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ゾロの傷には特に問題は無かった。当然だろう。ほんと、あっさり片づけたからね。
まぁ、普通は安静にしているべきケガだと思うけど、原作よりはましだと思う。
さて、問題は…ゾロをここに置いといて問題ないか?という事だ。能力者同士の戦いだからね。
まぁ、バギー玉はもう使えないだろうから、バギーに出来る事と言えば、バラバラになる事と、あとはナイフか…。
寝ているゾロを狙うというのも、手ではある。
バギーなら、ルフィと戦いながら、片手でゾロを捕まえて、人質にする事だって可能だろう。
とりあえず私は、ここで様子見か?
ルフィVSバギーの船長対決は、戦闘ではなく口合戦から始まった。
海図を寄越せ、と言ってもバギーが素直に渡してくれるわけもなく、ルフィのいつもの海賊王宣言も全否定。
怒るのはバギーの勝手なんだろうけど、それはそれとして…
バギーあんた、本気で世界の宝を手に出来るって思ってんの?
懸賞金、1500万程度でくすぶってる奴に、何ができるっていうのさ?
まぁ、前半の楽園ならば、なんとかなるかもしれないけど、後半の新世界はムリでしょうよ。
ちゃんと自分の実力を把握しないと、痛い目に合うよ?
そんな事を考えている間に、2人の戦闘は始まっていた。
「テメェのその麦わらを見てると、あのクソ生意気な赤髪の男を思い出すぜ…」
「クソ生意気な赤髪?」
ルフィ、何でそこで私を見るかな?
バギーの言ったのは、赤髪の男だぞ!わたしゃ女なんですけど?
そもそもおめェ… 私の事を”くそ生意気”とか思ってんのか?
「いや、麦わら……!? シャンクスのことか!?」
私がジト目で見ていると、ルフィはさっきのバギーのセリフにあったもう一つのキーワードに気付いたらしく、バギーに向き直った。
「知ってんのか、お前……今どこにいる?」
いやいや、ルフィ?私、あなたにウタとシャンクスに会った事、言ったわよね?
そもそも敵にそんな事を聞いてどうすんの?
「どこに? さぁな、知ってるといや知ってるし、知らんといえば全く知らん」
こいつもこいつで、謎かけみたいな回答しやがって…。
言いたい事はわかるけど、伝わる相手かどうかはちゃんと考えたほうがいいと思うわよ?
「何言ってんだ、お前。バカか?」
ね?こんな感じで返されるわけよ。
「誰がバカだ!! ……知っていたとしても、それをテメェに教えてやる義理は無ェ」
ジャキ、と両手に大量のナイフを構えるバギー。
「じゃあ、腕づくで聞いてやる!」
いやだから…別にソイツから聞き出さなくてもいいっちゅうの!!
ルフィに対してナイフという刃物を使う、バギーの選択は正しい。銃弾や砲撃すら防げるゴム人間も、斬撃は防げない。
その後しばらく続いたルフィとバギーの攻防は、ほぼ原作通り。
ルフィはゴムゴムの
違ったのはかわされた後のルフィの動き。建物に激突すること無くすぐにバギーに向き直る。
枷を付けているとはいえ、レベルアップしているルフィに原作ほどの隙はない。
「バラバラ砲っ!」
バギーがナイフを持った手をルフィに向かって飛ばす。ルフィは腕を受け止めた。けれど…
「切り離し!」
手首から先が更に切り離され、ルフィの頬と帽子の端を斬り付けた。
この辺が、ルフィの弱い所ね。止めるなら腕ではなく武器でしょうよ!
「この野郎!」
ルフィは怒り心頭だ。これまた原作通り…
でも、どうなんだろう?
戦闘の際、麦わら帽子を被っているのは正しいのだろうか?
私との訓練の時は外しているわよね?
そういえば、原作アーロン戦の時はナミに預けて?いたような…
もしかして…バギーを舐めているという事なのかしら?
「よくもこの帽子に傷を付けたな! これはおれの『宝』だ! 絶対に許さねぇぞ!!」
許さない、はいいけどさ。バギーの腕はまだ戻ってないんだけど?
「そんなに大事な帽子なら……ちゃんと守りやがれ!!」
バギーの腕がルフィの背後から襲い掛かった……帽子を狙って。
「!? 剃!」
だが、ルフィはそれを唯一体得している六式、剃で避けた。
「何!?」
消えたように見える高速移動にルフィを見失い、動揺するバギー。
「これはシャンクスとの誓いの帽子だ!」
ルフィが姿を見せたのは、案外私の近くだった。ルフィの言葉に、バギーが顔を顰めた。
「何だとぉ? ってこたぁ、それはシャンクスの帽子か!? 道理で見覚えがあると思ったぜ……!おれとあいつは昔、同じ海賊船で見習いをしていた。つまり、かつての同志ってわけだ」
ねぇそれ、そんなにあっさり言っちゃっていいの? 自分の経歴隠してるんじゃなかったっけ?
シャンクスは、元ロジャー海賊団クルーだと広く知られていますけど?
「シャンクスは偉大な男だ! お前と同志だと!」
原作でルフィがキレたのは、帽子にバギーがツバを吐きかけたからだ。そりゃキレるでしょう。
たぶん、私でもキレると思う。
けど今は、バギーがシャンクスを、かつての同志だと”言った”だけ。しかもそれは事実である。
なのに、なんでルフィはこんなにキレてるんだろう?
「一緒にするな!!」
ルフィは剃を使い、バギーが分解して避ける間もなく、強烈な蹴りをどてっ腹にお見舞いした。
「…………!!」
声も出ないほどの強烈な一撃に、変顔?で悶絶するバギー…。
ご愁傷様です。
「お前とシャンクスが同志だなんて、2度と言うな!」
どん、と宣言するルフィ。けど、バギーも負けてなかった……口だけは。
「テメェとあいつがどういう関係かは知らんがな!!おれが何をどう言おうがおれの勝手だ!」
まぁ、間違った主張ではない。むしろ正論だと言える。二人が同じ船で見習いをしてた同士なのは本当の事なんだし。
ユラリと立ち上がると、バギーは過去を思い出しているのか、まさしく憤怒の表情を浮かべた。
「おれはこの世で、あいつほど怒りを覚えたやつはいねぇ……あいつはこのおれから莫大な財宝を奪いやがったんだ!」
…えっと、バギー?何を言っているのかな?
あなたはこれまで何をしてきたの?他人から財宝を奪ってきたのよね?
いるよね~…自分がするのはいいけれど、自分がされるとキレるヤツ…。
さすがモーガニアだわ。
そして、聞いてもいないのに語られ始めるバギーの過去…
長くなりそうなので、私は行動を開始した。
ゾロを小さくして手のひらに乗せ、隠れて戦いを見ているブードルさんの所に行って、ゾロを預けた。
続いてナミの所へと向かい、見つけた財宝を集めて小さくすると、ナミと一緒にブードルさんの所へ戻った。
私が戻ると、なぜかルフィが感心していた。
「へー、シャンクスが助けてくれたのか」
「おれが言いてェのはそこじゃねェよ!!」
バギーの昔話は終わっていたようだ。
まあ別に、そこまで興味がある話でもない。原作通りだろうし、別にどうでもいいじゃんね?
「あいつのお蔭でおれの人生計画は一気に狂った。だからおれはこのバラバラの能力で、地上のすべての財宝をおれのモノにしてやると決めたのさ!!」
いやだから…自分の実力をちゃんと把握した方がいいと思うよ?
原作では、バギーが財宝を盗んだナミを見つけて襲い掛かり、ルフィが残った下半身の股間に蹴りを入れるという流れ…
けれど、財宝は小さくして、しまってあるので、バギーは盗まれたことにも気づいていないだろう。
ルフィとバギーの戦闘は、今や膠着状態だ。
剃が使えるルフィに対し、明らかにバギーはスピードで劣る。バラバラのパターンも、既にルフィは回避できる状態だ。
反対にルフィも決定打に欠けている。月歩の使えないルフィにとって飛んでいるバギーは戦いづらい相手のようだ。足が飛べないという事にまだ気づいていない。
とりあえず、ブードルさんにずっと持っててもらうのもあれなので、ポーチから小さくしてある簡易ベットを取り出し、その上にゾロを置いて、ベットごと元の大きさに戻した。
このタイミングで財宝を元の大きさに戻したら、バギーが襲い掛かってくるのだろうか?
そういえば、海図を盗むタイミングが無いわね。
ぶっちゃけ、海図は必要ないと思ってるんだけど、
さて、どうしましょう?