イムの娘(いむのこ)   作:槙 秀人

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02-46話:連れ去られる

 私は、ルフィの冒険を、原作通りの日程で進める事を目標としている。

 なぜかというと、動いているのは自分たちだけでは無いからだ。

 だから、ルフィの船出も2月7日にしたし、シェルズタウンには日をまたいでから到着した。

 

 私が準備を手伝ったならば、ルフィの船出は半年ほど前になっていたと思う。

 だって、ルフィの誕生日は5月だよ?なんで船出が年をまたいじゃうかな?

 って思うじゃん?

 

 誕生日にはガープが来るので(私は姿を消していましたが…)、その時、出航する気配が感じられたら、ルフィは海兵にされていたと思う。

 この子はもともと、ガープに『海賊になる!』って宣言してたし、エースが海賊になっちゃったから、当然の対応だと言えるだろう。

 でもね、ルフィは一人で何かが出来るとは、思われてないみたい。本人も、一人じゃ何も出来ないって、胸を張ってたし…。

 

 今後の為に…と、ルフィに準備をさせてたら、結果的に年をまたいだ。さらに準備が2月7日に間に合わなそうになってから手伝いました。

 というか、そうなるだろうと思って、私は私で準備してました。

 

 という事で、今日は忙しいのです。

 今日というのは、シェルズタウンに到着した日。2月8日である。

 

 今日の予定はというと、

  ①シェルズタウンでモーガン撃破 & ゾロ仲間入り  完了済

  ②オレンジの町でナミとの再会 & バギー撃破

  ③珍獣島でガイモンと遭遇

 このような予定となっております。

 

 

 例によって、ルフィには明確な目的地がまだ無いので、航海士代理、兼、操舵手代理の私が進路を取っている。

 適当に船の行くまま気の向くまま、と言っているけど、実際にはオレンジの町に向かっている。

 

 海が荒れていないのがせめてもの救いだ。

 リカちゃんの家で、さんざん食っただろうに、ルフィは本日の3食目を食らっています。ゾロは酒を飲んでるし…

 もちろん、ルフィはミニ化した状態。まぁよく食べる事…。

 

 可能であれば、現在のゾロの実力を確認しておきたいところなんだけど、時間が無いのよね。

 船出前に1週間分(ルフィ換算)の食事を作って、収納貝に入れておいて本当によかったと思う。

 操船しながら、料理を作るなんてことは出来ません。だってこいつら、航海時には全く役に立たないんだもん。

 この二人に舵をまかせたら、どこへ行ってしまうやら…って感じだものね。

 

「イオリ、元の大きさに戻してくれ!」

「は?」

 急に何言い出すんだコイツは?と思ったけれど『早く早く』と急かされたので、私はルフィの縮小を解除した。

 

「解除」

 ルフィが元の大きさに戻り、すぐに手を空に伸ばし始めた。その先に見えるのは…

 

「!!?」

 大きな鳥がいた。ルフィはあれを捕まえて、鶏肉を食いたいって訳だ。

 いやいや、お前、今までミニ化してさんざん食ってたでしょうに、まだ食う気?

 それに私、今、調理する事できないわよ?あんたにキッチン使わせる気はないからね?船が燃えちゃうもの!!

 

 って、あれ、このシチュエーションって、まさか…!!?

 

「ゴムゴムの~ロケット!!」

 バピュン、とルフィは飛んでいき…咥えられた。鳥に。…って。

 

「「アホーーーーーーーーーー!!」」

 ゾロと私のツッコミが重なった。

 なんてこったい!これはあれだ!原作のあの場面だ!!

 

「たーすーけーてー!」

 飛ぶ鳥に連れ去られながら叫んでるもんだから、ルフィの声がドップラー効果を伴いどんどん遠ざかっていく。

 とりあえず、方角的にはあっているのでよかったけれど、ちゃんと食わせてるんだから、こういう事はしないでほしかったんだけどなぁ…。

 まぁね。コルボ山での生活は、基本的に狩って食うなので、こうなる事は致し方なしなんだけどさ。

 

 私たちの乗る船は、原作のボートと違い帆船なので、オールで漕ぐ事も出来るけど、風があれば漕ぐより風を受けて進む方が早い。

 今はいい風が吹いているので、風を受けて走る事にする。

 私はゾロに、舳先でルフィを目で追ってくれと頼んだ。けれど、むこうは飛んでるからね。どんどん引き離されているのは分かる。

 まぁ、覇気で追えているので、全く問題はないのだけれど…。

 

 あ~、そうすると、この先にバギーの手下がいるのかしら?

 

 少し先に3人ほどの気配がある。

 ボートだったら船に乗せて、奴らに漕がせるっていう事も考えられたけど、乗せてやってもなんにもメリットないのよねェ。

 むしろ海賊なんて船に乗せたら、デメリットしかない。めんどくさそうだし…

 

 それにさぁ…

 オレンジの町にはバギーが居るのよね?

 本日の予定で、バギー撃破って言ったけど、バギーが居るのよ。そう、バギー…

 

 なんかねェ…ベックマンさんの言葉がさ、『これから苦労するぞ?』って言葉がさ…

 今になって響いてくるわけさ。

 

 めんどくさそうな感じがヒシヒシと…

 だって、バギー(あいつ)って心狭そうだし…

 麦わら帽子見るだけでキレるし。

 髪伸ばしてるし、ちゃんと女性らしい体つきだから、大丈夫じゃないかなァ~ やっぱり、ダメかな?

 

 ()っちゃっていいんなら、別にどうでもいいんだけど、あいつ一応船長じゃん?

 そうすると、対戦するのはルフィになるじゃん。あいつ譲らないじゃん。

 やっぱめんどい。

 うわぁ…会いたくないわぁ…

 ナミだけ連れ出すって事をしちゃうと、オレンジの町が救われないしなぁ~

 

「おーい、そこの船!」

「止まってくれぇ!!」

 ちょっとトリップしてる間に、進路に溺れている男たちが視認できる距離まで近づいた。

 

 なんか私…本気でバギーと会いたくないんだけどなぁ…

 

 

 

 

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