この物語には、過去編『おでん』の話はありません。
原作そのまんまになっちゃうしね!!
…
あ~…そんな話もあったかも?(^^;
なので、その分原作飛びますんで、
95巻から96巻後半まであたりの話になります。
どうぞ!!
― わあぁあああぁぁああぁぁ… ―
― ここは『白舞』!『刃武港』 ―
「良き日である!!わしを祝福するような!快晴じゃ!!」
「何という宴日和!!」
「さすがオロチ様!!」
「ムハハハハ!!」
― わあぁあああぁぁああぁぁ… ―
「今回は狂死郎が都の留守番!!よきに伝えよ!!」
「はい!!」
「かわいそうに!!この宴に参加できんとは…」
ワノ国一広いこの港には、巨大な”
「オロチ将軍~~~!!」
「いってらっしゃいませ!!お気をつけて!!」
― わあぁあああぁぁああぁぁ… ―
「酒を持て!!このもみじで一盃いこう!!!」
「オロチ様!カイドウ様に会うまでは!!」
「構わん!!向こうも既に酔うておるわ!!!総勢三万の”大宴会”!!今年も盛り上がろうぞ!!」
年に一度 ― 『鬼ヶ島』にてワノ国を支配する両巨頭が顔を揃え ― 両軍総出の”大宴会”が開かれる
花の都でも『火祭り』の宴が始まっていた。
「…狂死郎が留守番ならば…!私も『鬼ヶ島』の宴に顔を出しても良かったかもな?」
「「!!?」」
「イチユリ様?」
突然現れたイチユリに、侍達は驚きの声を上げる。
錦えもんから彼女はどちらの味方でもないと聞かされていたからだ。
ただし…
久里城跡地を治め、おでんの墓守をしている事も広く知られており、ここに集まった者の中に、イチユリに対して悪い感情を持つ者はいなかった。
「ようやく見送りの者達が居なくなったな!!さて、はじめるとするか!」
そう言って、懐から取り出した小さな船を波止へと流し出す!!50隻を超える船が波止に散らばってゆく…
「これくらい広がれば良いか。…聞こえるか?イオリ!!」
『オッケー!解除!!』
電伝虫に向かってイチユリが声をかけると向こうからイオリの声がした。
そして…
― ザァッ!! ―
小さな船が一瞬で大きな船へと変わる!!見事な艦隊が姿を現していた。
「「「うおおぉ…!!」」」
「なんという便利な”妖術”!!船を集結させるだけでも困難かと思っていたが!!」
「出航準備をしよう!!時間は十分にある!!」
「イチユリ様!!昨夜は何やら騒がしかったようですが…!何かご存知ですか?」
「オロチの仕業だろうな。郷をつなぐ大橋を全て壊し、お前達が移動できないようにと動いていたようだぞ?」
「「えっ!??」」
「おれ達…昨日の明け方には白舞に入ってたからなァ…」
「2日前に移動を開始したのだから当然だろうな。それに、孤立させようとしていたのは兎丼のようだぞ?」
「「???」」
さて…!向こうはどうなるか?
~ ~ ~ ~ ~
兎丼の海は、驚くほどに荒れていた…
仲間の姿はどこにも見えず、港には攻撃の跡があり、壊れた船がいくつも見えた。
「とめてくださるな!モモの助様!!」
「……!!」
「やめてくれ!!これは自害だ!!!錦えもん!!カン十郎!!雷ぞう!!菊!!河松!!イヌアラシ!!アシュラ!!!とどまれ!!」
錦えもん達は小さな船に乗り込み、そして漕ぎ出す。
「諦めてはおりませぬ!!モモの助様!!少数なればこそ!!潜入し人知れずカイドウの首に刀を突き立てられましょう!!!命ある限り!!!諦めはしませぬ!!」
「…!!」
・・・・・・
― !!? ―
一瞬、錦えもんの表情が強張った。そして、船に乗る面々に視線を巡らせる。
「(これが…絵か!!?)」
「ウゥ…おかしいですよ…こんなの!!」
菊が嗚咽しながら抗議する。
「!」
「!!」
「作戦が漏れてるって事でしょう!?
「それがしも…いや、皆同じ事を考えていたはず!!」
カン十郎がそれに応える。
「……!!」
錦えもんは、言葉を発した二人に目を向ける。
「ココに来た者の中に内通者がいる…!!正直、もう
「!!」
「錦様!!あなたらしくないですよ!!内通者を見つけ!!斬り捨てて前へ進むあなたじゃなければ!!拙者達も前に進めません!!」
「…」
「菊の言う通りだ!!錦!!はっきりさせようぞ!!」
そういうカン十郎を、錦えもんは冷めた目で見つめた。
「お前が…!そうだという事を…か?」
「!!?」
「「!!?」」
「錦えもん!カン十郎がそうだというのか!!?」
「冗談はよせ!!我らは皆、釜茹でで処刑されるところだった…!!!」
「気づいていたのか、錦!!?」
「「!!?」」
「知ったのは…つい先ほどの事。この船に乗ってからだ!おぬしが
「なにを…」
突然、嵐が止んだ。
― !!? ―
雨も風もおさまり、海は凪の状態になっていた。
「何がどうなったというのだ!!?」
そして次の瞬間、船は港に戻っていた。
(一行はローの妖術だと思った。)
錦えもんは船に乗るカン十郎を斬りふせ、しのぶとモモの助の
その表情には疑惑と怒りと悲しみとが込められている…
― ガチャリ!! ―
「「!!?」」
「グゥッ!!」
その音に驚いてしのぶが振り返ると、そこには海楼石の錠を後ろ手につけられ、うずくまるカン十郎とイオリが居た。
「イオリ殿!!?」
原作で現れた敵船は、既にルフィ達に潰されている。
そりゃそうだ。
だって
※サニー号は既にフランキーによりメンテナンスされています。原作と異なり、海岸の岩場に隠していたのはレプリカです。
精霊の力を借りれば、嵐を凪に変える事など造作もない。
そして…!ルフィとローとキッドの船が現れた!!
メンバーも全員揃った事だし!!
「さて!それじゃあ種明かしをしましょうか!」
~ ~ ~ ~ ~
ここは…どこでござる?
真っ白な空間で、モモの助はキョロキョロと辺りを見回していた。
ここはね? 私の作った(仮想)空間よ!!
イオリ殿!!?
ホントはエイタが作った空間ですけども…
ティーチを閉じ込めたのとは別の仮想空間にモモの助を招待した。ちなみに時の精霊を使い、時間の流れも変えている。
今、私とモモの助の時間は、時の精霊の力によって通常の1/365で進む状態にある。
要するに、モモの助がイチユリと10年過ごした環境と同じである。
その空間で私は、モモの助にカン十郎の事を話した。およそ30分…
経過した時間としては5秒ほどだ。
モモの助はとてもつらい表情をしていた。そして何かを決心したように見えた。
~ ~ ~ ~ ~
兎丼の港に3隻の海賊船が止められていた。カザマによって船と乗組員を奪還してもらったキッドは、イチユリに感謝した。しかし、イチユリからはイオリの指示に従っただけだと聞かされ、(なぜイチユリがイオリに協力するのか疑問だったが、それは『蒼炎』がらみだと勝手に納得していた。)イオリに恩を感じていた。それゆえ、少なくともワノ国のイベントが終わるまでは、手を貸すつもりになっていた。
もっとも…
四皇を落とす事を諦めたわけではない。
カン十郎を取り囲むような形で全員が集まったところで、イオリはカン十郎が内通者であった事を明かした。
その理由…!彼が”黒炭カン十郎”だという事も…
「なぜ…わかった?」
カン十郎がイオリに問いかける。
「私のチカラを知らない訳じゃないでしょう?」
「しかし…!仲間の思考は読まないと!!」
「残念ながら、私はあなたを仲間と認定
「「「!!?」」」
「出会った者全ての思考を読む訳じゃないけど、私は一緒に行動する事になりそうな者は、最初に思考を読むようにしてるのよ!仲間や船を守る為には、相手の素性をある程度は知っておく必要があるからね!錦えもん達の思考も読ませてもらった!彼らは仲間と認定したけどあなたは違う!!もっとも…!あなたはずいぶんと特殊だったけどね?」
「「?」」
「内通者には違い無いけど、裏切り者じゃない!っていうのが非常に厄介だったわ!!」
「「!!?」」
「裏切り者ではない?イオリ殿!いったいどういう事でござるか!?」
「おぬしが居らねば…!オロチ様の策は成功していた!!」
いやいやいや!そもそもあんたら騙されてるからね?
まぁ、錦えもんは騙したつもりは無いでしょうけども…
「残念と思う?」
「…」
「安堵している
「拙者は…」
「
「…」
「「「?」」」
「そして…!それは、あなたの中でどれくらいの割合を占めてるの?」
「……」
「私は、あなたの中の大半を占めていると感じたけどね?」
「拙者は…!」
「オロチ
「拙者は…!!」
「”赤鞘”の存在が大きくなるにつれ、あなたは決断を迫られた!そしてその決断が現状を作り出した!!」
「イオリ殿!?いったい…何の話をしているのでござるか!?」
「辛かったでしょう?自分を切り捨てる事は…」
演じていたハズのその役は、いつしか自分と混じり合い、切り離せないモノとなっていた。黒炭と名乗っていなかった
まぁね…!!
おでんはたとえ、黒炭だとしてもカン十郎を召し抱えていただろうけど…
「「!!?」」
「何もかもお見通し…という訳ですか…」
「そうでもないわよ…」
「それで…拙者をどうされますか?」
「それは私が決める事じゃないわ。それよりも!!まずはあなたに、残酷な事実を伝えるとしましょうか!!」
「!!?」
・
・
・
「!!?」
「「!!!」」
「「なんだと!!?」」
赤鞘の侍たちが、怒りに声を震わせる!!
「何それ!!ヒドい!!」
「ふざけんな!!オロチ~!!!」
ナミもルフィも怒りの声を上げた。
カン十郎は呆然と立ち尽くしていた。
それもそのはず!自分を救ってくれたと思っていた恩人が、実は自分を不幸のどん底に陥れた張本人であったというのだから!!
まぁ、オロチ自身がそれを知ってたかどうかは定かではないけれど…
「不思議には思わなかった?”黒炭”を名乗る者がスキヤキ将軍の家臣になっていた事を!!」
「…」
「不思議には思わなかった?突然、田舎の芝居小屋に居たあなた達家族に、迫害の手が伸びた事を!!」
「……」
「不思議には思わなかった?迫害により死者が出た事はほとんどないのに、あなたの両親だけが殺された事を!!」
「………」
「すべては”黒炭”一族が、あなたの
「!!?」
あの二人が黒炭かどうかは怪しいけどね!黒炭にゆかりのある者、あるいはオロチの祖父を裏で操っていた者達なのかも知れないし…
「拙者に…
「さぁ、どうかしら?ヤツらが欲しかったのは若い手駒だっただけかも知れないもの…!!」
「カン十郎…」
仲間達が複雑な表情でカン十郎を見つめる…
「どのみちあなた達家族は利用されていたでしょうね…」
「…」
オロチ以外の仇はすでにカイドウに殺されている。マネマネの実もバリバリの実も次の能力者が現れている事から明らかだ。
すべてを仕組んだのがカイドウという事も考えられるが、アイツはそんな策は練らないだろう。ヤツ等の策を知った上で、利用したというのが本筋じゃないかしら?
もっとも…”利用した”者を黒幕と位置づける事も可能だが…
まぁ、カン十郎の事に関しては原作を見る限り、完全に預かり知らない事だろうけどね!!
「モモの助!あとはあなたにまかせるわ!!」
呆然とするカン十郎の前に、モモの助が進み出る。
「カン十郎!!拙者は…!先にイオリ殿から話を聞いておった!!提案がある!いや、拙者の願いである!!」
「?」
「『黒炭カン十郎』はオロチに騙され、今この場で死んだ!!これからは…!!『赤鞘のカン十郎』として生きてはくれまいか?」
「「!!?」」
「家臣として!!これまで通り光月家を…!いや、これからは…!
「!!?」
「拙者は…拙者はおでん様の仇の一人でもあるのですよ?」
「そうはいうけど、あなたがこれまで行って来た事は、オロチに対して情報を流していたのみ。私からすればそんなもんは裏切りでもなんでもないけどね?」
「「!!?」」
「イオリは相手の思考まで読めるからな!!」
ルフィが私の言葉をフォローしてくれた。(そんなつもりは無いんでしょうけど…)
本当は、裏切り以外の何物でもないけれど…
ただし、カン十郎に関しては完全にレアケースだ。情報を流していた事以外、カン十郎は家臣としておでんに、そしてモモの助に仕えていた。それは赤鞘の侍たちが一番良く知っている事!!何より、おでんと共に死する覚悟を持っていた事は事実!!たとえそれが
20年前…
おでんたちが敗北したのは、情報が漏れたからではなく、参謀が居なかったからだ!と、私は思っている。
決戦の場を鬼ヶ島に設定したのは良いとして、久里の者だけで仕掛けた事は愚策と思えたからだ!!
大名たちを束ねて
そもそもの話、オロチVSおでんの勝負はおでんが押していた。少なくとも二人の力は拮抗していたはず。
二人の勝負に水を差したのはオロチを裏で操ろうとしたあの二人!!
大名たちを束ねていれば、その邪魔が入る余地は無かっただろう!
もちろん、邪魔が入らぬ一騎打ちで、おでんが勝てた保証は無いけれど…
カン十郎が仲間に加わった!!
これでいろいろやれそうだ!!
うまくすれば、カン十郎を自分の配下だと思っているオロチは踊ってくれるだろう。場合によってはカイドウも!!
そしてそれは、カン十郎にとって、どれほど溜飲が下がる思いだろう?
さ~て!鬼ヶ島戦!!
どうしてやろうかな?
錦えもんに斬り伏せられた時のやり取りから、カン十郎は赤鞘の仲間達を大事に思っていたのでは?
原作を読んで、思った事をぶち込んでみました。
実際どうだか知らんけど…