イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

372 / 385
原作95巻前半 ワノ国編第二幕完!!
あたりの話です。

どうぞ!









14-348話:カウントダウン!

「ダメです日和様!!おでん様の形見を手放すなど!!」

「…」

 

「私の父、光月おでんは…”大刀二刀流”の剣士でした。父が処刑される前に兄と私はその二本の刀を一振りずつ託されたのです!兄には『天羽々斬(あまのはばきり)』、私には『閻魔(えんま)』!!いずれもかつて、ワノ国で名を馳せた名工2人が打った由緒正しき刀です」

「だからこそ!ダメです姫!!助っ人の一人とは言え、こんな若造に!おでん様の刀を譲るなど!!」

 

「刀神リューマの刀『秋水』がどのような経緯であなたの手に渡ったのかは知りません。ですが、この国にとっては盗まれ、国中を悲しませた程の”神器”なのです!!『秋水』はこのまま、奉納しておいてください!!」

 

「ん~…、替わりをくれるってんなら、まあいいけどよ!それからな!リューマとは死体とはいえ一戦交えた仲だ!!後で墓参りくらいさせろ!!」

 

「何を言っとるんだ?コヤツ!!妄想が激しすぎないか?」

「あ~…うん!言ってる事は間違ってないんだけどね…!あとで説明するから、とりあえず納得して頂戴!!それから…!!『北の地』に日和を(かくま)う場所を用意したわ!日和は今からそこに向かってもらうから!!」

「え!!?」

「…」

 イオリは日和に小さく首を振った。ゾロは目を細めて思案顔になった。

 河松が来る前に、二人には間者(スパイ)の話をしておいた。今はまだ(・・)!そいつに日和の居場所を教える訳にはいかんのです!

 

「そちらまでは、私がお供します!!」

「「!!?」」

 

「また、おめェか!!」

「…」

 そこには、パンクハザードでゾロ達を翻弄し、ワノ国に入国する際にローの船に現れた黒装束の女の姿があった。

 

「イチユリ様に仕える者!『カザマ』と申します!!以後、お見知りおきを!!」

 カザマは河松と日和に向けて頭を垂れる。

 

「!!雷ぞうから聞いておったが…!おぬしがカザマか!!」

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

 ― 花の都 ―

 

「お前らの同盟は一体どうなったんだ?お前とキッド、アブーの3つの海賊団の」

「…おれ達はハメられたんだ…!スクラッチメン・アブーは元より…カイドウの傘下に入っていた。怪物カイドウはこう言った」

「…」

 

「『おれの部下になるのなら歓迎する』と…!奴は常に強い兵隊を欲してる…!!最強の軍隊を作るためにな!!あの場でおれの”勝利確率”は0% ”逃走成功率”0% ”服従生存率”40%! 選択の余地はない…!!だが…キッドとキラーは違った!立ち向かい、その場で動けなくなるまで戦い続けた…!カイドウはそういう奴らを殺そうとしない!何とか心を折り服従させようとする。」

「…」

 

「キッドが屈するとは思えん。つまり死ぬ!仲間達は『船長を救いたければ』と言われ、アレをやれ!コレをやれと…結果オロチに好き放題使われてる。『四皇』はおれ達とは別の生き物だ!!常識は通じない…!!ただ一人…!あの女刀工を除いては!!」

「イチユリ屋の事か…」

 

「そうだ!!ウソかまことか…オロチが言っていた!!あの女は素手で変身したカイドウと互角以上に闘うのだと!!」

「…」

 

「驚かないんだな…?ヤツの強さを知っているのか?」

「おれに質問するな!!」

「!!」

 

 ローが牢屋から出ると背後から人影が近づいた。

 

「…おれを逃がす事で”チャラ”になるらしいな?遠慮なく出て行かせてもらうぞ!!」

「…」

 ローが居た牢屋の中には、誰も居なかった(・・・・・)

 

 

 

  ~ 『鬼ヶ島』討ち入りまであと6日… ~

 

 

 

 ― とある場所 ―

 

「おトコ!!」

「あ!姉さん!!アハハハ!!」

 

「よかった無事で!!」

「見て見て!!父ちゃん!!」

 

「えっ!!?」

 

「まさか…!!日和ちゃんかい?こりゃぁ驚いた!!」

「や…康イエ様!!?一体これは…どういう事!!?」

 

「驚いたろう?実はワシも驚いた!ワハハハ!!」

 

 

 

  ~ 討ち入りまであと5日… ~

 

 

 

 ―「九里」編笠村 ―

 

「こちら錦えもん!お前達の手にある『判じ絵』に変更がある!”ハブの腹に線二本”!!これが康イエ様のメッセージ!!」

 

 ちなみに、ここにはおトコは居ない。かわりに?私がいるけどね!

 

『線二本!!…成程!!理解しやした!!』

「うむ」

 

『錦えもんかァ!?とりあえず目標の5千人乗れる船は用意した!!残りの船も全部キッチリ直してやる!スーパー任せとけ!!』

『任せろ~~~!!』

 

『線2本!?…ああ!!』

『さすがは康イエ様!!』

 

『なるほど了解だ!!』

 

 

「さすがね!ワノ国の人達には一発で伝わるんだ! ― で、どういう意味なの?『ハブ』に点々で『バブ』?」

 

  ― ガチャッ ―

 

 電伝虫を切って、錦えもんがナミの問いに答える。

 

「 ― これはワノ国の港の名を知らねば理解できぬ!始めはハブの絵にて ― 集合地『刃武港』を示した!そこに足を二対足してある!ワノ国の港には、それぞれ動物の様な名前がついている!ちと長いがハブに足を足したら”トカゲ”!兎丼にある『常影港』!集合地をコレに変える事で我らの討ち入りが勘の言い敵に、万が一にも邪魔されぬ様…康イエ殿は全ての状況を見通しあの時点で手を打ってくれたのだ!!」

「…」

 

「 ― すごい人ね…康イエさん…」

 ある意味、錦えもんも凄いけどね?

 敵を騙すためには味方から…とは言うけれど、自分まで騙して、より完璧に敵を騙してしまうとは!!

 (実は間違ってるだけですが…)

 

「最後の最後まで恩人の手を煩わせてしまった!!これに報いねば武士の恥!!」

 

「我らその昔…康イエ様に言われたな!」

「『お前たちはワノ国の』」

「『守り神となれ!!』…か」

 

「まだいくつかの問題はあれど…、皆の尽力で現状極めて理想的に兵力は増えている!!未だ『傳ジロー』の情報はないが光月の家臣も7人集えておる!!」

 

「大したもんだな!目標の五千人も夢じゃねェ!」

「ええ立派です!!」

 

「時間のムダだと!!」

「ああ始めよう!!作戦会議!!」

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

「おトコの事が心配でたまらないけど…河松!私はやはり、今みんなに会うのはやめておきます。”戦”を前に情は禁物…!!」

「!!」

「…」

 

 ~ 皆で力を合わせ『ワノ国』をどうかお守りくださいまし!! ~

 

 ~ 姫!!顔をお上げに!!” ~ 

 

 

 

「うおおおお!!」

「まことかァ~~~!!日和様は生きておられたのかァ!!!」

 

「しかも!!あのおテンバがそんなご丁寧な言葉を!!?成長されたものだ!!」

「河松!!おぬしが捕まっておった事から悪い想像をし、何も聞けなんだ…!!」

 

「今、どこに…!?護衛はいるのか!?」

「心配ない!!北に安全な場所がござる!!そこに向かわれた!!」

「とにかくよかった!!本当によかった!!」

 

「日和…」

「…」

 

「ゾロ十郎!!おぬしが助けてくれたのか?かたじけない!!日和はガサツだが本当は弱く、泣き虫で…」

「おいモモ!いつまで昔の気分でいるんだ?あっちはお前より18(・・)も年上だぞ!」

「あ!!え!?8歳(・・)年上のとびげり!!それはマズイ!」

 

「「?」」

 

「まさか!!あの時お前と一緒にいた美女が!!?」

「…」

 サンジが何故か、驚いたような顔でモモの助を見た

 

「モモの助くん何か欲しいものはないかね?」

「兄に媚びるなアホ」

 

「用意が出来たぞ!!本当に良いのだな?」

「ああ…!もう話はついている…!!」

 

「飛徹殿!これを先に!!ルフィ太郎さんが『兎丼』で没収されていた”二代鬼徹”」

「おお!すまんな!あのボーズ勝手に持ち出しおって」

 

「あのバカ!没収されたんかい!!」

 知っていたけど、実際に聞くと呆れてしまう。ホント、ところどころで約束破ってるじゃんよアイツはよォ!!

 

「わしは天狗山飛徹!!ワノ国の刀鍛冶である!!おぬしらのよく知るイチユリは、ワシの最後の弟子である!!― さて…20年 ― この刀をお二人に返納する日をお待ち申し上げておった!!」

 そう言って飛徹は大きな箱を開けた。中には白と黒の鞘に納められた2本の刀があった。

 

 しかしまぁ…なんでその事をイチユリに内緒にしてたんだろうかね?刀が奪われるとでも思ったのかな?

 確かに雲と海の奉納刀は、カイドウ達に盗まれたみたいだから、慎重になってたのかも知れないけども…

 

「おでん様のかつての愛刀!天をも切り落とす『天羽々斬』!!そして地獄の底まで切り伏せる『閻魔』!!いずれも『秋水』と同じ”大業物23工”に位列している!!」

 

「まるで…『雲』と『海』みてェだな…!」

「わしも…!イチユリが打った刀の(しつら)えをはじめて見た時そう思った!!あやつは知らぬ筈だが…!あるいはこの国から何かを感じ取ったのやも知れん…!!」

「…」

 

「モモの助様はいかが致しますか?わしの傑作!!」

「拙者、いや…!!せっしゃはまだ!!いましばらく預かっておいてくれ」

「?」

 

「 ― そして、その『閻魔』は…そなたのものだ!!」

「…」

「先に言っておくが、この国で『閻魔』を手なずけられた(・・・・・・・)のは!これまで『光月おでん』唯一人!!」

 

 ゾロが剣を抜く…

 

「…」

「そこらの木を一本、試し斬りしてみよ」

 

「ゾロ殿!拙者、優しさではっきり言うが、拙者なら…貰わぬ!!」

「?」

 

 ソロが剣を振るう!!

 

  ― ザン!! ―

 

 木ではなく大地が斬れた!!!

 

「「!!!」」

「え!!?」

 

 うおぉおぉぉ!!

 

「海岸が切れた!!」

 

「…!!」

 閻魔が黒刀と化し、ゾロの腕が黒く細くなっていた。

 

「ギャ―!ゾロ十郎の腕が!!」

 

「この…返せ!!」

 

  ― ボン!! ―

 

 閻魔の色とゾロの腕が元通りになった。

 

「ハァ…!!ハァ…」

 

「持ち主の”流桜”を勝手に放出し、必要以上に”斬る”!!それがその『閻魔』の力!!普通(なみ)の剣士ならおぬしは今、干からびて倒れておる所…!見事なり!!どうする?他の刀をやろうか?」

 

「いや、これを貰う!!!『閻魔』か…!!コイツに慣れた時…!おれはもっと強くなってるって事だろ?」

 

「呆れた男だ…カッパッパ!」

 

 

 

  ~ 討ち入りまであと3日… ~

 

「私が聞いた情報では『百獣海賊団』の兵力が約2万人!『将軍オロチ』の”行列”の人数は約1万人!つまり当日『鬼ヶ島』には約”3万人”の敵がいるという事になるわ」

 ロビンが言うが、その顔には余裕すら伺える。参戦しないまでも心強い味方が到着した故である。

 

「庶民を巻き込まぬ分、”地の利”も敵にあるど!屋敷図があってもな…!!」

 

「対する我々の数は今、ざっと4千人!!まァ全面戦争ではないにせよ…」

 錦えもんはチラリとイオリを見たが、すぐに視線を戻した。

 

 イチユリ殿から聞いた…

 

『イオリは”確実に勝つため”の策を携えてやって来るに違いない』

 と…!!

 

 しかし!!

 

 それをまだ聞いていない。それどころか錦えもんの立てた策にイオリは異論すら唱えていないのだ。自分の策が『確実に勝てる』もので無い事は、自分自身が一番よく分かっている。

 

 なのになぜ?

 

 

 そういえば…

 イチユリ殿はこうも言われていた!!

 

『この国の未来はこの国の者が考えるべきものだ』

 と…

 そういう事なのだろうか…?

 

 

 

  ~ 討ち入りまであと2日… ~

 

「ついたぞ!!」

「着いたでやんす!お師匠様~!!」

 

 チョッパーがお玉とルフィーを乗せて来た。

 

「おーい!!」

「チョッパー!ルフィ!!」

「お玉!!心配させおって!!」

 

 プルルルル!! ガチャ!!

 

『『錦えもん殿!!締めて200人追加でござんす!!』』

「まことか!!これで戦力は約4千200人!!しかし、ロー殿からまだ連絡が来ぬが…」

 

「まぁ、問題無いでしょ!」

 

「…都で捕まった者達はどうにも出来ぬらしい…あの中にこそ屈強な侍達がおるのだが…!!」

 

「イチユリが『おとり』だと思っておけって言ってたんだろ?」

「さようでござるが…」

 

「じゃあそっちも問題無いわよ!」

「…」

 

「皆の者ご苦労であった!!残る時間は移動と準備に使ってくれ!!約束の港で会おうぞ!!」

『『了解!!』』

 

「いい指示ね!!」

「「??」」

 

 

 

  ~ 討ち入り前日!! ~

 

「ではルフィ殿!拙者達は先に発つ!皆より早く着かねばならぬゆえ!」

「おう!!おれ達のサニー号はここの海岸だからな!見つかるなよ!!」

 

「当たり前でござる!ずっと張りつめておるわ!!おぬしらを頼りにしておる!!」

「そうしろ!まかせとけ!!」

 

「そういえば、イオリ殿の姿が見えぬが?」

「ん?なんだまたあいつ迷子にでもなったんじゃねぇか?」

 

「あんたじゃあるまいし…!あの娘はいつもの事だから心配無いと思うわ!!」

「さようでござるな!!」

 

「では港で!!」

「おう!!」

 

 さても粛々と歩き出す赤鞘の侍七人と忍一人・要人一人!まるで冬の霜の様に鳴く枯れた大地を踏みしめる。

 中天に太陽、煌々として雲やや怪しくも、二十年の時を超え主君の無念を討ち果たさんとする”亡霊”でなき

 九人の影をくっきりと映し出す

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

「ペドロとぺコムズにはいざと言う時の『パワー・ボール』を造って貰うから!!なるべく強力なヤツをね!!念の為、言っておくけど、あんた達は参戦しちゃダメだからね!!」

「何でだガオ!!」

 

 『パワー・ボール』はかなりの体力を使うんだよ?あんたらたぶん、3つくらいで限界だよ?

 まぁ、火祭りの日は満月だけどね!!

 

「カイドウが『ビッグ・マム海賊団』と手を組んだ!!」

「「!!?」」

 

「まさか!!四皇海賊団が2つも敵に!!?」

 

「大丈夫!!いざとなったら『リンリン』は、私がこの戦いから”切り離す”!!」

 原作でワノ国で戦ってたビッグ・マム海賊団はリンリンとペロスだけだったからね!!

 まぁ、リンリンはキッドとローが闘るだろうから、様子を見がてら…って感じかしら?

 四皇を倒す機会を奪ってなんだけど…

 

「「!!?」」

 

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 

「やっぱり、そうだったか…!!」

「はい!オロチの手に文がございました。場所の変更と彼女についての情報が…!!」

 イオリはカザマから報告を受けていた。

 

 しかし、ひでーなオロチ!いや、これは黒炭のあの2人の仕業と見るべきか?オロチも知らない事かもね?まぁ、それでもオロチは同罪だけどね!!

 

 

 さて…オロチはどう動くかな?

 

 

 

 




 ローがホーキンスに捕えられた理由!!

 それは、ホーキンスを捕える為でした。
 ローが仲間を助けに行くときに、イチユリが聞いたのはこの事です。


 イオリに収納貝を預けられたローは、ホーキンスを倒した後、海楼石の錠をつけ、収納貝(5cm)に入れました。
 ※大きくすると5mサイズなので人を入れるのは簡単なのです。

 あっ…!キラーの出番が無くなった!!?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。