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《!!》
そうね。ここはひとつ、お姉さんが一肌脱いであげましょう!
私が
私はフードを取って顔をさらすと、物陰からバギーの目に入る位置まで移動した。
「「!!?」」
麦わら帽子でキレてたじゃない?この顔ってどうよ?
私、バギーにキレられるのかな?
「なんだおめェのそのふざけた
ポロポロ… 目から涙がこぼれおちた。大泣き状態である。
「!!?」
「あんた何、女性を泣かせてんのよ!!」
「えっ…おれ?…だって…なんで? えぇっ!?」
ナミが叫ぶと、バギーがおろおろと狼狽えだした。
「知ってるわよ!!私、シャンクスに似てるものね! でも別に、ふざけてるわけじゃないもん!!いきなり顔の事をけなすなんてひどい!!」
ワーッと泣いて見せたら案の定、バギーはすごく落ち込んだ顔をした。
そして小さな声で『ごめんなさい。』と謝った。泣くのはズルいとも言っていたけれど…
「許してあげる。二度と顔の事は言わないでね?」
私は晴れやかな顔で言い切った。そうですよ?ウソ泣きですけど、何か?
「イオリ。あんた、なかなかやるじゃない!!」
「何を感心しとんじゃコラァ!!顔の事はもう言わねぇが、ハデにふざけたガキどもじゃねぇか!!」
いいねバギー!素直でいいじゃない!なんだか気に入っちゃった。
「ってか、おめェ、イオリって言うのか?」
「?」
よくわからないけど、バギーの声が上ずっているような感じを受ける。
疑問に思ってバギーをよく見てみると…
あれあれ、鼻に負けないくらい顔が赤くなってますけど?
これはあれか?私が女だからか?
もしかして『憎さ余って可愛さ100倍』とかってやつ?
「そうよ、私はイオリ。コイツの船で副船長をしてるの。」
「あの……」
「「??」」
「…サイン…ください!!」
「「はぁ?」」
声を上げたのは、私ではなく、ナミとプードルさんでした。
私は声も出ませんわ。
バギーの上半身が私の所へ飛んできて、差し出されたのはかなり読み込んだ感じの、船で見つけた物とはまた違う、販売された官〇小説だった。てかお前、〇能小説ばっか持ってんじゃねぇよ!!
でも、あ~、なる!!
あの限定100冊の本には、私の写真が載ってるんだった!!
要するに、バギーは私のファンだという事か?
だったら顔見てキレてんじゃねぇよ!!
ってか、それってマズくない?
天竜人限定だから安心してたけど、転売される事なんて考えてなかったわ!!
もしかして、手配書の写真はあれが使われちゃうんじゃ?
いやいや、そもそもあの写真はだいぶ前の物。それこそルフィが私の事を『ちびシャンクス』って言ってた頃の写真だから、使われることは無い…と思いたい!!
「はぅっ!?」
突然、バギーが声を上げたかと思うと、その顔が苦痛に歪む。それもそのはず。置き去りにしていた下半身に、ルフィの急所攻撃が炸裂していた。
信じらんねぇ…。バギーは私を攻撃したわけじゃないのに?
「お前の相手はまだおれだ!!」
いや、そうだろうけどね?
でも、バギー。ゴメンなさいね?私も今、あなたの懐から海図をスらせて頂きました。
縮小したのでバギーは気づいてもいない。
さすがにかわいそうなので、サインと握手はしてあげた。
苦悶の表情ながら、バギーは微笑んで見せてくれた。そして…
ルフィが腕を伸ばして、剃でバギーのすぐ近くまで移動した。
「どけ、イオリ!!」
「!!?」
振り向いたバギーの目の前には腕を後方に伸ばしたルフィが居た。
私はすぐさまナミたちの所へと、ルフィと同じく剃で移動。途端にルフィがニヤリと笑う。
「吹き飛べ、バギー!!ゴムゴムの…」
「やめろあああああ~~~っ!!!」
「バズーカー!!!!」
ズドオォン!!!と効果音を上げ、バギーは叫びながら飛んでいった。下半身はそのままに…
「勝った!!」
ルフィが勝利宣言をした。ブードルさんは喜んで、ナミも安堵しているようだけど…
確かに、戦闘中に他の事に気を逸らしたバギーが悪いと思うわよ?
もともと私がおとりになって、私の顔を見てキレたバギーをルフィがやっつける。って構図を想定してたし、それはそのままハマったわけだから、いいんだけどね?
予想外の事が起こったけれど…。まさかバギーが私のファンとはね…。
いろんな意味であたしゃ罪悪感が満載だよ!!
まぁいいや。ルフィはゾロを起こしに行ったみたいだし、とりあえず後処理を済ますとしますかね。
「ブードルさん。これ、復興に使ってください。もともとこの町の財産でしょうし。」
私は小さくしていた、集められた財宝を元の大きさに戻して、ブードルさんに差し出した。
ナミが小さく溜息を吐くのが見えた。
「これを?わしらに…返してくれるというのか?」
「そうよ?だって、
「!!?なんと…懐かしい響きよ。まだそんな者がおったとは…」
説明の必要は無いみたいね。
「町長!!」
町の人たちがやって来たようだ。ブードルさんは気絶もケガもしていない。
みんなに無事を喜ばれているようだけど、事の顛末を話している雰囲気はなさそうだ。
ゾロが起きたようなので、私は簡易ベットを回収した。
後処理として忘れてはいけないのが、バギーの手下たち。
原作ではどうなっていたのか知らんけど、バギーがローグタウンに現れた事から、手下たちはここから脱出して、バギーを助けた事は疑いない。
だとすると…この町の人たちとやり合ったという事も考えられる。
バギー一人でこの町を襲ったわけではない以上、このまま放置しておく事は、この町に再び海賊の被害を出すことにもなりかねない。
なので私は、壊れた酒場の所まで行き、バギーの手下どもをたたき起こして港まで連れていく事にしたわけだ。
それを見ていた町の人たちは、私たちを助けに来てくれた者だと勘違いしたのか、お礼を言ってくれていた。
私はそのまま港に向かってしまったので見てないけれど、別の所で話をしていたルフィが海賊だと名乗った事で空気が一変。ゾロも一緒に走って逃げだしたらしい。
港へ向かう路地へと入るとシュシュが居て、町民たちを足止めしてくれたとの事。
そこは原作通りという事か。
バギーが飛ばされた方角を教えて、バギー一味を送り出した。ちなみにバギーの下半身も渡しましたよ? 戻ってこられても困るので…。
そして、私はこの後の為にと弁当を作りながら船で待っていた。
3人が走って来て、急いで出航するぞというけれど、後を追ってやって来たのはブードルさんを先頭にした町の人たち。どうやらブードルさんが事の顛末を説明して、誤解?を解いてくれたようだった。
シェルズタウンに続き、町の人たちに感謝されつつ、私たちは船を出したのだった。