イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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閑話:会長さんは…

 フアリが教えてくれた。ユナが私の分身だという事は、ずいぶん前にバレて(?)いたらしい。

 ユナのファンクラブの会長さんは五老星の一人との事。しかも全員会員だってさ。

 

「もうおかしくって私。あの場で笑い出さなかった自分を褒めてあげたいわ。彼らに随分長い年月仕えてるけど、あんな口調で喋るの初めて聞いたわ。愛されてるよね~、カノン様。」

「…」

 なんも言えんわ。

 

 ~ ~ ~ ~ ~

 

 それは、議題の合間の休憩時間(ティータイム)に起こった出来事だった。五老星の一人が封筒を開けてそれを読み、静かにうなずきため息を吐いた後に言葉を発した。

 

「なぜだ!?なぜ我々に黙っていた!!お前がユナ嬢のファンクラブ会長だという事は調べがついた。」

「「「なんだと!!?」」」

 4人の五老星が一人に詰め寄る。詰め寄られたのは、いつも刀を手にする頭を丸めた(?)老人だ。

 

「自分の時間を何に使おうが私の勝手だ!!」

「いくら経済が主にお前の担当とは言え…こういう事はちゃんと共有してもらわんと困る。」

 いや別に…それは共有しなくてもいいんじゃないかな?しかも経済担当とか関係ないし。

 ファンクラブは公認じゃないから仕事でもない。完全にプライベートでしょ?

 それとも、今は休憩時間だから、公務じゃなくて仲間としての発言って事なのかな?

 

「だいたい、一般企業の会長のファンクラブとかって何してんのお前?」

「べ、別にいいだろうが!ユナちゃんかわいいじゃん!まぁ、カノン様なんだから当然だがな!!」

「「!!?」」

「は!?何言ってんのお前!!」

 

「?…ユナちゃんは、カノン様の分身だぞ!」

 

「「……」」

「「「ええっ!!?」」」

 マジで!?ってか、あれはガセネタだと思ってたんだけど…

 

「お前らバカか?逆に知らんくせに会員になってるお前たちの方がビックリだよ!!」

「「!!?」」

 お互い、会員ってことは知らなかったみたいね。逆に会長さんのほうは全員が会員という事を知ってたわけだ。

 天竜人にも会員が多いとか聞いてたけどまさか五老星が全員って…。

 しかも4人はカノン様だと知らなかったみたいだし。

 まぁねェ…確かにあの娘かわいいし。私も会員だけどさ。

 でもなにこのやり取り。ってか”じゃん”とか言うの、聞いたことないんだけど?

 

「だってお前の言う通りかわいいじゃんか。でもそうだったのか!!カノン様なら納得だ!!」

 いや、ジジイども?何に納得してんだよ!!

 あ~、だからか。経済的に脅威だとか言っといて措置がゆるゆるだったのは、これが理由か。

 しかも分身と知られてないのにこの結果って…逆にすげぇなカノン様。

 

 その後、給仕の者が片づけにくるまでの間、5人はユナ嬢関連の自慢話や美辞麗句に花をさかせてひとしきり盛り上がった。

 そして…

 

「…さて、休憩時間は終わろうか」

「そうだな。議論すべきことは山のようにある」

「では、次は……」

 

 なんかもうね…厳粛さのかけらも感じないんですけど?

 

 

 

 




ビビとユナのファンクラブについて

 実は先に出来たのはユナのファンクラブ。
 それを知ったコブラ王が、ユナちゃんにあるならビビにもなくては!!
 と、自ら会長となり、ファンクラブを立ち上げた。
 当然ビビは公認しなかったが、ユナのファンクラブも非公認。
 コブラ王はご満悦だった。
 当初、ビビのほうが知名度は高く、会員数はユナのファンクラブを上回っていた。

 ちなみにコブラも、ユナのファンクラブの会員である。


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