリ……

 

 もしかして…!彼女が最後の一人って事か!?

 でも…

 もし、そうだとしたら…!イオリの分身が何故、聖地(ここ)に居る!?

 

 

「「「カノン()!!」」」

 

「「!!?」」

 

 

 五老星が…!()だと!!?まさか彼女は…!

 

 

 - 天竜人の!!? -

 

 

 

「送り主の名は、”ネフェルタリ・D・リリィ”!!!」

「D…」

 原作通り、イムはコブラの命を狙う!! が…!!

 

「お辞めください!彼は一応(・・)、私の家族(・・)です!!」

「「!!?」」

 ビビとは違って、血の繋がりは無いけどね!

 

 カノンの声を聞き、イムの攻撃は消え去った。

 そしてサボが飛び出し、コブラを五老星から遠ざける!

 

 

霧幻竜爪(むげんりゅうそう)”!!!

 

 自然系『キリキリの実(・・・・・・)』の能力により、竜の鍵爪の形をした無数の()が、五老星を襲う!!

 

 ー ドン ー

 

 

 辺りに霧が立ち込める中、サボはイムに向けて技を放とうと構えた

 

「王手、飛車…!」

 

 ー ズボッ!! ー

 

「「!!?」」

 

「え゛っ!?」

 

 ポタッ…ポタ…

 

 サボの胸から生えた腕(・・・・)から血が滴り落ちる…

 その手には血管の繋がった心臓が握られていた。

 

ゴフッ!!

 サボがたまらず吐血する。

 

「まったく…!なんでこんな場所(とこ)まで入り込んだのよ…!」

 私が居る時に現れたら、こうするしか無いじゃない!!

 

「お…お()え…!!」

 

「…さようなら!!」

「(えっ!?)!!?」

 

 グシャ

 

 心臓を握りつぶす音が響く…

 

 ー ボワッ ー

 

 次いで、サボの体が炎に包まれた。

 

 体は一瞬で燃え尽き、カノンの足元に黒い灰が小さな山を作っていた。握りつぶした心臓も、黒い灰になって落ちていく…

 

「…よろしかったのですか?」

「なにが?」

 五老星の問に、カノンは感情の無い声で応じる

 

「「…」」

 

「あ~そうね!でも彼は、イオリ(彼女)義兄(あに)であって、私の(・・)じゃないから!!」

「…」

 

「だから、何とも思わない!!それと…」

「「…」」

 

「この事は…!彼女たちに()伝えない!!」

 無表情にそう言うカノンを見て、イムは満足げに頷いた。

 

「それよりも!!」

 カノンは悪い笑みを浮かべる。

 

「せっかくだから、革命軍には代わり(・・・)を送り込みましょう!コブラ王についても同様に!!」

 カノンの足元にはサボとコブラ(・・・・・・)が片膝をついて(こうべ)を垂れていた。

 

「!!?」

 その二人をコブラが驚愕しながら見つめていた。

 

「あと、そうねェ…。コブラ王は彼に(・・)襲われた事にでもしましょうか!誰か(・・)が殺された事にしてもいいかもね?」

 カノンはイムに視線を送り、チラリと五老星の一人を見た。

 

「五老星!カノンの好きにさせるが良い!!」

「「「御意!!」」」

「…」

 頭を垂れる五老星はその視線に気づかなかった。イムが一人を睨みつけている事に…!!

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

 コブラ王はカノンと共に彼女の住居へと移動していた…

 

「とんでもない所を見せちゃったわね。でも…私は一応(・・)あなた達の祖先と言ってもいい存在なのよ?」

「!!?」

 

 アラバスタ王家の…という意味だけどね!

 

 生物学上(・・・・)で言えば私の親は、イムとリリィ(・・・)なのだから!!

 まぁでも…ほかにも血統因子がいろいろと…

 

 

「あなたの考えている通り、私は『イムの娘』よ!!けれど私には…彼ら(・・)知らない名(・・・・・)があるの!」

 そう言うと、カノンは立ち上がり、コブラの前へと進みでる。

 

 そして…

 

 彼女の髪の色が赤からコバルトグリーンへと変わっていく…!!

 

「あ…、あなたは…!?」

 

 アラバスタの歴史書に、名前が不明な人物の写真が1枚挟まれていた。数百年も前のものだと思われる写真だが、白黒ではなくカラーだった。

 

 ユナ殿に似ている…。いや、髪の色からすればビビだろうか?

 

 その写真を見た時、コブラは初めて気づく!!

 ビビとユナは、姉妹のように顔が似ていると!!

 

 目の前の娘も同じ…!

 そして、髪の色まで写真と同じになった!?

 

 コブラは知らず目を見開いていた…!!

 

 

「私の、もう一つの名は…!!」

 

 先ほど彼女は、自分の事を家族と言った。何を言っているのか訳がわからなかった。

 

 しかし…!!

 

「まさかっ!!?」

 

ネフェルタリ・D・カノン!!」

「!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

 イオリがイチユリ城に着いた頃、都ではサンジがレイドスーツを纏い、浜辺でチョッパーがリンリンを発見していた。

 

 原作とは異なり、ロビンはお庭番衆に見つかりはしたものの、分身の姿は忍び装束だった。敵の忍者の存在を知るしのぶの気転のおかげで正体がバレる事はなかった。

 だからと言って、その後の展開はあまり変わらなかったようだが…

 

 そして…

 

 

「はァ…!やっぱりレイドスーツをそんな事に使っちゃったか…」

 ユンアが聞いたら怒こるわよ?

 まぁ、原作通りっちゃ原作通りなんだけど…。

 

 しかし『おふろ』かいっ!!『おそば』の方がまだマシじゃん!?

 

 イオリはイチユリの部屋に居た。

 ワノ国の状況を把握する為に放ったシルフ達を介して湯屋の一軒を目撃したイオリはつぶやいた。サンジの話からすると、原作通りベポ達は捕まったようだ。

 ってか、ローが行かなかったのに、あいつら何しに行ったんじゃ?

 

 しばらくの間、イオリはワノ国の状況把握に時を費やした。そして…

 

「やっと来たか!!」

「!!?」

 イオリが振り向くとそこにイチユリが居た。

 

「待たせたみたい?しかしまた…ずいぶんと挑戦的ね?」

 

「当たり前だ!私はこの1年…!!お前に勝つ為だけに(・・・)己を鍛えてきたのだからな!!」

「?」

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

 夕刻、二人の戦いはイチユリ城の地下フロアにある訓練場で行われていた

 1/10サイズになっての仕合いである。

 

 ギャラリーは、赤鞘の面々と、ゾロとルフィを除く麦わらの一味の面々である。

 

「「…」」

 

「…ずいぶん鍛えたみたいね?」

「お前に勝つ為にな!!」

 

「「!!?」」

 

「なるほど…(情報共有だけだったのはそういうワケか…)」

 この1年の間に何度か会っているが、イチユリだけは情報共有だけで融合と再分配を行っていない。おかげで現在イチユリがどのくらいのチカラを持っているのかわからない状況だ。

 

「ゆくぞ!!」

 

「「速い!!」」

 一瞬にして間合いを詰めたイチユリの斬撃がイオリを襲う! が…

 

「あれを難なく避けれるのか!?」

 その斬撃を最小限の動きで避けるイオリ!それを見てサンジが唸る。

 

 ”二人”の気配の大きさはほぼ互角!見聞色での先読みは出来ねェだろうに…

 ※イオリはイチユリと同じ割合になって戦っています。

 

 動く際には多少なりとも気配を感じる事が出来る。いくら速くても何処から攻撃が来るかはサンジにも分かった。

 対処出来るかは別問題だが…

 

 突然、イチユリが攻撃を止めて後ろに飛んだ。

 

「「!!?」」

 

「どうしたんだ?」

 ウソップが疑問を口にする。

 

「…イチユリ殿が踏み込もうとした足を、イオリ殿が払いに行ったのだ!!」

 イチユリは咄嗟に払いに来た足を蹴って、後ろに飛んで避けたのだ!

 

 イヌアラシが解説するのをサンジがうなづきながら聞く

 

「踏み込めてりゃイチユリさんの勝ち!払ってりゃイオリちゃんの勝ちだったな!しかし…まいった!」

 

 二人の腕には見覚えのある腕輪が見えた。つまり、今の戦闘力は1/10という事か?

 それでもやっと、動きが目で追えるほど。しかもイチユリが最初に間合いを詰めた時の動きはまったく見えなかった!

 

 見聞色で動きを何とか追えてはいるが、動きの先を読むのも難しい…

 聞けば分身は力も分割するらしい。つまり…

 

 イオリちゃんの本当の(・・・)戦闘力は、今見ている状態の20倍って事かよ!?

 

 しかもイオリの”力”はそれだけではない!! ”悪魔の実”に”念動力” さらには”精霊使い”の技が加わるのだ!!

 

 ケタ違い過ぎて想像出来ねェな…

 

 

 斬撃をイオリが身を引いて避けた。すかさず鞘が剣の後を追う『双竜閃』を放ったイチユリだが、イオリは腕に覇気を纏って(・・・)防御した。その覇気の激突に見ていた者は驚愕する!!

 

 - 触れていない!!? -

 

「まるで…!ロジャーと白ひげの戦いを見ているようだ!!」

「「!!?」」

 そう語るのはイヌアラシ。今ここにいるメンバーで二人の戦いを見た者は彼以外に居ない。

 

 続けざま、イチユリが九頭竜閃を放つ!!イオリは一旦後ろに飛んでそれを避け、続けざまイチユリに突っ込んだ!!

 

「「!!?」」

 

 『無拍子』か?…いや違う!!

 

 一同にはイチユリとイオリが交錯したように見えた。が、イチユリと交錯したイオリは霧散して、イオリは上からイチユリを眺めていた。

 

 そして…

 

「ぐっ…」

 

 ガハッ!!

 

 イチユリが膝をつき、吐血する!

 

「イチユリ様!!」

 しのぶが叫ぶ

 

「まさか…『シャイン・スパーク』とはな!!…こんな技を!?いつの間に…」

 

「気功波は屋内で使うには威力がデカ過ぎるからね!身に纏った武装色を放って相手にぶつけてみた!!」

「!!?」

 

「もう動けん…!今日のところは私の負けだ!技を出し切れなかったのには悔いが残るが…」

「それはお互い様よ!!」

 

「「…」」

 

「…」

 錦えもんは思った。 

 

 これは…もしかして?

 いや、もしかしなくてもこの戦…!総力戦でもいけんじゃね?

 

 と…

 

 いやいやいや!イチユリ殿は現在、どちらの味方でもござらん。それに、イオリ殿はこれまでも(・・・・・)戦闘には参加しておらぬのだ。

 

 もちろん、一味の面々が窮地に陥れば彼女は参戦するだろう。しかし、それもこれも彼女が修練上でいつも言っている通り、『全力』で戦った結果、窮地に立たされた場合に限られるだろう。

 ※錦えもんもカン十郎も、一緒に修練場で修行していました。

 

 そもそも…!!

 

 知らず、錦えもんは遠い目をしていた。そうでなければ、戦いが終わった後の地獄は通常の比ではないだろう。

 

 そして全力で戦ったならば…!!

 

 錦えもんは、この一味のメンバーが敵に遅れを取る姿を想像する事は出来なかった。

 

 

 ~ 日が変わり… ~

 

 

 花の都では『丑三つ小僧』が捕まったとの報が駆け巡っていた!!

 本日は、花魁『小紫』の葬儀の日…

 

「小紫様~!!」

「花魁~~~!!」

「うお~~~ん!!」

 

「ワノ国の宝が―!!!」

「もう一度姿を見せてくれ小紫様あ~~~!!!」

 

 わあぁあぁぁぁあぁああぁあぁぁぁあ…

 

「こんな花魁道中見たくない~~~!!」

 

 

「なぜ羅刹町へ向かうんだ?」

「オロチ様に逆らった女だ!!羅刹町牢屋敷にて”罪人”として火葬される」

 

 

  ― えびす町 ―

 

「見ろ!牢屋敷の正門が映った!!トの康さんが磔にされてる!!」

 

 あはははははは!!

 

「何でこんな事に!!」

 

「トの康さんが”丑三つ小僧”!!?」

 

 わはははは…

 

「ヤスさん!!」

 

 

「…トノヤスさん泥棒だったそうよ」

「どういうこった?意味がわからねェ!!仏じゃねェのか!?」

 

「やはり…!イチユリ殿の言われた通りであった!あの髪型、間違いない!!」

「!?」

 

「泥棒なんて小さな問題よ…!!」

「ありゃぁ何者なんだ!?イチユリさんが言ってたけど大騒ぎじゃねェか!!」

 

「康イエ様だ!!かつておでん様と並び光月家に仕えた『大名』の一人!!」

「え!?」

 

「『白舞』の大名”ハリネズミの康”!!とても厳格で当時の面影がまるでなかった!!」

「あのおっさんが!?」

 

 

 

  ― 羅刹町『牢屋敷』 ―

 

「やめろ―!!」

「その人を下ろせ役人共!!」

 

 反逆者とおぼしき者達を押し入れた牢屋の前に磔台が設置され、その頂に十字に張り付けられた男が見える。

 牢屋敷を囲むように柵が張られ人々は柵の外から声を上げていた。

 

「…」

 

「康イエ様―!!よくぞご存命で!!」

「下ろせ―!!」

「康イエ様を下ろせー!」

「無礼者が―!!」

 

 わーわー キャ― ―

 

「…」

 

「「康イエ様!!」」

 あああ…

 わああぁぁあぁ…

 

 わーわー ギャ―ギャ―

 

「わはははは!まだ忘れ去られておらなんだか…!ムダじゃ皆の衆!オロチはわしを逃がしはせぬ!!まずは皆に詫びたい事が二つ!!オロチのバカに言いたき事が一つ!!!」

「!?」

 

「それを言うたら!!笑ってあの世へ参ろうぞ!!」

 

 

 

 

 




 何故にイチユリがイオリに闘志を燃やしているのか?

 頂上戦争と、その後エースと会った事に起因しています。
 要するに『嫉妬』の炎が燃えたのです。

「いや、だから!私はエースの事を何とも思ってないからね!」

「どーだかね!!エースが私を抱いた時、『イオリ』と言ったのを私は一生忘れない!!」
「!!?」

 えっ!?それって…

 私の責任(せい)では無いんじゃね?


 そーでした…
 こういう事って、理屈が通用しないのよねェ~

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